「転生特典をもらっても全て得になるとは限らない」   作:野鳥

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 何とか今月以内に書き終わった………(・・;)

 


第22話

 

「技術提供……ですか?」

 

「ええ、そうよ。あなた達には明日の早朝、モルゲンレーテに行ってもらいます」

 

 

 現在オレは艦長室に呼び出しを受け、目の前のマリューからの話を聞いている最中だ。

 オレ以外では、マリューを始め副長であるナタル、ムウ、キラがこの場に集まっている。

 

 ここに来るまでの間に恐らくオーブに関しての話だろうとは思っていたが、まさかオレにこの話がくるとは全く考えていなかった。

 

 

 

           “オーブ”

 

 地球上の様々な国や武装組織が『地球連合軍』、『ザフト』の二大勢力へ傾倒。又は敵対行動をとる中、どちらにも味方をせず敵対もしない中立国の形をとる上に、コーディネイターの受け入れまで行っている数少ない国家である。

 

 また、オーブは国のトップである国家元首や国政の最高責任者等を「五大氏族」と呼ばれる五つの家の族長から選ぶ仕組みになっている。五大氏族、そしてその中でもアスハ家はオーブにおいて高い発言力を持っており、この国が現在の状況下で中立を貫いているのも、C.E.70年に当時代表首長だったカガリの父 ウズミ・ナラ・アスハの中立宣言によるものなのだ。

 

 だが、その五大氏族も一枚岩ではない。

 

 オーブは中立を謳ってはいるがその実、地球連合軍の最新鋭艦であるアークエンジェルやG兵器開発において技術提供と建設場所としてオーブのコロニーであるヘリオポリスを提供している。それを行ったのはオレの知識だと確か、五大氏族の一つに数えられるサハク家が行ったものである筈。 

 他にも「SEED DESTINY」では同じく五大氏族のセイラン家が、ムルタ・アズラエルの後を引き継いでブルーコスモスの盟主となったロード・ジブリールに付いていたりと案外独断専行をする者や別勢力と内通している者もいたりするのだ。

 

 正直オーブに関してはそこまで関わる気はなかったので、寄航している間は訓練にあてるか休暇にあてようと思ってたんだが……何故オレまでモルゲンレーテに?

 

 

「……技術提供と言われて何でオレが呼ばれるのかさっぱり分からないんですが……。艦長達は何か聞かされてないんですか?」

 

「それは私にも分からないわ……。

 

 ただ、先方からはキラ・ヤマト少尉にモルゲンレーテへの技術提供をしてもらいたいと。他にもあなたのジンとストライクの戦闘データも貰いたいそうよ」

 

 

 オレはそのマリューの発言に内心かなり動揺してしまった。

 

 ──やばい。戦闘データを渡すという事はアフリカでの戦いも見られるという事。つまり、バルトフェルドが実は生きていると教えるようなもんだ……! なんて物を要求してくるんだウズミは!!

 

 

「どうかしたのか? 悠凪・グライフ」

 

 

 急に黙り込んだオレを訝しんだのか、マリューの横で直立していたナタルが問いただしてきた。

 

 ……この艦に乗っている以上断る事はできないよな。仕方ない。

 

 

「いえ、何でもないですよ。

 

 ──明日、モルゲンレーテへ行かせてもらいます」

 

「ええ。よろしくお願いね」

 

「モルゲンレーテへは明日明朝に迎えが寄越される。ヤマト少尉とグライフは機体ごとそれに付いて行くように」

 

「「分かりました」」 

 

  

 その後解散となりすぐさま艦長室を出たが──

 

 

「悠凪」

 

 

 突然此方に駆け寄ってくるムウに呼ばれた。まだ何かあるのだろうかと振り向くと、偉く上機嫌な笑顔で肩を叩いてくる。

 

 いや、何だよ怖いなぁ………。

 

 

「随分と面倒な事を頼まれたな、お前も」

 

「まぁな……。で、フラガ少佐、一体何の用だ?」

 

「特に用はないぞ。まあ強いて言うなら頑張れよってこった」

 

 

 その、「頑張れよ」の言葉で何が言いたいのか察しがついた。

 

