今回も短いですがどうぞ。
舌の絡み合いが続き、自分の抵抗心がなくなった頃、ようやく彼女が口を離した。自分と彼女の混ざった涎が、彼女の口元から銀色の糸のように垂れた。口を犯され、ボーッとした意思の中彼女は不適に笑う。
小さな指先で、自分の口元に付いてしまっている涎を拭き取り、それを彼女は舐めた。
「えへへへ・・・・・・」
満足の笑みで此方を見るフランの目はまだ濁っていた。
「なんでこんなことを・・・・・・?」
「え?だって桂はワタシとずっと一緒にいてくれるんでしょ?」
「だからってこんなこと・・・・・・」
「あっ!そうだ!」
何かを閃いたのか、手をあわせて顔から笑みを溢す。
「ねぇ、知ってる?吸血鬼ってね、補食対象からパートナーを選んで下僕にする事があるんだって」
「・・・・・・」
つまり彼女が今からしようとしていることは容易に理解できる。俺を下僕にする気だ。
フランが何故このような事をしようとしているのかが俺には分からない。フランを狂気の中に呑ませてしまったと思われる俺の能力はパチュリーさんに封じられているはず。それなのに、フランはこうして"異常"な行動をしている。
考えれば考えるほど、謎が深まっていくだけだった。
「それじゃあ、さっそく・・・」
フランの吐息が俺の首をなぞる。彼女は舌を出して俺の首を舐め始めた。くすぐったい感覚が広がり、やがてチクリとした痛みが襲った。その痛みと同時にゾワリとする快楽が込み上げる。
「あっ・・・・・・」
力も声も出ずに彼女に吸血される。血を吸われるたびになんとも言えない快楽の波が押し寄せてくる。何度も何度も吸われ、気を失いかける頃にやっと終わった。どんどんと薄れていく意識の中で彼女が囁く。
「ふふ、次に目覚める頃には一生私と一緒にいられる身体になってるから楽しみにシテテネ。オヤスミ、ケイ」
意識を手離す寸前に見た彼女の目は濁っていた。
「それで、魔法は上手くいったのかしらパチェ」
「正直言って七割成功って感じかしらね」
「おや、随分と低いじゃない」
「専門分野じゃないのよ。分かってて言っているでしょ?レミィ」
何千冊もの本が存在する大図書館で、二人の少女がテーブルを挟んで向かい合っていた。片方は、図書館の主パチュリー・ノーレッジ。もう片方は悪魔の住む館といわれる紅魔館の主レミリア・スカーレット。二人の関係は、会話の中で愛称で呼び会う事からどのような関係なのか容易に想像できる。
「でもまぁ、彼に悪いことしたかしら」
両手で開いていた本を閉じ、椅子に腰を掛けながらぼそりと話すパチュリー。その様子を伺うレミリアは疑問を抱きながら聞いていた。
「彼には全部が全部封印できたわけじゃないって言って無かったのよね」
「まぁ・・・・・・あの状況で言われても困るだろうしね」
「そういえば彼は今どうしているのかしら。また襲われていたりして」
「それは大丈夫よ。彼の生きている運命がちゃんと見えたから」
どうでしたでしょうか。まあ、毎度毎度短くて申し訳御座いません。
では、次回で。