・・・夢幻魂歌。魂魄記。
と、二つシリーズを展開してる俺ですが・・・
今のところ、後二つシリーズを出す予定があります。
どちらも週一や不定期になりそうですが。
なんにせよ、基本は夢幻魂歌です!
ぜひそちらも。
では、どうぞ!
私が負けてから早一週間。
最初はぎこちなかった幽々子様との会話も、今ではだいぶ慣れてきた。
幽々子様はおっとりしているようでかなりの策士だ。
・・・私が単純すぎるともよく言われるが。
今は初夏。
梅雨でじめじめする季節だ。
まあ、冥界に住む私たちにはそんな気にすることでもない。
そんなこんなで私は今日も、人里にお買い物に来ている。
今日のお夕飯は何にしようか。
昨日は唐揚げだった。
今日は魚にしてみよう。
そう思い、私は魚屋に向かった。
最近知ったのだが、魚というのは川や湖に居るらしい。
外には海なんてものがあるらしく。
行ってみたいな、と思ってる。
でも、あっちには刀を持っていけないらしい。
だからなあ・・・
「お、銀髪のねーちゃん!いらっしゃい!今日はどうする?」
魚屋の人が話しかけてくる。
急に話始めた私に普通に接してくれる。
「んと。秋刀魚で。」
「がはは!今は秋刀魚は美味しくねえよ!」
魚屋は笑い、箱から別の魚をだす。
「こいつがうめえ。秋刀魚より安いし、初夏が旬だぜ」
へえ、旬の魚か。
油も乗っていて、身も引き締まっている。
なるほど、これは良い。
「じゃあ、それを三つ。」
「はいよ!」
魚屋さんは袋に魚を入れてくれ、
「おまけだ!持ってきな!」
他の魚を3匹ほど追加してくれた。
「あ、ありがとうございます!」
「はは!これからもご贔屓にな!」
私は代金を払い、魚屋を後にする。
帰り道、私はこんな噂を耳にした。
最近、人食い妖怪が村の周りに居る、と。
刀をいつでも抜けるようにしつつ、私は村を出た。
・・・気になって歩いてみたが、何の気配もない。
・・・なんかあったとすれば。
「白髪のおねーちゃん、おらと遊んでよ!」
変な子供に絡まれた。
私は背が低い方だ。
よく子供に間違えられる。
「・・・忙しいの。また今度ね。」
まあ、子供は嫌いじゃない。
私はその子にそういって、白玉楼に帰った。
次の日も、私は人里に来ていた。
・・・また、お買い物だ。
昔っから幽々子様はよく食べる。
その細い体のどこに入るんですか、と言いたくなってしまう。
それすらもお見通しされてそうだが。
・・・今日は、お肉にしよう。
そんなことを考えながら里を歩いていた時だ。
ひとつ、大きな人だかりが出来ていた。
買い物も済ませ、もう帰ろうかと思っていた頃だったので、私も少し覗いてみた。
真ん中にあったのは掲示板で。
そこに貼られていたのは。
昨日の少年が、行方不明になっている、という内容だった。
私が呆然としていると、どこからか声が上がる。
「おい・・・その子、食べられちまったんじゃねえか!?」
ざわざわ、と人々が話し出す。
「そ、そうだよ!人食い妖怪が出てるって噂じゃねえか!」
「村の外にあいつはよく出てたからな!」
「そうだ・・・きっと、そうだよ!」
どんどん賛同の声が上がる。
まだ決まったわけじゃないのに。
皆は現実に、目を向けているのか。
背けているのか。
「じゃあ、しょうがねえな!」
誰かがそう言って、掲示板に貼られていた紙を引きはがし、丸め、捨てる。
「こんな辛気くせえ貼り紙は捨てちまえ!もう結果はわかったんだ、これで良いだろ!」
なあ皆!
とその男は皆に賛同を求め。
あろうことか、周りも賛同した。
・・・中には、その子の両親も居た。
チャキ、と。
気づけば私は剣に手を当てていた。
私は気づき、手を放す。
私一人では、何もできないんだからーーー、と。
夕暮れ。
私は村娘の恰好をして、外にでていた。
どこからか鳴き声が聞こえる。
赤ちゃんだろうか?
いや、違う。
・・・嫌な、妖気を感じる。
恐らくこいつが、あの子を食べたのだろう。
私は剣に手を触れながら、鳴き声へ向かう。
せめて。
ーーーそいつを、斬るためにーーー
短いのは敢えてです。
これは自分の中で、「物語では無い物語」なんです。
文字数は少なく、それでいて重くしています。