新光暦238年4月11日午前8時16分 アークスシップ1番艦フェオ 原生生物研究所
「さて・食い終わったかの」
いつもにましてにぎやかな朝食を終え落ち着いてきた所を見計らい垣屋は
座っている全員にお子様たちの浮遊大陸出発にあたりそれぞれの役割と
必要事項の確認を行う、
なぜかその脇には長い定規が置かれているがそれに気を止める者はいなかった、
「まずはガキども、お前たちは司令部からの課題をこなす事を最優先に考えるんじゃ
そこの浸食されて狂ったクォーツドラゴンの討伐、ただし危なくなったり
無理そうだと思ったらすぐに逃げろ、ええの」
「わかったのじゃー」「分かったのじゃっ!」
ねねとスゥリンの元気な返事、そしてパティが妙案を得たかのような顔をして言った、
「大丈夫大丈夫危なくなったら用心棒のせんせいがドカ~ンと・・・」
バチン大きな音がしたかと思うとパティの頭に定規が振り下ろされ頭を抱えて悶絶していた
「ぐぁぁぁぁ!いたぁ~い何するんだよぅ」
「このバカタレ!バド兄弟を付けるんはお前らに楽をさせるためじゃないわい!
お前たちが必死にやって手に負えない時の保険としてじゃ!
あそこは今までとは比べ物にならんほど危ないからの」
「バカ姉がほんっとうにすいません」
「ええんよこういう事を言うと思ってたからの」
ティアはいつものじとっとした目でパティを見下しながら垣屋に
謝るがバカは死んでも治らないと言いティアに気遣いを見せた、
「そんでバドとワイザーはその不測の事態が起こった時に対応してやってくれの
ほんでできそうな箇所でガキどもに指導してやってくれ」
「任せとけワーハッハッハ!」
二人して大声でのけぞりながら大笑い、準備は万端のようであった、
「そしてチヒロとアイーダは3時間ごとにバドとワイザーのアイテムパックに
料理を転送できるようにしてくれ、あいつら腹が減ると極端に弱るからの
食材はストッカーにあるのを好きに使ってくれてええし足りなきゃ
いくらかかっても構わんから注文しろ、奴らが喜びそうな物なら内容は任せる
ワシらの飯は後回しでいい、手が回らなければ出前をとるからの、」
「あいよ!」「お任せください~」
エプロン姿の二人はやる気充分、料理の事ですでに打ち解け仲良くなった二人は
共に並んで料理を作る事を楽しみにしているのが伺えた、
「あの・・・私は・・・何かお手伝いできる事はございませんか?」
パイオニア一号は垣屋に自分が呼ばれていない事を気にしているようであった
「パイオニア一号も手伝ってくれるかね、客がくれば対応とチヒロとアイーダの
補助を頼むかの、すまんのアルニム家の執事なのにうちの使用人みたいなマネをさせて」
「とんでもございません博士はお嬢様の旦那様でございますから
お嬢様専属の執事として当然でござ・・・」
「ドアホ!なしてワシがこんなクソガキの旦那にならなならんのじゃ!」
バチン!
