PSO2水滸伝傍ら(かたわら)の群星   作:垣屋越前守

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32.浮遊大陸へ

ややもすると気押しされそうな迫力のある女性であった、シェフと言うよりは

魚河岸の魚屋か板前か女ヤクザのようですらあった、

 

「はかせーこわいのじゃーかえるのじゃー」

 

臆病なところのあるスゥリンは帰りたがり垣屋の服を引っ張るが垣屋はスゥリンの

頭をぐりぐりと押して引き離そうとする、

 

「姉ちゃんわるいがのここにバド兄弟がおるはずなんだが知らんかね」

 

アイーダは少し不機嫌な様子を見せ

 

「なんだい冷やかしかい?あのビヤダルどもならここにいるけど何の用だい?」

 

「奴らに仕事の依頼じゃよ」

 

話し込んでいると奥からなにやらゴソゴソと音とそれに続き地鳴りのような

豪快な押し音が続く、そして厨房の入り口から大きな影がホールに伸び

影の主が姿を現した、

2mはゆうに超えているだろう太くて筋肉質の腕に立派な太鼓腹

剃り上げた頭に立派なカイザーひげを蓄え満面の笑顔をたたえている

 

「おおぉ~博士!博士じゃねぇかっ!久しぶりだなぁ~」

 

はげ頭の巨漢は垣屋に親しげに呼び掛けている、一見恐ろし気なだが

以外に笑顔が人懐っこく感じおびえ気味であったスゥリンも少しづつ

警戒心が解けているようであった、

 

「バド!元気にしとったかの」

 

「俺はワイザーだよ博士!兄貴なら奥だ、おーい兄貴ィィィィ

垣屋博士が来たぞ出てこいよぉぉぉぉぉ」

 

ワイザーが大声で呼ぶと奥から地鳴りのような足音と共に大きな黒い影がもう一つ、

そして出てきたのは全く容貌がおなじ巨漢であった、

 

 

【挿絵表示】

 

 

「博士か!何年ぶりだ!また会えてうれしぃぜぇ!」

 

「あいかわらず見た目が同じじゃの元気そうで何よりじゃ」

 

「俺たちは元気と食欲だけが取り柄だからよワーーーーッハッㇵッハ!」

 

体をのけぞらせ豪快に笑い飛ばすバドを見てパティもバドの真似をする

 

「私たちと同じ双子なんだ!双子双子!ワーハッハー」

 

「ちょっとパティちゃんやめてったら恥ずかしい」

 

「そうだなぁパティちゃんかよろしくな!双子同士仲良くやろうぜワッーハッハ」

 

パティとバドのおかげで雰囲気がなごんでくる

 

「んで博士何の用でこんな所まで来たんだ?」

 

「いやのここにいるチビどもが浮遊大陸に行く事になったんじゃがおめえらに

お守りと戦い方のコツってヤツを教えてやってほしいんだわ」

 

「なるほどなぁ~・・・しか・・・」

 

「まちな!」

 

バドが言い終わる前にアイーダが一喝し制止する

垣屋はアイーダに向かいたずねる

 

「なんかね姉ちゃん」

 

「このビヤダルども飲み食いのツケがたまってるんだ!

その分働いて返すまで逃がしゃしないよ!」

 

垣屋はまたかという笑顔を浮かべ言葉を続ける

 

「なんだおめぇら、まーたツケで飯食ってるんかよ、腹が減ったら遠慮せずに

うちに来いっつってんじゃろが、」

 

「でへへへへ・・・面目ねぇ」

 

ビヤダル兄弟は頭をかいている

 

「しかしよぉ昼飯時に客が全くいないんじゃいつになったらツケが払えるか

わからんぞ、そんなに客が寄り付かねえほどここの飯は不味いのかね」

 

「ヒャー博士お店のおばちゃんがおこるのじゃー」

 

スウリンが再びカタカタと震えだすアイーダの鋭い視線に恐怖しているのだ

 

「お嬢ちゃんあたしはまだ26だ!おばさんじゃないよ!つうかおっさん!

あたしの料理がマズイって言ったね!あたしはそんなモン出しゃしないよ

うまいかまずいかは食べてから言いな!」

 

アイーダの怒鳴り声に垣屋は多少面くらうがちょうど昼時であるし

お子様たちも空腹なのか集中力を欠きだらだらとしている

頃合いと見て垣屋はアイーダに言った、

 

「道理じゃな、じゃ・姉ちゃんのおすすめのヤツ人数分頼むわ

金はいくらかかっても構わんからよ」

 

「あいよ!久しぶりに腕が鳴るね!」

 

アイーダは厨房へと勇ましく歩いていくそしてまだ気恥ずかしそうにしている

ビヤダルたちに声を上げる

 

「いつまでだらだら突っ立ってるんだい!下ごしらえを手伝いな!

