屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜 REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー 作:cibetkato
―――以後回想―――
「ねー、リボーン」
「なんだ、ツナ」
パタパタとベッドの上で足をばたつかせマンガを読みながらツナはポツリと告げる。
「俺、今回のことで思ったわけだよ」
「・・・は?何をだ?」
「うん、お互いに腹を割って話し合わないとダメってこと。隠し事なんて以ての外。だって信頼あっての仲間や友達だろ?・・・Dだって、Ⅰ世とちゃんと腹を割って話し合ってたら、あんなことにはならなかったはずだし」
「・・・あー、まぁ、そうだな」
相槌を打つリボーンは、まだツナが何を言いたいのかわからずにいる。
「で、今更確認なんだけどさ、お前、俺がボスになっても傍にいてくれる?」
「ま、まぁ・・・ツナがそう望むならいてやっても良いぞ」
ジッと見つめてくるツナに、リボーンは少し照れながら答えた。
やはり教え子が頼ってくれるのは先生としては嬉しい。だって、ここ最近のツナは猫被りを止めたせいで、先生にとても冷たく当たっていたから。(後にそれもツナの作戦だと知って愕然とした)
「ホント?嬉しいなァ・・・じゃあさ、約束してよ」
「ん?何をだ?」
「俺、立派なボンゴレのボスになるよ。だから、リボーンはずっと俺の傍にいて。先生として、仲間として・・・良いだろ?」
「・・・ふ、しょうがねェな。まだまだ俺様が傍にいてやらねェとダメらしい」
「それって、良い方の意味にとっちゃっても良いのかな?」
「構わねェぞ」
ニヒルに笑うリボーンに、ツナは頬を紅潮させて喜んだ。(これも後で演技と知った)
「やったぁ!!・・・絶対だよ、約束だからね!マフィアの誓いは破っちゃダメなんだぞ!」
「わかったわかった。絶対だ」
リボーンは良い気持ちのままで頷く。
「これでリボーンも晴れて俺の仲間になってくれたんだね!良かった!・・・リボーンはトゥリニセッテの監視者であるアルコバレーノだから、マーモンはヴァリアーに属してるし、ラルも門外顧問だし・・・集まり過ぎだって断られるかと思ったよ」
「・・・まぁ、どれもボンゴレだが・・・よくよく考えりゃ外部機関だからな・・・集まり過ぎってこたぁねェだろ」
「そっか!・・・リボーンも仲間かァ・・・良し!じゃあ俺ももう二度と猫かぶったりしない!ちゃんと思ったことをリボーンに言うよ!」
「そうか、じゃあ俺もちゃんとしないとな」
「うん、仲間だもんね!」
「ああ」
「隠し事はダメだぞ!心配しちゃうからな!」
「もちろんだぞ」
「誓って?」
「ああ、誓って、オメェには隠し事はしねぇ」
「―――言ったな?言質はとったぞ、アルコバレーノ」
「・・・!」
ボイスレコーダー片手にニヤリと笑ったツナは、まるで悪魔のようでした―――。
―――回想終了―――
黄のアルコバレーノ・リボーン、一生の不覚だった。
「ぐすっ・・・リボーンは、復讐者の牢獄に入りたいくらい俺のことがキライなんだね・・・そうならそうと、ハッキリ言ってくれればよかったのに・・・うぅっ・・・」
しくしく、と今度は泣き落としにかかったツナに、リボーンはさ~っと血の気が引いた。
笑顔、恫喝、泣き落とし・・・ここまでくれば、次は間違いなく実力行使だ。
「つ、ツナ・・・落ち着け、な?」
「酷いよ、リボーン・・・俺、お前のこと誰よりも信頼してたのに・・・」
「ちょ、ちょっと待て、ツナ!」
「・・・悲しいよ・・・悲しすぎて・・・この復讐者への直通電話番号を登録してある短縮ボタンをポチッと押してしまいそうだよ・・・」
「ま、待て待てェ!!いや、待ってくださいぃいいいいっ!!ってか復讐者への直通電話番号なんてどこで入手したぁあああっ!?」
携帯電話の短縮ボタンに指をかけて静かに泣きながら脅すツナに、リボーンはとうとう降参した。
「・・・ああゆうやり方・・・覚えといた方がええんやろか」
「坊・・・ウチの場合は、ソレ、マズすぎちゃいますのん?」
「し、志摩さんの言わはった通りです・・・坊はそのままでいてください」
上に立つ者はアレくらいが良いのだろうかと真剣に悩み始めた竜士に、廉造と子猫丸が慌てて止めに入った。
「・・・恐るべし、ボンゴレ10代目・・・既に悪影響が・・・!」
「シュラさん・・・顔と言葉が一致してませんよ」
至極楽しそうに呟いたシュラに、雪男がすかさずツッコミを入れる。
「ゆーきおー?ナニ?どうなってんの?」
「雪ちゃん??」
「ああ、兄さんとしえみさんは聞かなくて良い事ですから大丈夫ですよ☆」
今度は2人の頭を両わきから抱えて耳と目を両方塞ぐという高度な技を使い始めた雪男。
「・・・いいのかしら、こんなんで」
「『・・・チッ、うるせェガキ共だ』」
冷静に外野を決め込んでいる出雲と全く興味なさそうな宝。
守護者と祓魔師の面々がそれぞれの思いを抱えながら見守る中、リボーンは洗いざらいグロッタファミリーによる賄賂の件を吐かされたのだった。
「・・・ほほー・・・じゃあ、あの部屋には山ほどの金塊が置いてあって、で、俺にそれを見せたらキレることが確実だからみんなで黙っていた、と」
「・・・はい」
完全に敗北宣言してしまったリボーンは項垂れたまま頷く。
「まぁ、隼人の判断は間違ってないかもしれないな~、もうちょっと泳がせて文句の言えない状況になってからぶちのめす方が楽し・・・他のマフィアへの説明も楽だろうしね~」
(((((この人、今、楽しいって言おうとした!!!!)))))
ニコニコと笑顔でとんでもないことを言っているツナに、真正面からツッコミを入れられる者はここにはいなかった。
が、ツナを肯定する者はいた。
「あの人、ツナ君をバカにしてた・・・僕、許せないよ!」
「エンマ・・・」
「シモンもグロッタファミリーを殲滅する時は力を貸すから!!遠慮なく言ってね!!僕達、友達だろ!」
「!・・・うん、そうだね!やっぱり持つべき者は優しい友達だよ!!・・・ありがとう!エンマ!!」
ガシッと手を組み合ったツナと炎真。
「・・・アーデルハイト・・・エンマが黒属性になったら、すまん・・・」
「・・・いや・・・なんというか・・・炎真も、その・・・素質がある・・・かも」
「「「「「え゛!?」」」」」
「沢田の影響を受け始めているというか・・・たまに無意識に黒い発言が出るように・・・」
炎真はツナの猫被りに気付いていなかったのではなく、もろに影響を受けて黒いと思わなくなっているのだとアーデルハイトは告げる。
「・・・ちょ、ちょっと待て・・・ダメダメコンビからハイパーコンビに進化したかと思ったら、今度はブラックコンビか!?」
どこまで仲良いんだお前らは!!!ジョットとコザァートが望んだ友情はそんなんじゃねーだろ!!
と叫びたいが、学習能力がバカ高かったリボーンはグッと堪えた。
「・・・沢田のストッパー役だと言ってくれたのはありがたいが・・・すまん、無理かもしれない」
そっと視線を逸らしたアーデルハイトに、守護者の面々は揃って表情を引き攣らせた。