屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜 REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー 作:cibetkato
初めての方はツナ様が味方にブチギレたり脅したりするのでご注意ください。ただし、基本的にツナ様は味方を大事にする方です。一種の愛情の裏返しです。←(ヲイ
屍番犬(ナベリウス)・・・「腐の王」アスタロトの眷属。
屍を繋ぎあわせ、対・悪魔戦闘用に人工的に造り出された悪魔。現在では新たに造り出すことは倫理的にも禁忌とされており、その技術も固く封印されている。
個体により形状は様々であるが、総じて死体を繋ぎ合わせたようなグロテスクな見た目をしている。
彼らの体液・また魔障は、生物の皮膚を短時間で壊死させる強烈な作用を持ち、すぐに手当てをしなければ命にかかわる程である。非常に凶暴だが、ある程度の知性はある模様。暗闇を好み、暗い場所では活発化する。
「・・・というわけでだ。オメーらには今すぐにでもイタリアに飛んでもらうゾ」
ツナの部屋で勉強していた山本と獄寺は、いきなり悪魔の説明を始め、終いにはイタリアに飛べだなどと言いだしたリボーンに目を点にした。
「あー、もしもし、リボーンさん」
「なんだ、ツナ」
「・・・あのさぁ、これまでもいろいろ体験してきたから、今回だって悪魔がいるとか冗談じゃないとはわかってるけどさ・・・というわけで、で状況が把握できたら誰も苦労しねーんだよ。わかるか?あ?」
凄みながらリボーンの胸ぐらを掴みあげるツナ。
「・・・苦しいぞ、ツナ」
「理由を言え、アルコバレーノ」
「・・・だって、9代目とかじゃ手に負えないって言うんだもん」
「だもんじゃねぇよ・・・ヴァリアーはどうしたんだよ」
「他の仕事、頼んじゃった後なんだもんって、9代目が言ってたぞ」
「ふっざけんなよ、クソジジィ!!!」
「ぐぇ゛・・・」
ツナが力を込めたせいでさらに首が締まり、リボーンが苦しそうに声をあげる。
「ま、まーまー、落ち着けって、な?ツナ・・・じゃねーと、小僧が死んじまうって」
山本が慌てて止めに入れば、素敵な笑顔をうかべてツナはのたまった。
「嫌だなァ、武。リボーンがこんなんで死ぬわけないじゃん。ねー?」
ガックンガックンと揺す振られたリボーンは、泡を吹いて白目をむいている。
「じゅ、十代目・・・そ、その辺で。状況を知ってんのは、リボーンさんだけなんっスから・・・」
ビクビクとしながら獄寺が言えば、ツナは肩を竦めた。
「チッ・・・隼人の言う通りか・・・ホラ、とっとと説明しろ」
ポン、とベッドに放り投げられたリボーンは、ゼェゼェと荒い息をしながら、ツナを見上げた。
「・・・家光もこの件については慎重だ。だから、詳しい事情はイタリアのチェデフまで出向いて欲しいってことだった。だから、イタリアに飛んでもらいて―んだゾ」
「最初っからそう言えよな。ったく・・・」
ガシガシと頭を掻きながら、ツナは携帯を手にとって部屋を出て行く。
「あー、もしもし、父さん?俺だけど・・・」
部屋のすぐ外から話声が聞こえてくる。
どうやらリボーンでは話にならないと判断したらしく、チェデフに連絡をとることにしたようだ。
「・・・だ、大丈夫っスか?リボーンさん」
「あ、ああ・・・さすがにびっくりしたゾ」
「はは・・・ツナのマジギレ久しぶりに見たのなー」
機嫌でも悪かったのかな?と呟く山本はそれ程驚いてはいないようで、獄寺は肩を落とした。
「こっちは、こないだの10代目が猫被りを止めた後の精神的打撃がまだ尾を引いてるってのに、なんでテメェはそんなにあっけらかんとしてんだよ・・・」
「えー?だって、俺、結構前から気付いてたし」
「は!?マジでか!」
「マジマジ。・・・俺さ、結構ツナの隣にいること多いだろ?聞こえんだよなーツナのボヤキ」
「俺だって隣にいるぞ」
