真剣で池袋最強に恋しなさい!   作:カブタロウ

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前の話を大幅に変えました。作者の力量ではこれが静雄の表現の限界です。時間をかけて成長していきたいと思っているのでこれからも付き合って頂き、批評等をして頂くと嬉しいです。


参上!池袋最強が川神にー改稿版ー

俺、平和島静雄は名前の通り平和、つまり暴力から離れた生活を望んでいる。

今日はいつもの様に仕事(取り立て)をして帰路についていた。

 

「しっかし、取り立て相手が県外に逃げるとはな……。」

 

そうなのだ。この日は面倒くさい逃げ回る様な相手だったので電車に乗って移動しており別の仕事があったトムさんとは別行動だった。

ガタンガタンという電車の揺れが静雄を揺らす。窓からは月が夜空に輝いていた。

車内は空調が効いていて心地よかったので思わず静雄は眠りこけてしまった。ーーーーー

 

「……さん、………にい…ん、そこのお兄さん!」

 

自分を呼びかける様な声に目を覚ます。

 

「あ、起きた。お兄さん終点ですよ。」

 

………どうやら寝過ごしてしまったらしい。

 

「あ〜、すんません、ここ何駅ですか?」

 

「『川神駅』です。」

 

あそんな駅あったか?

もしかして違う都道府県に着いたか?

 

「えーと、ここは何県ですかね?」

 

「?神奈川県ですよ?」

 

………ずいぶん遠くだな。

腕時計の時針を見る。短針は11の数字を指していた。電車あるか?

 

「池袋まで行きたいんすけど電車ありますかね?」

 

「あー、すいません。池袋に行けそうな電車は無いですね。」

 

「そうですか……。」

 

起こしてくれた車掌にお礼と別れを告げ電車を降り駅から出る。

今日の仕事は個人的怒りを含めいつもより多くふんだくったからな。金はある。どこか宿を探すか……。

寝起きで頭がはっきりせず欠伸を出しながら夜道を歩く。

しばらく商店街であろう場所を歩き若干辺りが暗くなり廃墟ビル群が見えてくる。

どうやら町の外れに来た様だ。しかし戻ろうにも眠くて気力が無い。

背に腹は変えられねぇ、取り敢えずマシなとこ探して少し寝るか。………不法侵入だけど少しならいいよな?

見えた中で一番綺麗なビルに入ろうとするが入り口が見当たらない。仕方がないので硬く閉ざされた正面のドアを無理矢理こじ開け中に入る。

一階だとすぐ見つかるし、三階ぐらいで寝よう。そう考え近くの階段を上る。途中何故かズボンの裾を何度か踏んづけたが気にしなかった。

道中がやけに綺麗で少し不気味に思いつつ、適当に上がったところで近くの部屋に入る。そこにはそこそこな大きさのソファーがあった。

もしかして誰か使っているか?という考えが頭に浮かんだが睡魔に負けてしまった。身体をソファーに投げ出し眠りにつく。

 

その時静雄は辺りが暗くて気付かなかった。その部屋には大量の漫画などがあり遊び部屋の様な内装をしていたことに。

それに気づくのは次の日だった。

 

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ふぁああ………。

おはよう。俺の名前は『直江大和』。ここら辺ではそこそこ有名な『風間ファミリー』で軍師というポジションを持っている。今日は折角の日曜で我が癒しのヤドカリを愛でていようと思っていたところを目の前の男、風間ファミリーリーダー『風間翔一』またの名を『キャップ』に自分が珍しく早起きして暇だからという理由で朝っぱらから集合をかけられた。……眠い。

そして俺の周りには数名を除いて眠そうにする『風間ファミリー』団員といつでも平常運転なロボットがいた。

「寝みぃ……。」

 

「そうだねー。ふわぁあ、」

 

「何だって私まで起きないといけないんだよ〜。」

 

「ダメよ、お姉さま。いつも早起きしないと。毎日勇往邁進!」

 

「ワン子は元気だね。そんなに元気でないよ。…大和が何かしてくれるなら別だけど。ポッ」

 

「みんな元気出そうよ。ポップコーンあるよ。」

 