 こいつ、昼での戦闘後に言った事のお返しにこんな事を──

 

 

「あんた人事だと思ってなぁ……」

 

「そりゃあ今回俺は呼ばれてないんで人事だしな」

 

「あんたねぇ………」

 

 

 ………てかわざわざこれを言いにきたのだろうかこいつは? 暇だな、オイ。

 

 と思っていたがこれで終わりではないらしく、ムウは腕を組みながら話を続いていく。

 

 

「でもこっちも大変だったんだせ? オーブの獅子って呼ばれてるあのウズミ・ナラ・アスハとの会談は。

 

 この艦はヘリオポリスで造られてるし、キラ達の事もあるから何要求されるかとひやひやしたもんだ。

 

 さすがにそう無理難題は言われる事はないだろうよ。けどさっきも言ったが、面倒な事は頼まれるだろうからキラ共々そういう心持ちでいろよ」

 

「ああ。忠告はしっかり受け取っておくよ

 

 ……というか用はないって普通に忠告してるな」

 

「……ああ。まぁ、いいだろ? 別に損する事でもないしな」

 

 

 そう笑いながら話すムウと、何だかんだで少しの間談笑した後別れた。まだ仕事残ってたと慌てながら急いで戻るムウを見送りながら。

 

 こうしてわざわざ忠告入れてくれる辺り、良い奴だなと思う。

 ……偽名を名乗ってたり、実はこの後起こる事に予想がついていたりするのが本当に心苦しい。

 

 

「いつか本当の名前を教えられる日がくればいいがな」

 

 

 その時は改めて仲良くできればいいなと願いながら、今度は急いで格納庫へと向かう。

 

 

 ───目的は戦闘データの改竄だ。

 

 モルゲンレーテの技術者達にはもしかしたらバレる可能性もあるが、さすがに今のままで渡せば不都合な情報が多過ぎる。

 

 

「こんな時ハロが居ればな……」

 

 

 あいつならデータの改竄など簡単にやってのけるだろう。それも優秀な技術者にも早々バレないレベルで。

 だがいないものは仕方ない。今頃基地の方でバルトフェルドとアイシャのコンビと一緒に居るだろうし、ここに来れなくもないがラクス・クラインのペットロボットである筈のハロをオレが所持してたらおかしいしな。

 

 やはり自力でどうにかするしかないか。

 

 ──しっかし、オレって自分の起こした出来事のせいでかなり損ばかりしてる気がするな……。もうどうにもならなくなったフラグもあるし……。

 今後気をつけないと益々拙い事が起こりそうだ。……よし、これからは状況が悪化しないよう細心の注意を払おう!ホントに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがモルゲンレーテ……」

 

 

 隣のキラが今自分達が歩いている機材などが置かれた工業施設をしきりに見ていた。一応今回は用が用なので自重はしているようだが、そのいつもとは違う好奇心に溢れた目は全く誤魔化せていない。

 確かヘリオポリスで通っていた大学も工業系だったと聞いたし、キラにとって今自分が軍人として来ているのでなければそれこそもっと自由に見学したい程に来てみたかった場所なのかもしれない。

 

 現在、迎えに案内されてオレとキラはMSと共にモルゲンレーテの工場施設に来ていた。

 

 ──ストライクとジンの戦闘データは迎えが来た際に提出してオレ達よりも先にモルゲンレーテに送られたので、恐らく今頃はこれから見さされる物への参考の為に解析が行われている事だろう。

 一応大丈夫だとは思うが、元のデータがバレない事を祈るばかりである。

 

 

「そんなにここに興味があるのかしら。キラ・ヤマト少尉?」

 

「い、いえっ! そんな事は……」

 

 

 キラの行動に気付いたオレ達の前を行く女性、エリカ・シモンズが面白いものを見たといった風にキラに話しかけてきた。それに対しキラは恥ずかしさと焦り、その他諸々が入り混じった困り顔になっている。

 

 

「いいのよ。ここで働いている身として悪い気はしないから」

 

 

