雷電D×D   作:生麺です

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斬ノ弐拾弐 いい加減無理矢理にでも話を進めたい

前回に引き続き一誠とシスターを尾行していると、小さな公園へと差し掛かった。

どうやら公園内を通り抜ける様だ。

 

「遮蔽物が少なく隠れにくい、中に入るのは得策では無いな」

 

そう思い俺は2人が公園を抜けるまでは、遠くから見るだけにした。

 

2人が公園の真ん中辺りに到達した時、その近くで走り回っていた子供が転んでしまった。

それにここからだと詳しい事までは分からないが、どうやら転んだ時に怪我をしたようだ。

 

2人も気が付いた様だが、怪我の処置が出来る道具は流石に持っていないだろう。

バレるが仕方が無いと思いながらも公園内に入ろうとするが、それよりも早くシスターが子供に駆け寄り子供の怪我に手を翳した。

 

「何をする気だ...?」

 

俺はその不可解な行動に疑問を覚えたが、すぐに分かる事だろうと思い考えるよりも観察を優先する。

 

無いとは思うが、まさかシスターだからといって怪我した子供相手に祈り云々でどうにかしようとは思ってはいまい。

 

そんな事を考えていると、シスターの手のひらから光が溢れた。

 

光が傷口に触れると、瞬く間に傷は塞がり跡も残さず消えた。

 

「治癒魔法?.........いや、あれは魔法というよりは神器(セイクリッドギア)の類いか?」

 

そういえば旅をしていた時にどんな傷も治してしまう聖女がいるとかなんとか。

 

名前は確か......『アーシア・アルジェント』

 

しかしあのシスターがアーシア・アルジェントだとすれば、何故態々悪魔が多く住むこの土地に来たのだろうか?

 

あの身のこなしでは悪魔狩りというのは無理がある。

それに回復系の神器はレアだ。いくら教会の連中でもそれを戦闘員にするなどという巫山戯た判断はしない筈だ。

 

なら独断か?

何にせよ調べてみる必要がありそうだな。

 

調査ならウルフに任せたい所だが......加奈さんが家に来て以来、毎日会いには行っているがあいつ自身は外へ出られずに随分とストレスも溜まっていたみたいだし受けてくれるかどうか...。

 

「まぁ、いい。モノは試しだ」

 

意を決してウルフに電話をかける。

何故電話なのか?いや、外で一人で突っ立って喋ってたら変でしょうが。

 

『...どうした雷電、何か用か?』

 

ひとまず出てくれた事に安堵するが、電話口のウルフの声は重い。

 

「う、ウルフ........さん?いや、その〜お願いしたい事があってですね?」

 

『何でそんなによそよそしい喋り方なんだ。まぁいい、言ってみろ』

 

「えっと、調べて欲しい事があってですね?」

 

『......内容は』

 

あからさまに声が不機嫌そうになる。

 

「聖女アーシア・アルジェントについての詳細な『断る』......参考までに理由を教えてください」

 

『ずっと俺を地下に監禁しといて、いきなり見知らぬ女の事を調べろって言われて素直にOKすると思うか?

何はあったかは知らんが、気になった女の事ぐらい自分で調べろ』

 

ん?気になった女?

 

「......ちょっと待て。何か誤解してないか?

別に俺は今さっきアーシア・アルジェントらしき人物を見つけて、この町にいるのが何か変だと思ったから調べてもらおうと思っただけなんだが」

 

『.........』

「.........」

 

『で、俺はそいつの何を調べればいいんだ?』

 

「いや誤魔化されないからな?」

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

ひとまずウルフの協力は得られたが、おかしな茶番を繰り広げている間に肝心の2人を見失ってしまった。

 

「まずいな......えぇい、こう人通りが多いと神器(セイクリッドギア)を堂々と使うわけにもいかん」

 

どうする...バイザー無しじゃオーグメントモードもレーダー類も使えない。

 

「彼女が行きそうな場所......シスターなら、教会か?」

 

とりあえずはそれ以外に思い当たる様な場所も無い。

 

だがこの町の教会はかなり前から機能していない筈なので、いない可能性も十分にある。

 

「行ってみなければ分からんか。全く面倒な」

 

そう言いつつも、俺は端末で教会への最短ルートを調べて走り出した。

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

走ること数分、俺は教会の前にいた。

 

「あぁ、今になって自分の予想が間違っている気がしてきた......」

 

たしかに教会には着いた。

 

しかし、その教会はかなりボロボロでとても運営しているようには見えない。

 

ついでとばかりに一誠達の姿も見当たらない。

 

「......そもそもシスターだから教会に来るだろう、という考えはあまりにも安直過ぎた.........訳でも無さそうだな」

 

まだ大分遠いが一誠とシスターが歩いてくるのが見える。

どうやら無駄足にはならずに済んだ様だ。

 

「見つかる前に隠れるか.........ん?これは」

 

隠れ場所をさがしていると教会の扉が少しおかしいことに気が付いた。

 

この教会からは人の気配がしないのにも関わらず、扉には最近になって使用された痕跡があった。

それも短期間にかなりの頻度で使用されている様だ。

 

あのシスターがという可能性もあるが、態々旅行鞄を持って町をうろついたりはしないだろうという事で除外。

 

出入りしているのがシスターではないという事はつまり、第三者がこの教会に入り何かをしているという事になる。

 

迂闊に踏み入るわけにもいかん......今はウルフの情報を待つしかないか。

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