屍番犬(ナベリウス)の鳴く夜  REBORN!×青の祓魔師 クロスオーバー   作:cibetkato

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グロッタファミリー

 地階に降りたツナ達を待っていたのは、黒のスーツで身を包んだ3人の男性。

 

「これはこれは、門外顧問。ご無沙汰しておりましたな」

 

「・・・ええ、ドン・グロッタ」

 

 3人の中でも小柄な男性がグロッタファミリーのボス、バルトロ・レッキアだ。

 

 ツナ達は事前に彼等の写真を見せられていたが、生で見るとまとう雰囲気や目つきで印象が違ってくる。

 

「・・・骸様が嫌いそうなタイプ」

 

 ぼそり、とクロームが呟く。

 

 家光と話しこむバルトロ達には気付かれなかったが、祓魔師達には聞こえていたようで、不思議そうな顔をされる。

 

「確かに・・・」

 

 はぁ、とツナが溜息をつく。

 

「ボンゴレ10代目」

 

 不意に声をかけられ、ツナは警戒を解かずに視線を向けた。

 

「初めてお目もじつかまつります、グロッタファミリーの4代目ボスのバルトロ・レッキアと申します。こちらは部下のダルダーノ・ロル、ヴィーゴ・ヴァローティです」

 

 茶色の短髪がダルダーノ、金髪を後ろで結っているのがヴィーゴというらしい。

 

 ツナはコクリと頷く。

 

「よろしく・・・守護者は・・・紹介しなくてもいいですね?」

 

「ええ、存じ上げておりますので」

 

 ニコニコと愛想よく笑うバルトロだが、その目にはこちらを値踏みするような色がうかんでいる。

 

「・・・ナルホド」

 

 ぼそりと雪男が呟く。

 

 ツナ達がなぜこんなにも警戒するのか、彼等を見て良くわかったのだ。

 

「どんな組織でも変わらないってことだな」

 

 シュラもまたムスッとした表情をうかべて呟く。

 

「どういうことだよ?」

 

 雪男とシュラの言葉に燐が首を傾げる。

 

「兄さんだってわかるだろ、あの人達の目・・・あんまり良い感じがしない」

 

 雪男が肩を竦めれば、燐はあっさりと頷いた。

 

「まぁな・・・でも、同盟なのにか?」

 

「同盟だから、だろ?」

 

 雪男の言葉にもっともだと頷いたのは、獄寺達だった。

 

「形だけの同盟を組んでる連中もいる。そういうヤツ等には一瞬たりとも気は抜けねェ」

 

「おべっか使ってくるくらいならまだ良い方なのな。でも“アレ”はあんまり良くねェ傾向だぜ?」

 

 様々な経験を経て、元からのマフィアである獄寺だけでなく山本もマフィアの考え方がわかるようになってきた。

 

 だからこそ、グロッタファミリーはマフィアの中でも黒に近い灰色だと感じた。

 

「一応同盟だからな・・・あまり態度には出さねェようにしとくか」

 

「だな。・・・炎真も気をつけろよ?お前等も特殊な力を持ってて、他のファミリーから狙われる可能性だってあるんだからな」

 

「う、うん」

 

「安心して、炎真。私がちゃんと守るわ」

 

「・・・ありがとう、アーデル」

 

 はにかむ炎真に、アーデルハイトは微笑む。

 

「では、早速出発いたしましょう。10代目はこちらへ・・・他の皆さんには後ろのマイクロバスに乗って頂きますので・・・」

 

「チッ、引き離すつもりかよ」

 

「・・・なーんか、嫌な感じなのな」

 

 獄寺と山本の目が剣呑さをおびる。

 

「・・・隼人、武」

 

 ツナの声に、獄寺と山本がハッとして視線を向ける。

 

「俺はドン・グロッタと一緒に行く。守護者のまとめは2人に任せるぞ。いいな?」

 

「!・・・はい、10代目!」

 

「任せるのな!」

 

 途端に笑顔になる2人に、ツナはフッと笑みをうかべ、バルトロが促すままに車へと向かう。

 

「・・・行ってらっしゃいませ、10代目。お気をつけて」

 

 そこに、家光がうやうやしく頭を下げてそう告げる。

 

「・・・ああ、見送りご苦労だったな。門外顧問」

 

 そして、ツナもちらりと家光に視線を向けただけで、すぐに車の中に乗り込んでしまった。

 

