リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す   作:たくヲ

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第21話 『転生者』正村の多忙な休日

正村っす。あ、俺、魔法狙撃手っす。

 

あの後、ティアナはなのはに謝ったようだ。きちんと謝ったのはまあケジメだからな。秘密の特訓はあまりいい結果にはつながらねえし。

 

……そういえば、ティアナとスバルはなのは撃墜の一件について聞いてないんだよな?エリオとキャロは聞いたらしいけど。なんでスターズ分隊隊長についてスターズ分隊の二人が聞いてないんだよ。……まあいいか。

 

ああ、あと何故かティアナはあれ以降よくしゃべってくれるようになった。フォワード陣だけでなく六課の戦闘員は全員、もともと俺と距離をとってたところがあったからな。その中の一人と打ち解けられたのは大きいだろう。まあ非戦闘員とザフィーラとは慣れてんだけどな。

 

「……今はフォワード達となのはさんの模擬戦が終わったところ」

「で、目の前ではフォワードの皆さんが体育座りをしていますの」

「二人ともなに言ってんだ?」

「……言わなきゃいけない」

「気がしましたの」

 

……まあいいか。こんなことを言っている間になのはが話し始めたし。

 

「実は何気に今日の模擬戦が第二段階クリアの見極めテストだったんだけど」

 

フォワードたちの驚きはまあ正当だろう、だがまあ抜き打ちテストってのもあるわけだしなあ。

 

「で、どうでした」

 

なのはがこちらを振り返って聞く。フェイトがすぐさま答える。

 

「合格」

「「早ッ!?」」

「まあ、これだけみっちりやってんのにできてないんだったら……すごいことになってるぜ?悪い意味で」

 

俺の言葉にエリオとキャロが苦笑する。

 

「……」

「……元気だして」

 

後ろで、ヴィータをレストが励ましている声が聞こえる。いや、別に特に理由はないんだぜ?ただ、俺とセリフ回しが多少かぶっていて読者様的にくどく聞こえそうだから、あまり喋れてないだけで。

 

(わたくし)もいいと思いますわ」

「私もみんないいセン言ってると思うし、じゃあこれにて二段階は終了」

「「「「やったー!!」」」」

 

みんな一斉に立ち上がって喜ぶ。まあ、こっからが厳しくなるわけだけどな。

 

「デバイスリミッターも一段階解除するから、あとでシャーリーのところに持って行ってね」

「あ、明日からはセカンドモードを中心にして訓練させるからな」

「「「「はい!」」」って、あれ?明日?」

 

返事をしたと思ったら間髪入れずにキャロが聞き返す。しかしキャロってなかなか鋭いところがあるよな。普段はぽわぽわした感じなのに。

 

俺に台詞をとられないように素早くヴィータが言葉を返す。

 

「ああ、訓練再開は明日からだ!!」

「今日は私たちも隊舎で待機する予定だし」

「入隊してからずっと訓練漬けでみんなも疲れてるだろうしね」

 

しかし、入隊してから1・2か月。ずっと訓練、休みなしって色々問題あるよな。過労死とかの危険もあるし。

 

つーか、何で顔を見合わせてるんだ、少年少女よ。なのはやフェイトたちが仕事ばっかしてるのは知ってるがその二の舞になるつもりか?二番煎じは飽きられるぜ?ってことで。

 

「つーことで、今日は休みだから」

「町にでも出て休んでくるといいよ」

「「「「はーい!」」」」

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、今は機動六課の食堂で飯を食っている。六課の部隊長、隊長、副隊長やリインにザフィーラというリリなのメインメンバーズが出そろって食事をしている。あとはレストとベルだ。

 

「ベル、この後はどうなってる?」

「私は少し地上本部に用事がありますの。……島羽さんは?」

「俺はまあこれから休みだからな。久しぶりのオフだしゆっくりするぜ?」

 

周りのみんなもそれぞれ楽しげに話しながら食事をしている。……ただし、ザフィーラは除く。

 

