リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す   作:たくヲ

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第19話 転生者の対策

おっす、俺、正村。

 

「それは、誰に対する自己紹介なんですか?」

 

今のは管理局『無限書庫』司書長。ユーノ・スクライアの言葉だ。ホテルのオークションにゲスト扱いで来ていたらしい。

 

「ユーノ、世の中には気にしない方がいいこともあるんだぜ?」

「まあ、その言動にももう慣れましたけど……」

 

今の台詞で分かったと思うが、ユーノと俺は知り合いだったりする。俺が今の地位に就くために何度も協力してもらったからな。

 

「おおかたアコース査察官あたりに連れてこられたんだろ?」

「……よくわかりましたね」

 

やっぱり原作通りか。ここらでもう少し原作がくるってもおかしくはないと思うんだが。

 

『ホテル・アグスタ』『敵側の召喚士』『ティアナの誤射』『ユーノとアコースがここにきている』とこれだけ原作通りだが、『ヴィータがティアナの弾丸を撃ち返しに行くのが遅れたこと』が気になる。

 

俺に原作介入させるための神様のいたずら、およびただの偶然という可能性もあるが、どこか引っかかる。………まあいいか。

 

「ところで、正村中将はどうしてここに?」

「ああ。俺。今。機動六課。調査中。OK?」

「大体わかりました」

「流石だな、ユーノ」

 

この理解力は他の奴にはない。そこに痺れはしないが、憧れるぜ!!

 

「島羽さ~ん!!」

 

ん?今、どこからか声が?

 

「島羽さん!!レストさんを止めて欲しいですの!!」

「あ、ベル。レストがどうしたって?」

「レストさんが、私を着替はぶっ!?」

 

今、起こったことをありのまま話すと。ベルが喋っている途中、いきなり和服装備のレストが現れベルの背中にしがみついていた。

 

「レスト、どうした」

「べる、ツレテク」

「ああ、ベルに用事か、もってけもってけ」

「アリガトウ」

「まさかの裏切りですのおおおお!?」

 

ベルはレストに引きずられていってしまった。

 

「いいんですか……?」

「いつものことだ。気にするな」

 

レストはたまーに他人の服を選びたがる。しかもやけにセンスがいい服を選ぶからたちが悪い。そしてそれを着てもらえないと……。

 

「ああ、なるわけだ」

「……すごいですね」

 

大方、オークション会場に忍び込ませるため、ベルに服を選んだが着て行動してもらえなかったのだろう。

 

 

「今のなんだったんだろう?」

 

フェイトが戻ってきたようだ。

 

「フェイト隊長」

「は、はい!」

「ユーノ先生の護衛頼みます」

「分かりました!」

 

とりあえず、レストとベル(主にレスト)を止めてこなければ。

 

 

 

 

その後、俺たちは機動六課に戻った。

 

 

 

 

 

日没。

 

今、俺とレストの視線の先ではティアナが練習している。特訓と言ってもいいだろう。無論、俺たちは隠れてみているが……ものすごくストーカーっぽく嫌だな。まあいいか。

 

「……まあよくないと思う」

 

……レスト、いつから地の文を読むなんて芸当ができるようになったんだ?

 

「……知らない方が身のため」

 

……まあいいか。前世云々については読まれてないようだし。

 

ティアナがしているのは、空中にいくつか浮かべた玉が光ったのに銃口の先を合わせていく原作通りの特訓だ。

 

なんかこういうのって俺の前世でもあったよな。壁についたボタンがついていて、それが光ったら光ったときできるだけ早くそのボタンを押すってやつ。なんだったけな?………まあいいか。

 

しかし、ティアナの特訓はなんというか鬼気迫る物があるな。なんというかものすごく話しかけづらい。

 

「もう4時間も続けてるぜ。いい加減倒れるぞ」

「ヴァイス陸曹!?見てたんですか?」

「ヘリの整備中スコープでチラチラとな」

 

