新光暦238年4月9日午前8時30分 アークスシップ1番艦フェオ 原生生物研究所
「そろそろチビどもラッピーランドへ着いた頃かのぉ」
垣屋はチヒロの淹れたココアを飲みながら外の景色に目を移す
「ほんとガキどもがいなくなると静かになるねぇ」
「さてシンジュクちゃんよワシは一度リリーパへ行くつもりなんじゃが
付き合ってくれんかの」
「なんでリリーパへ行くんだい?」
「リリンパを家に送り届けるんじゃよ、いつまでもこのままじゃ帰すに帰せなくなるのぉ」
「チヒロさんが放さなくなるか・・・まぁあたしはいいけど」
「なら決まりじゃな、チヒロやリリンパを連れて来ておくれ」
垣屋はチヒロを呼ぶと奥から返事が来て走り回っているのかうれしそうに
リリンパを追いかけるチヒロの声が聞こえてくる、
母性本能が強いというか過剰なまでの彼女はリリンパにも情が移ったのだろう
そしてリリンパもそんなチヒロに心を開いているようだった、
チヒロは程なくするとリリンパを抱きながら戻ってきた
チヒロが作ったのだろう今までのボロボロの物とは別の柄の頭巾を被っている
「リリ?」
「家に帰るんじゃよお前の親も心配してるじゃろ?」
「ママにあいたいりり」
リリンパは垣屋に母親がいることを告げると垣屋と共にリリーパに戻る事に決めたようだ
「寂しいですけどお母さんのところが一番ですよね、リリンパちゃんまたね」
チヒロはリリンパをやさしく抱きしめて頬ずりをするとリリンパを床に下ろし
少し寂しそうな顔をしていたが母の元へ戻る事が一番であり
心の準備は済ましていたようであった、
そして垣屋にリリンパへのお土産を一緒に持って行って欲しいと頼むと
垣屋のアイテムパックにリリンパへのお土産を転送した、
お菓子にリリンパのために縫った大量の手製の頭巾、これまた彼女がもっとも好んだ
バナナチップの袋・・・
あまりに多く垣屋は若干驚いたがチヒロらしいとほほえましく荷物を受け取った、
「じゃあ行ってくるでよ、後は頼んだの」
「博士シンジュクさん行ってらっしゃいませ」
垣屋とシンジュクについてリリンパもよちよちと歩き出す、短い間であったが
かわいい家族がいた事は垣屋家の歴史に刻まれたのであった、
話は少し遡り
新光暦238年4月8日午前10時04分 アークスシップ1番艦フェオ ショップエリア展望台
相変わらず人気の少ない展望エリアへ4つの影が伸びる
「さぁて今日はゆっくりしよう、さすがにここの所出撃ばかりで疲れた・・・」
「さすがに出撃続きで疲れたわ今日はここでゆっくりミーティングで・・・」
次の瞬間余所見をしていたスゥに何か硬い物が当たりまったく気付いていなかったスゥは
床に尻餅をついた、
「いたたたた・・・・何?」
スゥは尻をさすりながら起き上がるとその塊は
「ごめんなさいっ!大丈夫ですか?」
スゥを気遣い身をかがめた
「気にしないで私も前を見てなかったんだし」
スゥはその塊が差し伸ばした手を取り起き上がると相手の顔を始めて見た、
声に独特のエコーがかかっていた上にやたらと硬い感触が伝わったので
キャストだろうとは思っていた、オレンヂ色と白のツートンカラーの
ランクスシリーズと呼ばれる防御面を重視したボディで主に軍部の装甲擲弾兵や
工兵、鉱山等の爆破作業員が好んで使う暑苦しくも重厚なボディである、
「あ・あの・・・・」
4人がオレンヂのキャストの女性を怪訝な顔をして覗き込む、青いバイザーで
隠れてはいるもののやさしい面持ちが安心感を与えてくれる
「皆さんはもしかしてナベリウスの英雄アッシュさんと仲間たちですよねっ!」
「うん、確かにそうだけどなんで私たちを仲間たちってひとくくりにするわけ?」
「ごめんなさいっ!名前忘れちゃって・・・」
キャストの女性はヘルメットの上から頭をかいてばつが悪そうにしている