 微笑を浮かべながらシモンズがそう言うのを聞いて、キラは相手が怒ってはいないのを察したようで少し安心している。

 そんなキラの様子を微笑ましく感じながら見守っていた。が、何やら当の本人が物申したげな目で此方を見てくる。はて、何かした覚えはないんだが……

 

 

「……あの、何で笑ってるんですか?」

 

「えっ? 笑ってたか。オレ?」

 

「笑ってますよ。何も笑わなくてもいいじゃないですか……」

 

「い、いやっ、別にお前の反応が面白かったとかそういうんじゃないんだが──」

 

「じゃあ、何だっていうんですか」

 

「ハイハイ、ストップストップ。目的地に着いたから二人共話は後にしてちょうだい」

 

 

 詰め寄ってくるキラにどう答えようかと思ったが、歩みを止めたシモンズが話に割って入ってきたお陰で事なきを得た。

 

 ふぅ、危ない危ない。まさか笑ってしまってたとは、もっと気を引き締めとかないと。

 ……言えないような理由じゃないんだが、何か気恥ずかしい内容だし、要らぬ誤解を生みそうで言う気にはなれないんだよな。後でまた問い詰められてもどうにかはぐらかす方向でいこうかな……。

 

 そこで思考を止め前を見ると、シモンズが目の前の扉を開け此方も入るよう促す。それに従い扉の奥へ進んでいくと───

 

 

「これって……」

 

 

 目の前の光景にキラは驚きの言葉を呟いている。だがそれも当然だろう。

 

 この、所狭しと並んでいるGシリーズと酷似したMS達を見ればな。

 

 

「“MBF-M1 M1アストレイ”。モルゲンレーテ社製のオーブ軍の新型MSよ。

 

 ヤマト少尉にはこのMSに積み込むサポート用のOSの開発に協力してもらいたいの」

 

「OS開発の協力──?

 

 ……あのMSはまだOSが完成してないんですか?」

 

 

 そうキラに問われたシモンズはM1アストレイに目を向けながらその一言に思うところがあるのだろう。痛い処を突かれたという風に溜息をついている。

 

 

「ええ、残念ながら未だ完成の目処は立っていないわ。元々コーディネイター用に開発された物をナチュラルにも使えるようにするのはなかなか大変な事なのよ」

 

「……だけど、どうして僕なんですか? それに、このMSは一体何の為に──」

 

 

 

 

 

 

「この国の守りの為だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然キラの疑問に答える形でこの場にはいない筈の女性の声が聞こえた。それに驚いたキラとシモンズの二人は声が聞こえてきた方へ振り向く。

 オレもそれに倣い二人の目線の先を見ると、そこには険しい顔で此方に歩いてくるカガリの姿があった。

 

 

「お前も知ってるだろ。オーブの『他国を侵略しない。他国の侵略を許さない。他国の争いに介入しない』という理念を。

 

 これはそれを守る為の力だ。オーブは元々そういう国なんだ。

 

 ──いや、そういう国の筈だった。父上が裏切るまではな」

 

「えっ……」

 

 

 カガリの発言にキラはどういう意味なのか計れず困惑している。

 対してそんなカガリに、手の掛かる幼子を宥めるようにシモンズが語りかける。

 

 

「まだそんな事を仰ってるんですか。ヘリオポリスの件はウズミ様もご存知なかった事なんですから。それに、責任ならもうとったでしょうに」

 

「黙れ! 国の最高責任者が知らなかったで済むと思っているのか? 例え本当だったとしても、それも罪だ。

 

 第一責任をとっただと? 叔父上に職を譲っただけで、常にあーだ、こーだと。結局何も変わってないじゃないか」

 

「仕方ありません。ウズミ様は今のオーブに必要な方なのですから」

 

「……あんな卑怯者のどこが」

 

「あれほど可愛がっていた娘がこれでは、ウズミ様も報われませんわね。

 

 おまけに昨日の騒ぎでは、ほっぺの一つも叩かれても仕方ありませんわ」

 

 

 そうシモンズに言われ、カガリは右の頬を手で隠しながら目線を逸らした。どうやら余程言われたくない事だったらしい。

 

 というか………

 

 