流石、ヴァイス師匠!俺達にできないことを平然とやってのける。そこにシビれるあこがれるぅ

 

「ミスショットが悔しいのはわかるが、精密射撃なんざそうホイホイとうまくなるもんじゃねえし。無理なつめこみで変なクセ付けんのはよくねえぞ」

 

『ミスショットが悔しいのはわかる』。この言葉に胸が痛む。ティアナの兄、ティーダ・ランスターの一件(犯罪者を捕縛しようとして反撃されて死亡。それに対する上司のコメントが一時期問題視された事件)は俺には(転生の時期より少し前だったため)止められなかった事件だ。しかし、ヴァイス師匠のミスショットに関しては、どこから狙撃するのか調べるのが早ければ防げた。

 

転生者だと浮かれていたから行動が遅れた。原作ではミスショットしたが、師匠ならもしかしたらなどと思ってしまった。何より、転生者という異分子が深くかかわっていた師匠の運命が原作と少しでも隔離すれば、などという希望的観測をしてしまったこと。

 

全部、俺が転生者だという慢心が生んだ悲劇。

 

行動すれば止められる悲劇を止めないのは悪だ。無関係な人が巻き込まれることが分かっていながら、核兵器が発射される時、目の前にそれを止めることのできるスイッチがあってそれを押さないのは善ではないだろう。

 

ティアナが、少しヴァイス師匠を睨んだ。師匠はそれを受けて少しひるむ。

 

「って、昔なのはさんが言ってたんだよ。俺はなのはさんやシグナム姉さんあと正村たちとは割と古いつきあいでなあ」

「それでも」

 

その言葉を受けたティアナは、ヴァイス師匠から顔をそむけ、身体ごと後ろを振り返る。

 

「詰め込んで練習しないとうまくなんないんです。凡人なもので」

 

そう言って再び特訓を始める。

 

「凡人、か。俺からすりゃあお前は十分優秀なんだがなあ。うらやましいくれえだ」

 

その言葉にティアナは反応しないで特訓を続ける。その様子にヴァイス師匠はため息をついた。止めるのはあきらめたようだ。

 

「ま、邪魔する気はねえけどよ。……お前らは体が資本なんだ。体調には気ぃ使えよ」

「ありがとうございます。大丈夫ですから」

 

ヴァイス師匠は帰って行った。

 

「……とうは、どうする?」

「……帰るぞ」

「……止めなくていいの?」

「んなこと言っても、俺は説教とか苦手だしな。説得できねえ」

「……わかった」

 

時間は21時30分。今から隊舎に戻って寝れば、6時間(・・・)は寝られるな。

 

「……だから、言いてえことは行動で示す」

「……うん」

 

 

 

 

 

 

~ティアナ視点~

 

あたしとスバルは隊舎の外に出るために隊舎の中を歩いていた。すると、

 

「あら、お二人ともお早いんですのね」

 

アルタイル三等空佐がいた。

 

「あ、アルタイルさん。おはようございます!」

「おはようございます!」

 

スバルの挨拶がかなり大きかったため、驚いて一気に目が覚めた。それに気になることもあったし。

 

「一体なにをしますの?」

「あ、少し自主練をしようと思いまして」

「へえ、偉いですの」

「そういうアルタイルさんはどうしてこちらに?」

 

さっきからアルタイルさんがずっと蒼いドレス。すなわちバリアジャケットなんですけど。

 

「隊舎の周りに防音・耐衝撃用の結界を張ってますの」

「どうしてそんなことを?」

 

スバルが聞いた。私も気になる。どうして朝からこんなことを……

 

「私自身の鍛錬、というのもありますが……まあ、外に出てみればわかりますわ」

「分かりました。では失礼します」

「あ、待ってよ、ティア!失礼します」

「自主練頑張ってくださいですの~」

 

後ろからやけに間延びした声が聞こえた。時刻は4時10分。やっぱり眠いのだろうか?そしてアルタイルさんが結界を張ってるもう一つの理由っていったい?