上から順に筋肉野郎の『島津岳斗』、影が薄い『師岡卓也』、最強の武神『川神百代』、その妹でファミリーのマスコット『川神一子』、辛党で若干の変態の『椎名京』そして最後にロボットで昨晩メンテから帰った『クッキー』。……改めて思うがキャラが濃いな……。

喋りながらダラダラ歩き秘密基地に辿り着く。ここには風間ファミリーの遊び道具が運び込まれており一日中遊べる。そんな場所に着いた途端ある事に気付いた。正面のドアが壊されている。その時風間ファミリー女子、『武士娘』達(ロボット含む)の雰囲気が急変する。

 

「誰かいるぞ……。」

 

「お姉さま、どうする?」

 

「ぶっ飛ばすだけだろう」

 

「私達の秘密基地(聖域)に入るなんて…!」

 

「私も行くぞ!」

 

そして男子を置いて秘密基地に行く。

 

「俺も行くぜ!」「俺様も!」

 

「止めとけ、キャップ、ガクト。巻き添え食らうぞ」

 

「そうだよ。荒事は武士娘達が解決しちゃうんだから。」

 

なんとも情けない男達である。

 

 

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一子は全身のバネを使って階段を凄まじい速度で上がる。他の武士娘よりいち早く着き秘密基地のドアを開ける。

そこにはバーテン服を纏いグラサンをかけた金髪の青年が眠っていた。

 

「え?」

 

惚けている間に他の武士娘も秘密基地に辿り着く。

 

「誰!…え?」

 

「さあぶっ飛ばしてやる…え?」

 

「この剣の錆にしてや……え?」

 

何故か寝ている。服装を見るにホームレスでもなさそうだ。取り敢えず身体を揺り起こして起こす。

 

「んあ………」

 

 

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「んあ………」

 

静雄は身体の激しい揺れに目を覚ます。

開いた目には三人の少女とロボット?が居た。セルティという異常の存在を見ていた静雄はロボットに驚くことはなかった。

あーそういや俺ここで勝手に寝たんだった。こいつらは土地の所有者…の子供…の友達だろうか?取り敢えず謝った方が良いか。

 

「スマン、ちょっと借りた。」

 

そう言ってポッケから財布を取り出し適当に札を出す。

 

「じゃあな」

 

『いやいやいやいや!』

 

外に出ようとドアノブを握ったところを肩を掴まれる。この黒髪の女の握力が強く地味に痛い。

個人的に静雄は途中で呼び止められるのを嫌う。怒りを感じたが自分に非があるのが分かっているのでこらえて振り返る。

「……何だ?」

 

「いや、なんで寝てたんだ?」

 

「あーそれは色々あってな」

 

「そ、そうか。何も盗んでないんだよな?」

 

その言葉に何か物があるのかと初めて部屋を見渡す。目に映るのは机にソファーに漫画など遊び部屋なのだがある事に気付いた。

目線が低い。

ふと、身体を見渡すと全体的に身体が縮んでおり、予想するに自分の高校生の頃の身体付きだ。まあ、この頃から身体が大きくバーテン服を着ていても目に止められないのだが。

つーか、そんな事よりなんで縮んでんだ!?ガキの頃見た漫画みたいなアポトキナンチャラみたいな薬飲んでねぇぞ!

完全に戸惑う。その時

 

ドン!

 

「俺の秘密基地に入ったやつは誰だー!」

 

勢いよくドアが開け放たれ静雄にドアがぶつかる。

 

『あ…………』

 

そしてドアに正面からぶつかりぶっ壊れたサングラスがポトッと地面に落ちる。

キイッとドアが跳ね返りそこにあったのはサングラスに隠されていた整った顔付きを吊り上げこめかみに青筋を浮かべる静雄の顔があった。

戸惑っていて精神的に不安定なとこに一撃。…………キレる。

 

「テメェ…!一発殴らせろォオオ!」

 

そして殴るのに邪魔なドアを()()で引き剥がして投げ捨てる。

 

『ハ!?』

 

そのドアは最近修理したばかりで静雄の様な見た目の腕で引き剥がせるものでは無い。

 

