「転生特典をもらっても全て得になるとは限らない」   作:野鳥

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第13話

 第13話

 

 キラがラクス・クラインを無断でザフトに返還した騒動が終わった直後、オレのジンの性能が通常のものより高い事がムウとキラにバレてしまい説明するのに時間を要する事となってしまった。

 ちなみにその説明の内容は“ジンだと反応速度が遅過ぎたのでその時その時で持てるだけのパーツを注ぎ込んで改造した結果こうなった”というものだ。かなり苦し紛れの嘘だったので二人は怪しんでいたがマードックが

 

「こいつの整備の腕はなかなかのもんだし、パーツさえ揃えばできないという事はないでしょうぜ」

 

と、助け舟を出してくれた事で二人も一応納得してくれたようだ。それだけマードックは整備士として信頼されているという事だろう。

 それにしてもまさかマードックがここまでオレの整備の腕を買ってくれているとは思わなかった。ハロに超スパルタで鍛えられたのは無駄ではなかったのだと思えたよ。

 …ただし、助けられた分これからは今まで以上に整備の手伝いをさせられることとなったがな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで数日後、ついにアークエンジェルは第8艦隊と合流する事ができた。艦隊というだけあって様々な軍用艦が総勢30隻以上も集まっていた。

 第八艦隊の旗艦メネラオスの横に隣接し、アークエンジェルのクルー達は一時の休息を得ていた。

 で、オレはというと現在、第八艦隊を率いるハルバートン准将を出迎えている面々の中にいた。その出迎えるメンバーはオレを除けば、ヘリオポリスの襲撃の中生き残りアークエンジェルに乗ったマリュー、ムウ、ナタルを初めとした軍人達、整備員、ヘリオポリスのフレイ以外の学生組だ。

 アークエンジェルの足部分にあるハッチからの往来に使用される場に一隻のランチが到着する。そのランチより数名の将校を引き連れた初老の軍人が現れた。

 

「あれが知将ハルバートンか……」

 

 ハルバートンは自分を出迎えるかのように集まっているクルーの面々を見て嬉しそうに降りてきた。

 

「ヘリオポリス崩壊の知らせを受けた時はもう駄目かと思ったぞ。それがこんな所で君達と会えるとは…!」

「ありがとうございます。お久しぶりです、閣下」

 

 マリューもハルバートンに会えて嬉しいのかその声はいつもより弾んでいた。そのまま返事の後敬礼し、他の軍人達も続くように敬礼を行った。

 ………それにしても結局第8艦隊と合流する前にガモフとクルーゼ隊の三人が襲ってくる事はなかったな。別にあの戦闘で撃墜数を稼げはしなかっただろうから来ても来なくてもどっちでもいいんだが、何故そうなったのかやはり気になるな…。デュエルの修理がまだ終わってなかったのか…?いや、それともあの戦闘でイザークは死んだのか…?………違うな。それなら撃墜数が増えている筈だ。

 オレのステータスにある撃墜数は対象を殺害する。対象が乗っている機体を完全に動けない状態にする。または対象の機体を完全に破壊する事で増えるシステムになっている。もし、あそこでイザークが死亡していたなら撃墜数は増えていなければおかしい。つまりまだイザークは生きているという事だ。というかそうなるとあそこまで損傷を与えたのにデュエルはまだ動けたって事か!? どうやら、パイロットも機体もかなりしぶとい奴らのようだな。………話が脱線したな。

 ガモフが襲ってこなかったのはイザークがあの戦闘でかなりの重傷を負い、アークエンジェルを襲うには分が悪いと感じて取り止めたといったところか。イザークが原作通りの性格ならちょっとの怪我位で出撃を止める事はないだろうしな。

 だが、さすがにもう治っているか…?コーディネイターの回復力はかなり高い。どこまでの負傷を負ったかはわからないが、次の戦闘に出てこないというのは楽観論でしかないからな。

 

          「低軌道会戦」

 

