ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

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 新しいムシ○ングやってみたいなぁ。


十七話 正反対/The world is Michiafure to hope

 真木はめちゃくちゃになった町を走りまわり、ハイパーレスキューが救助活動をしている場所をさがしている。

 Mark IIとの戦場にならなかったここら辺では、まだ瓦礫が散らばっているだけで火は出ていない。

 部下は、息子が生きている。そう言った。信頼できる部下だからその言葉を信じていいはずだ。

 そこまで考えて真木はところで……と考える。

 妻には自分が何かしらの理由で墜落したとの連絡がいっているはずだ。もしもこんなピンピンして家に帰ったらあいつはいったいどういう顔をするんだろうなぁ。泣くのかな、それとも笑うのかな。どうにせよ、息子が生きているんだ。あいつは心臓が飛び出るほど驚いた後に、泣きながら笑って息子を抱き締めるだろう。絶対に。あいつは昔からそういう奴だ。

 真木とその嫁が出会ったのは空自基地近くにある公園でだった。

 まだ真木が若かった時の休日、気分転換に公園に行って、それで公園のベンチに座っていた。すると春のぽかぽかした天気によって眠くなってしまって、少しだけ仮眠をとるつもりで目を瞑った。しかし予想よりも遥かに長い間寝てしまったようで、気がつくともう太陽が地平線に沈みかけてた。

 その時、誰かが隣のベンチに座っていたことがわかった。

「春でも夜はまだ冷えますから、風邪をひいてしまいますよ」

 それがあいつとの出会いで、一目惚れだった。その後、自然な流れで俺はあいつを家まで送ってやることになった。

 最初の会話はとてもぎこちないものだった記憶がある。それこそあいつが何かしら言って俺が、うん、とか、ああ、とか。

 ただ話の途中、あいつがそろそろ結婚したいんですけどね、とかなんとか言っていたのを聞いて俺は心の中でガッツポーズをしたのはよく覚えている。

 帰り道の時間は永遠にも長くも、一瞬のように早くも感じた。俺はそこで関係がなくなってしまうのを恐れて思いきってメールアドレスを教えてくれ、と言った。するとあいつは笑って、

「いいですよ」

 と言った。

 それから休日の日は毎日会った。

 もともと面白い話なんてできないから、自分の乗ってる機体とか、訓練がキツイとか、一人熱くなって語っていた。そんな俺の話をあいつは笑って聞いていてくれた。

 そんな関係が二年ほど続いたある日、俺はデートすらしたことないのに安っぽい指輪を買って、それをポケットへ忍ばせると、いつものようにあいつと公園で待ち合わせた。しかし、いざそうなると何も言えなくなってしまった。その日はいつものように一人熱く話をすることもなく、いつものようにあいつを家まで送った。

 家について俺がじゃ、と手を振ると、あいつが俺の服を掴んできた。

 何事かと思ってあいつを見ると、頬っぺたが真っ赤になっていた。そして俯いている。

「ど、どうしたんだよ」

 俺がそう言うと、あいつは何かいいたいことがあるのではないですか、と言った。

 俺は、俺のやろうとしていたことがお見通しだったことに、恥ずかしくなった。そして、急いでポケットから安っぽい指輪を出して、あいつに手渡すと、結婚してくれ、そう言った。あいつは、こちらこそお願いします。と言った。そして結婚した。

 今もあいつは本当にいい奴だ。愚痴は聞いてくれるし、家に帰るとご飯も作ってあって風呂も沸かしてある。病弱な息子が熱を出した時も、あいつは俺に心配をかけまいとすべて一人で解決してくれた。あれほどいい嫁を俺は他に知らない。あいつは最高の嫁だ。

 と、目標の場所に着くまでそう考えたところで、瓦礫の奥で誰かが担架の上に横たわり、ハイパーレスキューと思われる屈強な男たちに運ばれていくのが見えた。

 真木は自分でも気づかぬ間に走り出していた。

 そして、そこに横たわりっている男の子を見て、号泣した。

「継夢! 継夢! お父さんの声聞こえるか!? お母さんも家で待ってるからな、絶対に死んじゃダメなんだぞ!!」

 それは真木の息子の継夢だった。

 真木はハイパーレスキューに自分が親だということを即座に伝えて、肩を手で掴みそう叫ぶ。

 すると、継夢がうっすらと目を開けた。

「お父……さん……?」

 本当に号泣した。

 涙が溢れ、目の前が見えなくなった。

 そして、そうか、これが世界のあるべき姿なのだと気がついた。

 人が生きていることに感謝し、人のことを大切にし、日常で感動する。そんな世界がいつか来るといいな、そう思った。

 

 別世界

 TLT基地内。

「孤門副隊長、その棒なんスか?」

 一人の隊員が、椅子に座ってどこか懐かしそうにして、錆びまみれのようにみえるほど赤茶色に変色しているエボルトラスターを見ている男にそう言った。

 エボルトラスター。それは今ではネクサスに変身する力がなくなってしまった脱け殻のような物だ。

 あの日、ノアがダークザギに勝った日。ネクサスは宇宙へと帰っていった。地球は人類自身の手で守らなければならない。彼はそう言い残したような気がする。

 そんな彼がなぜこの脱け殻を置いていったのかはわからない。

 ただ、孤門はそれを捨てることができなかった。それが昔、確かに存在した戦友たちとの絆を証明する唯一の物だったから。

「これは、友達が置いてったものだよ。不思議と捨てられないんだ」

 その時、ヴゥゥゥゥン! と、警告音が鳴り響く。

『第三次警戒発令、ナイトレイダー、スクランブル。ナイトレイダー、スクランブル』

 その瞬間、部屋にいた五人の人たちが一斉に動きだし、次々に戦闘服を着替える。

「これって訓練じゃないんスよね」

「当たり前でしょ!」

 隊長がそう言った。

「はやくしろ!!」

 別の隊員が言った。

「うぃっス」

 そして準備が終わると、隊員たちは部屋の隅の方に行き、むき出しになったエレベーターのような場所に立つ。

「出動!」

 隊員が全員揃ったことを知った隊長……西条凪がそう言うと、エレベーターはものすごいスピードで上がっていく。

 僕たちは絶え間なく出現するスペースビーストと戦いながら、まだ生き残っている。

 あの世界になぜネクサスの力を送ることができたのかわからない。ただ、自分がそうした理由は、ネクサスにそうしろと言われたかとかもしれない。

 僕たちは生きている。この世界、この星に住む人たちを守るためにこれからも生き続ける。この先、さっと明るい未来があると信じて。明るい世界はきっとくる。だって、それは誰もが願っているから。僕たちは生きてゆく。この世界で無限に羽ばたくために。




 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。感想お待ちしています。
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