 

そして隊舎の外に出た瞬間にその理由がわかる。

 

「きゃあ!?」

「っ!?」

 

莫大な衝撃波が飛んできた。単なる衝撃だけだけどすごい威力。隊舎の周りの木は折れていないけど少し曲がっている。

 

「……なによ、あれ」

「すごい……」

 

遠く。私たちが特訓しているところに高速で飛び交う二つの影。

 

私は長距離で射撃を行うこともあるから、目もそれなりにいい。スバルは戦闘機人だから言わずもがなだ。

 

それは正村さんとレストさんだった。とはいえレストさんが見えるのはぶつかり合った瞬間だけ。正村さんはレストさんと比べて飛行速度はかなり遅いがすべての攻撃防いでいる。

 

正村さんの背にはデバイス。それをまったく気にしていない。

 

「…………」

 

見るとスバルは言葉を失っている。当たり前だ。『管理局最速の使い魔』とそれについていける正村さんの戦いが繰り広げられているんだから。

 

ぼんやりと時間を確かめる。あ。

 

「こらっ、スバル!一緒に特訓するんでしょ」

 

ここら辺で始めないと時間が無くなってしまう。

 

「え、あっ!えーと、それでティアの考えていることって?」

「短期間でとりあえず現状戦力をアップさせる方法。うまくいけばあんたとのコンビネーションの幅もっと広がるし、エリオやキャロのフォローも…もっとできる」

「うん。それはワクワクだね」

 

正村さんたちも気になるけどまずは自分の心配をしないと。才能なんかなくっても、強くなれるって証明するために。

 

「いい?まずはね……」

 

 

 

 

 

~正村視点~

 

俺とレストは機動六課隊舎に引き返していた。時間は午前5時。

 

「無理だったかあああああ!!!」

「…………あれ、じゃ、わかる、わけない」

 

むう。最近の若者は先輩のしていることを見て学ぶ、否、見て盗むことを知らないというが、そのせいか!?これがゆとり教育の力とでもいうつもりなのか!?

 

「……まあいいか」

「…………何、が?」

「わかってねえようだし、今度直接O☆HA★NA☆SIすることにするぜ」

 

レストの言葉の『…』がやけに多いのは、彼女が滅茶苦茶疲労しているからだ。

 

レストは今回の模擬戦の速度。フェイトの1.5倍ほどの速度なら約40分くらいしか持たない。本来の戦闘ではさらに加速するため、10分から15分が限度だろう。

 

簡単に言えば、レストは体力がないのだ。

 

だから俺は背中にレストを背負っているわけだが……軽い。普段姿を見るたびになんか食ってんのに、どうしたらこんなに太らないんだ?

 

「…………秘訣は、早く、動く、こと」

 

なるほど。ならなんで背中にすごい胸の感しょぐはあ!?

 

「…………制裁」

 

レストよ。地の文を読むキャラは定着させる気なのか!?

 

「…………勿論」

 

なん、だと!?………まあいいか。

 

とかなんとか喋りながら隊舎にたどり着いた。中に入ると、入り口近くに置いてあったイスにベルが座っていた。こちらを見たベルが一言。

 

「うらやましいですの……」

「え、なんか言ったか?」

「な、何でもないですの!」

 

いったいなんなんだ?

 

『鈍感すぎますよ、主。3本の矢の話を知らないのですか』

「……今は関係ないと思う」

 

……まあいいか。

 

とにかくティアナ撃墜イベントの回避は不可能だな。ならばどうやって止めるかを考えておかなければ!!




たくヲです。

前回、魔王降臨って言ってたのに魔王が登場すらしてない、だと!?

大変申し訳ございませんでした。次回は必ず登場させます!!

そしてこれからも、あきれずに『リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す』を見ていただけると幸いです。

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