 原作だとそう呼ばれるこの戦いではクルーゼ隊が第8艦隊を強襲。艦船総数等の物量で圧倒的に勝っていた第八艦隊だが、クルーゼ隊の、特にヘリオポリスで開発されたGAT-XシリーズはこれまでのザフトのMSを遥かに超えた性能を見せ、次々と第八艦隊の軍艦やMAを撃破していきハルバートンは戦死し、第八艦隊は壊滅状態になりクルーゼ隊の勝利に終わった。アークエンジェルはその中何とか地球に降下するも予定していたアラスカから外れ、ザフトの勢力圏内に落ちてしまう。

 

 

 とまあ大体こんな感じだったな。この低軌道会戦でイザークが出てくる場合注意しなければならないのは、戦闘終盤にイザークがアークエンジェルに避難していたヘリオポリスの民間人が乗った脱出シャトルを破壊するという事だ。

 ストライクとの戦闘でビームライフルを撃とうとした時シャトルがその間を通過しビームライフルを撃ち損ねる。中に乗っているのが民間人だと知らなかったことに加え、自分の攻撃を邪魔されたのに逆上したイザークは地球に降下するシャトルに発砲。ストライクに乗っていたキラはそれを止めようとするも間に合わずシャトルごと中の民間人は全員死亡、キラの心にも大きな傷を遺す結果となる。

 イザークが出てきた場合、相手は奴と戦ったオレになるだろうがはっきりいって止めれる自信はあまりない。戦闘は大気圏すれすれでやる事になるから重力に引っ張られ動きはかなり鈍くなる。そんな状態でデュエルがシャトルを撃とうとする瞬間に咄嗟に動けるとは全く思えないのだ。……こんな事ならあの時完全に息の根を絶つべきだったか……。いや、終わった事を嘆いても仕方がない。自信はないがその時になったら精一杯止めるしかないだろう。

 

「ああ、彼等が」

「はい。艦を手伝ってくれたヘリオポリスの学生達と傭兵の悠凪・グライフさんです」

 

 どうやらあっちの話は一段落したようだ。ハルバートンはオレ達のいる場所へとやってきて、まずは学生組に話しかけ始めた。

 

「君達のご家族の消息は確認してきたぞ。皆さんご無事だ」

 

 それを聞いて学生組の面々は全員安堵の表情を浮かべた。やはりヘリオポリスを脱出してから家族がどうなったかはよほど気になっていたのだろう。今の学生組の雰囲気はとても明るいものへと変わっていた。

 

「とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたな。私からも礼を言う」

 

 ハルバートンは今までヘリオポリスの動乱の中人手不足となったこの艦を支えてくれた学生組に感謝の言葉を述べると、今度はこちらへと向き直りオレへと話しかけてきた。

 

「君だね? 傭兵の悠凪・グライフ君は。君という存在が乗船してくれたお陰で、このアークエンジェルは無事に我が第八艦隊へと合流することができた。第八艦隊の代表として礼を言う、ありがとう。」

「いえ。依頼を受けた以上、最大限それを遂行しようとやってきただけです。お礼を言われるような事じゃありませんよ」

「ははは、なかなか謙虚なようだな君は。だが、君のしてきた事はそれだけの評価に値するものだ。礼をいうのは当然の事だ」

 

 ふむ、なかなか好人物のようだな。原作でも数々の連合軍人の中で数少ないまともな人物だという印象を受けたが、こちらでもその印象で良さそうだな。

 

「ところで、報告によると君はコーディネイターではなくナチュラルだそうだが、そこまでの操縦技術どうやって身につけたのか気になるところだな」

 

 そう言ってくるハルバートンの目はオレという存在を見定めようとしているように見えた。気を抜けばこちらの秘密などすぐに見透かされてしまうと、オレはその目を見た瞬間思ってしまった。

 すぐさま気を引き締め直し、ハルバートンの問いに答える。

 

「今のご時世MAではとてもじゃないがやっていけないですから、それこそ死に物狂いで訓練した結果ですよ。何も特別な事はないです」

 

