リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す   作:たくヲ

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第二十五話 公開意見陳述会 後編

正村だ。

 

公開意見陳述会も終わりそうなとタイミングで地上本部襲撃事件が発生した。気づいたのは地上本部中の物理障壁、すなわちシャッターが全て閉じたときだが。

 

しかし困った。AMFがきついから魔力を結合できねえ。まあ、マンダがいれば魔力結合ぐらい簡単できるレベルだが、公開意見陳述会の規定でデバイスを持って会議に出られないってのがあるからな。

 

ちなみにマンダはベルに預けている。なんでレストに持たせなかったのかと言われれば、マンダを持つことでレストの長所が損なわれないようにするためだった。

 

さてこれからの作戦だが、AMF下でも使える電波通信を用いてレストに連絡して、六課の方に向かってもらうことにしよう。

 

レストに外の敵を倒しつつ六課に戻るように命令。ベルには適当に外の敵を倒してから俺にデバイスを届けに来るよう言ってある。もうすぐ来るだろうからさっさと会議室を出ねえと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~三人称視点~

 

『解析完了。防護データ、バリアジャケットにデータ組み込み完了』

 

アンタレスが言う。それと同時に麻痺性ガスと戦闘機人の砲撃から身を守るため、周囲に展開していたバリアを解除するベル。

 

(今、私がすべきことは……)

 

ベルの脳内は麻痺性のガスを吸った影響か、ぐちゃぐちゃになっている。

 

彼女の頭の中にあるのは目の前の戦闘機人を確実に捕縛して、かつ正村にデバイスを届けることのみ。

 

しかし、アンタレスをこの形態、『モードサード』に変えたことで魔力消費量が増えており、もともと短時間の戦闘しか行えないベルの戦闘可能時間はさらに減少していることを彼女は気づいていない。

 

ベルは相手の砲から発射された砲撃を避けつつ、アンタレスの砲口を戦闘機人に向け放つ。

 

「グリフォンバスター」

 

アンタレスから放たれたのは極大の砲撃魔法。狙いも乱雑なそれは確実に戦闘機人に向かう。

 

それを見た戦闘機人、ナンバーズの10、ディエチはそれを横に飛んで躱しつつ、抱えている砲にエネルギーをため込んでいく。

 

「IS発動、へヴィバレル!!」

「グリフォンバスター!!」

 

砲撃がぶつかり爆散する。

 

瞬間、ベルはディエチに突っ込んでいく。希少技能(レアスキル)、『魔力増幅』により飛行に使用する魔力が増幅されたことによる高速接近。その瞬間的速度はフェイトにも匹敵する。

 

ベルはディエチの目の前まで一瞬で接近、至近距離でアンタレスの砲撃を放つ。

 

「サンダーバードブラスター!!」

 

前の砲撃よりも莫大な魔力を砲撃に費やした一撃は確実にディエチを飲み込んだ。

 

「IS+、瞬間転移(テレポート)

 

後方からの声。振り向いた瞬間に浴びた砲撃で彼女の意識は堕ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータは追いつめられていた。

 

敵戦力と思われる機械に吹き飛ばされた彼女は今ビルの上にボロボロで倒れており、上空には自分を追いつめたカマキリのような機械兵器が4機。

 

「おい、リイン、リイン!?」

 

デバイス、グラーフアイゼンは破壊されリインは気絶。発生しているAMFでまともに魔法も使えない。

 

機械兵器の砲口が全てヴィータを向く。

 

彼女の頭をよぎったのは様々なこと。

 

最後の夜天の主、八神はやてとの生活。

 

今は友達で同僚である、なのはと激突したこと。

 

管理局でした仕事。なのはが撃墜されたこと。

 

機動六課の新人達への教導。

 

(ああ、これが走馬灯ってやつか)

 

彼女はゆっくりと目を閉じる。

 

(はやて、ごめん)

 

爆音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幅の広い地下通路に三つの陰。小柄で長い銀髪の少女。両足にローラーブレード、右手に籠手のようなものを装着した赤い髪の少女。巨大なボードを持った濃いピンク色の髪の少女。

 

「チンク姉も結構手こずったみたいっスねえ」

「ああ、なかなか手ごわかったな」

「手こずらせやがって……とりあえずあとはタイプゼロ、セカンドだけか」

 

ナンバーズ、5・9・11。チンク、ノーヴェ、ウエンディである。

 

その足元に転がっているのは戦闘機人タイプゼロ、ファーストことギンガ・ナカジマ。左腕をチンクに切り落とされ三人がかりで意識を刈り取られたのだ。

 

「ウエンディ、早くケースのなかに入れて連れてくぞ」

「りょーかいっス」

 

その時何かが高速で接近してきたのを三人は察知した。

 

そこにいたのはタイプゼロ、セカンドことスバル・ナカジマ。

 

ノーヴェもウエンディもその姿を見て『探す手間が省けた』『タイプゼロ、セカンドも楽に倒せるだろう』としか思わなかった。しかし、チンクだけは違った。

 

ノーヴェやウエンディの数年前から起動していたチンクは目の前のタイプゼロの雰囲気の変化に気付いていた。直前に映像で見た彼女との外見での変化も変化。

 

外見の変化はスバルの目の色が変わっていたというだけの些細なことであり。

 

雰囲気の変化はスバルのあふれ出る殺気であるというだけ。

 

「返せ……」

 

ガシャガシャと音を立て、スバルの右腕のリボルバーナックル(デバイス)にカートリッジがロードされる。

 

「ギン姉を返せええええええぇぇぇ!!!」

 

マッハキャリバーのローラーによる加速によって高速接近して来るスバルに、ノーヴェは固有武装ガンナックルからの弾を乱射して止めようとする。スバルの身体に傷ができ、血がにじむ。

 