「獄寺はさ、たぶん無意識に聞かなかったことにしたんだろうけど、ちょくちょく、ツナのヤツ毒吐いてたぜ?・・・小僧も気付いてたろ?」
「・・・ああ・・・骸の時とか、リング争奪戦の時とか、白蘭の時とか、炎真達の時とか・・・ボソッと言うのがな・・・」
もう怖いのなんの。さっきのなんてまだまだ序の口、可愛げのある方だ。
毒舌、なんてよく言うが、ツナの場合は毒は毒でも、猛毒である。
皮肉屋の骸ですら最近はツナに言葉では勝てないとふんで嫌味を言うのを止めたくらいに。
「・・・そうそう、ジンジャー・ブレッドの時が一番怖かったのな~、アイツがラルをなぶり始めたらスゲー低い声で、後で本体引き摺り出して(自主規制)にして(自主規制)してから消し炭にしてやる、とか呟いてたし」
結局あの後はそれどころじゃなくなって、ジンジャー・ブレッドがどうなったかはよくわからなくなってしまったが。
「・・・山本・・・今、途中が聞き取れなかったんだが」
「んー、まぁ、気にすんな!・・・というわけで、ツナを怒らせんのは無しなのな~」
ニカリ、と笑う山本に獄寺はゴクリと喉を鳴らした。
「・・・俺は笑顔で流せる、お前が怖い」
「ははっ、ツナほどじゃねーのな~」
「とにかく、イタリアに行く準備を始めるゾ。今回は本職も手伝ってくれるって言うしな」
「本職?」
「ああ、ヴァチカンに本部を置く、正十字騎士團の祓魔師だゾ」
「「え、エクソシストォ!?」」
山本と獄寺が声を揃えて叫ぶのと同時に、部屋の扉が開いた。
「・・・武、隼人、パスポートだけ持ってこい。金も荷物も向こうで用意させた。あと、恭弥達にも声かけて来て」
「は、はい!」
「わかったのな!」
慌てて出て行く2人を見送り、ツナはリボーンを見降ろした。
「・・・随分と悪化するまで放ってたんだな?」
どうやら、あらかたの事情は家光から聞いたらしい。リボーンは肩を竦めた。
「かなり昔に禁じられたことだしな・・・それに、こっちも炎真達との件の後始末で忙しかっただろ?オメーらにこれ以上の負担はマズイだろうっていう話でな。何とか同盟ファミリーと力を合わせてヴルカーノファミリーを始末するつもりだったらしいんだがな」
「ふぅん・・・ヴルカーノファミリーか。骸が喜びそうだ」
「・・・まぁ、エストラーネオと似たような組織だしな」
本来、対悪魔であるはずの屍番犬を、マフィアの抗争に持ち込んだというその組織。あまりにも異端過ぎて、復讐者ですら手をこまねく状態に陥っていた。
そこで“ヴァチカン”が重い腰をあげ、“三賢者”が直接10代目ファミリーを指名したのだ。
「しかし、なんでまた、一マフィアが悪魔なんて作っちゃうかね~」
「たまたま、元祓魔師が構成員にいたんだと。まぁ、戦いに関しちゃ祓魔師だってスゴ腕のヒットマン並の実力を持っているヤツも中にはいるしな、スカウトでもされたんだろ」
「ふーん、祓魔師ねぇ・・・イマイチ良くわかんないけど・・・今回はその祓魔師と協力するんだろ?」
「ああ・・・ついでに、シモンの連中にも声をかけといたゾ。今回の敵はなにせ人外だからな。少しでも戦力があった方が良い」
「そっか、エンマ達にも声かけたんだ・・・」
わずかに落胆したようなツナに、リボーンは首を傾げた。
「なんだ、嫌なのか?」
「んーん・・・ほら、まだエンマ達には本性明かしてないじゃん?」
「・・・あ、あー・・・そう、だったか?」
「うん、あれは気付いてないね。俺、結構Dと戦った時本性曝け出してた気がするんだけど」
「・・・ありゃ、ハイパーモードだったから、あまりわからなかったんじゃねェか?」
「ん~、どうしようかな?俺、まだ猫被ってた方が良いかな?」
「・・・仲直りしたんだから、いいんじゃねェか?猫被り止めちまっても」
むしろそうしてくれ。その方が、被害が分散して良い。
「・・・お前さぁ、ちょっと情けなくなったよな」
「・・・オメーのせいだぞ」
ガックリと肩を落としたリボーンは、自身もまたイタリアに行くための準備のため、ツナの部屋を後にした。