雷電D×D   作:生麺です

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斬ノ参拾 戦いはまだ終わらない

「これ以上語る事も無いだろう。大人しく死んでおけ」

 

言うと同時に俺は光の槍片手に飛び掛かってくるドーナシークの脳天目掛け、ブレードを振り下ろした。

 

「アアァァアアア!!!!」

 

だが奴は、それを見たと同時に奇声を上げながら光の槍を地面に突き立てて無理矢理停止。

 

俺が振り下ろした刃は空を切り、その動作の間に奴は斬られて転がっていた自身の翼と腕を拾い上げた。

 

「ほぉ、特攻はブラフで、最初からそっちの回収が目的か」

 

「余裕ぶっこいてられんのも今の内だけだぜ死神野郎ォ!!

なんたってこっちにはあのシスターから抜いた神器があるんだからなぁッ!!!」

 

奴は下卑た笑い声を上げながら、アーシア・アルジェントから抜いた神器を使い腕と翼を繋ぎ治した。

 

「ハハッ!すごいねぇ!聖女様の神器ってヤツはさぁ!!!取れた腕すら元通りってねぇ?」

 

「ふむ、つまりはいくら斬っても元通りという事か」

 

「そういうこった!!絶望的な状況だなぁ?打つ手無しだよなぁ?

まぁ?俺は寛大な男だからよぉ......土下座して命乞いでもすりゃ許してやらん事もないぜ?

なんたって俺は至高の堕天使になる男だからなぁ!!器のでかさも並じゃないんだよ」

 

奴はそう言いながら治った腕と翼を見せつける様に動かす。

 

「......その割には治せる片腕と片翼を落とされた位で激怒するとは、器とやらもたかが知れているな」

 

「なんだとッ!!」

 

「俺が言っているのはそういう所だ。

貴様はそもそも短気すぎる。

至高の堕天使とやらが何かは知らんが、貴様では到底なれるとは思えんな」

 

「ふざけんじゃねぇ!!テメェに堕天使の何が分かる!!

俺はッ!絶対に至高の堕天使になって金も権力も手手に入れるんだよ!!!」

 

奴は叫びながら持ったままだった光の槍を投擲。

 

真っ直ぐに飛んでくるそれを難無く斬り捨てる。

 

「ふむ、貴様は何か勘違いをしている様だな。

俺は堕天使勢力からの依頼もよく受ける分、その内部構造もある程度は知っている。

それこそ、貴様の様な妙な勘違いをしている下っ端よりはな」

 

そう、俺は旅の過程で悪魔や堕天使、そして天使の勢力との関わりを持った事でそれぞれの組織形態もそこそこ理解している。

 

「だがな、”至高の堕天使”なんて(くらい)は聞いたことも無いし、そう呼ばれている奴も見た事が無い。

大方、出世欲にかられた下っ端の妄想が広がりでもしたんだろう。残念だったな」

 

「う、嘘だッ!デタラメに決まってる!

俺はその為に今までッ!!

アーシア・アルジェントの神器を奪う為に長い時間をかけて準備もした!!

なのに...至高の堕天使が妄想だと!?根も葉もない噂に過ぎないだと!?そんな事があってたまるかッ!!!」

 

「喚くな。

貴様が何を言おうと事実は変わらん」

 

「クソッ!クソッ!クソォッ!!」

 

「惨めだな.........俺が殺そうと思っていたが、丁度お前を倒す者が来た。

今回はアイツに譲るとしよう」

 

「何言ってんだテメェ?」

 

奴が疑問を口にした瞬間、彼等は来た。

 

「......ご主人様ッ!!」

 

「待ってって小猫ちゃん!」

 

「雷電君?」

 

若干締まらない感じではあったものの...。

 

「一誠......こいつがお前を倒す」

 

「え?なんでライデンがここにいるんだ!?

いや、そんな事はどうでもいいんだ!アーシアは!?アーシアは無事なのかライデン!!」

 

「......すまない」

 

俺はそう言ってアーシア・アルジェントが磔にされている方を向く。

 

「嘘...だろ?アーシア、アーシアァァ!!!」

 

薄暗い室内に磔にされたまま動かないアーシア・アルジェントを見た一誠の叫びが響き渡る。

 

「俺が着いた時にはもう......目の前にいたのに儀式を阻止出来なかったッ」

 

「違う!ライデンが悪いんじゃない......悪いのはアイツだッ!!」

 

一誠が憎悪の篭った眼でドーナシークを睨み付けて言う。

 

「おいおい、誰かと思えばレイナーレ庇ったガキじゃねぇか!

あのまま死んだと思ってたが......まさか悪魔になってたとはなぁ」

 

「うるせぇ!お前アーシアに何しやがった!!!儀式って何の事だッ!!」

 

「イイねぇ!!その表情(かお)!怒りと憎しみに満ちてて最っ高だぜェッ!!!!!

あぁ...テメェのおかげで気分が良くなって来たし教えてやるよ。

そこの聖女さんは俺が神器を引っこ抜いたから死んじゃいましたぁ!!!」

 

「てめぇぇええええええッ!!!!」

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

「......せぇ!......シアに何......がった!!!」

 

声が聞こえる。

 

誰......イッセーさんに似てる?

 

「イイねぇ!!......お!怒りと憎しみに満ちてて最っ高だぜェッ!!!!!」

 

怒り?憎しみ?

 

何を言っているんでしょうか......。

 

寒い...体も全然動かない。

 

「......ましたぁ!!!」

 

「てめぇぇええええええ!!!!」

 

この声は......やっぱり

 

「......イッセーさん?」

 

 

▽▲▽▲▽▲▽

 

 

本来なら二度と声を発する事の無い筈のアーシア・アルジェントが、一誠の名を口にした。

 

「アーシアッ!?」

 

一誠が驚きその名を呼ぶ、それと同時に俺もアーシア・アルジェントを開放すべく飛び出す。

 

「おっと死神君!あの女にもう用はねぇが、タダでくれてやるつもりはねぇぜ!!!」

 

だが、それを阻む様にドーナシークが立ち塞がる。

 

しかし忘れるなよ?

 

今ここには俺以外もいるって事を。

 

「白ッ!!!」

 

「......ッ!!」

 

その名を呼んだ瞬間、視界の外から影が飛び出して奴の懐へ入り込みーーー

 

その小さな拳が、唸りを上げた。

 

「ガァッ!!?」

 

その一撃は奴を壁に叩き付けるに留まらず、周囲の壁すら粉砕し奴を大量の瓦礫に埋もれされた。




30話にもなってまだ一巻やってんのか俺はッ(*゚∀゚*)
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