次の瞬間パイオニア一号の頭にも定規が振り下ろされパティと二人で悶絶
する事と相成った、
「うぐぐ・・・ただの定規のはずなのにこんなに痛いとは・・・」
「ワシはリリンパの母ちゃんの様子をみながらここで待機、そしてシンジュクちゃんも
非常時に備えて待機」
垣屋が最後に残った自分とシンジュクの役割を言おうとした時
シンジュクは言葉をさえぎった、
「あたしはジェロームに行ってくるよ、ラヴェール来るつったのに来ないし
テツちゃんがちゃんと仕事してるか確認もしないとね、あれはすぐサボるから」
「そうか向こうの様子もついでに見てきてくれや、
フロリヌス直々の出撃じゃそう簡単に終わらんじゃろうよ」
「あたり・源さんさすが私の事分かってるじゃないか」
シンジュクは鬼女の面持ちでにやりと笑って返す昨日のファイアーウッドで
垣屋たちがやらかしたお礼参りに参加できずうずうずして来た様であった、
新光暦238年4月11日午後1時22分
「わぁ~きれいなのじゃぁ~!」
ねねらが感嘆の声を上げる、キャンプシップから出発地点に転送され
着地してから一行は周囲を見回す、
透き通るような青空と降り立った空中に浮いた大地の淡い緑が目に優しい、
アムドゥスキアの上空にいくつもの浮島が点在し地表とは打って変わって
丈の低い植物が青々としげり所々に様々な色の果実が実っている、
下草から咲く小さな花の蜜を目当てにしているのだろうか
青白い光を放つ蛍のような虫があまたに漂い幻想的な雰囲気を醸し出している
上空のため若干空気が薄く感じられるが活動に支障が出るほどでなく
地表部分から吹き上がる熱気のためか凍えるほど寒いと言うわけではない、
アムドゥスキアは以前にも来てはいるのだが火山地帯であり
あの頃は景色に目をやる余裕すらなかったのである、
「さぁ早く探索して帰りましょう、それにパティちゃんここはもう敵がいる
戦場なんだからね」
物珍しい景色にお子様たちは満足しているようだったがティアはいつもの
じっとりとした流し目でパティたちをたしなめる
軽くため息をついてティアは前に進まんと振り向こうとした瞬間
ワイザーは大声で警告を発した、
「ティアちゃん伏せろ!」
「え?」
ティアがその声に驚いてビヤダルたちを見た瞬間ティアの目の前に
巨大な斧の刃がこちらにスイングしてくるのが見えティアは一瞬動転したが
急いで伏せると同時にグチャっという音とともに何かが叩きつけられる鈍い音が
後ろに響いた、
「ふぇぇっ何するんですか!」
ティアはビヤダルに食って掛かろうとするとバドは指で彼女の後ろを指さした
ティアは後ろを振り向くと石柱状に風化して削られた岩に何かの肉塊が
その根元に落ち血が筋を作り流れ落ちていた、
「油断したなぁお嬢ちゃんたち、あれはウィンディラって言って空を飛ぶ
竜族だ、ここでは他と違って上と下にも目を付けとかなきゃ危ないぜ
ワーハッハッハ!」
バドとワイザーはまた大笑い、ティアはすかさずアイディスプレイから
ウィンディラの確認をする、この肉塊からではどのような敵か
判断するのは無理からぬ事であった、
「空から爪で襲ってくるだけでなく遠距離からレーザーも撃ってくるんですね」
「あたり!こいつは斥候だろうな、俺たちが降りてきたんで様子見って
所だろう、ここで襲ってくる竜族のほとんどはダーカーの浸食を
受けてる、ただ連係プレーをするだけのおつむは残ってるから
注意しないといけねぇぜワーハッハッハ!」
「そういうのはちゃんと予習しないとな、慣れたからって
油断してるんじゃないかい?」
「うっ・・・」
正論だった、ティアは自分の油断と慢心をストレートに突かれて
以前より気が引き締まり緊張感が心の中に戻ってくるのを感じていた、
「なんでわかるのかやー?」
スゥリンはビヤダルたちにたずねる
「スゥリンちゃんそりゃアイディスプレイでスキャンすればわかるぜ
慣れてきてうざいと思ってアイディスプレイつけてないだろ?
