吸血鬼の妹様   作:キーマカレー

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キーマカレーです。まだまだ未熟なせいか、中々いい感じの表現や言葉が出てこない。もっと勉強必要ですね。
では、どうぞ。


三話 魔法

 「と言う事は、さっきの子は吸血鬼なんですか?」

 

 「ええ、その通りです」

 

 ある程度の情報を咲夜さんと交換しあい、だいたいの事を知ることができた。この屋敷は吸血鬼の主が納めていると言うことと、先程の少女はここの主の妹であるということ。

 

 「ここの主の名は レミリア・スカーレット 。圧倒的なカリスマの持ち主で、私はお嬢様のメイドをさせて貰っています」

 

 「それじゃあ、さっきの子の名前は?」

 

 「フランドール・スカーレット。普段は無邪気でとても可愛らしいんですよ。中々時間がとれなくて遊んであげる事があまりできないのですが・・・」

 

 表情を曇らせる咲夜さん。まるで子を心配する母親のようだった。

 赤いカーペットが敷かれた長く広い廊下を突き進んでいくと、左側に階段が見えてきた。木製でできた手すりを掴みながら、大きな階段を一つ一つ登っていく。その間も咲夜さんと話ながら歩き、話が終わる頃には広いホールに出た。ホールには豪華な彫刻やら、大きなシャンデリアやら、凡人が目にすることのない様な物が沢山置かれてある。

 

 「それでは此方です」

 

 「分かりました」

 

 話すことが無くなり、少しの間静かな空気ができてしまったが直ぐに目的の場所に着いたようで、一つの大きな両開きの扉の前で止まった。二人で顔を頷かせ、無言で扉を開ける咲夜さん。重い音が響き渡り、音が止む頃には部屋の中が露になっていた。

 広く冷たい空気が漂う部屋。部屋の奥には大きなステンドグラスがあり、その下には金色の装飾を施した赤く大きな椅子が一つだけ置いてあった。

 

 「お嬢様。お待たせいたしました」

 

 「ええ、ご苦労」

 

 豪華な椅子に腰かけていた人物が軽い腰をあげ、此方に歩み寄ってきた。主にしては幼すぎる見た目をしている少女。最初に見た少女と似たようなナイトキャップを被っており、その下に水色がかった青髪が覗かせていた。レースのついたピンク色のドレスを着た少女の背中には、大きな蝙蝠の様な羽が生えていた。

 

 「いらっしゃい、紅魔館へ。そしてようこそ、幻想郷へ」

 

 頭が一つ以上離れている背丈の少女は、その見た目と合わず、大人びた声質に口調をしている。まるで長い月日を生きてきた者のようだった。

 

 「説明は聞いてあるだろうけど、一応名乗っておきましょう。私の名は レミリア・スカーレット 。覚えておいて損は無いわよ。貴方とは長い付き合いになりそうだからね」

 

 「俺の名前は田中 桂 と言います」

 

 「けい・・・・・・桂ね。覚えたわ。」

 

 彼女は俺の名前を覚えるように数回呟くと、一呼吸置き、此方を見上げてきた。あの少女と同じ真紅の目と目が合う。

 

 「それで、桂。貴方はこれからどうしたい」

 

 急にこれからの事を聞かれ、少し息が詰まってしまう。今日は朝から散々な目にあって、そんな事を考える暇なんてなかった。彼女を目の前にして、どうしたらいいのか分からず、俯いてしまう。

 

 「・・・・・・すみません。分からないです」

 

 「フフッ。そりゃそうだ。散々な目にあって混乱しているのに後の事は考えにくいか。まぁ、そんなに考えるな。お前の未来は私が保証しよう」

 

 自信満々で返答され、少し驚いてしまう。驚きが自分の顔に出てしまったのか、レミリアさんは口元を釣り上げて笑った。

 

 「咲夜。まずは桂を図書館に行かせてパチェに会わせて頂戴。事情はもう既に話してあるから」

 

