ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

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 PS2が壊れたせいでFE3ができない……


十話 二人のウルトラマン/I was left with some misgivings

 空から放たれたその光線によって、バードンは大きく怯み、楓がいるビルから離れる。

 そして直後、空からウルトラマンとよく似たデザインをしている巨人が降り立った。それは宇宙警備隊隊長、ゾフィーだ。

 そう、先ほど放たれた光線はウルトラマンタロウのネオストリウム光線よりも強力なM87光線。しかしそれでも改造バードンは倒れないのだ。その強度はおそらく今まで出てきた怪物の中でもトップレベルに並ぶだろう。

 ゾフィーは自分のカラータイマーの辺りから自分のエネルギーを取り出すと、それをメビウスに光線として照射する。それにより、点滅していたメビウスのカラータイマーは青く輝き、目の光が強くなる。

 そして立ち上がり、ゾフィーの横に並ぶ。

「メビウス、それだけのエネルギーがあればもう光の国に帰れるはずだ。バードンは私に任せて、お前は帰るんだ」

「嫌です。僕は地球人を守る。そう決めたんです」

「なぜ私が君に帰還するように言ったのがなぜなのか、お前にはわからないのか? このままだと、お前は本当に宇宙警備隊として……いや、ウルトラマンとして認められなくなるんだぞッ!」

「……それでも、僕は戦いますッ!!」

「ダメだ! ここは私がなんとかするからお前は帰れ!」

 ゾフィーはそう言うと、メビウスからかえってくる言葉を待たぬままバードンに向かって走る。それを追うようにしてメビウスもバードンに向かって行く。

「フェァッ!」

 ゾフィーは光線を受けたところをまだ痛そうにおさえているバードンに掴みかかる。そして頭に思い切りチョップをする。しかし暴れだしたバードンに凪ぎ払われ、そのままなん歩か後退する。

「ヤッ!」

 そこにメビウスが掴みかかり、バードンに膝蹴りをくらわす。しかし、やはり改造されたバードンの体は鋼鉄よりもはるかに硬い。それに、蹴りをしたこちらの足が痛いだけで、バードンにそれがきいてるようには見えない。

「ピュキャァァァァァァァ!!」

 バードンはメビウスを押し退けて、高らかに咆哮し、メビウスの胸目掛けて嘴を刺そうとする。

「シュアッ!」

 しかしその嘴をゾフィーが両手が掴み、その攻撃を間一髪のところで妨害した。まさに危機一髪。後一瞬でも遅れていたらメビウスの命は危うかっただろう。

 しかし嘴を掴まれたバードンはたまったものではない。更に暴れ、改造され、もはや機械といっても過言ではない翼で、ゾフィーをバシバシと叩く。ゾフィーはバードンの力の強さのあまりその場に倒れてしまう。

「ピキャァァァ!!」

 バードンは短く咆哮したと思うと、倒れたゾフィーに向かってトドメと言わんばかりの火炎放射をしようと、口内に赤い炎を浮かべる。

 しかしそこにメビウスが思い切りタックルをして、バードンを吹っ飛ばす。それによりゾフィーはなんとかファイヤーヘッt……頭を燃やされずにすむ。

 しかし、そんなことでいちいち安心してはいられない。メビウスのタックルでは改造バードンを倒すことはできず、すぐにバードンがメビウスに襲いかかる。

「グアァッ!!」

 メビウスはバードンのタックルで倒れる。

 地面に倒れるウルトラマン二人を見たバードンは、邪魔者がいなくなったというように、また楓がいるビルに近づく。

 ウルトラマン二人と改造バードン。その力の差は歴然であった。その強さは以前のバードンのそれなどとはまるで比べ物にならない。

「ヘェアッ!」「セヤッ!」

 しかしそんなバードンに、二人のウルトラマンは掴みかかり、そのビルから引き離し、そのまま二人でバードンの腹に蹴りを入れて距離をおく。

「シュアッ!!」「ハッ!」

 その声と共に二人のウルトラマンはそれぞれの光線をうつための準備をする。ゾフィーは胸の前で両手を肩と平行にし、メビウスは左手のメビウスブレスのクリスタルに右手を交差させ、その後に両手を左右に広げ、その手を上にもってくる。