ひとくくりにされたルピカがふくれ面をしているからだ、
「あの、私フーリエと言います、先日リリーパの調査でダーカーに襲われまして
意識を失った後どうやらリリーパ族に救われたらしいんです
私会ってお礼が言いたいんですが一人では不安なので一緒に助けてくれた
リリーパ族を探して頂けないでしょうか」
アッシュはフーリエが話し終わるといつもの困っている人はほうって置けない癖が
頭をもたげ、ギリアム、スゥ、ルピカはまたか・・・という顔でそれに応えた、
「俺たちでよかったら構わないけど」
「ありがとうございます!」
フーリエはアッシュの快諾に満面の笑顔と小さく跳ねて喜びを表す、どうやら今までに
何人ものアークスに断られていたのが察せられた、
「でもどうやってその恩人見つけるの?リリーパ族見た目同じだし」
ルピカは面倒そうな顔でフーリエにたずねると彼女はアイテムパックから
一枚の茶色いボロ布を取り出した、
「うっくさい・・・」
「スゥ!」
アッシュにたしなめられスゥはフーリエにハンドサインでお詫びのポーズを取る
神経質な者には犬小屋で1年ほど使用した毛布のような熟成されたにおいはリリーパ族の
愛らしさを半減させるに充分であった、
「私が意識を取り戻した時に掴んでいたんです、この布の持ち主が恩人だと
思うんです」
「なるほどな・・・データスキャン・・・ゲノム情報取得・・・」
ギリアムは布をフーリエから借りると付着した毛と付着した油分から
着ていたリリーパ族のゲノム情報の採取を行った
「すごいすごい!これで見分ける事が出来るんですねっ!」
「さっすがギリアム頼りになるな!」
「へえーこういう方法があるんだ」
アッシュをはじめ一同ギリアムに関心するがギリアムは心の中で思った
「(おまえらこのくらい普通に気付け!・・・)」
しばらくしてギリアムはデータの取得を終えて皆に伝えた
「これで固体識別は問題ないだろう、後はフーリエさんどこで彼らに救われたのか
その地点は覚えていますか?」
「はい!その場所へは私が案内しますのでよろしくお願いします」
「じゃあフーリエさんいつ行くか・・・」
「すぐにでも行きたいです!」
「・・・っ・・・じゃあ明日だな、今日は準備もあるし」
アッシュはフーリエの前向きと言うのか前のめりな性格に戸惑いながらも
彼女の希望に沿う事として明日の出発に決めた、
そしてアッシュたちとフーリエは適度に開いたスペースで進行を温めるべく
軽食片手に雑談に花が咲いた、
新光暦238年4月9日午前4時10分 アークスシップ1番艦フェオ アークス宿舎
それぞれ別の自室で眠り睡眠がほとんどの不要なキャストのギリアム以外は
いまだ夢の中にいた、ナベリウスの面倒事からこのかたずっと休みなしの
出撃が続き疲れも手伝って心地よい眠りに落ちていた、
しかしその静寂が大音響と共に破られアッシュとスゥとルピカはそれぞれのベッドで
飛び起きる、
「うわっ!」「キャッ!」「ふぇぇっ!」
「おはようございます皆さんっ!今日も一日よろしくお願いします!」
フーリエからの目覚まし通信だ、前のめりで元気いっぱい、その溌剌さは生身の人間の
事等微塵も考えていないのだろう横溢した元気が疲れを癒す事を許さない、
「なによ・・・もう・・・」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛もっと寝させてよっ!」
「・・・・4時10分・・・」
3人はそれぞれの部屋で依頼を受けた事に後悔の念を感じていたが
彼女はそれだけ恩人を探したいと必死なのだろうと良い方向に考える努力をし
自動洗浄済みのそれぞれの服と装備を身にまといゲートへリアへと向かって行った、
「おはようございます皆さんっ!」
まるで遠足にでも行くようなはしゃぎようで睡眠妨害魔のフーリエは手を振る
