ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

73 / 99
 こんなスピードで更新して大丈夫かな、と自分で心配になってきた作者です。


七十話 アメリカン・ゼロ

「大人しく死ね。宇佐美」

 ナイトブレードを突きつけているツルギはそういい放つ。

 そのブレードから放たれた熱が肌に伝わり、じんわりと熱い。時間がまるで永遠のように思える。

「うぐっ!?」

 ツルギに顔を蹴られ、転がったところで頭を踏みつけられる。そしてナイトブレードを腹に突き刺される。

 メビウスの絶叫が、町を飲み込む。

 メビウスはもちろんもがくが、いつからかメガリュームクラスタがメビウスを押さえつけているせいで逃げられない。

 深々と突き刺さったその剣によってメビウスのエネルギーはものすごいスピードで失われて、カラータイマーが赤くなる。

 ぐりぐりと、ツルギは楽しんでいるかのようにナイトブレードで腹をほじくる。

 光が腹から大量に漏れだし、大気中に消える。

 これは、マジで死ぬッ!!

 そこからはほとんどダメ元だった。メビウスは痛みを堪えて、空に向けて手を挙げ、そして一筋の光を押し出した。

 一筋の光は厚い雲を蹴散らして大気圏外に到達すると、爆発したかのように弾けとび、何個かの文字を生成する。ウルトラサインと呼ばれるそれは、ウルトラ戦士が緊急時のときなどに使われる一瞬のSOS信号のようなものだが、ウルトラの一族があんな状態の今では、希望はほぼないと見ていい。

 だがそれでもまったく希望がないままよりかはましだ。いかに可能性が低かろうが、これしか手がないならやるしかないのだ。

 

 アメリカ。ミサイル駆逐艦ハワード。

 メビウスが放った光は、確かにその者に見えていた。

「ん? なんだあれ?」

 ただ、その者……つまりブライアン中佐にはそれが何なのか、それの持つ意味も何もかも知らないのだが。

 しかし、ブライアン中佐の左腕につけられたそれはそのブレスレットは違う。今にも動き出したい気分だが、そんなことをして痴話喧嘩になるのはゴメンだ。相性が悪いと戦う時に影響がでる。

「ふぁ~あ……」

 だから、ブライアン中佐が左手で口を覆い、目を閉じてあくびをしたその時だった。

 ブレスレットから光って飛び出たそのメガネは、音をたてずにそっとブライアン中佐の目まで近づき――、

「What!?」

 そのまま目に張り付いた。

 ブライアン中佐は引き剥がそうとメガネを掴もうとするが、彼の腕は彼の意思とは関係なく真横に広げられ、そしてそのまま彼の足は手と同じく意思とは関係なく跳躍する。そして彼の姿は光に包まれていき、青いウルトラマンへと変身する。

 作戦がうまくいったメガネ……いや、ウルトラマンゼロは、ハワードを見下ろしながら、得意気に鼻を擦る仕草をして、にへへと笑うのだった。

 ――それは、決して小さくなどない、完全体のウルトラマンゼロ大きさだった。




 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。