屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜 REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー 作:cibetkato
本っ当に、あっという間にがれきの山と化したヴルカーノファミリーの本拠地を背に、ツナと炎真はとてもいい笑顔を浮かべていた。
「いい汗かいたね、エンマ!」
「うん・・・スッキリしたね、ツナ君」
「・・・・・・いい汗・・・あんなにデカイ屋敷を数分で潰しといて、ちょっと軽い運動したってレベルの会話・・・」
ツナと炎真の会話に雪男がぼそりと呟く。
完全にドン引き状態の祓魔師達に、守護者達は苦笑いを浮かべる。
ツナのハチャメチャは今に始まったことではない。ダメツナの皮をかぶっていた時から常識の斜め上を行く力を見せつけてきたのだ。だからこそ、今更驚くことでもない。
黒い発言さえでなければ。
「さて、これで任務完了ですよね?俺達も、祓魔師の皆さんも」
ツナがシュラに視線を向ける。
「あ、ああ・・・そうだな。今回の件は上にしっかりと報告して、同じことがないように“徹底”させる」
頷いたシュラに、ツナは目を細める。
「お願いしますね?・・・それでなくともイタリアンマフィアの間に規制していたはずの匣兵器が出回り始めたんです。身に余る力を手に入れた連中が助長して一番迷惑を被るのは一般市民なんですから、力の流出には気をつけていただかなくては」
「・・・肝に、銘じておく」
中学生とは思えないほどの威圧。歴戦の有であるシュラでさえ呑まれかけた。
それは他の祓魔師達も同じだった。年下の少年の放つ威圧感に気圧されるとは思いもしなかったため、改めて沢田綱吉という人間を畏怖する。
「後始末は復讐者がやるだろ。被害者へのフォローはボンゴレの門外顧問チームが請け負うから安心しろ」
リボーンが言えば、雪男があからさまに安堵した表情を浮かべる。
「ありがとうございます」
「ヴルカーノの土地とグロッタの土地はボンゴレが買収するからな。そのお膝元の治安を安定させるのは当然のことだ」
ボンゴレの前身は自警団。そう自慢げに発言したリボーンを思いだし、雪男は小さく頷く。
「にゃはは~、ボンゴレとは今後とも末永~くお付き合いしたいものだにゃあ」
「・・・それは、こちらこそ、だな」
シュラが含みを持たせて言えば、リボーンはニヒルな笑みを見せる。
「燐さん!」
シュラとリボーンの“オトナの駆け引き”を放置して、ツナは燐の元に駆け寄る。
「おう、どした?」
「もし、その“血”のせいで面倒なことが起こったら、迷わずボンゴレを頼ってください。力になりますから」
「!・・・サンキュ」
破顔した燐に、ツナは満面の笑みを浮かべる。
「いいえ、俺は自分が気に入ったものを“壊される”のが嫌いなだけなんで。燐さんが感謝する必要はないですよ。・・・だから、遠慮なんてしても勝手に助けに行きますから覚悟しておいてくださいね」
「・・・ッ」
純粋に向けられた好意に、燐は言葉を詰まらせる。
「兄さん」
雪男がそっと背を撫でて声をかける。燐はその気遣いに頷いてみせる。
「ああ・・・覚悟、しとく!」
泣き笑いで答えた燐に、ツナは約束ですよ、と言いおいて守護者達の元へと駆け戻っていく。
「燐、お前・・・スゴイ人物に気に入られる率が高すぎ。メフィストとか、ボンゴレ10代目とか・・・」
いつの間にかリボーンとの駆け引きを終わらせていたシュラが側に寄ってきてボヤく。
「へ?そうか??」
「兄さんの人徳だよ」
「人徳っちゅうか、悪魔徳っちゅうか・・・いや、そもそも悪魔に徳があるのかってツッコミを・・・」
ボソボソと呟く廉造だったが・・・
「し・ま・く・ん?」
「イイエ、ナンデモアリマセン・・・」
雪男の笑顔の圧力に負けた。
「まぁ、なんや・・・とりあえず、一件落着ちゅうことで」
竜士がパチン、と手を打ちまとめの言葉を口にすれば、宝を除いた全員がハイタッチを交わした。
「「「「「お疲れー!!」」」」」