「叩かれたって、お前……何やったの?」

 

「────! 別にいいだろ。何でも!!」

 

 

 あっ、ヤバい。聞こえてた上に地雷踏んだらしい。カガリがそれこそ鬼の形相と言うべき顔で此方を睨みつけてくる。

 

 まあ自覚は前からあったんだけど、オレ確実に嫌われてるよね。原因はやっぱり明けの砂漠がバルトフェルド隊に強襲かけた時だろうなぁ。

 あの時はとにかくカガリがこれ以上増長しないようにとかなり辛辣に釘を刺したが、お陰でカガリのオレを見る目が厳しいものになってしまった。

 後になって考えてみると言い過ぎだったと思うし、オレかなり態度悪かったよな……。

 

 

「分かった分かった! これ以上は聞かない」

 

「………」

 

 

 何とかこの場を収める為にそう言うと、カガリも一応は態度を軟化してくれた。……相変わらず此方を見る目には厳しいものがあるが。

 

 

「さて、こんなお馬鹿さんは放っておいて。付いて来て」

 

 

 オレとカガリの間にある険悪な空気に気付いていないのか、シモンズは自分が向かう方へ来るよう催促してきた。

 

 さすがにこの空気のままここに居続けるのはキツいので、丁度良いと付いて行く。当然カガリも来る訳だが、まぁずっと今の態度でいる筈もないから大丈夫だろう。

 

 そうしてシモンズの後に続き歩いて行く中、予想に反しカガリは終始ご機嫌斜めで、キラには苦笑いを浮かべながら「どうするんですか?」と訊ねてくる始末である。

 

 いや、自力でどうにかできるんなら今こんな状況になってない訳で、出来れば手伝ってほしいん位なんだけどね……。

 

 

「着いたわ」

 

 

 そう言いながら目の前の扉を開け、中に入っていくシモンズに続いてオレ達も扉の向こうへと進んでいく。

 

 その先にあったのはモニター室らしき場所であり、技術者達が機器を操作しながら何かしらのデータをとっている。

 何のデータをとっているかに関してもすぐに分かった。モニター室の先にはガラス越しに巨大な空間があり、そこに三機のM1アストレイの姿があったからだ。

 

 

『あれ、カガリ様?』

 

『あ、ホントだ』

 

『なーに、帰ってきたの?』

 

「……悪かったな」

 

 

 M1アストレイのパイロット達はカガリの知り合いらしく、何やらインカムを付けていたカガリへからかうように話しかけ始め、それを話しかけられた当の本人が拗ねながら返答するという光景が目の前で繰り広げられた。

 

 この三人、女の声だな。しかもかなり若い───そうか、確か本編でもこんな声の三人娘がいたっけ。あまり印象に残ってなかったからすっかり忘れてたわ。

 

 

「二人共いいかしら」

 

 

 シモンズはカガリと同じくインカムを付けた状態でオレとキラに話しかけてきた。恐らく今からやる事に関する説明だろうと思いながら彼女の方へ振り向くと、どうやらその予想は当たっていたようだ。

 

 

「今からカガリ様と話していた三人にM1アストレイを操縦してもらうわ。

 

 キラ・ヤマト少尉、貴方言ったわね。何故自分なのかと」

 

「はい」

 

「それはM1アストレイの動きを見ていればよく分かると思うわ。普段のストライクの動き、叉は今まで戦ってきた敵の動きでもいい。それと比較しながら見ていて。

 

 アサギ、マユラ、ジュリ。始めて!」

 

 

 シモンズの号令に三人娘は元気よく返事をしながらM1アストレイを動かし始めた。 

 彼女は動きを見ればすぐに分かると言ったが、確かに目の前の光景にはキラが必要であろう理由が如実に表れていた。

 

 

「うわっ……」

 

 

 思わず声に出てしまう程その動きは酷いものだった。

 

 三人は恐らく戦闘での攻撃を意識しながら動かしているのだろうが、まず動きが遅すぎる。通常のMSなら一秒も掛からない動作を五秒以上も掛けて行っている程だ。

 他にも一動作の後に起きるタイムラグ。それに動く度に一瞬機体が停止し、動きに滑らかさが一切ない等問題点は山積みだ。

 