役に立つから初めての場所では必須だぜワーハッハッハ!」
正論だった、スゥリンは急いでメガネに仕込まれたアイディスプレイを起動させ
素直にアドバイスに従った、
全員で周囲を確認し敵が潜んでいない事を確認すると前方の浮島が混在する
場所を目指して歩き始めた、
暫くは敵との接触はなくねねはバド兄弟にに色々と質問をし始めた
「ねえねえバドちゃんたちはなんでアークスになったのかや?」
「ねえねえそのおっきな斧さわってみたいのじゃ」
「ねえねえバドちゃんはいつから旦那しゃまとお友達なのかや?」
「ねえねえ一番大好きな食べ物はなにかや?」
「ねえねえ・・・」
いくつもの取るに足りぬ愚かしい質問が続く、
「ねねちゃん周りは警戒してるかい?さっきティアちゃんが食われそうに
なっただろ?」
「わらわはどこでも見てるのじゃっ!わらわはお友達の事をもっと知りたいのじゃ!」
ねねは足取りも軽く気に入った景色を眺めながらスキップ交じりで進んでいる
バド兄弟はアイテムパックに何かが届いたアラームに気付くと中身を確認し
最初の食事が送り込まれている事に気が付いた、
「じゃあそこの浮島で休憩にするかワーハッハッハ!」
そう言うと簡易式のレーダーを地面に置くとアイテムパックから大きな保温コンテナを
うきうきしながら取り出してシートの上に広げ始めた
数㎞範囲に熱反応があればディスプレイにアラート情報が送られてくる仕組みだ、
先発はアイーダ特製のクリームシチューとチーズフォンデュにマルモスの肉を
大胆に焼き上げたステーキであった、ティアは先ほどバド兄弟に言われた教訓を
活かそうと自発的に周囲の警戒を始める、パティとねね、スゥリンも届いた保温コンテナに
興味津々でとても自発性を発揮できる状態ではなかったからだ、
「おほぉぉぉこりゃたまんねぇな!」
「うまそうなのじゃーたべるのじゃー」
「わぁお!ねえねえティアすっごくおいしそうだよ!」
はしゃぐ馬鹿どもをふたたびじっとりした流し目で見ながらティアはあきれ顔
そんな時に通信が割り込んでくる、アイーダからのようであった、
「しっかり食べてちゃんと働くんだよ!いいかい?博士は私らの恩人なんだ、
恥をかかせるような真似をしたら承知しないからね!」
「わーかってるって最高の飯だな!アイーダ愛してるぜぇぇぇぇぇぇ!」
「バッバカッ何言ってるんだい!さっさと食って働きな!いいね!」
アイーダは傍から見ても分かるほど顔を紅潮させ通信を切った、その慌てぶりを見て
バド兄弟とお子様たちは大笑い、根が過ぎるほどに正直な彼女が明らかに
バド兄弟のどちらかに気があるのはあまりおつむのよろしくない一行でも容易に察しが
付いたのであった、
食事をほおばりながらワイザーが思い出したようにねねの質問に答える
たべながらと言う事もありよく聞き取れない部分もあったが
バド兄弟も元々は貧しい家の生まれで早くに家族を亡くし生きるために
取るに足らない悪事を働き長じて成長すると不正規の地下剣闘士となって
賞金を稼ぎ続けていたが無敗が故に戦う相手がいなくなり剣闘士を首になり
アークスになったと言う事であった、
生まれながらに何不自由なくついこの間までお金の概念すら分からなかった
ねねにとって兄弟の言う身の上がどれほど大変であったかは今一つ実感が沸かない
相手の事を慮る部分ではまだまだ未熟である、
つづいてねねは地面に突き刺さった兄弟の巨大な斧に目を付けた
ギザギザの刃に棘のついたハンマー部分、所々にどす黒い血痕がこびりつき
丈は3m近くはあるだろうか気の弱いものが見ればおじけづくに十分な凶悪な佇まいである、
ねねは臆することなくあれこれと見回し柄の部分にてをかけて地面から抜こうとする
「う~うにゃにゃにゃっ!抜けないのじゃ!」
それを見ていたスゥリンとパティはねねを手伝い3人がかりで斧を抜こうとするが
なかなか抜く事ができず渾身のちからで地面から抜いたが斧の重みで後ろ倒れ
柄の下敷きになり身動きができずもがいていた、
「ワーハッハッハ!お嬢ちゃんたちでは無理だ!大丈夫かいほれ」
バドは片手でやすやすと斧をのけてやるとまるで珍獣の見世物を見たかのように