 実際嘘はついていない。ハロの訓練は苛酷なんて言葉では片付かないような内容で文字通り、死に物狂いで掛からなければついていけなかった。まあ、その訓練があったからこそ今のオレがあるんだがな。

 

「閣下、そろそろお時間が」

 

 そんな時、ハルバートンの後ろにいた副官が話に割り込んでくる。どうやら話を聞く限り次の予定が差し迫っているようだ。

 

「…時間がないのでこれで失礼させてもらう。できる事なら後で君達ともゆっくり話をしたいものだな」

 

 そう言ってハルバートンは副官を含め、マリュー、ナタル、ムウと共にその場を後にした。多分この後、マリュー達が今までの顛末を報告するのだろう。

 それにしてもハルバートンか。あの時の目、あれは優秀な能力を持ち、尚且つ様々な経験を積んだ者にしかできないものだ。まさしく知将の名に恥じない人物だった。

……ただ惜しいのは、低軌道会戦で戦死してしまうという事だ。どうもこの世界は有能な人物程死ぬ確率が高いらしい。

 イザークが出てきた場合助けに行くのはまず無理だろう。例え出て来なくても、ディアッカやニコルが来る可能性だってある。とても第8艦隊の救援に向かう余裕はない。…結局、オレに出来る事は何一つないってことか。せめてジン以外の機体、例えばガンダムXなんかが使えればまた違ってくるかもしれないんだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブー!ブー!ブー!

 

『総員、第一戦闘配備!繰り返す。総員、第一戦闘配備!…』

 

 数日後、アークエンジェルは第8艦隊と共に地球周辺までやって来ており、艦隊から送られてきた補給物資の積み込みや艦に避難していた民間人の脱出シャトルへの収容が行われていた。

 オレは補給物質の積み込みを手伝っていたが、それが完了した後やる事もなかったので部屋に戻って筋トレをしていたのだが…

 

「もう来やがったか」

 

 どうやらクルーゼ隊がついにやってきたようだ。クルーゼ隊はアークエンジェルを、赤服の連中はオレやストライクを狙ってくるだろう。早めに準備を整えていた方がいいか。

 すぐさま部屋を出てパイロット控え室へ急いで向かう。十数分後に控え室のすぐ傍までたどり着き中に入ろうとするが、その目に入った光景にオレは驚き、一瞬固まってしまった。

 

「……!!?」

 

 控え室にいたのはフレイ・アルスターだった。フレイはパイロットスーツが入っているロッカーを見つめたまま動きを止めていた。どうやらオレの存在にはまだ気づいていないらしく、オレは急いで控え室からの死角まで逆戻りし、まずは頭の中を整理する事にした。

 ………これは、原作であったキラを誑かすシーン辺りか。やはり父親のジョージ・アルスターが死んだ事でコーディネイターへの復讐を決意したらしい。…あの時ちゃんと先遣隊を助けられていればこうなる事はなかったんだろうな……。

 だが、今はそれを考えている暇はない。それに、ここでの問題はそれではない。要は原作通りの展開になるかという事だ。奴は食堂での一件でその本性がバレてしまっている。恐らくその情報はあの場にいなかった他の学生組の面々にも伝わっているだろう。キラは原作でもフレイに散々な事を言われたのにフレイが軍に志願したというのを聞いたのが艦に残って戦うという決意をさせた理由の決め手の一つになっていた位だ。この世界のキラも性格は特に違う点は見受けられかったから、情報さえ伝われば控え室にやってくるだろう。

 しかし、その情報を伝えたのは軍に志願するのを決意して、脱出シャトルの乗り場にいたキラに別れを告げに来た他の学生組の面々だ。この世界ではフレイの本性は先も言った通り学生組の面々にバレている。下手をすれば軍に志願したフレイに触発されずに脱出シャトルに乗ってしまっている可能性があるのだ。キラがフレイの事知って艦に戻ろうとしても、全力で止めに入るかもしれない。さすがにキラも友人達に説得されれば諦めるだろう。