またつまみ食いしたら承知しないからね!」

 

「はいはいわかったよアイーダ、ワーハッハッハ・・・」

 

3人は押し合いへし合いしながら厨房へと戻って行った、

 

テーブルでぽつねんと料理を待つ垣屋とお子様たち、なにかの料理のにおいが

厨房から漂ってくるその香りは香ばしく空腹も手伝い

ねね、スゥリン、パティのとかくバカなお子様たちのボルテージが上がって

いくのが感じられた、ティアが垣屋に小声で話しかける

 

「あの博士・・・」

 

「ん?」

 

「私気になったんですけどこのレストランもう何日もお客さんが来てないんじゃ

ないでしょうか」

 

「さすがティアちゃんいい観察力じゃな、この客室に全く食い物の残り香がねえし

人が入った気配もねぇ、ワックスがけした床にあいつら以外の足跡が

付いてないからの、料理のにおいからしてそうマズイわけでもなさそうじゃ

なんか訳アリかもしれんのぉ」

 

「それに近くのお店・・・」

 

「人の気配がなかったのぉ、地上げか何かで追い出されたかかもしれんの

地上げならビヤダルとあの気の強いねーちゃんならうまくいかねぇだろうさ」

 

「お姉さんはともかくあの大きな人たちって役に立つんでしょうか?」

 

「ティアちゃん見た目で判断して甘く見ちゃいかんよ、バドとワイザー、あいつら

ああ見えて条件さえ整ってたらそれぞれが六芒の二マリアと互角かそれ以上の

実力だからの」

 

「えっ・・・そんなに・・・強いんですか!?あの人たち・・・」

 

「あいつら元々は非合法の地下剣闘士だったからの殺し合いの場数だけなら

レギアスやマリアらとそう変わらんし殺した人間の数なら若造のヒューイ

あたりとは比べ物にならん、

本気でやり合ったらワシでも勝てるかわからんしシンジュクちゃんやテツちゃんでも

どうじゃろな、じゃからおめぇらのお守りに白羽の矢をたてたんよ、

本当の殺し合いを戦い抜いてきたあいつらの戦いぶりよーく見とけよ」

 

「はい・・・あんなに陽気なんでパティちゃんみたいに何も考えてないかと」

 

「死線を二人で越えてきたからこそ・・・じゃろうな、単純に殺し合いの

実力だけでなくそんな環境に負けず前向きに生きてるその様もよく見とくんじゃ」

 

ティアは見た目だけで判断していた自分をはじて戒めようと心に刻んだ

 

「あいよお待たせっ!」

 

アイーダの気合の入った声にティアは驚くが彼女は気にも留めずテーブルに

自慢の腕を振るった料理を手早く並べていく

飴色をしたローストチキンにカントリー風のサラダとスープ

良いにおいと色鮮やかな料理にお子様たちは狂喜し手に手にフォークを持って

料理にかぶりつく

 

「こら!いただきますせんか!」

 

垣屋の声もお構いなしに料理をほおばり満足げな笑顔で声を上げる

 

「うまいのじゃ!」「なのじゃー!」「ずっごおいしいよこれっ!」

 

お子様たちの顔を見てアイーダのきつい顔がゆるんでほころぶ

根はやさしく心底から料理と人を愛しているのだろう、垣屋も口を運び

その味に満足する

 

「姉ちゃんすげぇな大したモンだ!うちのチヒロと甲乙つけがたいなこりゃ」

 

「へぇ~おっさんの所にも腕のいいのがいるのかい?一度味わってみたいもんだねぇ」

 

「なしてここまでうまくて値段も安いのに客がこんのじゃ?」

 

垣屋はメニューをパラパラめくりながらアイーダに問うとほころんでいた彼女の顔が曇った

 

「やっぱし訳アリか、ワシが何とかしてやるから話してみぃ」

 

垣屋がアイーダらに席をすすめ座るように促し一同は席を囲い話始めた

アイーダは唇をかみしめエプロンを握りながら身の上を話し始めた

 

