雷電D×D   作:生麺です

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激しいです。


斬ノ弐拾捌 激しい視点変更

ーーー万死に値します。

 

その一言で戦闘は開始された。

 

数だけは多い悪魔祓い共はフリードと俺を取り囲み、次から次へと襲い掛かってくる。

 

来た奴から順に斬っているが敵はまだ多勢いる。

そんな時、段々と近くに来ていたフリードと背中合わせの状態になった。

 

「雷電、貴方はドーナシークの所へ行ってください!

彼らは私が裁きます!!」

 

フリードはそれだけ言うと銃を連射しながら敵の群れに突貫。

ある程度距離を詰めると同時に剣も使い始め、確実に敵を仕留めていく。

 

ここは奴一人でも全く問題ないと判断し、行けという言葉に甘えて先へ進むことにする。

 

今回はドーナシークメインのつもりは無かったがまぁいい......殺るのはどうせ変わらないしなぁ?

 

「助かる!後ここに悪魔と後多分悪魔側の堕天使が来ると思うが敵じゃないから攻撃すんなよ!」

 

そう言いながら俺も眼前の敵を三人纏めて斬る。

横薙ぎに放った一閃は相手の胴を易々と斬り裂いて真っ二つにした。

 

上半身と下半身を切り離された死体から血やら臓物、ついでとばかりに斬られた胃から漏れ出た中身までが教会の床にぶちまけられる。

 

「了解...しましたぁ!!」

 

敵の攻撃をマトリックスの様にアクロバティックに躱しながらフリードは応えた。

 

それと同時にオーグメントモードを起動。バイザーが俺の顔を覆う。

水色に染まる視界の中、瞬間的にドーナシークの居場所を特定。更にそこへ繋がる道を探す。

 

「...見つけたッ!」

 

奥の台座の下に階段が隠されているのを発見。

 

俺は台座へ向かって走り出し、それを阻むように前へと躍り出て来る敵を走りながら斬り、そのままの勢いで台座すら叩き斬る。

 

半分になった台座の片割れを蹴り飛ばして退かし、即座に階段を降りる。

 

「ハハッ......待ってろよドーナシークッ!」

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

「行きましたか.........貴方達も運が悪い。

私が残っても、(雷電)が残っても待っているのは『死』のみ。

ですが神は寛大です。貴方達も裁かれる事で神に受け入れられる事でしょう。

ですから私が罰を与えましょう。裁きましょう。

神の名の元に貴方達を救済(ころ)しましょう」

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

悪魔に転生した事で向上した身体能力をフル稼働し、休み無く走り続けていると段々と教会が見えてきた。

 

それにつれて一緒に遊んだ時の楽しそうにしているアーシアの姿が脳裏をよぎる。

だが、それと同時に最悪の事態も想像してしまい、焦りが募る。

 

「クソッ!何でこんなに遠く感じるんだよ!!」

 

その焦りは悪態という形で外へ漏れ出てしまう。

 

「イッセー君!焦る気持ちも分かるけど、こういう時こそ冷静になるんだ」

 

俺の様子に気付いた木場がそう声を掛けてくる。

 

「そうは言ってもッ!...だって、アーシアが!!」

 

「だからこそだよ」

 

「でも、じゃあ!どうすればいいんだよ!!」

 

焦りでまともに思考が働かずに思わず怒鳴ってしまったが、木場はそれに対して深呼吸をして覚悟を決めた様な表情をするとこう言った。

 

「『強い意志を持って行動するのはいいが、焦りは禁物だ。

流石に切迫した状況下で焦るなとまでは言わんが最低限に抑えろ。

そして今やろうとしている事をどう成功させるかを考えろ』」

 

「え?」

 

「昨日の帰り際に雷電君に言われたんだ。

イッセー君が焦りや怒りで暴発しかねないと思ったら伝えてくれって」

 

「ライデンのヤツ、何でもお見通しかよ」

 

聞かされたその内容に俺は皮肉っぽく言ってしまうが、内心では親友の心強いその言葉と通りに焦りや怒りを一旦収める。

 

ライデンの言葉のおかげだろうか、自分の感情の制御を意図してやった事なんてないのにも関わらず、今この時だけは思っていた以上にすんなりと上手くいった。

 

「どうやら雷電君のアドバイスは今のイッセー君にはピッタリだったみたいだね」

 

「ああ、助かったぜ木場」

 

「お礼なら全部終わった後に、直接雷電君に言いなよ」

 

「......あと少しで教会です」

 

木場との会話に集中していて気が付かなかったが、小猫ちゃんの言葉でもうかなり近くまで来ていたことに気が付いた。

 

「......っ!!ご主人様の匂いッ!?」

 

「ちょっ!小猫ちゃん?!」

 

後もう少しで教会の全体が伺えそうな位置に来た所で、小猫ちゃんがいきなり何か言いながら走る速度を上げた。

 

「どうしちゃったんだ一体!?」

 

「分からないけど僕らも急ごう!」

 

俺と木場もスピードを上げ、小猫ちゃんを追い掛ける。

 

既に近くまで来ていたこともあり、教会には直ぐに着いたが俺達二人はそこで衝撃的な物を目にした。

 

「扉が......切れてる?」

 

そう、数日前にアーシアを送り届けた時には健在だった大きな扉が斜めに切断されて壊れていた。

 

「切れていると言うよりは、斬らているが適切かな。

多分これは雷電君だ」

 

「なんだって?」

 

「この恐ろしく綺麗な切断面はほぼ間違いなく彼だと思う」

 

