俺は不思議な夢を見ていたんだ―――
荒野でただ俺独りたたずみ…足元には死体の山ができ、辺り一面を多い尽くすほどの武具が真っ赤に染まっていた。
俺自身の防具…そこまでお堅いものではなく籠手と脚にのみ鉄製の防具後は白が主体の黒いラインが入ったマントを羽織っただけのものも今では真っ赤に染まっていた。
その武具一つ一つに俺の感覚が宿った様に細部までしっかりと理解でき現在の強度、最適な使用方法まで自分の体の事より理解できた。
手にしていた武器…片手剣とは言い辛く大剣よりは細いそんな剣を片手に持って独り荒野に立っていた。
辺りに吹く風は血生臭い香と細かい砂や砕け小さくなった骨を運びながらサッと俺の頬を撫でた。
これが夢だと認識したときにはどうして自分がここにいて、寸前まで何をしていたのかがハッキリと分かっていた。
俺は一人の傭兵である国の戦争に多額の金を貰い参戦していた。
そこではまさに一騎当千の名に相応しく自前の武器…片手長剣を使いながら敵を切り裂き、殲滅していたかと思いきや倒した敵の武器…斧や弓などを奪い取ってはそれを使いこなし臨機応変、変幻自在に戦っていた。
一人、また一人と敵を切りつけるごとに心が凍りつき錆び付き何も感じなくなっていた。
この戦いが発端となり俺はこの国の御抱え傭兵となりいつしか民からは『英雄』や『救世主』、最もよく呼ばれていたのが『※※※※の守護神』だった。
だけど、御抱えの国で有名になり名を各国に轟かせるに連れて他国では『悪魔』、『魔王』、『破壊者』と貶し恐れられていった。
そんな日々は俺が自ら命を断つまでの間、約20年以上続いていた。
場面が代わり次に目を開けたときにはさっきまでの死体だらけの荒野ではなく、人一人としていないただただ広いだけの城にいた。
場面が変わる前と同じように記憶が流れ込んできていた。この場所は王都から西にかなり離れた山ノ上にあり一年中雪の降る人一人として近付かない地らしい。
この世界では俺は魔法使いとして存在しておりそのなかでも封印指定を受けるほどと当日最凶とまで言われた魔法使いらしい。
一度魔法を唱えれば火の魔法ならば辺りは火の海とかし、水の魔法ならば地は水に沈み、雷の魔法ならば遠方の地まで雷撃により炭となり、風の魔法ならば総てを暴風により吹き飛ばす、土は新たな山や平原を生み出し、聖なる光は人の傷を癒し、暗黒の闇はあらゆる物を破壊する。
その風貌から、人々は俺を【煉獄を司りし破壊者『獄王』】と呼び恐れた。
だから俺は俺自身の肉体を消滅させこの世界から姿を消した。
此処で俺は…『遠堂終夜』は目を覚ました。
睡魔を押し殺しながら終夜は一人学園に向かって歩いていた。
「(しかし、今日は変な夢を見たな…)」
辺りには人はあまりおらずどちらかと言うとこの時間に学生がいる方が少しおかしいのだ。
現在時刻は午前9時20分、当たり前だが大遅刻である。
「(今からでも学校休めねぁかなぁ~)」
彼には学園に嫌いなものが幾つかあるその一つが担任の横暴である。
遅刻してこようものなら問答無用で生活指導室に連れ込み延々と何時間も説教をしその間の授業は全て欠席扱いというかなり、生徒から嫌われている。
しかし、その熱血は本物で何人かの不良生徒はこの指導により真面目な優等生へ変わったらしい。
「(まあ、この遅刻は俺の自業自得だし、しゃぁないか…と、着いたな)」
これからの面倒ごとを考えながら歩いていると終夜の通う学園…『熾詩央学園』に着いた。
『熾詩央学園』、県内一の学園であり数々の大会や賞では必ずといって良いほど見るなである。
担任「なぁ、遠堂…なぜ遅刻した」
終夜「いや、なぜといわれても遅刻したものは遅刻したのですから他に説明の方法が見つかりませんが」
その学園の一階…デカデカと太い字で『生活指導室』と書かれた部屋のなかで終夜は担任の『武藤鉄心』と話していた。
担任「だがな、遅刻は遅刻だこれは内申に響くぞ?」
終夜「そんな脅し文句を言われたところで、俺には関係ありませんよ、既に一生涯遊べるだけの金は稼いでありますから」
担任「だがな…遠堂…」
終夜「俺のことを気にする前に俺以外のクラスの奴を気にしたらどうですか?では失礼します」
そうか締め括って終夜は部屋を出て自身のクラス…2年B組に向かった
教室のドアを開けると代々全員が教室内に居たが誰一人として終夜に話しかけようとするものはいない。
基本的に人から話しかけられない限りは話さないし、話したとしても口数が少ない終夜はその行動から周りの奴等から嫌煙されていた。
?「よ!!また、鉄心に連れ去られてたな」
そんな終夜に話しかけてくるやつもやはり少ないがいる。
その一人がこいつ…新大勇斗、運動神経抜群、成績優秀とかなり完璧超人だが他人からの行為に気がつかず無自覚にハーレムをきずいている。
?「あんた!!自分の行動で周りの人がどれ程迷惑してるか考えなさいよ!!」
キンキンやかましい声でやって来たのは新大勇斗のハーレム要員そのⅠ、島田美月
?「そうよ、貴方の生活態度には目を見張るものがあるわ」
次にやって来たのはハーレム要員その2このクラスの委員長…神無月美桜
?「え、えっと…遠堂くんはもう少し頑張った方が…えっと…」
おどおどして小動物みたいでうざったいのがハーレム要員その3…小野寺優
終夜「……なんか用か」
新大「おいおい!!冷たいなぁ同じクラスの仲間だろ?」
島田「そうよ!!あんた、いつもいつも先生やクラスの皆に迷惑かけて!!」
終夜「言っとくがお前達に迷惑をかけた覚えはこれっぽちも無いぞ」
神無月「迷惑をかけた覚えがないですって?何を言っているのかしら貴方は」
小野「い、言い過ぎだよ~」
島田と神無月がほざいていると他の奴等も同意なのか少し白い目で見てきた
終夜「なら、俺はお前達に俺から話しかけたことが一度でもあったか?それに俺と話したことがないやつなんてこのクラス内ならほぼ全員だろ?」
終夜が自傷ぎみに言うと皆黙ってしまった。
終夜「所詮その程度なんだよ、いくら新大がやれクラスメイトだやれ仲間だとかうざったいくらいの正義面掲げてたところで他の奴等は皆こうだ。表では仲良しグループみたいな事をしていたところで人の絆なんて所詮この程度だよ」
新大「だ、だけど…!?」
新大が何か言おうとしたその時、担任の武藤が入ってきた。
担任「おら、席に座れお前ら」
続々と席に座っていき終夜も席に着いたのを確認すると担任は出席を取り出した。
担任「よし、全員いるな、これから総合を…」
担任が喋り始めると急に窓と廊下から光が入ってこなくなり床が光始めた。
モブⅠ「な、なんだこれ!?」
モブⅡ「わかるかよ!!」
騒ぎ出すなか光はさらに強くなり遂に目を開けられなくなった。
そしてこの日、熾詩央学園2年B組総勢四十人が突然消失した