 その2人の徹底した態度を見て祓魔師達はそこまで警戒しているのかと今更ながらに実感した。

 

 

***

 

 

 マイクロバスを運転するのは部下のダルダーノだった。

 

 余計な話は出来ないと判断した獄寺は、祓魔師達に話を振ることにした。(じゃないと、了平辺りが騒ぎ出しそうだったので)

 

「なぁ、祓魔師っていうのは、やっぱり素質があるヤツじゃないとなれないんだろ?」

 

「ええ、でも素質があっても魔障を受けていないと悪魔は見えませんよ」

 

 獄寺の質問に答えたのは雪男だった。

 

「魔障?」

 

 山本が首を傾げる。

 

「ええ、簡単に言えば・・・悪魔から受けた傷や病のことです」

 

「へー・・・そういや小僧の屍番犬の説明の中にも魔障って言葉があったな。すぐ治療しないと壊死しちまうって」

 

「そうです。命にかかわってくるので、安易に近づかないようにしてください。・・・まぁ、見た目がグロテスクなモノが多いので、一目でわかるとは思いますが・・・相手は元祓魔師ですし、その辺りの対処もしているかもしれません」

 

「じゃあ、敷地内に入ったら、要注意ってわけなのな」

 

「となると、今回は接近戦タイプは不利だな」

 

 山本が納得したように頷く脇で、獄寺がそう言って雲雀や了平を見る。

 

「・・・山本武もでしょ」

 

「俺は飛び道具(技)持ってるのな~」

 

「それなら僕だって持ってるよ」

 

「む・・・極限に、俺だって持っているぞ!!」

 

 それぞれに出番が欲しいために主張する3人に、獄寺は頭を抱えた。

 

「あー、わかったわかった!出番は必ず作る!だから黙ってろ!」

 

「・・・ムカつく駄犬だね、咬み殺されたいの?」

 

「・・・あ゛?」

 

 雲雀がジロリと睨めば、獄寺がその言葉にカチンと来たらしく、低い声を出す。

 

 祓魔師達がハラハラする中、その2人の肩を山本がポン、と叩いた。

 

「ははっ、元気なのは良いけど、あんまり騒ぐと後でツナに“お仕置き”されるのな~。それでも良いなら、止めねーよ?」

 

「「!!」」

 

 シモンとの戦いの最中猫被りを止めてしまったツナに、まず一番最初に“お仕置き”されたのは雲雀である。

 

 止めるツナを無視し、黒曜中へ骸を咬み殺しに行こうとする雲雀をボッコボコにし、首根っこを引っ掴んでズルズルと引き摺って来た彼を見た並中の生徒達は、一様にそれを見なかったことにした。

 

 じゃないと、精神的ダメージが大きすぎるからだ。

 

 が、守護者達はそうはいかなかった。なぜなら、明日は我が身だったからだ。

 

 この中でツナの“お仕置き”を受けていないのは、かなり前からツナの猫被りに気付いていた山本と、ツナを(困らせることはあっても)怒らせたことのない了平だけだ。

 

 ピタリ、と武器を構えようとする直前の姿で止まってしまった2人に、山本はニコニコとしながら言った。

 

「俺――獄寺もだけど――守護者のまとめをツナに頼まれてるしな~、報告した方が良いか?」

 

 さり気なく山本の笑顔が黒い。

 

「・・・・・・フン」

 

 まず引いたのは雲雀だった。ツナが身体中に痛みを伴う“教育”を施した影響だろう。

 

「・・・10代目には黙ってろよ、野球馬鹿」

 

「わかってるのな~。ココで双方引かずに戦い始めてたら、すぐにでもチクってたけど」

 

「・・・勘弁してくれ・・・10代目の“あの”笑顔は心臓に悪い」

 

 獄寺もまた青い顔をして視線を逸らした。

 

「なぁ、アイツってそんなに怖いのか?」

 

 燐が首を傾げて問う。“可愛い”と形容できる優しい風貌のツナが、ここまで怯えさせる程に怖いとは思えなかったのだ。

 

 それは、他の塾生達も同じで、うんうんと頷いている。

 

「・・・ふ、見りゃわかるさ。・・・今回の相手は絶対に10代目の大ッッ嫌いなタイプの人間だろうからな」

 

「・・・クフフ・・・ぜひとも僕の分も残しておいて欲しいものですがね」

 

 獄寺が力説したその脇で、今まで黙っていたクロームが奇妙な笑い声をあげた。

 

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