なんか、前から思ってたけどザフィーラって扱いひどくね?いや確かに、あのA'sで登場した中から六課にいるメインメンバーでは男が一人とはいえ、ここまで誰ともしゃべらねえのはなあ。

 

『昨日、ミッドチルダ管理局地上中央本部において来年度予算会議が行われました。三度目となる再申請に各世界の注目が集まっています』

 

テレビの声が響く。ん?来年度予算会議?……やべえ。

 

「あら、どうしたんですの?島羽さん?」

「あ、ああ、少し野暮用でな」

『当日は首都防衛隊の代表:レジアス・ゲイズ中将による管理局防衛思想についての表明も行われました』

 

レジアス・ゲイズの名が出た時、この場の全員の視線がテレビに向く。おいおい、嫌われてるなレジアス中将。

 

つーか、やべえ。とりあえずここから……

 

『ですが、その表明に管理局本局の代表として出席していた正村島羽中将、ほか数名がその一部に同意。話し合いの末に地上本部の予算は増加することとなったようです』

 

……間に合わなかったようだ。俺に視線が寄せられてるのがわかる。とりあえず、テレビの方を指さして注目させておく。テレビではレジアス中将が熱く演説しているところが映っている。

 

『魔法と技術の進歩と進化は素晴らしいものではある。しかし、それが故に我々を襲う危機や災害も以前とは比べ物にならないものとなっている!!兵器運用の強化は進化する世界の平和を守るためである』

 

「この、おっさんはまだこんなこと言ってんの?」

「レジアス中将は古くから武闘派だからな」

 

その内容は兵器運用がどうのこうのという物騒なものだった。

 

「あ、ミゼット提督」

「ミゼット婆ちゃん?」

 

うーん、伝説の三提督の一人を婆ちゃんと呼ぶあたりはヴィータはすごいのかもな。

 

2・3回会議であったりしたんだが……結構、厄介なお人だったし。

 

シグナムさんによると、護衛任務を請け負ったことがあったらしく、その時ミゼット提督に八神家の面々は気に入られたらしい。

 

画面が切り替わって……俺が映る。ヤバイ。とりあえず逃げよう。飯も食い終わったし。

 

[とりあえず逃げるぞ]

[……わかった]

 

立ち上がり、駆けだす俺。それについてくるレスト。

 

おいてかれたベル。

 

「ちょっ!?どこに行きますの!?」

「町」

「そういうことじゃないですの!?」

 

思い出したようにレストから念話が来る。

 

[……そういえば、なんで逃げるの?]

[決まってるだろう?……自分がテレビに映るのを自分で拝むのは恥ずかしいものだからだよ!]

 

 

 

 

 

 

 

 

隊舎の部屋に戻ってとってきた折り畳み自転車で町へと出向いた。自動車免許はあるし隊舎にも一台置いてあるんだが、体を鍛えるには自転車がちょうどいいだろうと思ったからな。

 

町へ着くまでにバイクで来ているはずのティアナとスバルに追い抜かれなかったあたり早く出過ぎた気がするが……まあいいか。

 

待ち合わせ時間はもうちっと後だが……今から言っても間に合うだろう。

 

「……どうするの?」

「とりあえず、あそこに行くが……まあ時間が空いたらミッドチルダ隠れた名店めぐりと行くか?」

「……うん!」

 

町を歩き、薄暗い路地裏へと入る。日本人の俺からすれば近未来的な町ではあるが、そういった場所は俺が思っていたよりもかなり多い。……近未来的な町だからこそなのかもしれないが。

 

右、左、広い大通りに出て、道を渡り、再び路地裏へ、まっすぐ、右、右、左。

 

そんな感じで付いたそこは、どこか怪しげな店。看板には『ロストロギアカフェ』と書いてある。この店は取引許可のロストロギアを展示している所だ。まあ一度調べて本当に取引許可が下りているかチェックしたから、この店は合法である。

 

ミッドチルダでは珍しい自動じゃない普通のドアを開け入店。

 