眠い3人は力なく手を振り、ギリアムだけはいつものように冷静だ
クエストカウンターでレベッカに調査名目で惑星リリーパ行きの手配をしてもらい
キャンプシップに乗り込む、そしてキャンプシップ内部に据えつけられた
簡易寝台にアッシュとスゥとルピカはねそべりほど無くして寝息を立てて
夢の世界へと戻って行った、
「さすがナベリウスの英雄アッシュさんと仲間たちですね、余裕が伝わってきます!」
フーリエは関心していたがさすがにギリアムは突っ込まざるおえなかった
「アッシュたちはヒューマンとニューマンで私たちキャストと違い疲労するから
睡眠が必要だ、さすがに早く起こしすぎだと思うが・・・」
「あっそうでしたそうでした!たはは・・・またやっちゃいました、私って
キャストらしくないっていつも言われるんですよね」
フーリエはまた頭をかくと今度ばかりは3人が到着するまで邪魔はしなかった
4時間程の船旅で彼らは束の間の休息に入る、
新光暦238年4月9日午前7時57分
着地したキャンプシップのハッチが開き一行はまださして暑くない風を頬に受け
惑星リリーパ地表エリアに足を踏み出した、
場所はすでにフーリエがパイロットに指示をしたらくし彼女が介抱された後
ここでキャンプシップに回収された場所なのだと言う、
「じゃあ行こうか」
アッシュが皆に出発を促す少々不満げなスゥとルピカ、そしてすでに通信衛星から
周辺の上空図を転送してもらいリリーパ族の住んでいる地域のピックアップを
しているギリアムと同じメンバーであってもまったく行動がばらばらである
これはメンバーの絆の問題ではなくそれぞれの練度と戦いへの心持の違いであった、
しかしここからは戦場である、機甲種やダーカーがいつ襲ってくるとは限らない
気を引き締めなければ命を落とすかもしれないし
やはり遅くても日中までには探索を終えないと生身の体の3人には
命の危険も考えられる、
「あっ!」
皆が気を引き締めてかかろうとする時に迷惑オレンヂロボことフーリエが素っ頓狂な
声を上げる
「今度は何?」
ルピカは声と顔で不満げを表しフーリエに聞いた
「あわわわわ・出発報告を忘れていました、ええとあれと・・・これと・・・・」
フーリエは急ぎ出発報告を端末を取り出して打ち込むがキャストらしくなく
慌ててミスを連発している、そしてなんとか打ち込むと
「いけないいけない時間をうつの忘れてました、今何時でしたっけ?」
自分のからだに内蔵されている時計も見ずにアッシュの方を向きたずねる
「8時ちょうど」
アッシュは答えるとソードが事あらばすぐに抜けるよう背中越しに手を回して
確認するとスゥと横に並び前衛のラインを構築し前に歩いて行った、
砂漠は徐々に気温が上がり始める、放射冷却が終わり地表が熱を溜め込む番だ
周囲へのスキャンを行い敵への警戒とリリーパ族の痕跡を辿る、
途中ダカンクラーダ、エルアーダ等との遭遇はあったが対処を心得た
アッシュたちの敵ではなく闇雲に突っ込んだのも手伝い愚かで惨めな死が
与えられた、
黒煙を上げる機甲種の残骸に背を向け5人は進む
ギリアムの発案により個体識別でフーリエの恩人を特定は出来るものの
それは対面できる距離でなければならずけっきょくはその住処を探すために
歩き続けなければならない、
しかしリリーパは広く活動時間は限られている、彼らに足を止める余裕などないのだ、
新光暦238年4月9日午前10時07分
ひたすらにフーリエの恩人を探すため歩き続けるアッシュたちをよそに
正義に厳格な原生生物研究所の面々も惑星リリーパに降り立った、
場所は先日クロトとお子様たちが鍛錬と探索を行った坑道のすぐそばである、
リリンパはいつも感じていたリリーパの熱く乾いた空気を肺に思い切り吸い込み
