一撃男が幻想入り   作:海棠

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三十八撃目-最強な男の意外な弱点/There is no fight sense.-

「よし、登り切ったぜ」

「速いですね、サイタマさん・・・」

「おじさんすご~い!」

「おにいさんすごい!」

サイタマは登り切った後、少し満足そうな顔をして立っていた。

そして少しした後、歩きだす。

3人もそれに続いた。

そしてしばらく歩いていると一人の女にであった。

その女は緑の服を着て腰には3本の刀を差していた。

見るからに剣士だとわかる。

「・・・やはりここにも来ると思いました。そこの外来人さん」

「俺?」

「ええ。あなたですよ」

その女はこちらに体を向けた。

 

「私の名は魂魄妖夢!貴様の名は何だ!」

 

「俺の名はサイタマ。趣味でプロヒーローをやっているものだ」

すると妖夢は刀を一つ引き抜くと投げてサイタマの目の前の地面に突き刺した。

「その刀を取ってください。私は公平に刀で戦うことを望みますので」

「いや、別にいいんだけど」

「私が罪悪感で自殺したくなりますので早くお願いします」

そういって妖夢は白楼剣を引き抜いて自分の首に剣先を向ける。

「わかったわかった」

そう言ってサイタマは地面に刺さった刀を引き抜く。

「・・・ところでさ」

「なんでしょう」

「これ本気でやるの?」

「私は本気ですが」

「そうか」

サイタマも刀を構える。

この時、鈴仙は何か違和感を感じた。

(あれ?あの剣の構え方・・・。サイタマさんってもしかして・・・)

「いざ!」

妖夢はそう叫ぶとサイタマに斬りかかった。

 

ギィィン

 

金属音が鳴り響く。サイタマが刀で妖夢の刀を防いだのだ。

そしてサイタマはすぐさま横ぶりする。

妖夢は難なく飛んでかわした。

そしてすぐに懐に入りこむと今度はサイタマの胴を突こうとする。

サイタマはそれを体をひねってよけると刀を妖夢に振り下ろす。

妖夢はそれを難なく受け止めるとすぐに距離をとる。

サイタマは追わなかった。少し鬱陶しそうな顔をしていた。

(サイタマさん、もしや・・・)

鈴仙の疑問は徐々に確信に変わっていく。

(武術、習ったことないんじゃ・・・?)

一方妖夢もそれにうすうす気づいていた。

(あの構え方に振り方・・・。どう考えても超ド素人のそれだ・・・。あれだったらすぐに殺めることも可能なはず・・・、しかし・・・、何故だ。何故、攻撃が当たらない!)

そしてサイタマも内心焦っていた。

(おいおい、俺剣とか振ったことねぇんだぞ・・・。畜生、これだったらバングから流水なんたら拳とか教えてもらうんだった・・・。・・・いや、あれは体術か。剣術じゃねぇな)

その時、鈴仙は叫んだ。

「サイタマさん!」

「なんだ?」

「あなた、武術とか習ったことありますか?!」

「ないな」

「やっぱりかぁああああああああ!!!!!!」

そうか、やっぱりそうだったか、と鈴仙は思った。

そもそも、サイタマは自分が強くなった秘訣についてこうとしか言わなかった。

 

 

①毎日、腕立て100回、スクワット100回、腹筋100回、マラソン10㎞欠かさず行うこと

②精神を鍛えるためにどんな日でも暖房器具や冷房器具を使わないこと(※本人によるとこれが一番精神的に堪えるらしい)

③朝昼晩の三食はきっちり食べること(※もし朝忙しかったらバナナだけでもよし)

 

 

この中に『武術』が全く含まれていないのだ(・・・・・・・・・・・)

つまり、そういう類は全く習得なんかしちゃあいない。

 

すべて己の超人的な瞬発力と破壊力、そして尋常じゃない耐久性によって戦っていたのだ。

 

よくそんなんで社会を生き残れたな、と鈴仙は改めて思った。

その時だった。

 

ギィィィィンッ

 

甲高い金属音が鳴り響いた。

 

 

サイタマの刀がへし折れたのだ。

 

 

「あ」

「あ」

「あ」

「あ」

妖夢は再び斬りかかった。

 

続く




次回!サイタマ、本領発揮か・・・?!
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