少々薄暗めな店内にはジャズが流れており、なんとなく大人の雰囲気を漂わせている。カウンター席の奥のケージにはロストロギアが保管、展示されており店員に言えば間近で見ることも可能だ。

 

ウエイターが近づいてきて聞いてくる。

 

「いらっしゃいませ、お客様。いかがなさいますか」

「いつものところに。あと、店長さんを呼んでくれるか」

 

ウエイターに答える。ウエイターは

 

「かしこまりました。ソウジ様とコメット様が先におつきになっておられます」

 

と言って案内を始める。

 

案内されたのは広めの個室。10人ほどが入れそうなその部屋は常に盗聴・防音などのロストロギアが発動している貸し切り部屋だ。

 

そこにいたのは背の高い女装した男と、中学生にしか見えない背丈の男装した女だ。

 

「あら?おそかったじゃない」

「待ちくたびれたよ~」

「おいおい、待ち合わせまで30分もあんじゃねえか」

 

一番最初に話し出した女装した男はソウジ・カミオト、19歳。服は黒のパーティドレス。声の高さといいどっからどう見ても女にしか見えないが男である。

 

二番目に口を開いた男装女子はコメット・スペース、34歳。服は青のパーカーに黄のシャツ、紺のジーンズ。どっからどう見ても子供にしか見えないが大人である。

 

「……久しぶり」

「レストちゃんじゃない!久しぶりね」

「おお、レストちゃん。僕からも久しぶり~」

 

レストとも面識はあるとはいえ前回は俺一人であったからこの反応なわけだが。

 

「でなんか情報は入ったか?」

「情報、ね。アタシもがんばったけれど……あなたに頼まれた情報はあまり多くないわね」

「残念だけど僕もだよ」

 

ソウジとコメットは情報屋だ。去年、俺中将まで一気に昇格したのは、ひとえにこの二人のおかげだといえる。まああと一人、なじみの情報屋はいるんだが……。

 

「多くないってことはあるにはあるんだろ?」

「あるにはあるけど、少ないわよ?」

「とりあえず僕から言っていくよ」

 

レストがメモ帳を構える。どっから出した。……まあいいか。

 

「まず次元犯罪者ジェイル・スカリエッティ。彼は人造魔導師を造り上げているらしいよ。まあ流石に何体造ったかは謎だけどね。あと協力者の存在も確認されているよ」

「協力者?」

「マントの男と召喚士らしい女の子、あと赤い髪の女の子。女の子の方は実際に召喚されているのを目撃されているから間違いないね。小さな子はユニゾンデバイスだろうね。マントの人はさっぱり謎。でも、かなり昔に管理局にいた人と似ているって証言もあるね……まあ、そいつらが人造魔導師かもしれないけどね」

 

原作通りか。まあこれだけ情報が上がってるならゼストにルーテシアにアギトで間違いないだろう。

 

「あと管理外世界の一つの住民の噂なんだけど、カマキリが飛んでた、だって」

「……カマキリ?」

「そのカマキリはやけにメカメカした外見でしかも巨大で空を飛んでたんだってさ」

 

カマキリ?そんなガジェットはいなかったはずだが。要注意か?

 

「アタシからの情報は……ジェイルの部下らしい女が管理局に潜入しているらしいわ」

「なるほどな、どっからの情報だ?」

「ジェイル・スカリエッティの事件に毎度のように関わってた女を最近見ないらしいのよ。まあその女は姿を変えられるレアスキルかなんかを持ってたらしいんだけどね。あとコメットちゃんの情報に追加があるわ。カマキリの近くに一人、なにか(・・・)がいたらしいのよ。ぴかぴか光る翼をはやしたなにか(・・・)が、ね」

「……なんなんだ、そいつは」

「さあね。人間の形はしてたらしいけど」

 

……考え付くのは、転生者か?翼、といえば。

 

「……まあいいか」

「実際、アタシの情報網じゃこの程度が限界よ。ジェイルスカリエッティは最近表舞台に出てこないからうまいこと引っかからないのよ」

「あいつらには僕の『人脈』も使いづらいしね~。流石に店長さんはどうか知らないけど」

「いや、この程度で十分だ」

 

