インフィニット・ストラトス 〜月夜が照らす亡国者〜 作:セイイ
ある日の午前十時、私はファントムタスクのスコールに呼ばれ、IS学園から二つ町離れた高級レストランに呼ばれた。
「ご予約は?」
「月山タテトで待ち合わせをしているわ」
私は、あらかじめ用意された偽名で店員に名乗った。
「月山様ですねお待ちしていました。レイニー様が先におられます、こちらにどうぞ」
レイニー・・・・スコールのことだろう。
私は、予約用の部屋に案内され。扉が開くとそこには金髪の女性が座っていた。
「待ってたわ、月山・・・」
スコールだ
私は席に座り、店員が去ったことを確認すると本題に入った。
「直接会うのも久しぶりね、急に呼び出して・・・新たな任務かしら?」
「ええ、それもかなり重要よ・・・」
「ふーん・・・・」
「あともう二人来るわ、あなたにはその人たちを内側からサポートして欲しいの。」
「あと二人?」
再び扉が開き、そこには二人の女性が入ってきた。
一人はロングヘアー もう一人は少女だった、しかしも、私が知っている人に瓜二つだ。
「きたぜ、スコールって・・・なんでお前がいるんだムーン!!!」
「ここでは月山と呼びなさい!巻紙・・・・」
ロングヘアーの女性は亡国企業実働部隊所属『オータム』入隊当初から彼女とは犬猿の仲だった。
私自身その口が悪く短気な部分が気に入らなかった。
「・・・・っち!」
「それより・・・もう一人の少女・・・あなた、初めて見るわね?何者?」
「・・・・・・・」
黒髪の少女は語らない、仕方がなく私はスコールに聞いた。
「・・・ふん、スコールあの子は何?織斑千冬にそっくりだけど?」
そう、鋭い眼差し、顔の形、そのほとんどのパーツが最強のIS操縦者『織斑千冬』に似ていたのだった。
「織斑マドカ・・・彼女はそう名乗っているわ。ボスから命令で実働部隊に所属されているわ。コードーネームはMよ」
「織斑?・・・あなた織斑一夏の妹かしら?・・・」
「・・・・・・・・」
何も言わない。
「・・・・ふん、まいいわ、面子も揃ったところで、その任務の内容を話してくれないかしら?」
「お前が仕切るな・・・クソ野郎」
「お黙り、あなたは相変わらず品がないのね」
「あぁ?」
「静かにしなさいオータム、では任務の説明をするわ、これはかなり難易度の高いものになるわ・・・・
・・・・・あなた達にはあるISを手に入れて欲しいの」
『あるIS』、私はIS学園に入学していてから、この任務が来るとは予想していた。覚悟もしていた。
「・・・・・・ついに来るのね・・・予想はしていたわ・・」
「さすが、月山ね」
「は? なんだ? そのISってのは」
「白式よ・・・・・」
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私は、レストランを後にして、一駅戻る。待ち合わせをしていのだ。
着いた時には約束の時間のちょうど15分前、11時45分 噴水前に簪がいた。
「あ、ゴメンなさい!待たせたわね?」
「ううん・・・全然待ってない・・・」
以前、一夏にエネルギー供給してくれたお礼に、彼女の買い物に付き合った。
もう少しで臨海学校があり、そこで使う新しい水着を買うためである。
「ごめんね・・・こんなことにつき合わせちゃって・・・」
「いいのよ、水着選びだっけ?私結構そういうとこセンスあるのよ?」
「ふふ、そうだね。その口調だし、納得出来る。」
「・・・・」
数分移動し、駅前のデパート 水着売り場に着く。彼女が水着選びをしている間。
私も自分が着る海水パンツを選んでいた。すると一人の女性が私に話しかけてきた。
「そこのあなた、私の水着片付けてくださる?」
「・・・・・」
最近増加し始めている、『女尊男卑主義者』である。
「?なにモタモタしているの?早くしてちょうだい」
私は無視をする。
「!! 男のくせに、女に盾突くき?」
「・・・・・あなた、自分で片付けもできないなんて、女子力が無いんじゃないの?」
「!? あなたその口調・・・・男の分際で!!」
この時代、オカマ、ニューハーフ、オネエが減少を辿っていた。
おもなの理由は、『女尊男卑主義者』による下劣な嫌がれせがあったのだ。
男が、美しさを求めてなにが悪い。上品でいてなにが悪い。
「・・・・・・わたし理解できないのよ・・・あなたのような、人格が汚い人間が、美しく振舞っていることに・・・」
わたしは鋭く彼女を睨みつける
「っち、警備員を呼ぶわよ!!」
「はぁー ナンセンス。美しくないわ・・・・失せてちょうだい!!ブサイク!!」
わたしは殺気を込めて言い放った。
「っぶ!? っく!!」
少女は水着を元に戻して、その場を後にした。
「心月・・・・大丈夫?」
その直後、どうやらわたしのやり取りを見ていたのだろう簪が、二つの水着を持って話しかけた。
「あら、ごめんなさい気にしないで。」
「あ・・・うん分かった。」
「その二つ買うのかしら?」
「んー・・・そうしたいけど、今金欠で一つ心月に選で欲しいの!」
