ウルトラマンが、降ってきた   作:凱旋門

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 二週間くらい更新できないと思います。


七話 人間と/Zophy

 メビウスは、上空数千フィートを飛行中のバードンを見つけると、赤い球体状態のまま体当たりをする。

 突然猛スピードで突っ込んできたメビウスを、バードンは対処することができずにそのまま高度をぐんと下げてそのまま住宅がほとんどない山間部へと落下していく。

 ズシーン、と、地震のように地面を揺らし落下したバードンはしばらくの間痛そうに地面でバタバタするが、立ち上がり、自分にそんなことをした犯人を探し、天を見る。

 直後、それはゆっくりと降下してきた。

 夜の山に山火事が起こったのかと錯覚するほどまでに周囲の木々を赤く照らしているその球体は地面数百mのところで静止している。そして、その姿を表した。

「セヤッ!」

 メビウスはバードンに構える。

「ピキャァァァ!」

「――ッ!?」

 もしもそれが普通のバードンだったならば、きっとメビウスは怯むこともなかっただろう。

 そのバードンは機械……いや、半機械。つまり改造されていたのだ。その姿はより攻撃的なものとなっていて、その無機質なものとなった顔からは何の感情を読み取れない。

 その姿に驚いた一瞬が、メビウスの命取りとなった。

「ピキャァァァッ!」

 改造バードンは、メビウスに向けて火炎放射をする。怯んでしまっていて、一瞬反応が遅れたメビウスには避けることも、目の前にバリアを張ることもできずに、メビウスは炎に包まれる。

 メビウスはもがき、地面に倒れる。

「ピキャァァァァァァァ!!」

 地面に倒れたまま、何度も立とうとして失敗するメビウスを見て、何を思ったのか、辺りの木々に火炎放射をして本当の山火事を起こす。メビウスの周りの木も、メビウスから離れたところにある木も燃え、辺りは真っ赤になる。

「――ッ!?」

 倒れたメビウスの腹を、バードンは改造されて硬くなった足で踏み潰す。一回……二回……三回、四回。その巨大な足で踏み潰されたメビウスは苦痛の声を漏らす。

 そして、踏み潰した後に、バードンは改造されて強化された右手でメビウスの腕の掴んでそのまま上空に投げる。3万5000トンもある巨体は軽々と空に飛んだ。

「ピキャァァァァァァァァァァッ!!」

 バードンも羽ばたいてその後を追い、うつぶせになって落ちてくるメビウスにくちばしを向ける。

「ゼヤァァァァァッ!!?」

 昼間の山間部にメビウスの苦痛の叫びが響いた。

 なんと、バードンのくちばしがメビウスの胸に刺さっていたのだ。刺されたメビウスはすぐにカラータイマーの色を赤とする。

 バードンのくちばしの横にある毒袋には猛毒が蓄えられており、くちばしを突き刺すと同時にそれを刺したと相手の体内へ流し込む。それは改造された今でも変わっていなかったのだ。

 バードンはメビウスからくちばしを抜いてそのままどこかに飛び去る。支えられるものがなくなったメビウスは、そのまま地面に落下して、そのまま消えてしまった。その刹那、何か別の球体がメビウスのいたところに飛来したような気がした。

 

 熱い……体中が燃えるように熱かった。

『……人間』

 見下されたように言われて宇佐美は目を覚ます。

 そこはただひたすら赤い空間。そして目の前にいるのは巨大なウルトラマン。そのカラーリングはどことなく初代ウルトラマンを感じさせる。だが宇佐美にはわかる。これは初代ウルトラマンなどではない。

「ウルトラマンゾフィー……」

 そう。今目の前にいるのは宇宙警備隊の隊長だ。見た感じ初代ウルトラマンに似ているが肩と胸に着いているそのスターマークと、ウルトラブレスターの存在がそれを否定している。

「人間……メビウスを返せ」

 その警備隊隊長は恐ろしく冷たい声で言い放つ。その声に昔地球を守った優しさはない。あるのは無限に続くような、人間への憎しみだ。

 その声は本気で宇佐美を殺しにくるような声に聞こえ、宇佐美は何か言うことも、それどころかそこから逃げようとすることすら体が金縛りにあったかのように動かなくてできなかった。

「……ゾフィー兄さん」

 横から聞いたことのある声がして、目だけそちらを向けると、そこにはヒビノの姿があった。ウルトラマンではない人間の姿のヒビノを見るのはこれで二度目だ。

「メビウス……ッ! なぜ大隊長の命令を無視してまでこの星に来た」

「地球の人々を守りたいからです」

 ヒビノの嘘偽りのないまっすぐな言葉にゾフィーが一瞬たじろいだ気がした。

「だったらなぜ人間の体なんかを使っている。人間は我々の敵なのだぞ」

「彼は敵ではありません! 人間もまた敵ではありません! 誰にだって自分を身を守るために何かを捨てなければならないときがあるはずですっ!」

 なんだか俺一人だけ会話についていけなくなってしまった。こういうときどうするべきだろうか。話しかけられるような雰囲気じゃないし、そっとしておればいいんだよね?

「宇佐美さんっ!」

「は、はいっ!?」

 急に大声で呼ばれたせいで普段あまり使わない裏声が出てしまった。

「宇佐美さんからも言ってください! 人間としてウルトラマンのことを一体どう思っているのか!」

「ど、どうって……今さら人間がこういうのもおかしいとは思うけど……いつも人間を守ってくれた正義のヒーローとしか……」

「だそうです! ゾフィー兄さん」

「メビウス、騙されるなっ! 地球人など所詮は口先だけの化け物だ! お前は忘れたのか? 地球人を助けようとして最後まで戦ったウルトラマンやタロウ、80がどうなったのか! 最後は地球人によって殺されたんだぞ!!」

「そ、それはッ……そうですが……それも――」

「仕方ないこと、そう言いたいのか?」

「――ッ」

「いい加減目を覚ませ。人間など所詮その程度だ。今だって彼の下手な戦い方で君は毒を体内に注入されたんだぞ? 私が助けなかったらどうなっていたのかわかるだろ?」

 ゾフィーは続ける。

「今回はお前も、そこの人間も見逃す。しかし、次はないぞ」




 誰も普通のバードンとは言ってない。
 というのも、一度は負けたけど二回目の時はカラータイマーがなりながらもすぐに倒した怪獣をそのまま出すのもあれだしなぁ。と考えた結果がこれです。
 それと、前書きにもある通り、これから二週間ほど忙しくなるので更新できないかもしれません。
 それでは、また次回更新した時に。

 ※この話はフィクションであり、実在の人物、団体、国家などとは何の関係もありません。そして、もしも誤字などがありましたらご報告をお願いいたします。
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