リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す   作:たくヲ

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第3話 転生者の模擬戦(後篇)

~引き続き第三人称視点~

 

「まったく」

 

フェニックスブラスターにより周囲に爆音を響かせた、ベル・アルタイルが顔に浮かべていたのは嘲笑だった。

 

「ほんっとうに期待はずれですわ」

『期待はずれとは?』

「文字通り、ですの」

 

アルタイルは自らの相棒アンタレスに向かって話し続ける。

 

「ここに来てから、弱い人ばかり。稀少技能(レアスキル)持ちがいたと思えばスキルに頼ってばかり。私の他にも模擬戦で全勝している人がいると聞いていましたが…この程度ですの。何度も言いますが期待はずれもいいところですわ」

 

正村が立っていた方向に目を向け言う。

土煙でよく見えないが、それがなくなればボロボロになった正村が気絶でもした状態で現れるだろう。

アルタイルはため息を一つつき、それから近くの監視ロボにむけ声を放つ。

 

「教官様。この通りこの模擬戦は私の勝利ですわ。あの人は気絶しているで」

 

ここまで言ってから、アルタイルは倒れた。そこに現れたのは……

 

「ったくよお。流石にあれはやばかったぜ。非殺傷設定つっても、ノーダメージになるわけじゃねえんだからよお。少しは加減しろってんだよ」

『それに関しては主の言えたことでもないのでは?能ある鷹は本気で狩る、ですよ』

「それはかなり違うぞマンダ。あと能ある鷹は爪を隠す、だ。本気出したらそれこそ能無い鷹になっちまう」

 

アルタイルに負けたはずの正村島羽だった。

 

~正村視点~

 

20分後

 

いやはや、大変な戦いだった。時間的には2分くらいだったが。

へ?今どこにいるのかって?医務室だよ。アルタイルちゃんが気絶しちゃったから運んできたんだ。まったく、治療班はなにをしているんだか。担架くらい用意しとけっての。

 

いや~『しばらく出ていくから。あとはよろしく』とか言って出ていきやがった、医者の先生様は帰ってこないし。どうやって過ごそうかな?

 

「……こ、ここはどこですの?」

 

あれ、起きたか。

 

「医務室ですよ」

「私は誰ですの?」

「記憶喪失っ!?俺はなんてことをしてしまったんだ!!!」

 

おいおい、まさか記憶を失ってしまうとは。確かこの子いいとこのお嬢さまだったような。じゃあ俺責任としてどんなことさせられるんだ!?

 

「ふふっ、冗談ですわ。私はベル・アルタイル。心優しい、いたいけな少女ですの」

「その言葉の中に一つだけ突っ込みたいところがあるんだが。まあいいか」

 

……少女が仲間になりたそうな目でこちらを見ている!!というのは冗談だがなんか見てる!アルタイルちゃんがじーっとこっちを見ている!!

 

「な、なんでしょうか」

「いえ、その喋り方が素なんですのね」

「しまった!!!」

 

親しくない人には敬語で話しかけると決めていたのに!!!

 

「ふふふっ、面白い方ですの。……しかしどうして私が負けましたの?私の目からは確実にしとめていたように見えていましたのに」

「あ、ああそのことですか」

「あと、敬語はよしてくださいます?」

「……まあいいか。」

 

まあ、もうばれていることだし。敬語使う意味もないし。

 

「簡単に言うと、俺の稀少技能(レアスキル)と俺のデバイスのおかげだろうな」

「稀少技能(レアスキル)?あなたも持っていましたのね」

「ああ。俺のレアスキルは、打ち出された弾が途中で通過する座標を決め、そこにつくまではどうやっても止められなくする能力なんだよ。そして、それは他人の打ち出した弾でも例外じゃない」

「つまり…私のフェニックスブラスターの通過座標を」

「俺の目の前の地面にしたってわけだ。地面にしたのは土煙を立てるためだ」

 

「ではデバイスのほうは」

「俺のデバイス、マンダをサイレンスモードにしておいたんだよ。この状態はマンダによって放たれた魔力弾を視認以外では感知できなくするモードなんだ。土煙で身を隠して建物の裏に隠れて非殺傷設定で心臓狙いの狙撃っつーわけだ」

「なるほど理解しましたわ」

 

まあ、それは重畳だ。だが、同期としてこれだけはいっておかないとな。

 

「まあ、確かにお前は強いよ。それは、お前自身も周りも認めてるだろうよ。もちろん俺もな」

「急にどうしたんですの?」

「だがな今日みたいなことはするんじゃねえ。もしも今日が本当の戦争(コロシアイ)ならお前は死んでた」

 

アルタイルはわずかに息をのむ。まあこの子の言っていたことは正しいんだろう。周囲の人間は彼女よりも間違いなく弱い。だが、弱いものに囲まれていると、自分が強いと勘違いをする。このままでは彼女は将来、周囲から強い強いともてはやされて、自分より強い存在がいることを忘れ、それに負けてあっけなく死ぬだろう。今日あったばかりの少女だが、自分の将来の戦友としてそんな死に方は許さねえ。

 

「…肝に銘じておきますわ」

「……っとまあこんな感じにおせっかいを焼いてみたわけだが。別に心配する必要はなさそうだな」

「ええ。しかし、ご忠告ありがとうございますの」

「ああ、どういたしまして。じゃあ俺はもう行くわ」

「?」

「お前の砲撃の被害の後始末があんだよ」

「なら私も行きま「いや、お前はここで休んどけ」へ?」

「いくら非殺傷とはいえ、心臓撃たれてんだ。いつ体調が悪くなるかわかんねえだろ」

「まあ撃ったのはあなたなんですが」

「まあそんなわけで休んどけよ。ベル・アルタイルちゃん」

 

そういって、俺は医務室を出た。出る直前にアルタイルちゃんが顔を真っ赤にしてたけどなんでだ。本当に体調が悪くなったのか?

 

『主よ、鈍感です』

 

なんだそれ。…まあいいか。これで弟子入りの条件は果たしたしな!!!

 




たくヲです。

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