「ふふ、いいわ」
わたしは二つの水着を見た。一つは、水色水玉のビキニタイプの水着、もう一つはフリルの着いた水着だった。
「どっちも似合うと思うわ・・・・そうね」
「・・・・・」
「どっちも買ってあげるわ」
「え!?」
まさかの答えに簪が驚く。日頃の感謝を込めてわたしは二つの水着をレジに持って行った。
「いいよ心月・・・」
「ううん、日頃の感謝をこめよ。」
「・・・・ありがとう」
彼女の頬が少しだけ赤くなる。
しかし、彼女は私を知らない、この行為がただの信頼度を上げるだけの行為に。
でも、少しだけ、私は彼女に何かしたかった、その気持ちはあった。
今の私にはその理由はわからなかった。
ただ、彼女がよろこんでくれて嬉しいと、無意識に思っていた。
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夕方、私たちは公園にきていた。近くに有名なクレープ屋さんがあると聞き寄ったのだ。
私がクレープを買いに行こうとするが、簪が水着のお礼に自分が買っていくと言い出し、私をベンチの置いていったのだ。
一人きりになった私は目の前の湖を見ながら、後ろの気配に言った。
「そろそろ、出てきてもいいんじゃない? 生徒会長?」
「あら?気づいていたのね?」
木の陰から『更識楯無』でてくる。私たちが駅で会ってからずっと気配を感じていた。
「まだ、疑っているのね、あなた・・・・」
私は、いい加減にしてと言わんばかりのトーンで話す。
「・・・・当然よ・・・あなた、簪ちゃんに何する気?」
「何もしないわ・・・・」
そろそろ、自分の疑いを晴らしたいが、さすが更識家
その口ぶりから、私が黒ということは確定しているようだった。
だが、決定的な証拠がないため、断言できないのだろう。
そろそろ、彼女を始末しなければ・・・・
「あなた、ファントム・タスクでしょ?」
「なんのこと? あなたいい加減いしてちょうだい!! 」
私はベンチから立ち上がりあの女を睨みつける。
「白を切るつもりね・・・・・だったら、」
彼女はISミステリアス・レイディを起動する。
しかも町の中で
「・・・!! 」
もちろん、これはIS学園の規則に反する行為。生徒会長でありながらその行為に及んだということは・・・
「簪を解放しなさい!!」
妹のためだ、妹を守るべく彼女は規則を破ってでも私に剣を向ける。
「だから、私は知らないって言ってるでしょう!!!」
ランス型の武器『蒼流旋』の銃口が私に向けられる。
私は、ISをあえて起動しない。証拠がない今 もし私を撃ったならば、彼女の信用はガタ落ちだ。
そこを狙う。
「っち・・・・・」
彼女もそのことを察しているのか攻撃をしてこない。
しかし、ずっと私に銃口を向け続ける
「まって!!!」
すると、後方から、簪がクレープを落とし、打鉄弐式を展開 私の前に手を広げ立つ。
「か・・・・簪ちゃん!」
「お姉ちゃん・・・・・いったい心月になにする気!?」
彼女も姉に向かい 薙刀型武器『夢現』 を向ける。
「・・・・どきなさい簪ちゃん・・・そいつは危険よ!!」
「心月は・・・・何が危険なの?」
「それは・・・・・」
「心月は危険じゃない・・・私を助けてくれた・・・このISだって、彼がいないと作れなかった」
「それは、あなたを利用として・・・!」
「心月はそんな人じゃない!!」
「!!」
「お姉ちゃんは・・・・心月の何を知っているの・・・・!」
「・・・・・・っく」
簪に睨まれた楯無はISを解除する。
そして、そのまま無言で私を睨み、視界から消えた。
「大丈夫?心月」
簪もISを解除する。
「ええ・・・・ありがとう」
彼女は自分を信用していた。かなり好都合だ。
しかし、自分の中で今までにない 辛く苦しい 感情が生まれていた。
今まで経験したことのない『罪悪感』を感じた。
私は、混乱した。
自分にこのような感情がまだあったなど・・・・認めたくなかった。
以前ファントムタスクの工作員として、信用を利用し 様々な裏切りを図ったことがある。
しかし、こんな罪悪感はなかった。なのに・・・・なぜ。
「心月?」
暗くなる顔をを心配して簪が話しかける。
「!・・・大丈夫よ・・・暗くなるわ、そろそろ帰りましょう?」
「あ・・・うん・・・」
「クレープ、また今度二人きりで食べにきましょ?」
「うん・・・ごめん心月・・・私のお姉ちゃんが・・・」
「いいのよ、疑われる自分も悪いんだし」
「!! そんなこと!」
「この話はここまで!! 行くわよ簪」
「あ・・・・うん・・・・」
考えるな、篠ノ之心月・・・私は、『あいつ』に復讐するべく亡国者になったんだ・・・。
全てを切り捨てろ・・・他人のことなんて無視しろ・・・・。
全ては、全ては、『あいつ』の『罪』をこの世から消し去るために 解放されるために・・・
箒ちゃんのために・・・!!
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次回は前後編で 臨海学校です