 フレイの思い通りにさせる気など毛頭ないが、その前に肝心のキラが来ないかもしれないのだ。これはかなりの戦力低下を招く上にこれでイザークが脱出シャトルに発砲すればキラ達は死亡する事に……大分マズい状況だな、これは。

 この問題をどうするかと思案していたが、それも取り越し苦労に終わったようだ。反対側の方向から誰かが走ってこちらに向かってくる。急いで今度は曲がり角の場所まで戻り、足音が聞こえなくなった辺りでオレは控え室まで忍び寄り、中を覗き込んだ。

 

「フレイ!?どうして…」

 

 やって来たのはキラだった。どうやら学生組は原作と同じく艦に残る事にしたようだ。……という事は、何だかんだ言ってフレイの事が心配になったのか? やはりあいつらはかなりのお人好しだな。

 キラの存在に気付き、フレイは涙を浮かべながらキラに抱きついた。

 ………あざとい女だ。ああやって色香に惑わせてキラを自分の思い通りの人形にするつもりか。

 

「あなた、行っちゃたと思ったから…。皆戦ってるのに、最初に言った私だけ……だから、私が…」

「まさか君がMSに!? 君には無理だよ。君みたいな女の子がMSなんて…」

「でも、私が…!」

「ストライクには僕が乗る。フレイの分も…」

 

 そう言ってキラは自分のロッカーまで移動し、パイロットスーツを取り出す。

 

「だから、フレイの思いの分もさ…」

「なら…私の思いは……あなたを守るわ」

「えっ…」

 

 フレイはそう呟いてキラの元へ近付いて行く。そしてそのままキラと自身の唇を重ね合わせようと……

 

「…って、させるか!!」

 

 その行為を阻止する為、オレは控え室へと突入した。予期せぬオレの登場に二人は驚き、フレイはすぐさまキラから距離をとった。

 

「なっ、何であんたこんな所に…!!?」

「何って、今は第一戦闘配備だ。傭兵であるオレがここに来ても何らおかしな部分はない。それ所かオレからしてみれば、何でパイロットでもないお前がここにいるのかと聞きたいんだが? それと、ここはいつからキスなぞする場所になったんだ」

「べ、別に私が誰とどこでキスしようが関係ないじゃない!」

 

 そう言いながら少し顔を赤らめるフレイ。キラもさっきの状況を思い出したのかこちらから顔を逸らしながら顔を赤らめていた。

 ……というか、フレイに関しては自分から迫っていった癖に何を今更恥ずかしがっているのか。

 

「確かにオレが本来ならとやかく言う事ではないだろう。……お前がサイ・アーガイルと婚約関係にあると知らなければな」

「……!! あんた、そんな事まで……」

「何故サイと婚約していながらキラとキスをしようとした? それも心の底からコーディネイターを毛嫌いしているお前が」

「……そ、それは…」

「………キラをコーディネイターを殲滅する為の道具にする為か」

「……!!」

 

 オレの言い放った一言に、フレイは驚愕の表情を浮かべた。……図星か。

 

「……自身の復讐に他人を使おうとするとは、全く救いようのない奴だ」

「違うわよ!!私はそんな……」

「違うと言うなら、何故すぐに否定しなかった。違うなら堂々とすぐ否定すればいいだろう。だが、お前はそれをしなかった。つまり自分でオレの言った事を事実だと認めてしまったんだよ」

「……ふざけないでよ!大体証拠はあるの?!そこまで言うんならちゃんとした確証があるんでしょうね?当てずっぽうで言ってるなら許さないわよ!!」

「……いいだろう、ならば言ってやる。まず一つ目にお前のコーディネイターへの偏見。二つ目、さっき言ったお前がサイと婚約関係にある事。最後に……」

「………」

「お前の先遣隊と共に死亡した父親への愛だな」

「……!」

「お前は父親を尊敬し、家族として愛していた。先日の件でオレがお前の父親を酷評した時にはなりふり構わず怒りを顕わにした位だからな。そんなお前がその父親を殺されて、殺した側の人間を恨まずにいられるか?いや確実に恨むだろう。それこそ復讐を決意する程に。だが、お前にそれを成し遂げる力はない。戦闘訓練など受けた事もないただの普通のお嬢様でしかない。なら、どうやって復讐を果たすか」

