無限の蒼穹に浮かぶ巨大な石と鉄の城
それがこの世界の全てだ
職人クラスの酔狂な一団がひと月かかりで測量したところ、基部フロアの直径はおよそ十キロメートル、世田谷区がすっぽり入ってしまうほどもあったという。
その上に無慮百に及ぶ階層が積み重なっているというのだから、茫漠とした広大さは想像を絶する。
内部にはいくつかの都市と多くの小規模な街や村、森と草原、湖までが存在する。
上下のフロアをつなぐ階段は各層にひとつのみ、その全てが怪物のうろつく危険な迷宮区画に存在するため発見も踏破も困難だが、一度誰かが突破して上層の都市に辿り着けばそこと下層の各都市の転移門が連結されるため誰もが自由に移動できるようになる。
そのようにして巨城は、攻略されてきた。
城の名はアインクラッド
約6000もの人間を呑み込んで浮かびつづける剣と戦闘の世界
またの名をーーー
ソードアート・オンライン
* * * * * * * * *
「ふぅー、もうそろそろか」
僕こと吉井明久は、リビングのソファで雑誌を読みながらそのような言葉を呟いた。
理由は、今日の十三時ジャストに《ソードアート・オンライン》というMMOゲームの正式サービスが始まる。
「お兄ちゃん、私の鞄何処にあるかわかる?」
そんな事を考えていると僕の妹である吉井愛里紗(よしいありさ)がそんなことを言ってきた。
「全く自分のわかるところにおいとかないからわからなくなるんだよ……」
「うぅ〜、ごめんないさ……」
「はい、鞄」
「ありがとうお兄ちゃん!」
愛里紗は、頭は良いし、運動能力は高いんだけどどうもこういうことは、駄目なんだよね
「早くしないと亮平がくるーー『ピーン、ポーン』ほら来たよ早く着替えておいでよ」
「わーー、早く着替えてこないことー」
愛里紗は、急いで自分の部屋に戻って行った
はぁ、全く、僕は玄関へと歩いて行った
玄関のドアを開けたらそこには、幼稚園のころから一緒だった幼馴染がいた
「やぁ、亮平」
「よう、明久」
彼の名前は、茅場亮平(かやばりょうへい)数年前まで数多ある弱小ゲーム開発会社のひとつだったアーガスが、最大手と呼ばれるまでに成長した原動力となった、若き天才ゲームデザイナーにさて原子物理学者茅場晶彦の実の弟である
「愛里紗は、まだなのか?」
「あ〜、ごめんまだなんだ」
「そうか………」
亮平は「またか」と言った
ごめん亮平、今度しっかりと言っておくよ
少ししてから愛里紗が来た
「ごめんね、遅れちゃった」
「いいさ、いつものことだからな、じゃあ明久行ってくるよ」
「あっ待ってよ亮平君!それじゃお兄ちゃん行ってくるね!」
二人は、走って学校に向かって行った
二人が見えなくなると僕は、家の中に入り十三時からやるイベントにそなえていた
何故かテーブルの上紙が置いてあったので僕は、それを読んだ
お兄ちゃんへ
今日は、帰りが遅くなるからご飯は作っといて下さい
後、いつも言っているけどゲームは六時までだよ
しっっっっかりと、守ってね
愛里紗より
はぁ、いつもわかってるって、言っても中々信じてくれないなぁ
なんかショックだよ愛里紗………
そんなことを考えていると、時刻は12時50分を回っていた。
僕は、事前に用意していたナーヴギアをかぶりベットの上に上向きになり時刻13時になるまでまっていた
………10……………5………3、2、1
僕は仮想世界へと誘う言葉をいった。
「リンクスタート!」