しかしスバルは突進を止めない。ノーヴェの前でその右拳(デバイス)で殴り掛かる。

 

とっさにバリアで拳を防ぐノーヴェ。バリアと拳は拮抗し……

 

魔法陣のようなものが拳の前に広がった瞬間、バリアが貫かれ

 

ノーヴェのガンナックルが破壊された。

 

「ッ!?」

 

ノーヴェはすぐさま蹴りで応戦する。スバルの蹴撃とノーヴェの蹴撃がぶつかり合い、ノーヴェが吹き飛ばされる。

 

「ノーヴェ、ウエンディ、ここは姉が抑える」

「了解っス」

 

ギンガをケースに入れ、ウエンディの固有武装ライディングボードに括り付ける。

 

ウエンディはライディングボードに飛び乗り自らのISを発動。

 

「IS発動、エリアルレイヴ。行くっスよ。ノーヴェ!」

「でも……チンク姉!!こいつのIS、接触兵器だ!!」

 

タイプゼロ・セカンド、スバルのISは『振動破砕』。触れた敵の身体に振動を送り込むことで対象の内部・外部をまとめて破壊する能力である。

 

「案ずるな!姉ならば、触れずに戦える!!」

 

チンクはそう言って、自らの固有武装、スティンガーをスバルに向け投擲する。

 

チンクの基本戦法はスティンガー投擲、ISによる中距離戦。近接戦メインのノーヴェよりも有効に戦えるだろう。

 

ギンガを助けるためにウエンディを追おうと走り出したスバルの前でスティンガーが爆発する。

 

「邪魔すんなあああああああ!!」

 

傷だらけになりながら爆煙の中から飛び出してくるスバルに再びスティンガーを投擲。

 

しかし、その攻撃に傷を負いながらも速度を緩めず突進したスバルはチンクに拳を叩き込もうとしバリアに阻まれる。

 

ノーヴェよりも堅く張られたバリアをスバルは何度も殴りつけ貫き砕く。

 

チンクはバリアを貫いた右の一撃を何とか避けつつ後退。スバルに大量のスティンガーを投擲しスバルにあたる前に威力を抑えたISでスティンガーを爆破する。

 

狙いは少しのダメージ。そして、ギンガにも行った目くらまし。

 

チンクの前の空間が揺らぐ。正確には周囲から空気が集っているのだが。

 

「IS+発動、空力武装(ウインドウエポン)

 

空気の塊が爆炎を引き裂きスバルの腹に直撃した。

 

「セインさん、到着!!」

 

その瞬間、地面からナンバーズ6、セインが飛び出してきた。

 

「って、チンク姉。倒しちゃってるじゃんか」

「セイン、どうしてここに?任務はどうしたんだ」

「ああ、あたしはもう終わらせ……ってそんなこと言ってる暇ないよ、チンク姉!」

 

慌てたように言うセインに首をかしげるチンク。

 

「早く撤退しないと!ここに巨大な魔力反応が向かってきて「スバル!?」「武装を解除して投降してください!!」ッ!?IS発動!ディープダイバー!!」

 

セインはISを発動し、チンクに抱きつくように飛びついて、地面に潜る。

 

地中でセインとチンクは念話する。

 

『おい、セイン!!私の任務がまだ……』

『あの新しくやってきた二人は消耗したチンク姉じゃ……勝てないと思う。タイプゼロもバリアジャケットはぎりぎり消えてなかったから、あたしのディープダイバーじゃ連れてこれないし』

『……』

『チンク姉。あたしたちの任務は大事だけどドクターが必要としてるのはタイプゼロだけじゃなくて、チンク姉もだよ。チンク姉がここで管理局に捕まったりしたらドクターや妹たち、あたしだって悲しい』

『……すまん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータの耳に爆音が届いた。

 

(え?あたしまだ生きてる?)

 

頬を撫でる熱風にヴィータが閉じていた目を開く。

 

ヴィータに砲口を向けていた4機の機械兵器の内1機が消えていた。その代わりのように、機械のパーツのようなものがバラバラと落ちていく。

 

直前の爆音と熱風が機械兵器が発したものだとすると……。

 

(まさか、あれを誰かが破壊した?)

 

続けて大量のガジェットⅠ型が錐もみ回転しつつ機械兵器に突っ込み、ガジェットⅡ型がブーメランのように機械兵器に突き刺さり、ガジェットⅢ型がめり込み、機械兵器を破壊する。

 

それに反応したのか残った機械兵器2機はガジェットの飛んできた方向に砲口を向ける。瞬間、すさまじい音とともに2機の内、片方がもう片方のいる方向と真逆の方向にパーツをまき散らしながら吹き飛ぶ。

 

ヴィータの目にかろうじて入ってきたのは揺れる猫耳。

 

すぐにもう一方も1機が吹き飛ばされた方向真逆へと吹き飛ばされる。

 

「……危なかった」

 

管理局最強の使い魔(レスト)』の姿がそこにあった。すぐさまどこかへ向かおうとする、レスト。

 

「レスト!!リインが……アイゼンも!!」

 

レストは少し迷ったような表情をしてなにかを考えてから、ヴィータのところまでおりてきた。

 

「……リインちゃんとユニゾンの解除はできる?」

(……ヴィータはAMFが張られていて、デバイスもないから魔法が使えない状態。……このままじゃそのあたりのガジェットにも負けるかもしれない。……とうはに言われたことどうしよう?)




作者のたくヲです。

前回に引き続き公開意見陳述会、もとい公開意見陳述回。

最近vividを読み始めました。そのためstrikersが終わっていないのにvivid編での展開がもうすでに出来上がっているという状況に……。

strikers編が終わったらvivid編に突入します。

これからも『リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す』をよろしくお願いします。

感想いただけるとうれしいです。
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