 自動車のような操縦方法をとっているウォーカーマシンでもMS並に動くというのにこの体たらくは何なのだろうかと思えてくる。

 

 ……やはり実際に見ると印象が全然違ってくるな。

 確かにキラの協力がなければこれを実戦レベルにするのはあと何年かは必要だろう。

 

 

「相変わらずだな。これじゃあ戦場に出したらいい的だぞ」

 

 

 カガリの容赦ない苦言に三人娘が「乗った事もないくせに!」とか「人の苦労も知らないで」等様々な抗議を行っているが、当のカガリといえば此方もまた食ってかかっていた。

 

 だがカガリの言い分は最もであり、三人娘に対してシモンズの方はそれが分かっているらしく何も言っていない。

 

 そんなどうしようもない喧嘩をしながらも一通り動いた後、三機は元に位置に戻り、シモンズはキラとオレに感想を求めてきた。

 オレは多少オブラートに包みながら思った事を伝えたが、キラも似たような感想だったようでそう大差ない内容だった。

 そして感想を述べた直後、シモンズは真剣な表情で此方を見ながら話を切り出した。

 

 

「そう。……確かにあなた達の言う通り、M1アストレイはまだ実戦投入できるレベルじゃないわ。

 

 でもね、それを可能にできる人材が今ここにいる。それがキラ・ヤマト少尉、あなたよ。

 

 キサカ一佐からの報告に依れば、ストライクのOSはあなたが組んだそうね」

 

「──はい」

 

「ストライクの戦闘データは観させてもらったけど、あれは素人目から見ても凄まじいものだわ。

 

 私達はこれをストライクと同じ位に強くしたいの。その為にもあなたには是非協力してもらわなければならない。

 

 ……お願いできるかしら?」

 

 

 そう言われたキラの表情はあまり良いものとは言えなかった。

 

 当然だろう。キラは争いを好まない性格だ。自分の戦闘の出来を誉められた処で嬉しくなどないだろうし、何より兵器の開発への手助けなど本当はやりたくはない筈だ。

 だが、アークエンジェルがオーブに寄港できているのはキラがモルゲンレーテに技術提供を行う事が決まっているからこそ。なので、答えは必然的に──

 

 

「………分かりました」

 

 

 肯定しかなくなる。

 

 正直こいつに手伝わせなければ本当に完成しないのか、と文句でも言ってやりたいが、彼方もこれは苦渋の決断なんだろう。

 

 何せOSの出来具合はM1アストレイを見れば一目瞭然である。

 その上、いくらコーディネイターでありストライクのOSを組み上げた実績があるとはいえ、キラはついこの間までヘリオポリスで学生生活を送っていた少年だ。そんな人間に自分達が任されていた仕事を頼まなければならないのだから心の中では思う処はある筈だ。

 

 ………そう思うとあまりどうこう言う気にはなれない。ここは成り行きに任せるしかない、か。

 

 ──しかし、ここで一つ気になる点が浮上する。

 

 それはこの場にオレが必要かという事だ。今のところオレが必要になりそうな点は何一つない状態で、そこのところの説明も一切ない。

 

 ここは一つ訊いてみるか。何をするか分からないままってのは今後どうするかの判断もつかないし。

 

 

「ちょっといいか?」

 

「何かしら?」

 

「ああ、オレがここにいる必要があるのか訊きたいんだ。

 

 オレにはキラみたいにOS開発に協力なんて真似できないし、一体何の為に呼び出されたのか分からなくてな。

 

 ……結局、オレは何をすればいいんだ?」

 

 

 オレの疑問にシモンズはああ、そういえば といった感じである。

 

 ……まさか今の今まで忘れてたとかいうんじゃないだろうな、こいつ。

 

 

「ごめんなさい。あなたの仕事はまだ先だと思って説明を省いていたわね」

 

 

 似たようなものだった。出来ればキラと同じタイミングで説明してほしかったんですけどね──

 

 

「あなたの仕事はOSが完成した後。

 

 ──やってもらうのは、MS操縦の教官役よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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