 「かしこまりました。お嬢様」

 

 レミリアさんは先程話した事を、もう既に誰かに話しておいたと言っていた。いったいどうすればそんな事が出来るのだろうか。もしかして咲夜さんが言っていた能力というヤツだろうか。咲夜さんは時を操る能力を持っているらしい。その能力を使っていきなり現れたり、部屋から廊下に俺を移したらしいが。

 

 「それでは行きますよ」

 

 というと俺が返事もする間もなく、周りが全て本棚で埋め尽くされた部屋に移された。目の前には自分の身長の何倍もあると思われる本棚。しかも隙間なく厚い本で埋まってある。どれも古い本なのか、アンティークを漂わせる本ばかりであった。本棚の本を眺めていると、本棚の陰から何者かが出てきた。

 

 「あれ、咲夜さんじゃないですか」

 

 「おはよう、小悪魔」

 

 本棚の陰から姿を現したのは、腰まで届くストレートの赤髪の少女だった。しかし背中には、レミリアさんの様な大きな羽が生えており、厚い本を四、五冊両手で抱えながら宙を浮かぶ様子から、人間ではないということが明確だった。

 

 「どうされたんですか?それに隣の人は・・・・・・」

 

 「少し問題があってね。それと、隣に居るのは桂さんよ」

 

 「問題・・・・・・?そういえば朝早くからパチュリー様が忙しそうにしてましたね。それと何か関係が・・・・・・?あ、それと桂さん。宜しくお願いしますね。」

 

 何かオマケ扱いされた気がしたんだが・・・・・・。

 それでは、というと小悪魔と呼ばれた赤髪少女は、飛んで何処かに行ってしまった。

 

 「桂さん、此方にどうぞ」

 

 咲夜さんに言われるがままに本棚の間を通って突き進んでいくと、大きな机に沢山の本が置かれ、椅子に腰を掛けて大きな本を読んでいる人が見えた。ロングの紫髪に、三日月のアクセサリーが付いたナイトキャップを被っている。

 

 「パチュリー様。お連れしました」

 

 「お疲れ。丁度準備が終わった所よ」

 

 「準備?いったいなんの?」

 

 色々と理解できていないため、疑問を口に出してしまった。その疑問に対して紫髪の人は

 

 「貴方は黙って言われた事をなしとければいい」

 

 と言われ、渋々彼女達の話を聴くことにした。

 

 「では早速お願いしますね」

 

 「わかってるわ。そこの人、此方に来て」

 

 「は、はい!」

 

 言われるがままに彼女の元へと行くと、床に何かが書かれてあるのに気が付いた。白い何かで書かれたそれは、円上で良く分からない文字が大量に書かれた魔方陣だった。

 

 「此処に立ってて」

 

 指をさされ、素直にその場に行く。ちょうど魔方陣の真ん中だ。いまから俺は魔法でもかけられるのだろうか。こんな状況で少し楽しみにしている自分がいる。

 

 「それじゃあ、始めるわよ」

 

 突如彼女の周りに不思議なオーラの様なものが現れた。それは次第に魔方陣に流れていき、白く書かれた魔方陣は、淡い青に光輝いた。

 彼女が何かを唱え始める。その声はとても小さく、ボソボソと早口に呟いていて、何を言っているのかさっぱりだ。

 

 「ふぅ・・・・・・」

 

 突如光が消え伏せた。詠唱が終わったらしい。体には何も違和感はないが、いったい何の術だったのだろうか。

 

 「これでこの人の能力は一時的に封じたわ。後は宜しく」

 

 「お疲れ様です。パチュリー様」

 

 自分の役割を終えた彼女は俺の顔を見て「頑張って」と小さく呟くと、椅子に座り込んでまた厚い本を広げた。

 

 「桂さん」

 

 「はい、何でしょう」

 

 「行きますよ。妹様の所に」

 

 

 

 




誤字、感想、アドバイスがありましたら気軽にどうぞ。それでは、次回で。

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