家族に会えるという期待感から気持ちからか高揚感を感じられる、
「やっぱりふるさとが一番ってやつじゃな」
垣屋は小躍りするリリンパを目を細めながらながめているがその手は休める事無く
端末のセッティングの確認をしている、
「ふるさとねぇ・・・ほんとにそうかね、こいつら如何見てもこの環境に
適応出来てるように思えないしこんな環境で生きてて楽しいのかねぇ」
シンジュクの感想はまた違った、リリーパ族がなぜこの星にいて
不適合ながら行き続けていられるか、学者たちが解明しようとする疑問が
情緒より優先されているようであった、
「リリンパや、家のある方向はわかるかの?」
「わかるリリ!」
「じゃそこまで案内してくれるかの?」
垣屋はリリンパにやさしく問いかけリリンパが自分の家に自発的に向かうよう促した、
それは出来ることは自分でさせるという方針からであるが
垣屋は念押しで広域レーダーと予想される進行ルートにオパオパを偵察に出し
未然にダーカーがいないか警戒する事を忘れなかった、
この星の機甲種は偶発的な事故ではない限りリリーパ族には何故か手を出さない
しかし問題は地表部分を徐々に制圧しつつあるダーカーたちである
目の前にある命をただひたすらに狩り続ける事しか知らぬやつらには
リリーパ族であろうがアークスであろうが関係などないのだ、
「そんじゃ・行くかね」
泣き砂を踏みしめながら原生生物研究所の面々たちも目的地への一歩を踏み出した、
同じ頃一方のアッシュたちナベリウスノ英雄チームは・・・
「あづい・・・あづいよ、もう帰ろうよぉ」
チームの中で一番未熟でちょっぴりわがままなルピカの愚痴が延々と続く
砂漠が表土の大半を占めるリリーパでは日が昇ると同時に気温が上昇し始める
キャストであるギリアムやフーリエは表面に空気の揺らぎが生じているが
まったく意に介していないが生身の体であるアッシュ、スゥ、ルピカは徐々に
堪え始めているようであった、
「しゃべればしゃべるほど体の水分を損なうぞ、それと水のがぶ飲みはやめろ」
「分かってるわよ!」
ギリアムにたしなめられるが苛立ちからかきつい言葉でルピカは返す
もともと興奮しやすくわがまま放題に育てられたのも手伝い
他人や別のパーティーがうまく行かなかった彼女だが
忍耐強いギリアム、そしてどこか細かい所はどうでもよさげなアッシュの存在もあって
このパーティーに落ち着いてこそいるが彼女の心が落ち着くまでは
まだまだ精神修行と改善が必要であった、
道中遅い来る機甲種とダーカーとの戦い、そして他のリリーパ族が残した残骸やゴミ等から
恩人の特定を試みたりするものの思わしい手がかりは得られない、
原生生物研究所のそれとは違いこちら側には手がかりというものが希薄で
当て所ない旅という言葉がぴったりと来る、
「ひとまず活動の限度時間は12時、それで見つからなければ夜間か別の日に持ち越して
見つかるまで続けるしかないわね」
スゥも暑さのせいかややふらつき周囲への警戒がおろそかになり始めている
「ちょっと!こんな所に何度も来るなんていやよ!」
ルピカは再び苛立ちをあらわにするがスゥは予想済みで
「ルピカは次から来なくていいわよ、無理にとは言わないから」
「なんですって!」
ルピカは苛立ちからいきり立つが間にアッシュが割って入りふたりに目で訴えかけて
未然に喧嘩を防いだ、黙ってこそいるがそれぞれの性質を把握し
精一杯の事をする、弱い者は見捨てない誠実な若者それがアッシュである、
「あと2時間探索して見つからなければキャンプシップに戻ろう、フーリエさん
それでいいかい?」
「はい!すぐに見つからなくても私あきらめません!」
フーリエは素直で聞き分けの良い返事をしたがギリアムが銃をかなたへ向けて
構える音を聞き視線をそちらに向けた、
「地中から大きな反応がある、来るぞ!」