アイーダは元々はアークスシップハガルで父がレストランを経営しその背中を見て

育ち年頃になると父と共にレストランの厨房で腕を振るっていた

しかしどこにも闇というものがあるものでオラクルの料理界にも

腐敗が存在する、ヴォイドやスペースマフィアがらみの第7オラクル闇料理会が存在し

その意向に従わなかったアイーダの父はハガルから追われ店を失い各地を放浪した挙句に

体を壊し死去、

彼女は父の遺志を継ごうと各地をさまよいながらやっとの事でこのファイアーウッドで

ビストロアイーダを作るもヴォイドやマフィアの下っ端らによる心無い中傷や嫌がらせ

来店しようとする客を暴力で追い返すために客が寄り付かず

苦しい日々を送っていたのであった、

そして嫌がらせは続きヴォイドとマフィアらによる嫌がらせの地上げが始まり

その場はここに偶然さまよいついたバド兄弟の力でマフィアを追い返す事ができたが

相手が兵糧攻めよろしくよけいに客が来ないよう圧力をかけ現在のような

有様になったのであった、

 

「卑怯なのじゃ!」「ひどいのじゃー」

 

食事に夢中だったお子様たちも事情を聴き憤慨し顔を紅潮させている

垣屋もあからさまに不快を露わにしていた、

 

「なるほどのぉ~ならば経済的にも苦しいじゃろしなにより誇りを踏みにじられて

さぞかしつらかったろうの」

 

アイーダはなぜか分からなかったが張りつめていた何かが切れたのだろう

目に涙が浮かびエプロンの上にぼろぼろと零れ落ちていく

 

「あたしはみんなに元気になってもらえる料理を作りたいだけなんだよ・・・

なんで・・・なんで料理を作らせてもらえないんだ・・・」

 

「だんなしゃまかわいそうなのじゃ助けてあげられないかや?」

 

ねねも目を潤ませもらい泣きしそうになりながら垣屋にすがった

 

「それを聞いたら黙っちゃおれんよな、アイーダちゃんよおめぇはこんな所で

埋もれちゃいかん、おめぇに才能があるのはこの飯でよーく分かった、

ここを捨てる覚悟があるならワシがどうにかしてやるがどうかね?」

 

「ありがとなおっさん・・・しかし赤字続きで借金とここの家賃も滞納しちまってるんだ

動きたくても動けないのさ・・・実は今ので食材も尽きちまったし仕入れる金もないんだよ

もう死ぬか体を売るしか・・・」

 

「なるほどのぉ~、んでいくら位あればそれが払えるんじゃ?」

 

アイーダは迷惑をかけられないというのを拒み垣屋と少しの間押し問答を続けたが

折れて借り入れた金額を告げた、

 

「なんじゃその程度かそれならほれ」

 

垣屋はアイーダの端末にお金を振り込む、入金のお知らせを涙を拭きながら目を通し

アイーダは驚き椅子から転げ落ちそうになった

 

「ダメだそんなのそれにこんなに!」

 

「ええんよ今の飯はそんくらいの価値があった、それで借金と家賃を今すぐ払え

あとはそこのビヤダルのツケもこれで勘弁してやれ、これは返さなくてええから

残りは新しい店の開店資金にでも貯めとくんじゃな」

 

「なんてお礼を言っていいのか・・・この恩は絶対返すよ・・・」

 

アイーダは何度も頭を下げるが垣屋は制止しながら言った

 

「覚悟ができたならささっと荷物をまとめるんじゃ、ガキどもは引越しの手伝いな

何かあったらすぐに連絡を入れるんじゃぞ、ワシとビヤダルは用事があるからよ」

 

「博士どこに行くんですか?」

 

「野暮用じゃよ、や・ぼ・よ・う、ちゃんと荷造り終わらせといての」

 

ティアの問いかけに垣屋はさらりと返すとバドとワイザーを連れて外へと出て行った

その顔は青くこめかみや眉間にありありと青筋が立っていた

他のお子様はさらに残った食事を平らげようとテーブルに戻るが

ティアはその野暮用というのがなにであるか察しをつけていた

 

「(絶対アイーダさんをいじめた人たちへのお礼参りだわ・・・)」

 

死人が出ない事をティアは心の中で祈るしかなかった、

 

2時間後ティアの予想が的中し3人は所々に血痕を付けた姿で戻って来た、ずいぶん派手に

やったのだろう心地よい疲労感を漂わせ満面の笑顔を浮かべている、

ティアは何をしてきたかはあえて聞かなかった聞かなくてもわかっていたからだ、

 

「さぁて荷造りは終わったみたいじゃな、そんじゃ研究所に帰るぞ」

 