「…そんなの、諦めるしかないじゃない」

「いや、一つ方法がある。今まさにお前はそいつを実行しようとしたんだから」

 

 オレはそう言いながらキラへと顔を向ける。そのキラは今までの話を聞いてオレが何を言いたいか察してしまったのだろう。大きく目を見開きながらフレイを見つめていた。

 オレはキラからフレイへと向き直り一旦止めた言葉の続きを言い始める。

 

「そう、キラを使えばいい。こいつにはMSを操り、ザフトのコーディネイター達を殺せる力がある。キラをうまく懐柔する事が出来れば多くのコーディネイターを殺す事が出来るだろう。現にお前は色仕掛けでキラの心を掴もうとした訳だしな」

「ち、違うわよ。そんなんじゃ……」

「じゃああれか?お前はサイに飽きてキラに乗り換えようとしたって事か」

「何でそういう事になるのよ!」

「何でって、サイと付き合ってるという事前情報を知った上であの場面を見ればそうとられても不思議じゃないぞ。そうじゃないっていうんならどんな理由なんだ?まあどちらにしろあんな浮気同然の行為に正当な理由がある訳ないが」

「……き、キラなら、わかってくれるわよね!私がそんな事する訳ないって!!」

「……………」

 

 フレイは一縷の望みを賭けキラへと弁護を頼むが、当のキラは俯き押し黙ってしまった。……こいつ、終わったな。

 

「何で黙ってるのよ……。な、何とか言いなさいよ、ねぇ!」

「…まだわからないか?キラもオレの言う通りだと認めたって事だよ。もう観念したらどうだ」

「…あ、あんた達なんて……」

「?」

「あんた達なんて、この戦闘で死んでしまえばいいのよ!!」

 

 そう言ってフレイは脱兎の如く控え室から出て行ってしまった。……なんだあの捨て台詞。

 オレは別に何とも思わなかったが、キラの方は今の捨て台詞で多大なショックを受けたのかその目には涙が浮かんでいた。………好きな人に死ねとか言われたらそりゃこうなるか。

 

「えっと………、大丈夫か…?」

「だ、大丈夫です……」

 

 うん、全然大丈夫じゃないな。このまま出撃すればまず間違いなく戦闘に支障が出て、下手をすれば墜とされる。そうなったら非常にまずい。ここはフォローをいれておくべきだな。

 

「…大丈夫じゃないだろ。でなければ涙なんて出ない」

「えっ……」

「今のお前じゃ戦闘に支障が出て、墜とされる確立が高い。今回は出撃するな」

「で、でも」

「……シャトルに乗った筈のお前がここにいるって事は、何か戦う事を決意するだけのことがあったんだろう。だけどな、今のお前を見て戦えると思う奴はいないぞ」

「………」

「…それにさ、好きなんだろ?フレイ・アルスターの事が」

「……!何でそれを……」

「あの食堂での一件の後、ラクス・クラインを除いてお前だけ奴の事に関して何も言っていなかった上に何故かショックを受けているようだったからな。それと今回の件で確信がいった。それともオレの勘違いだったか?」

「……いえ、その通りです」

「なら、尚更だ。……今回位出なくたって罰は当たらんさ。それに、泣くのを我慢する必要はない。今は誰もここには来ないし、思いっ切り泣いとけ」

「………」

 

 そうしてパイロットスーツにすぐに着替え、オレは控え室から退出しようとするがその前に、キラにもう一言言っておく事にした。

 

「じゃあ、オレは行くぞ。…なんか相談事とかあったら聞いてやるから、その……なんだ。元気だせよ」

 

 

 

 その後、格納庫に行くまでに後ろの方でキラの泣き声が聞こえた気がした。……何か、悪い事したな。ホントに後で相談にでものってやらないとな。

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