俺は封筒を投げ渡す。

 

「お金を投げると罰が当たるわよ?」

「そうだよ~。お金は大事だよ~」

「……そうだよ」

 

なんかぼこぼこに言われた。……まあいいか。

 

「ちょっと待ちなさい」

「これは僕たちを馬鹿にしてるのカナ?」

「ん?少なかったか?」

「いや多すぎるのよ」

「流石にあの程度で、60万はないよ~」

 

そうかな。

 

「……うん」

 

そうか。まあこの二人の場合はそんなところか?

 

「ということで、あと三つほど提供させてもらうわ!」

「じゃあ、僕は四つ!!」

「俺は五つだ」

 

一人分声が多いような?っておい。

 

「「「店長さん!!」」」

「……ひさしぶり」

「おお、久しぶりだなあ。レストちゃん」

 

いつのまにかやってきていたのはこの店の店長さんであった。気配消しの達人である彼は身長2メートルを超えていて服の上からでもわかる筋肉を持つ大男である。

 

「ということで、さっさと情報を話すぞ」

「「おお!」

「お手柔らかに頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

つーことで。情報を提供してもらえたわけだが、その情報全てが凶悪犯罪者の居場所だとは。

 

「なんていうか……相変わらずだな、おい」

「島羽ちゃんに言われたくないわよ」

「まったくだよ~」

「しかし、お前は何故あんなことをしたんだ?」

「あんなこと?さっき金を投げたことか?」

「……違うと思う」

「ほら、地上の予算を増加させただろう?」

 

ああ、あれか。いや、特に理由はないんだがな。ただ、公開意見陳述会でのスカリエッティ対策としてなんだけどな。

 

「ただミッドチルダの事件が増加しているらしいからだけど」

「それだけじゃ、増やせねえだろう」

「あと、本局の金の無駄遣いは見るにたえねえからな。どう考えても横領とかしすぎだろうし」

「それを僕たちに言ってもいいのかな~?」

 

からからと笑いながらコメットが突っ込む。

 

「いいんだよ。あんな奴らはどうなったって」

「……管理局員の台詞とは思えないわね」

「まあ、テレビでなんつってたかは知らねえが、レジアス中将に予算の使い道は確認したからな。……レジアス中将は横領はしない人だ。ってことだけは声を大にして言えるぜ?」

「裏で犯罪者とつながってるけどね~」

 

最後に台無しにするなよ、おい。

 

 

 

 

 

 

 

カフェの外に出る。

 

「……とうは!……早く!!」

「ちょっ!?待てって」

 

レストのテンションが高い。そんなにうれしいか。隠れた名店巡り。

 

『主よ。通信が入っています。どうやら緊急のようです』

 

ん?緊急通信?

 

「こちら、ライトニング4。緊急事態につき、現場状況を報告します。レリックと思われるケースを発見。それとケースを持っていた女の子が一人」

「女の子は意識不明です」

「支持をお願いします」

 

キャロとエリオからの緊急通信。となると倒れているのはヴィヴィオか。

 

通信の向こう側ではなのはとフェイトの指示が飛んでいる。

 

とりあえず俺も返信しておこう。

 

「おい、俺だ」

『正村中将!?』

「俺もその付近にいるから、今すぐ合流する」

『助かります!!』

 

さて、となるとナンバーズの奴らと会えるチャンス逃すわけにはいかねえしな。

 

「行くぞ!レスト!!」

「……えー」

 

猫耳がしゅんとなった。見るからに落ち込んでるな。

 

「終わったら連れてってやるから」

「……行こう!!」

 

切り替え早ッ!?




たくヲです。

休日回。タイトルほど多忙じゃない件についてですが……きにしないでください、お願いします。

……もともと低かったクオリティが落ちていきますね。ですが次回は、次回こそはもう少しお楽しみいただける作品を作りたいと思っております。
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