IS 罰の記録   作:elf5242

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エピソード《L》2

「貴方が《L》?」

 

「…………何?」

 

非番、と言う名の拠点防衛のため自室で大人しく目を閉じジェネレーションシステムでヴァーディクトデイのシミュレーションを繰り返していたリンクス。そのリンクスの部屋に見慣れない女性が入ってくる。

 

「ふーん、基地の全員を叩き伏せたって言ってたけど…………見た目は普通ね」

 

「時間の無駄、用件あるならさっさと言う」

 

「…………態度と口は生意気のようね…………良いわ、演習場に来なさい。私が来たからにはこの基地で最強、何て言わせないから」

 

女が背を向けた瞬間、女性の視界は反転していた。

 

「無駄な時間使わせた、お返し」

 

リンクスは女性の背中を蹴り、自分の部屋から叩き出した。

 

 

 

♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

 

 

数時間後、リンクスは部隊長スコールに言われ、演習場に赴くと目の前には先ほど蹴りで部屋から叩き出した女性が額に青筋を立ててリンクスを睨んでいた。

 

「遅かったわね!」

 

女性は自身の専用機であろう機体を纏ってリンクスに指を向ける。

 

「負けたら私の使いパシリにしてやるから!馬車馬の様にこき使ってやる!」

 

「うるさい」

 

リンクスはすぐさまジェネレーションシステムにアクセスし、機体を電子データで取り寄せる。

 

「ジェネレーションシステムアクセス…………『フェニックス"ゼロ"』…………データインストール…………ターンアップ。」

 

リンクスは微かにそう呟くと、リンクスの前に電子データの膜が現れ、それはゆっくりとリンクスの方へ動いていく。リンクスは膜に向かって戸惑う事なく足を進める。そしてその膜を通り過ぎるとリンクスの姿はあっという間に機体に包まれる。

 

「ふん!そんな時代遅れの機体で何ができる?」

 

女性は展開したガトリング砲を向けると空転させ始める。後は引き金をもう一押しするだけで何時でも弾丸が発射できる。

 

「システムチェック…………オールグリーン…………システム…………起動。網膜投影開始…………。」

 

その間にリンクスは機体の各所が正常に稼動するかを確認。起動させ、インストールした機体"フェニックス・"ゼロ""の視界を自身の視界と同調させる。温度計、速度計、高度計、エネルギー残数、機体損傷状況などがリンクスの網膜に投影されていく。

 

「起動完了…………敵性反応確認、攻撃開始」

 

リンクスは女性に向けて、ウィングスラスターと一体化したビームライフルを向け、発射した。

 

 

 

♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

 

 

???side

 

私は演習場全体が見渡せる場所、要は管制室に当たる場所にいた。

 

「奴に専用機があるとは…………初耳だな…………」

 

今まで私とやる時は全く本気ではなかったという事か。だが、妙な展開方法だ。まるで身体そのものを機体に変換してる様な展開方法だ。

 

「フェニックス・ゼロ…………何も無い不死鳥、か。」

 

何も無いあいつには皮肉にしか思えなかった。部隊に入る直後は親も名前も人権もなかったらしいからな。

 

『起動完了…………敵性反応確認、攻撃開始』

 

その言葉と同時に、Lから光線が発射される。

 

「ビーム兵器か…………」

 

対峙している女は危な気にもそれを回避する。まあ、避けられる前提で撃ったのだから仕方ないといえば仕方ないのだろう。お返しとばかりに放たれたガトリングによる弾幕もまるで奴をすり抜けていくように素通りしていく。私との模擬戦で見せたあの動きだ。初見の奴なら亡霊と戦っているような錯覚を起こすであろうあの動き、未だに私もあれが攻略できない。

 

『クソッ!クソッ!』

 

ガトリングが弾切れになり、Lにそのガトリングを投げつける。Lは飛んできたガトリングをビームサーベルで薙ぎ払い、真っ二つにする。

 

『喰らえぇ!』

 

そして円柱状の非固定浮遊部位から大量のミサイルが放たれる。熱遊動式のそれは熱源と燃料が続く限りは半永久的に追い続ける。だが、それの隙間と隙間を縫うようにしてLは回避する。

 

『この!当たれ!当たりなさいよ!』

 

ミサイルが全弾回避された事に焦った女は、重機関銃二丁で必死に玉をばら撒いている。それすらも奴には一発たりとも掠らない。

 

『…………時間…………終わらせる』

 

Lはウィングスラスターを丸ごと女に向ける。その先には銃口。

 

『排除』

 

当然、放たれるのは4本のビーム。だが奴も腐っているとて亡国起業。四肢にそれらを掠らせてダメージを出来るだけ最小限に抑える。

が、この時に目を瞑ってしまったのがいけなかった。

 

『終わり』

 

目を開けた瞬間には女の目の前にはLがゼロ距離まで接近しており、ビームサーベルを振りかぶっている。そしてシールドも絶対防御も装甲も何もかもを貫いて女の下半身と上半身を両断する。

 

『戦闘終了…………』

 

Lは再び電子で出てきた膜をくぐると元の生身の状態に戻り、そして演習場を後にする。残ったのは、未だ直立したままの女の下半身と、醜く歪んだ顔のままの女の上半身だった。

 

 

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