木場はそういいながら扉の断面を観察している。

 

「でも、だとしたら何であいつがここに?」

 

「分からない。ありえそうなのは部長が連絡してくれたって事なんだろうけど」

 

「でも部長は敵なのは分かってても上に確認を取ってからじゃないと動けないって......」

 

「だからこそだよ。雷電君は実質どこにも属していないからね。

そんな事より急ごう!イッセー君感じているとは思うけど、中から濃い血の臭いがする」

 

「あぁ...一体ここで何が起こってるっていうんだ」

 

「急いだ方が良さそうだね」

 

そして、俺達は教会に足を踏み入れる。

 

 

▽▲▽少し前の出来事▽▲▽

 

 

私は結構なスピードを出しながら空を飛び、らいくんの気配を追っていた。

 

「浮気だったらお姉さん許さないんだからね!」

 

若干の茶目っ気も含めつつ、そんな事を言いながら進む。

 

「あ、止まった。目的地に着いたみたいね。

なら後はそこまで行くのみ!!」

 

そう意気込んで、私はさらに速度を上げる。

段々と近くなって来ると、らいくんの気配がかなり鋭いものとなっていることに気が付いた。

 

私はそれを不審に思い、正確な居場所を探った。

 

「まさか、ここって!?」

 

らいくんのいる建物、それは教会だった。

ただ教会にいるだけならあまり問題は無かったかもしれない、しかしその教会には堕天使が、はぐれ悪魔祓いが、そして何よりもドーナシークがいた。

 

「らいくん!!」

 

それがわかった瞬間、私は全速力で教会に向けて飛んだ。

 

らいくんが戦う力を持っているのは知っている。

でも、私はそれがどの程度のものなのかを知らない。

 

...考えたくも無いけれど、もしもその力がドーナシークに劣っていた場合、らいくんが殺されてしまうかもしれない。

 

「ダメッ!そんなの絶対に嫌!!」

 

心が、不安や焦りで一杯になる。

 

そんな状態で冷静さなど保てる訳も無く、私はただらいくんの無事を祈りながら飛ぶ。

 

速度だけは馬鹿みたいに出ていた様で、教会には一分もせずに着いた。

 

「らいくん!!」

 

私は切断されていた扉が少し気になったが、無視して中に駆け込む。

 

「おや?貴方が雷電の言っていた方ですかね?

彼は下ですよ。あの階段から降りられます」

 

中では何故か、悪魔祓い同士の戦いが繰り広げられていた。

唖然としていると、銀髪の悪魔祓いが戦闘中にも関わらず余裕を見せながら奥の壊れた台座を指さした。

 

「ッ!!」

 

私は反射的にそこへ走っていた。

 

銀髪の悪魔祓いを攻撃していた悪魔祓いの一部が私を行かせまいとして来るが関係無い。

 

「邪魔よ!!」

 

一瞬で手元に光の槍を展開してすれ違いざまに首を刎ねる。

 

死体には目もくれずに私は階段へ飛び込み、駆け下りた。

 

ただ、らいくんの事だけを考えて。

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

「.........来たか」

 

暗闇の中で男...ドーナシークがそう言った。

 

「ああ、お前を斬りにな」

 

すかさずそう返す。

 

「ほぅ?俺はてっきりこの娘を救出しにきたのかと思ったんだがなぁ?」

 

「勿論それもあるさ。ただ、お前を殺せばどちらにしろ同じ事だ...」

 

俺はブレードの(きっさき)をドーナシークに向けてそう言い放つ。

 

「くっ、ふはははははっ!!」

 

「何がおかしい」

 

「いやぁ?少しばかり遅かったと思ってなぁ......」

 

「一体どういう...まさか!?」

 

「フハハッ!そのまさかだよ間抜けぇ!!!儀式はとっくに終わってるのさァ!!!!」

 

奴が叫ぶと同時に、アーシア・アルジェントの神器と思しき物が彼女の体から抜け出る。

 

「貴様ァ!!」

 

神器を抜かれた者は死ぬ。

事実、アーシア・アルジェントはグッタリとしたまま動かない。

 

「おぉ怖い怖い。

そんなに怒るなって?たかが人間一人殺した位でさぁ?

お前だって知らない奴が殺された程度じゃ何も感じないタチだろう?

隠しても分かるんだよ、お前はそういう奴だってなァ!」

 

奴は言うだけ言ってゲラゲラと笑い続けている。

 

「........言いたい事は、それだけか?」

 

「あぁ?他に何かあると思ってんのか?」

 

「そうか、なら俺からも一つ言っておこう。

貴様が言った通り、俺は素知らぬ他人が何処で死のうと何も思わんさ」

 

そこまで言うと、奴はそれ見た事かと言わんばかりに気色の悪い笑みを浮かべる。

 

「だがな、彼女は俺の友人の友人だ。

関係性でいったら他人とはいえ、友人の友人が死ぬのなぞ......ましてや目の前で誰かが殺されそうになって黙っていられる程のクズに成り下がった覚えは無い!!!」

 

「ハッ、今更善人気取りか死神ぃ?」

 

「善人を気取りつもりなど毛頭無い!

俺はただ、貴様の様な奴が許せないから殺す。それだけだッ!!!」

 

いつぞや取り逃がした時の鬱憤もしっかり晴らさせてもらうとしようか......。

そんな事も考えながら両足に力を込め、走り出そうとした瞬間。

 

「らいくん!!」

 

この場で聞こえてくるはずの無い声が響いた。

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