とある某所施設の地下。
「良い?M、そしてLでこの基地を襲撃、BT二号機"サイレント・ゼフィルスを奪う、良い?」
「了解」
「分かりきったことを何度もベラベラと喋るな」
ブロンドをカールさせた女性と向かい合うように二人の少女がブリーフィングを受けていた。
「テメェ…………スコールがてめぇらガキどもに教えてやってんだ!てめぇらは黙って従っとけ!」
そこに一人の女性が噛みつくように食ってかかる。
「抑えなさい、オータム。見っともないわよ?」
「けどよぉ…………」
「いいから、あなたが私を思ってくれているのは十分伝わったわ」
「スコール…………♪」
オータムと呼ばれた女性がスコールと呼ばれる女性になだめられると、オータムは借りてきた猫のように大人しくなり、ほおを赤く染めながらスコールにじゃれつく。
「ふん…………」
「…………出撃準備」
一人は場の空気に呆れて屋上へ、一人は純粋に武器整備のためにその場を後にした。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎
「くそっ!撃て!撃ちまくれ!」
その夜、とある研究所では真夜中にも関わらず、銃声が響いていた。
「遅いな」
玉が飛び交う中を悠々と歩いて、完全とは行かないまでも武装した兵士たちに向かっていく少女、バイザーで顔を隠しているため、表情は分からないが、少なくともその口元を笑っていた。
「死ね」
そして左手に握った拳銃の引き金を引き、次々と兵士たちの関節や眉間を撃ち抜いていく。
「がっ!?」
そして緩急をつけて二人残った兵士のうちの一人に接近し、首筋にナイフを突き刺し、そのまま喉笛を切り裂く。
「ベン!?このガキ!」
生き残った兵士が近くにあった鉄パイプで少女を殴打しにかかる。少女はバイザーの中で兵士を横目で睨みつけながら、右脇に拳銃の銃口を出し、男の頭部に狙いをつけた瞬間、男の頭が弾け飛ぶ。
「L、フォローが二秒遅い。」
「M…………そっち…………3秒早い」
「その程度対応しろ」
少女が顔を向ける先には、金髪の少女、手には四十センチ程の全長を持つ巨大な拳銃を片手で構えている。
「目標確認…………」
少女達の目の前には、蝶を模した機体。
「情報通りなら、これがサイレント・ゼフィルスか…………」
「速くする」
「言われなくても」
Mと呼ばれた少女がサイレント・ゼフィルスを装着する。
「…………これで…………ふふっ、待っていろ…………織斑一夏…………!」
「…………」
(…………ジェネレーションシステムに報告、予定日の変更を進言、後にレイヴンとの討論通信を予定、以後、任務を継続…………以上)
山猫の名を持つ少女の見定も静かに始まった。