屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜 REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー 作:cibetkato
正十字学園。
あらゆる学業施設が集約された名門私立校。全寮制のこの学校はどこからどう見ても普通の有名進学校だ。
が、この学園内には、一般生徒には知られていない特別な授業を行う養成機関が併設されていた。
それこそが、祓魔師養成機関。通称、祓魔塾と呼ばれる教室だ。
そこでは祓魔師の卵達が、日々実践に近い訓練を通して祓魔師を目指している。
「・・・というわけでして。君達にはそのイタリア屈指のマフィアであるボンゴレの10代目ファミリーと協力しあい、屍番犬を退治してもらいます」
そんな塾生達を前にして、正十字騎士團の日本支部の支部長であり正十字学園の理事長でもあるメフィストはニッコリと笑った。
「・・・ちょ、ちょっと待てよ!!メフィスト!!」
突然言い渡された任務に呆然とする面子の中で一際異彩を放つ少年が声をあげる。
「なんです?奥村君」
「ま、マフィアって・・・」
「ええ、ボンゴレはマフィアですが、ヴァチカンとは古くから関係を持つ組織ですよ」
「な、ななな・・・」
「はぁ、やれやれ、悪魔(サタン)の子がなに人間のマフィアごときにビビってんですか」
肩を竦めて首を振るメフィストに、燐はカチンときた。
「それとこれとは話が別だろーがぁああ!!!・・・大体、なんで日本支部のしかも候補生(エクスワイア)に声がかかんだよ!!」
「それはですねぇ・・・まず一つ目にあちらもまた日本人が大半を占めていること、二つ目に10代目ファミリーと言いましたが、まだ“候補”であるということ、三つ目に・・・三賢者が君達を指名したということ、ですかね☆」
三賢者と聞き、塾生の大半が顔色を変えた。
「ま・・・三賢者が指名したんじゃ、逆らえないよな~」
「!・・・シュラ」
「にゃはは、今回の任務は失敗は許されないぞー。なにせ、失敗したらあちらの10代目候補も巻き込むことになるから、それなりの落とし前はつけなきゃいけなくなるからにゃ~」
シュラの言葉に、燐だけでなく、塾生のほとんどがヤクザモノの映画のワンシーンを思い浮かべた。
「・・・ゆ、指、つめるとか・・・なるんやろか!」
「その程度で済めばええですけど・・・」
竜士や廉造がぶるりと身体を震わせる。
「・・・や、やってやろうじゃないの!!」
「か、神木さん、足震えてるよ・・・?」
「!そ、そういう杜山さんこそ・・・!」
「ま、今回もまた奥村先生と、アタシが付いて行くから、心配にゃいけどね~」
「そうは言っても、訓練とは違いますから、気を引き締めていきましょう!」
「おう!」
雪男の言葉に頷く燐と塾生達。
「さて、話がまとまったところで、一つだけ皆さんに忠告しておきましょう。もし、復讐者と名乗る者が現れたら、余計な干渉をしてはいけませんよ。絶対に関わらず、彼らが何をしようと放っておきなさい。良いですね?」
「フェレス卿・・・?その復讐者、というのは・・・」
「あ~、それは秘密です。知るべき人間が知っていれば良い。彼等はそういう存在なんですよ、奥村先生」
雪男の質問をさらりと流し、メフィストは1つの鍵をシュラに渡した。
「“ボンゴレの鍵”です。・・・準備が出来次第、これであちらに向かってください」
「・・・・・・はぁ、わかった」
鍵を受け取ったシュラは大きな溜息をついて頷いた。