屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜  REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー   作:cibetkato

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マフィアと祓魔師

――イタリア・チェデフ本部応接室

 

 

「・・・まぁ、状況は最悪だ。とりあえずヴルカーノファミリーのシマまでは同盟を結んでいるグロッタファミリーが引き受けてくれた」

 

「キャバッローネじゃないんだ」

 

「まぁ・・・件のファミリーとシマが隣り合ってるグロッタの方が良いって話になってな~」

 

 実際はグロッタファミリーからのごり押しがあったのだ。

 

 曰く、10代目ファミリーとの繋がりを今から作っておきたいのはどのファミリーも一緒だというのに、いつもキャバッローネばかりを優遇するのは、いかがなものか、と。

 

 それを口にすれば、まだまだ子どもであるツナ達が嫌悪感を抱くかもしれず、家光はグロッタファミリーについてはそれ以上を口にしなかった。

 

「で、祓魔師さんって、いつ来るんだよ?・・・向こうで待ち合わせとか?」

 

「・・・いや、こちらに来てもらうことになっている。あちらには“鍵”があるからな。ここまで来るのはあっという間だ」

 

 家光の言葉に、ツナは眉を顰めた。

 

「“鍵”ってナニ?」

 

「そこら辺の扉につっこめば、目的地まで一瞬で行けるってシロモノらしいぞー、父さんも欲しいけど祓魔師用だから一般人には渡せないんだと」

 

「へー・・・まるで、復讐者みたいだな」

 

「あー、その名称は祓魔師の前で言うなよ~?一応、部外者だからな」

 

「えー、向こうから絡んできたら?」

 

「・・・ま、テキトーに合わせて、好きなようにやってもらえ。ヘタに手を出して、こちらに矛先を向けられても困る」

 

 継承式の時も、復讐者の登場が余計状況をややこしくしたのは間違いなかった。まぁ、ボンゴレとシモンの真実を知れたのは良かったが。

 

「え、えーと・・・僕等は、ツナ君達に従えば良い・・・んですよね?」

 

「・・・・・・あ、ああ・・・」

 

 炎真が口を開けば、家光もどこか戸惑った様子で頷く。

 

 真実が明らかになって、一番微妙な関係なのがこの2人なのだ。

 

「・・・とりあえず、後は祓魔師の連中の到着待ちってことだな、家光」

 

「お、おう。そうだぞ、リボーン」

 

 リボーンの機転で微妙な雰囲気になりかけたその場の空気が変わる。

 

 ホッとした様子で頷く家光を見て、炎真は秘かに苦笑した。

 

「・・・ツナ君、頑張ろうね」

 

「うん、そうだね、エンマ」

 

 過去は戻ってこないけれど、ジョットとコザァートが望んだ友情を大事にしようと誓ったのだから。炎真はそう心の中で呟き、ツナに向けて笑みをうかべた。

 

 とその時、応接室の扉がノックされた。

 

「失礼します、正十字騎士團より派遣されました、祓魔師の者ですが・・・」

 

「あ、ああ・・・どうぞ」

 

 家光が許可を出せば、扉が開き、ぞろぞろと揃いの制服に身を包んだ若い男女数人が入って来た。

 

 ちらりと見えた扉の向こうが何かの教室のように見えたところからすると、例の“鍵”とやらで直接ここに繋げたらしい。

 

 全員が扉をくぐり揃ったのを見計らうと、彼等はそれぞれに自己紹介を始めた。

 

「中一級祓魔師の奥村雪男といいます」

 

「上一級祓魔師の霧隠シュラでーす。よろしくー」

 

「訓練生の奥村燐だ」

 

「同じく杜山しえみです!」

 

「勝呂竜士」

 

「志摩廉造っす、よろしゅう~」

 

「三輪子猫丸です、よろしゅうおねがいします」

 

「神木出雲です・・・よろしく」

 

「・・・・・・・・・宝」

 

 それぞれに自己紹介する彼らに、家光は目を細めた。

 

「・・・ああ、ようこそ。私はボンゴレファミリー門外顧問の沢田家光です」

 

「門外顧問・・・?では、10代目候補という方は」

 

 雪男がぐるりと室内を見まわすが、それらしい人物が見当たらず首を傾げる。

 

「ああ、それなら、ウチの息子が10代目候補なんですよ。・・・ツナ!」

 

 呼ばれて前に進み出たツナを見て、燐達は思わず絶句した。

 

 なぜならば、ボンゴレ10代目候補は明らかに自分達よりも“年下”だということがわかったからだった。

 

「まぁ、それなりに修羅場も経験していますから、足手まといにはなりませんよ。・・・それと、こと悪魔に関してはそちらの指示に従いますが、マフィアに関してはこちら・・・ツナの指示に従って頂けますか?」

 

「・・・わ、わかりました」

 

 なんとか頷く雪男に、家光はクスリと笑った。

 

「まぁ、こんな子どもばっかりで信用しろと言っても難しいんでしょうがね。そちらも似たような状況でしょう?」

 

「・・・そうでしたね、こちらも大半は候補生・・・不安を抱かせるやもしれませんね」

 

 家光の指摘に、雪男は苦笑した。

 

「では、こちらも自己紹介を」

 

 家光が視線を送る。

 

「沢田綱吉、一応、ボンゴレ10代目候補です」

 

「獄寺隼人、10代目ファミリーの嵐の守護者だ」

 

「山本武、雨の守護者なのな」

 

「笹川了平だ!!極限!晴の守護者だぞ!!」

 

「ランボさんは~、雷の守護者だもんね~」

 

「雲雀恭弥・・・一応、雲の守護者だよ」

 

「クローム髑髏・・・霧の守護者」

 

 10代目ファミリーが個性的なメンバーであることが自己紹介だけで判明する。

 

「古里炎真・・・ツナ君の友達で、シモンファミリーのボス・・・だよ」

 

「鈴木アーデルハイトだ。シモンファミリーに所属している・・・本当はファミリー全員を呼びたかったが、少し前の戦いの傷が癒えていないのと、10代目ファミリーと相性が悪い面子がいるため、今回は私達だけがこちらに同行させてもらった」

 

 らうじと薫の体調がすぐれないのはひとえにランボ(夜中に遊び倒した)と山本(スパルタ練習で超剛速球を受けまくった)のせいなのだが、まぁ、少し前の戦いが尾を引いているのはあながち嘘ではない。

 

 そして、相性が悪いというのは獄寺を追いまわすSHITT-P!のことだろう。

 

 だが・・・

 

「・・・ジュリーと紅葉はアーデルの粛清で動けなくなったように思ったんだけど」

 

「炎真」

 

「・・・・・・な、なんでもない」

 

 そっと視線を外した炎真に、アーデルハイトはよろしい、と言わんばかりに頷いた。

 

 個性豊かなメンバーに、こちらの個性などかすんでしまうんじゃなかろうかと思った祓魔師達であった。

 

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