「…………」
後日、レイヴンは懲罰房にいた。というのもあの後に、織斑千冬やら、他の教師達に事情聴取を受けた後に、数日の謹慎処分を言い渡されていた。
「…………」
懲罰房には簡易ベッドを含めて、3畳ほどしかない為、殆どやることも無く、レイヴンは横になっている。ちなみに、氷漬けにさせられたわけだが、その後遺症は皆無であり、レイヴンはジェネレーションシステムとの交信を脳内で行っていた。と言うのもジェネレーションシステムの莫大なストレージの中に保存された亡国企業の全戦力という、たった6000TBしかないデータの観覧をしていただけなのだが。
「(亡国企業の戦力はすべて想定内。やはり核も所持済み、おそらくはロシアの冷戦の余剰分。弾頭にしているとなれば持ち運びは容易…………………殲滅戦のシミュレーションを開始、以後あらゆる条件を追加し、連続で行う。)」
そしてレイヴンの目の前に数十枚の空間投影ディスプレイを出現させる。そして、あらゆる場所、戦力の順番、作戦、制限時間。想定できる限りのすべての条件を次々に設定し演算していく。
「…………………」
ISを含む、あらゆる兵器が瞬時にハルファス、もしくはハルファスベーゼに撃墜されていく。VOTL戦闘機、戦闘ヘリ、既存のパワードスーツ、軍艦、そして亡国企業が強奪してきた各国のあらゆるIS。それら全てが撃墜され、さらには核でさえ発射前に阻止されている。そのディスプレイの中で必ず現れるのは、あの六人の偽りの学友達。そして、それらにいつも時間をかけさせられる。
「………シミュレーション終了。」
レイヴンが手を握りしめると、それに連動してディスプレイも消える。ちなみに一夏を含めたアリーナにいた全員は軽症程度の火傷で住んでいるため、全員揃って医務室にお世話になっている。
「…………………」
レイヴンは目を閉じる。そして頭にリンクスの声が響く。
『レイヴン、此方から話したいことが数件』
『了解した。此方も事案が数件ある』
『了解……通信終了……』
通信を終了させればそのまま、ゆっくりと目を閉じる。
「…選定完了…」
そう言って、レイヴンはジェネレーションシステムに電子報告書と意見書を送るのであった。
♢♢♢♢♢♢♢♢
『それじゃあ、僕たちと共に来てくれるかな?』
「うん…こんなところに、いるくらいなら…!」
『それは上々、歓迎するよ?新しい死神。』
ジェネレーションシステムの管理人格の一つ、財団。死神部隊と呼ばれる自身の直轄部隊を持つ彼だが、もう一つの役割がある。それがこう言った裏工作である。
『それじゃあ、ヴァーディクトデイの時まで腕を磨いて貰うよ。そして、その日は君の鍛え上げた腕を存分に振るうと良い。』
「はい、財団さん。」
『上司とはいえ、呼び捨てで構わないよ。言葉なんてものはいくらでも取り繕えるから僕は全く信用していないんだ。』
「はい…」
『それじゃあ、行こうか。期待しているよ。』
そうして、無人の武装ヘリに一人の水色髪の女子生徒が乗り込んでいった。