ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

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 サブタイトルの意味がわかる人いるかな? 相当わかりづらいと思いますが、これが作者の限界です。


五話 volcano/兆候

「……あ?」

 その日、宇佐美はカーテンの隙間から射し込んでくる太陽の光で目が覚めた。

 そして、目覚まし時計を見て落胆する。なぜなら時刻はすでに九時。宇佐美がいつも警察署に出勤するのが八時。

「やっばッ!」

 と、飛び起きたところで思い出す。今回の件での肉体的なダメージを考慮して、署長から休暇を出されていたのだ。

 焦ったことに後悔しながら宇佐美はスリッパを履き、寝室から出て階段を降りる。そしてリビングに着くと、テレビのリモコンを手に取り、ピッ、と電源を着ける。

『それでは次のニュースです。富士山の火山活動が活発になっていることが気象庁への取材で、明らかになりました』

 女性キャスターがそう言い、次の瞬間に画面がパッと変わり、富士山の様子映し出される。

『周辺住民には避難勧告が発令されており――』

 そんなことを言っていた。

 それにしても富士山が噴火したら大変だ。今の内に何か用意しておいた方がいいだろうか? などと考えながら今日の朝ごはんを用意する。袋から食パンを取りだし、冷蔵庫から冷やしておいたブルーベリージャムを取り出す。

「おはようございます……」

 急に声がして宇佐美はリビングの入り口らへんに視線を移す。

 見ると、昨日とまったく服装が変わらない少女が眠そうに目を擦っていた。頭には少し寝癖があり、不覚にも宇佐美はそれに少しドキッとしてしまった。

 雰囲気からして昨日の一件はもう触れてこないようだ。

 それにしても着替える服がないのは衛生的によくない。その内少女の服を買わなくてはならない。そう思いながら宇佐美は少女に尋ねる。

「ジャムは何味がいい? ブルーベリーとイチゴ。どっちかだ」

「ブルーベリーでお願いします」

 少女にそう言われ、宇佐美はスプーンでパンにブルーベリージャム塗り始める。

「何枚食べる?」

「一枚です」

 宇佐美は適当な皿を食器棚から出して、その上にパンを乗っけるとカウンターに出す。

 カウンターの椅子に腰掛け、少女はパンをじっと見つめている。

「お巡りさん、昨日もお惣菜でしたしもしかして料理できないんですか?」

 少女は眠そうな顔をしながらこちらを見てそう言った。その言葉に嫌みなどは感じられない。おそらく正直に聞いてるだけなのだろう。しかし、宇佐美の心にはかなりグサッとくる。

「インスタントラーメンを料理に含めるんなら……できなくはない」

 宇佐美は自分の分のパンに視線を移し、ジャムを塗りながら答えた。

 つまりそれ以外は論外ということだ。

 まぁ、焼き肉のたれを入れて肉を焼くだけの簡単な料理すら宇佐美は作れないのだ。宇佐美の腕はつまりその程度だ。

「そういうお前は作れるのか?」

 ジャムを塗りながら聞く。

 今思うと少し大人げないことを言ってしまったと思う。ついつい、聞いてるお前は作れんのかよ。作れないって言ったら笑い飛ばしてやる。とか思いながら言ってしまった。

「つ、作れますよ」

「へぇ、じゃあなに作れるんだ?」

「そ、それはですね……え~っと……お、お菓子なら作れます」

 なんていうか……女子だった。

 なんで女子はあんなにも美味しいお菓子を作れるのかまったくもって不明だ。自分も前挑戦したことがあるが、丸焦げになっただけだった。

 しかし宇佐美は少女の顔を見ていない。少女のその恥ずかしそうな顔を見ていたなら次の質問は絶対にしなかっただろう。

「菓子って、クッキーとかか?」

 しかし、少女は黙ったまま顔を赤くする。

 ん、なんだ? と思い、宇佐美がパンから少女の顔に視線を移すと、少女の口がかすかに動いてるのが見えた。

「お……お汁粉です………」

 確かにその口はそう言っていた。

「――ぷ」

 思わず笑ってしまった。

 確かにあれはお菓子といってもいいかもしれないが、まるでおばあちゃんだ。この年でお汁粉を作れる女の子がいたこと事態かなり驚きだ。

「じ、実家がそういうお店なんですっ!! 何かいけませんかっ!」

 少女は怒ってそう言ってくるが、まったく怖くない。それどころかかわいいぐらいだ。

「お汁粉……ま、そのうち作ってくれることを期待してるよ。どうせ俺は何も作れないし」

 その時だった。ピーンポーン、という音が部屋中に響き渡る。

 宇佐美は誰だ? と思いながら家から出ていくのだった。

 

 都内、薄暗い高架下。

 昼間だというのに人気がなく、少し薄暗いそこに一人の男が突っ立っていた。

「ウルトラセブン……いや、モロボシダン。いったい何のつもりですか?」

 その男にまた別の男が話しかける。

「何のつもりとはなんのことだ?」

「なぜあの人間を助けたのかと聞いているのです! いくらあそこにメビウスがいたからといってもあなたがウルトラ念力を使ってまで助けたのは紛れもない地球人! 我々の敵です!」

「確かに、地球人のせいで兄弟を失った。でも我々を捨てた彼らの行為は仕方がないものだ。地球を……同じ地球人を守るためなら彼らはあれ以外に方法はなかった」

「ですがッ!」

「君の言いたいこともわかる。僕も同じだ……」

 モロボシは続ける。

「地球人は愛するべき対象でありながら同時に憎むべき敵だ。僕もどうすればいいのかまだわからない。しかし、メビウスは大隊長の命令を無視してまで再び地球人を助けようと地球に飛来した。おそらく光の国に戻ったらそれ相応の罰を受けることになるだろう」

「だったら今の内にメビウスを止めることが宇宙警備隊の先輩であるあなたの役目ではないんですか!? このままだとメビウスは守るべき地球人からも攻撃を受けて、精神的に不安定になり、べリアルのように心に闇を持ったウルトラマンになってしまう可能性もあるんですよ!?」

「……メビウスを止めたとしてこの星の人々はどうなる? また彼らは奴らに怯えながら暮らしていくのか? わずかに見えた希望の光を我々が消してしまうのか?」

「そんなこと我々が知ったことではないでしょ! 我々には地球人を守る義務なんてない!!」

「守る義務はない……でも守ってはいけないということもない。大隊長が彼を止めても彼がその言葉を無視したのは、彼が地球人を愛しているからだ。その気持ちは誰にも止められない。君もウルトラ警備隊の一員として地球を守ったことがあるならわかるだろう? ウルトラマンヒカリ」

「……私はなにがなんでもメビウスを止めます」

 男、かつてウルトラマンヒカリと言われたその男はそう吐き捨てるように言うと、その場から足早に去っていった。一人取り残されたモロボシは大きくため息を吐き、ヒカリと反対側に向かって歩き出した。




 火山……勘のいい人なら次に出てくる怪獣の絞りこめると思います。
 それでは次回もよろしくお願いいたします。

 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。
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