「そ、そもそもせいくりっどぎあ?ってなんなんですか?」
皆の視線が集まる中、一誠は緊張しすぎてガチガチになりつつも質問をする。
「簡単に言えば神様が人間にのみ与えた不思議な力って奴だな。神器は強い力を秘めているが...」
言いながら鞘に納められた高周波ブレードのみを手元に展開する。
「それが必ずしも良いものとは限らん。
俺のコレも神器だが、出来る事といえば敵を殺す事のみ。
お前にどんな神器が宿っているかは知らんが、その力を使う時は確固たる意志を持って使え。
意思無き力の行使は破壊しか生まない...気を付けろよ」
「...ああ」
一誠は俺の言葉に一瞬気圧されかけたが、天野夕麻をチラッと見ると言われた事を噛み締めるかのごとく深く頷いた。
「...すまんなグレモリーまた話を遮った。どうも友人の事となるとお節介気味になってしまってな」
「いいえ、貴方の言った事は大事な事だわ。
そして、その『力』で彼の窮地を救った貴方だからこそ言える事でもある...」
「窮地を救うという意味では君の方が適任ではあっただろう。
俺の場合は結局あの有様だったしな......まぁ今はそれはいい、本題へ戻ろう」
「そうね...イッセーまずはあなたが一番強いと思うものを想像しなさい」
「一番...強いと思うもの」
▽▲▽▲▽▲▽
最初に浮かんだのはライデンだった
俺は倒れて意識も朦朧としていたが、途切れる寸前に見たあの凄まじい掌底は俺の目に焼き付いていた。
それにライデンは力だけではなく、考えもしっかりしていて精神的にも強い。
だから俺は自信を持って答えよう。
「俺が強いと思うのはライデンです」
「...本気で言っているのか?」
「もちろん」
その問に胸を張って答えると、ライデンは顔の半分を手で覆い呆れた様に言った。
「俺のは殺す為の力であって、本来忌むべきものだ。
そんなものよりアニメ等のキャラクターの力とかにしておいた方がいい。
神器は持ち主の影響を受けて変化する。
俺みたいなのを参考にしても良い事は無いぞ」
「そんな事無いだろ。ライデンは夕麻ちゃんと俺を守ってくれた。
破壊する力だったとしても、それで何かを守れるっていういい見本じゃないか」
俺はライデンに助けて貰った事を感謝してるし、なれるんだったらライデンみたいになりたいと思ってる。
紛れも無い俺の本心。
「はぁ...お前がいいならもうそれでいいさ。
そう思っているなら俺の力の本質がどうあれ、俺の様にはならないだろう」
「決まったのね?なら、それをイメージしながらその中でも一番強いと思った技を真似てみなさい」
言われた様にあの時ライデンが放った掌底を思い出して足を大きく開く。
次に左手を大きく引いて構えっぽい姿勢を取り、虚空に向かって全力で左手の掌底を放つ。
「ハァッ!!」
▽▲▽▲▽▲▽
一誠が掌打を放った瞬間、突き出された一誠の左手が光ったかと思えば、赤い籠手の様な物が一誠の手を覆っていた。
「ほう、籠手か。
形状からして『龍の手〈トワイス・クリティカル〉』の様だな」
一誠は発現した自分の神器を見つめている。
「これが俺の神器...」
「そうだ、たしか能力は一度だけ力を倍にするだったか...駒八つにしては普通過ぎる気もするが...それも十分に強力な力だ。無闇矢鱈に振るうなよ?」
一誠は少しの間、自分の神器を見つめると視線をこちらに戻して深く頷いた。
▽▲▽▲▽▲▽
「たしか能力は一度だけ力を倍にするだったか......は普通過ぎる気もするが...それも十分に強力な力だ。無闇矢鱈に振るうなよ?」
途中声が小さくなって聞こえない部分もあったが、それでもライデンの言葉が重く俺にのしかかって来る。
強力な力の前に何も出来ないのはドーナシーク達に襲われた事で痛い程に分かった。
それを踏まえ、俺はライデンの言葉を噛み締めて深く頷いた。
▽▲▽▲▽▲▽
ふむ、あの様子だとしっかりと言った事は理解してくれた様だな。
「じゃあイッセー、神器はもう仕舞って大丈夫よ。本当はもっと早く話しておきたかったんだけど、私の眷属となった事でしなければならなくなった事と今後の...」
グレモリーよ、滅茶苦茶天野夕麻が睨んでいる事に頼むから気付いてくれ。
そんな事を考えていると、制服の袖をクイッと引かれたのでそちらへと視線を向ける。
「......ご、先輩ちょっとお話したい事があるんですが」
どうやら引っ張っていたのは塔城小猫の様だ。
「どうしたんだ?」
「......ここではちょっと」
なんだろうか?雰囲気的にこの前の件とは関係は無さそうだが。
まぁ、聞いてみれば分かる事か。
「分かった。祐斗すまんが塔城小猫借りていくぞ。
グレモリーの話が終わった時にでも言っておいてくれ」
「分かったよ。でも何の用なんだい?二人の接点が僕には分からないんだけど」
「さてな?俺にも分からん。兎も角頼んだぞ」
「分かった。折を見て伝えておくよ」
そう言い残し、俺は塔城小猫と共に部室を出た。
「さて、何処へ行く?今の時間だと人が全くいないのは屋上ぐらいのものだが」
「......じゃあ屋上に」
目的地を決め、俺達は無言で歩く。
白髪と銀髪のコンビが歩いているのは流石に目を引くらしく、すれ違う人達の視線が集まっているのが分かる。
祐斗も言っていたが、俺達の接点が見つからないというのも要因の一つだろう。
そして無言を貫き、屋上へ到達。
俺はとりあえずフェンス越しに屋上からの景色を眺めて気分を落ち着かせる。
夕日が綺麗だな...。
「で、話とは...」
俺はそう言って振り返り、言葉を失った。
「ねこ...耳?」
「......ご主人様ッ!」
「What!?」
美少女から猫耳が生えたと思ったら抱きつかれたなう。
「と、塔城小猫!?一体何をッ」
「......ご主人様の匂ぃ...でも、他の女のニオイもする」
「何を言っているんだ!?説明してくれ塔城小猫!!」
俺はあまりに意味不明な事態につい語気を強めて言ってしまう。
「......白」
「え?」
「......昔の様に白とは呼んで下さらないんですか?ご主人様」
久々に急展開らしい急展開が発生しましたね。
次回を書かなきゃいけないのでこのへんで、サラバ!!