お子様たちの滑稽さを笑い飛ばす、
「この斧はジラドザルバって言う斧なんだよ、刀匠ジグが作った一双しかないんだぜ
昔地下剣闘士だった頃コロセウムにあったんだが重すぎて誰も使いこなせなかった、
から俺たちが使ってたんだこの重みがなんとも心地いいんだなワーハッハッハ!」
バドは軽々と斧を持ち上げると再び地面に突き刺して食事を続ける
「うっひゃぁ~ほんとすっごいね!私たちも強くなったら軽々と使えるかな?」
パティは感心しきりであったが一息付けていたワイザーが口を挟む
「そりゃ無理だろうぜ、人にはそれぞれ向き不向きがあるからなぁ~
がむしゃらにやるだけじゃなくて何が自分に向いてて何が向かないか
考えないとダメだぜ ワーハッハッハ!」
ワイザーは残った飲み物を一気に流し込むと立ち上がり腹をさすりながら斧を肩に担いぎ
目を細めて周囲に目を配る、
「なにかみえるかやー?」
スゥリンはワイザーにたずねるが何か合点がいかないような顔をしているのが伺えた、
「おかしいなぁ~周囲1㎞ほどは浸食された竜族はいねぇみたいだなあ~
これじゃお嬢ちゃんたちの戦闘訓練にならないぜぇ~?」
本来なら偵察のウィンディラが出てきた後に何かしらの浸食されて狂った竜族が
次から次へと襲ってくるのが当たり前と予想されたが今回だけはその気配が全くと言って
いいほど感じられない、歴戦のバド兄弟でも体験した事がない状況であった、
ひとしきり食べてゲップをだしバドは座ったままレーダーの探知範囲を広げて
敵の確認をするが全く反応が伺えなかった
「おっかしいなぁ~誰か先客がいるのかぁ~?新人の訓練用に他のアークスと
バッティングしないエリアら送ってもらったはずだがなぁ~・・・」
「兄貴ひとまずもう少し進んでみようぜそして状況が同じなら博士に報告して
指示をもらおうぜ」
バドはうなづくと重々しく立ち上がりお子様たちが持ち上げられなかったジラドザルバの
片割れを肩に担ぐと前へと歩み始めた、
お子様たちの意見を求めはしない彼は一連の会話で彼らが自ら決定するだけの
知能がないと判断したためだ、
そして周囲の浮島も大まかに探りながら行けど進めど無人の野を行く一行であったが
スゥリンが一瞬おかっぱに切りそろえた髪を静電気でも受けたかのように
逆立てずれたメガネ型のアイディスプレイを元の位置にずり上げると大声で言った、
「この先に何かたくさんいるのじゃー、いっぱいいっぱいなのじゃー」
全員がアイディスプレイに注視しティアは一行の持ち物の中で一番高性能な
設置型レーダーを取り出し脚部を地面に突き刺すと再び探知を続け
バド兄弟は念押しに周囲を警戒し始める、
「大量の熱源は4㎞先・・・マーカーが多すぎて良くわからないけど100・・・
いやもっとね最低でも200以上ははあるみたい・・・」
「ん?どれどれ・・・これ・・・」
ワイザーがそしてねねとスウリンがレーダーのディスプレイをのぞき込む
「こりや何か集団同士で乱闘が始まってるんじゃねぇか?マーカーが付いたり消えたり
してるだろ?」
「一部のマーカーの消え方が異常だなこりゃ何か強いのでもいるんじゃねぇか?」
バドが状況の分析を始める、決して頭の良い方ではないがこの兄弟は場数と言う
生きるための経験が欠点を補い知恵として働いているのであった、
「じゃさ、このまま横からズパーっとやっちゃえば私ら楽して大勝利ってヤツ?」
パティは言った後に後悔したがここは垣屋のような叩く輩はいないので彼女の頭は
無事であったがバドからの教育的指導は免れなかった、
「まだ相手が分かってねえからもっと近づいてからの提案だなぁ~
しかし発想としては悪くないと思うぜワーハッハッハ!」
「えへへ~私も捨てたもんじゃないでしょっ!」
パティは上機嫌でスキップを踏みながら前へと歩みを進めたがティアがそれを制止する
「パティちゃんまずは状況がどうなのか確かめるのが先でしょ
だから相手に気付かれないようにこっそりと進んだ方がいいと思うの」
ティアにたしなめられパティは舌をだしておどけて見せねねとスゥリンはティアの