「フェヤッ!!」「シュアァァァァァ!!」

 そして次の瞬間、ゾフィーからはM87光線が、メビウスからはメビュームシュートが発射される。

 二つの光線はきれいにミックスし、白っぽいオレンジ色の一つの光線となると、まるで吸い込まれるかのようにバードンに直撃する。

「ピキュアァッ!!」

 それは大きく火花を散らし、バードンの体に確かなダメージを与える。それはバードンが数歩後退したことが証明している。二人のウルトラマンは光線を出す手に更に力を込め、より強い光線を出す。

「ピュキャ――!?」

 数秒の後、バードンはウルトラマン二人による最大級の光線を受け、ようやく爆発四散した。

「メビウス……これがお前の決意なのか? お前は地球人のために戦うことを躊躇わないのか?」

 戦いが終わり、数秒経った後、ゾフィーはメビウスに問う。

「……ウルトラマンゾフィー」

 その声はヒビノのものではなく、宇佐美のものだった。どうやらヒビノは本当に最初の方しか主人格として出てきていなかったらしい。あの戦い方といい、おそらく戦いはすべて宇佐美が行っていたのだろう。

「俺は……大切な兄弟を奪われてもなお人間の味方をするヒビノのことは理解できない。でも、俺はこの世界で腐った一人の大人として生きていたくないんだ。だから俺はヒビノと合体して、ウルトラマンメビウスになった……。例えあなたが人間が嫌いでも、俺は死んでいく人間を見捨てたくはない。だから俺は躊躇わない……それはヒビノの同じだと思う」

「メビウス……いや、宇佐美。君はこれから地べたを這いずるよりも厳しい目にあうだろう。25年前の事件からのこの一件の背後にいる者は、君が想像しているよりもはるかに暗い……闇だ。いざとなった時、ウルトラ兄弟は君に力を貸す。しかし、もしかしたらウルトラ兄弟全員が力を合わせてもダメかもしれない。敵はそれほどまでに強大な悪だ。それだけは、どうか心の内にとどめておいてくれ。それと、メビウスを頼む」

 ゾフィーはそれだけ言うと赤い球体となり、再び空に消えていった。

 それに対し、宇佐美はゾフィーに言われたことの意味がよくわからなかった。やはりメビウスは自分の身勝手な行為のせいで宇宙警備隊とやらから外されてしまうのか。いや違う。おそらくあの言い方は見逃すということなのだ。

 そう解釈したメビウスは、巨大なウルトラマンの姿から人間の姿となり、楓がいるビルの屋上に降り立つ。

 楓はまだ眠っていた。その体には見ているだけでこちらまで痛くなってしまいそうなほどひどい怪我がたくさんある。

「…………」

 宇佐美は黙って楓をお姫様抱っこする。

 怪我さえなければ本当にかわいらしい普通の女の子だ。これからこの少女も……自分もどんな目に合うかわからない。もしかしたら、これからも守るべき存在である人たちに苦しめられるかもしれない。しかし、きっといつかみんなが平和に、安心して、幸せに暮らせる世界を作るには、誰かがその役をやらなければならないのだ。そのために自分はこの一つしかない大切な命を懸けて戦い、そして奴らの身勝手な侵略からこの地球を救うのだ。

 宇佐美はそう思いながら、夕日に染まっためちゃくちゃの町を見るのであった。

 その宇佐美には、不安の気持ちもあった。今さらになってだが、もしかしたら自分は相当ヤバいことに手を出してしまったのかもしれない。ゾフィーにはカッコつけてあんなことを言ったが、果たして自分にそれができるのかどうか、自信は微塵もない。その気持ちを、宇佐美は心の奥の方に押し込むようにして誤魔化した。

 F-15Jは、いつの間にかいなくなってた。




 はい。ウルトラマンの戦闘描写予想以上に難しく、読者様にわかってもらえているのかどうかわかりませんが、これからもより良いものを書けるように努力しますので、これからもウルトラマンが、降ってきた。をよろしくお願いします。
 まぁ不安なのは戦闘描写だけではないんですけどね。
 後、これにて一章完結です。

 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。
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