ギリアムが叫ぶと程なく地面が隆起し黒い触手が地面から這い出し
まっすぐに襲い掛かってくる
「グワナーダ、こんな時に面倒ね!」
スゥはワイヤードランスを構え気持ちを戦いへと切り替えた
格の低い個体であるが確実に体力を奪われている状態では油断のならない相手であり
一行は気を引き締め武器を構えた、
一方原生生物研究所の面々
「りりっりりっ!」
元気いっぱいに家路を急ぐリリンパに垣屋とシンジュクは速歩でついていく
「ほんとに元気だねぇうざいぐらいに・・・、足元に2.3発撃ち込んでやろうか」
「やめて差し上げろ、もうそんなに距離がないから我慢せぇ
帰ったら好きなだけアイス食わせてやっから」
「今食わせてくれよ」
「ここじゃアイスなんざ瞬殺よぉ、ほれ気温がそろそろ35度超える」
「ちっ!うぜぇなぁやっぱり2.3発ぶち込んで憂さ晴らしでもすっかぁ」
「じゃからやめてさしあげろって、な~んも悪い事してなかろうが」
そうこう二人が掛け合っているうちに日は徐々に真上へと上昇していき
シンジュクの装甲が徐々に熱を帯びアイディスプレイに表面温度の上昇の報告が
ポップアップされてくる
シンジュクはこの手のかわいいとか愛らしいとされる者に対して好意的な感情は
持っていないようであった、何が彼女をそうさせたのかはまたいつかの講釈、
「りりっ!りりっ!」
はしゃぐリリンパをふたりはそれぞれの感情を心に秘めながら眺めているが
ふいにはしゃいでいたリリンパが立ち止まり鼻をひくひくと動かして
何かを嗅ぎ取ったようだ
「りっ!りっ!」
何度も小さく跳ねて急ぐように二人をせかし同時にチヒロからの通信が入る
「博士勝手にナビゲートしてすいません、7kmほど先でなにかの爆発反応がありました
おそらくリリンパちゃんの集落の近くだと思います」
「そうかぁ~しゃあないのぉシンジュクちゃんよぉ急ぐかね」
「いい加減暑くなってきたけど源さん大丈夫なのかい?」
「まぁ・の、こう言う時に年だの何だの言ってられんじゃろが」
そう言うと垣屋は水を一口含むとリリンパの背中を引っ掴んで脇に抱え
走り出しシンジュクはホバーをふかしこみリリンパの集落へと走りだした、
一方ナベリウスの英雄アッシュたちはグワナーダをあいからわずのコンビネーションで
撃退はしたものの暑さが手伝い敵との戦いよりこちらで消耗したようだ
活動可能時間も推してきているそれはギリアム以外の生身の3人がよく理解していた、
周囲の警戒をギリアムとフーリエに任せて3人は背中に装着していたウォーターパックの
ストローを伸ばし水を口に運ぶ、
一息入って熱で景色が歪んだ周囲をながめようと視線を上げたと同時にギリアムが
全員に注意を促す、
「前方になにかの煙が見えるな・・・機甲種が破壊された黒煙か・・・いやこの数は何だ?」
「何かあったのか?」
アッシュがたずねる
「機甲種が何者かに破壊されているな・・・数十・・・いや百単位といったところか
ダーカーの反応がないようだが誰か先客がいるのか・・・」
「行ってみましょう!」
フーリエが言うとアッシュとスゥは再び前を見据え
「ちょっともう行くの!?もっと休憩したぁぁぁぁぁぁぁい!」
ルピカは暑さで頭をやられたのか実家でやさしいというより甘いだけのパパやママ
おじぃちゃんとおばあちゃんに接する地の態度が露呈している
そのみっともない有様はよくぞアークスになれたものだと感慨深げにさせるに
充分であった、
その愚かしく自己中心的な態度と顔に描かれた×印が絶妙なハーモニーをかもし出す、
「ならあなただけ休んでいていいわよ」
スゥはうんざりした面持ちでルピカに言い放つ
「分かったわよ行くわよもうっ!」
ルピカはロッドを砂に突き立てて顔を膨らせ立ち上がり
先にに前を歩き出したギリアムとフーリエを追った、