賢さに感嘆の声を上げる、しかし当のティアは軽くため息をつきいつものじっとりとした
流し目でお子様たちを見つめるのであった、
できうる限り慎重に歩みを進め一行は大量のマーカーが表示された地点が遠めに見える
場所まで到着しその先を見渡す、
その先では浸食された竜族と見覚えのある黒と紫のツートンの制服、
無意味に多く植え付けられた棘や紫色のリップとモヒカンヘアーの
ヴォイド戦闘部隊の輩、そしてそれを守る防御壁のように竜族を薙ぎ払う異形の竜、
「なんだありゃ?」
「見た事がねぇヤツだな兄貴」
バド兄弟は首をかしげていたが以前モモラーノ救出作戦に同行しデータを覚えていたティアは
軽く説明する、
「あれヴォイドが裏でやってる実験で作った新しい生物兵器です、何らかの試験か何かで
ここに来ているのかも・・・」
「ケッ!あいつら性懲りもねぇぜなんて言うかむかむかしてくるなぁ兄貴」
ワイザーは道理に合わぬ異形の竜に不快感をあらわにしていた、
「あいつらこっちには気づいていねえからよ一度退いて博士の判断を仰ごうぜ
無理に乱戦に突っ込むと最悪あいつら全部向かってくるしよ
そうなるとお嬢ちゃんたちの鍛錬どころの騒ぎじゃねぇ」
バドはそう言うとまだ乱戦をのぞき込んでいるねねとスウリンとパティの
首根っこをつまんでずるずると引きずりながら大きな岩陰まで後退し通信機で
垣屋に連絡を取り始めた、
ちょうどその頃
「「どれ体温血圧脈拍異常なし、脊椎の修復も予想以上に早いみたいじゃの」
垣屋は眠っているリリンパの母からフィジカルデータを取り状態を確認すると
予想以上に治癒の効果が上がっている事に安心しそのデータをファイルにまとめ
どこかに転送し自分の端末からの入金を知らせる音が鳴るのを聞き満足げな
顔をしていた、リリーパ族のデータを欲しがっているアークスや研究機関に
リリンパの母のデータを売り飛ばしたのである、
「うむうむやっぱ金の入る音は最高じゃのぉって通信か・・・」
垣屋は通信回線を開くと通信の相手がバドである事が確認できた
「なんじゃバド、ガキが言う事を聞かんのかね?ガツンと言ってやるから
代わってくれんかの」
「いや博士、お嬢ちゃんたちはそれなりにやってるぜ、と言うか妙な事になってるんで
博士の判断を仰ごうと思ってなぁ」
バドが送って来た映像ではいまだ竜族とヴォイド双方決着がつかず
竜族が次々と増援を送り込みあの異形の竜を倒そうと躍起になる様が映し出される
竜族の青い血とヴォイドの戦闘員の赤い血が地面に入り混じり
多くの屍が積み重なる地獄の如き様相である、
「俺たちこんなヤツ見た事がねぇしよ、それに乱戦に割って入るのはお嬢ちゃんたちの
事を考えるといいとは思えねぇんだよな、んで博士に判断してもらおうって事になったんだ」
「なるほどのぉあのヴォイドが連れてるのは新しい生物兵器なんじゃよ、以前にワシらが
仕留め損なった奴とは別みたいじゃな、色と棘の付き方が違うでよ
そっちに同種個体のデータ送っとくわい、」
垣屋は以前モモラーノ討伐戦で暗殺者気取りの小娘がハドレットと呼んでいた個体のデータを
バド兄弟に転送しながら送られたライブ映像を見て状況判断を始めた、
竜族は眼前の相手に手いっぱいでお子様たちの相手に相応しい個体はおらず
無視して訓練できる状態でもない、何よりいつお子様たちに敵が向かってくるか
わき腹を見せるような行為は愚行である、
「分かった、しゃあないから今日の所は引き揚げてくれの訓練はまた後日じゃお疲れさん」
垣屋はバドにそう言うとバドは全員に引き揚げを告げ通信を切った、
通信を切られた後に垣屋は思う、
「(うーむ・・・・あのクソトカゲ量産されたらちぃと厄介じゃぞ、さりとてデータの共有
ド派手にやると隠ぺいされたエネミーじゃからヴォイドのクソワンコの政府とアークスが
何らかのめんどくせー工作や圧力かけてくるかもしんねーし・・・
まぁ後で対策とか皆で話し合わんとの)」
そう考えながらバカみたいな顔をして安眠しているリリンパの母をそして庭で
ラピ子とベッコと共に戯れチヒロの洗濯物干しを妨害するさらにバカみたいな顔の
リリンパを厳しい目をしながらて眺めていた。