ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

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 つまらないかも……


二十六話 協力/Blue body

 人間とは、そうそう簡単には変われないものだ。だから戦争は終わらないのだし、犯罪も後を絶たないのだ。

 だからこそ、個人の動きで人を変えられたその時は本当に嬉しい。ある種の達成感が感じられる。自分のやってきたことが無駄ではなかったのだと認識できる。

 メビウス……いや、宇佐美はガンザにミサイルを命中させる自衛隊機を見て少し嬉しくなった。

 先ほどガンザから発射された鋏から自衛隊機を護るのに無理をし過ぎたせいか、身体中がギシギシと痛む。

 だが、自衛隊すら立ち上がった今、俺が戦わない訳にはいかないのだ。

 痛む体を無理やり動かし、メビウスはガンザへと走って向かっていく。

 メビウスの左腕が一瞬光輝いたかと思うと、次の瞬間にはメビウスブレスから光の剣、メビュームブレードが出現する。

 宇佐美は別に左利きというわけではないので、これはものすごく使いづらいのだが、近接武器がこれ以外にないので仕方ない。なんとかして右手で使えないものだろうか。とは何度も思う。

 自衛隊が味方をしてくれたことで宇佐美は少しホッとした気分に浸りたくなって、ふとそんなことを考えた。

「ヤッ!」

 メビウスは剣を降り下ろし、ガンザの左腕を切り落とした後、また後ろに下がった。

 切るのには少し時間がかかったが、無事切れて、それは地面にぼとりと落ちた。

 だがしかし、次の瞬間にはガンザの肩からは新たな左腕がはえる。

 それに少し驚き、対応が遅れたメビウスに鋏で襲いかかるガンザ。これを受ければ形勢が逆転してしまうこともあり得る。これまでのメビウスならこの攻撃を受けてしまい、その後激しい攻撃されてカラータイマーをピコンピコンさせるだけだっただろう。事実、今のメビウスもそれを覚悟した。

――シュゥゥゥゥ……ドンドンドンッ!!

 ガンザの背中が火を吹いた。メビウスは一瞬そう思った。

 だが違う。それの原因はすぐ上空にいた。

 上空を爆音と共に飛んでいるのは自衛隊機。おそらくミサイル攻撃が命中したのだ。

 後続の自衛隊機が更にミサイルを発射、ガンザに命中させていく。

 メビウスは自分の危機を救ってくれたその姿を見て、ウルトラマンが今まで戦ってこれた理由がわかったような気がした。

 嬉しくて、泣きそうになってしまうのを堪えて、メビウスは再びガンザに向かっていく。

 ガンザは自身に危害を加えたF-15Jに対して口から泡を吐いて攻撃しようとする。そんなガンザを、メビウスは掴みかかり、それを防ぐ。

 その硬い頭を数発殴る。その後に背中の甲羅に蹴りをいれた。

 ガンザはそのままバランスを崩して地面に派手に転んだ。そこに追い討ちをかけるかのようにF-15Jからミサイルが発射される。

 しかし、それでもガンザは立ち上がってメビウスに向かってくる。

「セヤッ!」

 メビウスもガンザに向かっていき、通りすぎる時にガンザの頭にチョップをいれる。

 そしてそのまま一気に距離をとる。

 メビウスは距離をとると、そのままメビュームシュートをやる体勢となる。

 メビウスが淡いオレンジの光を放ちながら、静かにエネルギーを溜める。

 メビウスがオレンジに光るその両腕を頭上に持っていくのと同時に、メビウスの頭上には∞のマークが浮かび上がる。そして、その両方の腕を胸の前で十字にクロスさせる。

 瞬間、メビウスの腕からみかんの果汁のような優しい色をした光の光線が発射される。

「――――!!?」

 ガンザに命中。数秒間はその硬い殻を使って耐えるガンザだったが、温度10万℃以上の光線に負け、大きな爆発と共にその生涯を終えた。

「…………」

 メビウスは十字に組んだ腕を元に戻す。

 と、自衛隊のパイロットたちがメビウスに向かってサムズアップした。

 彼らは果たしてそれがメビウスに見えていると信じ、『ありがとう』という気持ちを込めてやったのか、それともただ自然にやったのか、どちらなのかはメビウスにはわからないが、メビウスはそれに頷いて返した。

 メビウスは信じた。

 これからも戦いは続いていくが、きっと人間は味方になってくれて一緒に戦っていけると、今の自分には仲間がいると。今のここは平和だと。

 ……しかし、メビウスが思うほど、事はうまくいかないものだ。

「ゼャァッ!!」

 怪獣がいなくなった横浜に、そんな声が響き渡った。

「――ゼアァァァァッ!!」

 慌ててそちらに振り返ったメビウスは、その青色の光線によって吹き飛ばされ、ビルを破壊して地面に落下した。

 メビウスは苦しそうに呻く。本当に痛そうだ。

 突然起こったことに、吹っ飛ばされたメビウスはもちろんとして、自衛隊も、逃げていた人々にも、まったくもって理解できなかった。

「…………」

 そんな人々をよそに、光線を放った張本人はゆっくりと光線のポーズをやめた。

 胸に輝くのはウルトラマンということを証明するカラータイマー。

 ウルトラマンとしては珍しい青色の体。

 右腕に装着されたそのブレスレットは、かつてウルトラマンキングから貰った物。

 鎧はない。ありのままのそのウルトラマンの姿。

「……フンッ」

 その者は静かに、右腕のナイトブレスから黄金の剣を出現させ、メビウスに襲いかかる。

 ウルトラマンヒカリ。それが彼の名だ。




 戦闘描写ってやっぱり難しいですね。
 それと実際問題、人間を変えたところで嬉しいのかどうかは、その事の大きさと個人によって変わってくるので、そこら辺はお気をつけください。

 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。感想お待ちしています。
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