垣屋はアイーダにさしあたり原生生物研究所で泊まってそこから新しい新天地の仔細を

話すと伝えアイーダは了承した、

垣屋は研究所にいるチヒロに連絡をして客が3人来るので用意するよう指示を出した

通信機の向こうから優しいが甘ったるいチヒロの返事が聞こえ

大食いの客が来ると聞き料理作り甲斐がある事を喜んでいるようであった、

 

シェフの制服を脱ぎ私服に着替えた彼女は名残惜し気に店を出てドアを閉めると

店をもう一度眺めると頭を深く下げて

 

「・・・さようなら・・・私のお店・・・ありがとう・・・さようなら・・・」

 

そう言うと口を手で押さえ再び大粒の涙をこぼした、

もう何度こんなつらい別れを経験したのだろう何度追い立てられて

さまよい続けたのだろか、一同はそれを思うと心が痛んだ

本来はこんなあばら家の店にでも心ある物と思い接する優しい女性なのだ

威勢のいい態度も生きるための精一杯の虚勢でもあるのだろう

泣き崩れそうになるアイーダをバドは大きな手で支えてつとめてやさしい笑顔を見せて言った、

 

「新しい門出に涙は無用だぜ後は博士に任せて笑ってりゃいいぜワーハッハッハ!」

 

「うん・・・そう・・・・そうだね・・・」

 

バドとワイザー、そしてお子様たちもアイーダを気遣い一行はファイアーウッドを後にした

定期船に乗りフェオに戻ると寄り道する事なく研究所へと帰っていく、

アイーダとビヤダルたちは垣屋の住まいに来るのは初めてでその異様さに驚きは隠せなかった

健全な公園が裏手に広がり黒塗りのビルに雑然と物資や気味の悪い木や戦車に高射砲、

車にバイクが立ち並ぶ悪の巣窟のように伺えたからである、

 

「おかえりなさいませ」

 

パイオニア一号がうやうやしく一行を迎える

 

「チヒロさんは料理にとりかかっておりますので私が代わりに要件を承ります」

 

執事服を寸分のスキのない着こなしをしたパイオニア一号にアイーダは面食らい

 

「お・・・おう・・・いやよろしくお願いします・・・」

 

一行は我が家に戻りリビングで座るとシンジュクが不機嫌そうに垣屋を見ていた

 

「バドとワイザーかい久しぶりだね相変わらず流血沙汰を楽しんでるかい?」

 

「久しぶりだなぁ~最近の俺たちは平和主義だよ平和主義、暴力反対だよワーハッハッハ!」

 

「はっ!どの口が言うんだい」

 

「なんじゃえらい不機嫌そうじゃのぉ」

 

「源さんあたしに隠れてずいぶん楽しそうな事してきたみたいじゃん、なんであたしを

誘ってくれなかったんだい?」

 

「楽しい事なんざなかったわい」

 

「嘘ついちゃダメだよ血の匂いがプンプンするからね」

 

「ああその事は飯の時にでも話すわい」

 

アイーダはただならぬシンジュクとすっかり抑え込んでいたと思っていたビヤダル兄弟の会話に

背筋が冷たくなるのを覚えていた、普段自分が虚勢を張ってるそれとは違う

明らかな本気と殺気が入り混じったどす黒い何かを感じ取っていたのだ、

垣屋は席に着くと今後の事を話し始める

 

「まずアイーダちゃんは何日かはここに泊まって今までの疲れを癒すとええよ

んでアイーダちゃんが良ければだがワシの肩入れしとるとこの食堂がピンチでなぁ

前々から助っ人を探してほしいと頼まれとったからそこを手伝ってほしいんよ」

 

「それが・・・私?」

 

「そうじゃ、あの料理腕前は大したもんじゃどこに行っても恥ずかしくないわさ」

 

「で・・・その場所は?」

 

「オラクルシップ第447番艦ジャン・レオン・ジェロームそこの庁舎の食堂じゃよ」

 

「え?!あの犯罪武装勢力のか?」

 

「そうかどうかは自分の目で確かめるんじゃの、おめぇも料理は食べて確かめてから

言えと言ってたじゃろが、そこで料理を作ってくれればええ、

OKならそう手はず整えとくし嫌なら後は相談じゃな」

 

「そうだねそこでならあたしの腕も」

 

「存分に振えるのきっと気に入るはずじゃ」

 

「分かったよろしく頼むよ」

 

垣屋は通信機を取るとスパルタクス党の頭領フロリヌスに連絡を取るが会議中なのか

連絡が取れない、ミツヨシとラヴェールも同様で仕方なくテツに連絡を取る事にした、

 

「なんだい源さん俺さ今忙しいんだから!」

 