皆さんはご存知だろうか?人間は知らず知らずのうちに脳で身体にセーブを掛け筋肉や骨を守っていることを。

しかしこの平和島静雄はある特異な体質を持っていた。

正真正銘の『全力』を出せるのだ。

片手で自販機を投げ、拳一発でポストをぶっ壊し、刃物を持った無数の狂者達と大乱闘を繰り広げ全てを叩き伏せる。

圧倒的な『力』。いや、その荒々しい様は『暴力』と揶揄するのが正しいだろう。

しかしその特異性はあまりにも当たり前で決定的な弱点があった。

セーブが掛けられないため、筋肉や骨に尋常じゃない負担を掛けるのだ。それだけではない、手加減ができなかった。その身体に宿った暴力は力を持て余し必要以上にそれを振るい破壊する。そして耐え切れなかった身体はありとあらゆる神経を破壊する。外側と内側の破壊。

その特異性が発覚した頃、静雄はまだ小学生であり、平和を望んでいたが身体の中の(暴力)が吠える。壊せと。少年は抗った。しかし意思と反して守ろうと力を使ってもその守るべき存在さえ傷つける。愛す存在さえ傷つける。

抗うのを止めればどれだけ楽か。

いつしか少年は抗うのをやめ『(暴力)』に身を委ねた。人を愛するのを止めた。

日に日に気が短くなっていき、凶暴になっていく。何度も敵を破壊し何度も身体をボロボロにする。そして少年の周りには誰もいなくなった。

その少年は大人になり、その身体は骨折を繰り返すことで骨は強靭になり、関節は脱臼を続け癖を通り越してより丈夫になり、筋肉は太くなろうとする前に細胞が壊され細いままより強く硬くなった。暴力に耐えうる身体を手に入れた。

これが静雄の今の力に至る理由だ。

 

「ヤベッ………」

 

目の前のドアをぶつけやがったバンダナ男は逃げて行く。

 

「待て!」

 

静雄はすぐに追おうとするが黒髪の女とポニーテールの女とロボットが行く手を阻む。

 

「行かせるか!」

 

「行かせない!」

 

「マイスターには触れさせん!」

 

そしてポニーテールの女が突っ込んでくる。

 

「川神流蠍穿ち!」

 

鳩尾に拳が叩き込まれるが極限に引き締められ鍛えられた筋肉には急所まで痛みが届かない。

 

「殴ったつう事はやり返してもいいよな!」

 

静雄は怯むことなく腕を掴み軽々と投げ捨てる。

 

「キャ!」

 

「ワン子!」「一子殿!」

 

「邪魔だ!」

 

静雄は正面の女とロボットに肉薄する。しかし静雄は腕力があるが速さが無い。百戦錬磨のロボットと女は自分らに伸びる静雄の腕をすぐに見切って距離を取る。

そして反撃せんとロボットが手の内のビームサーベルを振りかぶる。

 

「クッキーダイナミック‼︎」

 

放たれる神速の一撃。

常人どころかそこそこの武人でも昏倒する様な一撃を静雄は意に介せず身体で受けカウンターで拳をロボットの顔面に振り抜く。

当たったところからはバキンッ!と硬質な音が出て殴った方が怪我しそうな物だが振り抜いた静雄の拳には傷一つ無い。

そのままロボットはグフッ…と一言こぼし、仰向けに地に伏せた。

 

 

___________________________________________

 

 

百代は目の前の存在に驚いていた。

あろう事か我が自慢の妹のワン子を容易くねじ伏せ、戦闘形態のクッキーの必殺技を受け止め一発で機能停止させる。更に驚く点は『気が無い」という点だ。正確には気が常人程度しか無い。そんな者にはワン子の蠍穿ちやあの斬撃を軽く受け止めるましてやドアを片手で引き剥がす事など出来るはずがない。

さっきまでは普通の不良程度の存在だったが今ではかなり危険な存在だと分かる。

………何者何だこいつは……?

 

百代の目には今の静雄が怒り狂う猛獣、いや怪物にみえていた。

 

 

 




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