DIO様がアイドル達のプロデューサーになるそうです 作:傷口塩
The world of DIO and that are still rusted shut.
SPW財団保有マンション306号室
「…よし。」
ビシッとネクタイをしめ、スーツの裾を伸ばしシワを無くす。よし、完璧だ。その後、歯を磨く。いつもより念入りに磨く。そして顔を洗い、ふく。寝癖がないかもチェックしていく。
今日はこの私、ディオの初出勤の日である。
第1部 心の中で輝こうと思ったそのときッ!そいつはもうすでに輝きはじめているんだッ!
346プロは私が今いる部屋からおよそ10分の所にある大手会社である、まあ、私が所属する予定の部署は割と最近出来たばかりの部署であり、そこまで忙しい訳では無いらしい。
新人である私が勉強するにはもってこいという訳だ。
……そろそろマンションを出るか。
初日から遅刻しては格好がつかない。
自分でも早すぎだろと思うが、1時間半前に出勤する事にした。
346プローー
「ここか。」
私は346プロの会社ーいや、お城ーの前にいる。
前にテレビで見たポルナレフランドのポルナレフ城を小さく、より荘厳にしたような感じである。
まさにアイドル達の本部である事を表すように光り輝いている。
いけないいけない。入る前から圧倒されてどうする。
「おはようございます。」
「あっ、おはようございます。」
346プロに入り、道行く人と挨拶をしながら、私が所属する事になる部署へ向かう。……割と遠いんだな。
しかし、346プロは規模が大きいのだな。ざっと見るだけで食堂、カフェ、会議室、全てにおいて大きい。
…よく入れたな、こんな会社。
そんな事を考えていたら私が所属する部署についた。手元にある紙と標識を見比べて確認する。
シンデレラプロジェクト本部
うん、間違っていない。ここだ。
息を吸い、吐く。この動作を繰り返し、気分を整える。一応新入社員なので、敬語で挨拶をする事を意識してドアに手をかけ、開ける。
「おはようございます!」バァァァァァン!!
物凄い擬音が鳴った気がするが気にしない。
「あら?」
その人は入り口から向かって左の席にいた。……くまがすごい。おそらく徹夜で仕事をしていたのであろう。
「あの…貴方は?」
「私は、本日からこの部署で働く事となったディオ・ブランドーです!よろしくお願いします!!」
「……ああ!そういえば今日新人が来るって言ってたわね。」
忘れていたんですね。まあいいですけれど。
「ごめんなさいね。少々仕事に熱中しすぎちゃって。…ごほん、ようこそ、シンデレラプロジェクトへ。歓迎します。ディオ・ブランドーさん。
私は千川ちひろ。この部署のプロデューサーです。よろしくね。」
なるほど、この人がプロデューサーか。てっきり若いし綺麗だからアイドルかとおもったが。
「こちらこそよろしくお願いします。ちひろさん。」
とりあえず挨拶を返す。
ちひろさんと言われるのが慣れてないのか、少し照れている。名前呼びは不味かったか?まあ、かわいいからいいだろう。
その後、ちひろさんから簡単な説明を受けたが、詳しい事はちひろさんの仕事が終らないと出来ないらしい。その間暇なので緑茶を自分とちひろさんの分をいれ、差し入れる。
緑茶は良い。この苦味と渋みはくせになるものがある。緑茶に出会えたことは日本に来てから良かった事の一つだな。
やはり自分で飲むのもそうだが、他人に差し出すお茶となれば一層気合がはいる。人も吸血鬼もこういうところは変わらないのである。緑茶入れには吸血鬼の能力が役に立つ。湯のみを手のひらの温度調節で仄かに暖かいぐらいまで温め、注ぐ。この時茶柱が立つようにうまいこと注ぎ込む。茶柱があるかないかで美味しさが変わるわけでは無いのだが、気分的な問題である。
その後、火傷しないように手を底に回し、気化冷凍法の応用で手の温度を下げ、お茶を冷ます。この時のコツは湯のみの温度は下げず、緑茶のみの温度を下げる事である。もし吸血鬼のお方がいたらやって見てくれ。およそ75度ぐらいまでお茶を冷ましたら完成。何があっても美味しく、それでいて火傷をしない緑茶の完成である。これで火傷をするのは猫ぐらいのもんである。
粗茶ですがと言いながら差し出す。
「あら、ありがとう」
そう言って一度仕事の手を止め、湯のみに手を伸ばす。ずず〜っとすすりフゥ〜と息を吐く。日本人は緑茶を飲むと息を吐く。これは何故なのだろうか。DNAにでも刻まれているのだろうかと思うほど皆息を吐く。まあ、どうでもいいか。
それから間もなく、ちひろさんの仕事が終わり、346プロの案内をされた。途中、エネドリやスタドリと呼ばれる謎の液体ばかり売られている自販機をカフェやレストランや、レッスンスタジオの説明をする時よりも熱弁された。何故だ。恐らく吸血鬼である以上利用する事は無いと思うが。
いや、それよりも…
「あの…ちひろさん」
「どうしましたか?トイレですか?」
いや、吸血鬼になってからは不要ですので。
「い、いえ、違います。…シンデレラプロジェクトのアイドル達ってどこにいらっしゃるのでしょうか?」
私が聞きたいのはこれである。見た所一度もシンデレラプロジェクトのアイドルとすれ違うどころか見た事もない。いくら朝早いといえども一人くらい見かけても良いのでは無いのだろうか。
その問いにちひろさんは
「ああ…実はうちの部署にはアイドル達がまだいないんですよ。」
‥‥え?一応芸能部署ですよね。出来たばかりとはいえ、3人ぐらいはいると思ってました。
なんて考えていたら心を読んだかのようにちひろさんが
「まあ、出来たばかりなんですよ。私が3徹したのもシンデレラプロジェクトのメンバーを見つけるためですし。…アイドルの卵を見つけ、育成して輝かせる。そのためには努力は惜しみません。」
本気ですね。ちひろさん。この人は本当にアイドル達をプロデュースしたいと思っているんだな。
話しているちひろさんの目はいつの日かのジョナサンのような目をしている気がしますし。
「ですから、これから2人でアイドルを見つけて、プロデュースをしていくスタイルで行きたいと思っていますが、よろしいですか?」
よろしいも何もそれしか無い気がする。アイドルの居ないアイドル部門って何ですか。茶葉の無い緑茶みたいなもんじゃないですか。ただのお湯ですよ、それ。
「‥‥わかりました。若輩の身ですが、できる限りの努力は惜しみません。」
若輩(推定140歳強)
自分で言っててそれは無いな。と思ってしまう。
なんて茶化している場合じゃないな。ちひろさんが本気でやる以上、わたしも本気でやらねばな。
天国の母さん。よければこのディオの事を見守っててください。
ディオはSPW財団の元、敬語や緑茶の入れ方を学びました。
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