口にトマトソースをべったり付けてナポリタンをほおばるテツが映し出されている

 

「何が忙しいんだこの短小ロボが!そっちに受け入れをしてほしい避難民がいるから

フロリヌスに聞くつもりだったんじゃが通信が届かんのよ」

 

「ああフロリヌスたちならヴォイドの隠しプラント惑星の制圧と囚われているスレイブを

解放しに行ったよ、ラヴェールちゃんと羊も一緒だし外周はユキノ艦隊が抑えてるね」

 

「なんじゃユキノちゃんまた金に明かして変なモン作りやがったな」

 

「在野の宇宙海賊を屈服させて手下に加えちゃったからね、

んで相手の兵力は一個連隊規模でざっと1500人くらいだからそうだねぇ~

ドンパチが始まったら10分くらいで制圧できると思うよ!」

 

「そうか、ならミツヨシちゃんは戦えないから留守してるじゃろうになぜ通じんのじゃ?」

 

「執務室でけものでポンでも見てるんじゃない?そろそろエッチなコーナー

始まる時間だし」

 

「いい歳してあんなクソ番組なんか見やがって!そうだテツちゃん食堂の全景を映してくれや」

 

「めんどくさいなぁもう!」

 

テツはぶつぶつ言いながらカメラを食堂へ向ける多くの人が料理に舌鼓を打ち

活気にあふれているが料理の提供が間に合っていないようであった

 

「アイーダちゃんよここを手伝ってほしいんだわ」

 

「へぇ、いい環境じゃないか!ここであたしが腕を振るっていいんだね?」

 

アイーダは料理人魂が揺さぶられるのを感じていた、

 

「スパルタクス党はヴォイドや下っ端のスペースマフィアと敵対してるからああいうクズが

ちょっかい出してくるって事はねえしやつらはアイーダちゃんみたいに理不尽に

追われてきた奴らばかりじゃから境遇も同じじゃよ会えばわかるがいいヤツばかりじゃ」

 

垣屋に言われてアイーダは顔を紅潮させてやる気にみなぎっていた、

 

「んで受け入れは何人?仔細は伝えとくからちゃんとまとめといてね!」

 

垣屋は一人と言おうとしたが後ろからワイザーが割り込んで言った

 

「俺たちもジェロームへ行くぜアイーダが一人でやって行けるまで守るからよ

ワーハッハッハ!」

 

「おおぅ、なにかと思ったらバドじゃん久しぶりだね!今戦力が足りないから大歓迎だよ

じゃ受け入れは3人でいいんだね?」

 

「返事が来てOKが出たらまずはこのアイーダちゃん一人で行かせるの、ビヤダルは

ガキどものお守りが終わってからじゃな」

 

「なんだまた甘やかすのかい?それじゃいつまでたっても弱いまんまだよ」

 

テツはあきれ顔だが食べたら手続きをしておくと言って通信を切った、

垣屋は一連の処理を終わらせて一息つくと改めて3人にここでくつろぐように言うと

ソファーで体を伸ばした、

その後一行は風呂で汗を流しアイーダはシンジュクやお子様たちとゆったりと湯に浸かり

色々な話をして打ち解け垣屋はバド兄弟と久しぶりになっていた間に何があったか

よもやま話をし、風呂から上がるとチヒロが用意した特製の夕食に舌鼓を打つ、

 

「うむむ・悔しいけどこれはうまいね、おっさ・・・いや博士の言うとおりだよ」

 

「別におっさんでも構わんよ」

 

「博士は恩人だからねおっさんなんて呼べないよ」

 

「やれやれ義理堅い事じゃのあんまり気負いせんでええよ気負いはすべてをダメにするからの」

 

アイーダは笑顔でうなづいたそしてチヒロの料理が思っていた以上であり

惜しむ事なく賛辞を述べた、

 

「お口に合ってよかったですぅ」

 

「チヒロさんごちそう様ほんとにいい腕してるねびっくりしたよあのシチューの

絶妙な味付けと言いいさ・・・」

 

アイーダとチヒロは料理談議に花を咲かせ始め互いに料理のコツや隠し味などの意見交換を

し、そしてアイーダがジェロームへ行く事を聞いたチヒロはたいそう喜んだ

そしてチヒロがフロリヌスの義妹である事を知りより新たな新天地に安心感を持つのであった、

久しぶりにアイーダにも笑顔が戻りそれを遠巻きに見守るビヤダル兄弟も

安堵の顔を浮かべているようだった、

 

明日からお子様たちの浮遊大陸での戦いが始まる。

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