インフィニット・ストラトス 〜月夜が照らす亡国者〜 作:セイイ
第21話 描く未来
時を戻し、まだ心月がIS学園にいたころ。
どこかの国である研究が行われていた。
それは人為的に最強のIS操縦者『織斑千冬』を作り出す研究を行っていた。
『おぉ・・・遂に生まれたわ!!』
『これで、私たちも力を手に入れたわ』
『よし、急いでIS適正値を上げる措置を!』
「・・・・・ここは・・・私は?・・・」
『あなたは織斑千冬よ』
「・・・オリムラチフユ?」
『ええ、期待しているわよ・・・私たちの織斑千冬?』
「・・・・・・・」
しかし彼女らの期待はことごとく打ち砕かれる。
ISの適性を上げるナノマシン治療、年齢の強制設定、様々な方法実験を試したがISの適正値は
なんの変化も見られなかった。
『だめだ、適正値が上がらない・・・設定した年齢だと『A』判定が出てもおかしくはないのに!!』
『身体能力は異常な数値だけど・・・『IS』が動かせないんじゃ意味がないわ・・・』
『失敗作か!?くっそ!!どれだけこの研究に資金がかかっていると思うんだ!!』
『神は見放しんた、私たちを・・・』
『失敗作が!!』
『欠陥品め!!』
「・・・・私は・・・」
「おいおい、それだとかわいそうだろ?」
突然男が現れる。その男は顔は若いが白髪が目立ち、黒いスーツに血のような色のネクタイをしていた。
『な!?侵入者か!?』
「この子が失敗作か、欠陥品か・・・神に見放されたかはお前たちが決めることではない」
『撃て!こいつを撃て!!』
研究員たちは銃を取り出し男性に撃つ。しかし男性にはその銃弾は届かなかった。
彼が手を上げると、目の前に黒いロボットのようなISが現れる。
全身装甲で操縦者は確認できなかった、たった一本の剣で武装した研究員を次々と殺していった。
『黒い・・・IS!?』
「その子を私に『返して』もらおう!!」
「・・・・・・」
これはマドカが初めて、ファントムタスクのボス『ラオリム』と出会った話だ。
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時は10月上旬、白式強奪事件から1週間後の太平洋上空
そこに一期の旅客機がアメリカに向けて飛行していた。
その機は対IS用に改造されたアメリカ大統領専用飛行機『エアフォースワン』
コックピットで二人の操縦士は日常的な会話をしていた。
「ジョン、コーヒー飲むか?」
「いやいいよ、俺コーヒー飲むと眠たくなるんだ」
「はは、なんだよそれ?」
「・・・ん?」
機長のジョンがレーザに映る高速で近づいてくる物体を確認する。
それはIS特有の反応もキャッチした。
「どうした?」
「IS反応だ!!」
機長はすかさず自動操縦モードから操縦モードに切り替える。
「なに、はやくシールドを貼れ!」
「了解」
副操縦士のライトは対IS用バリアを機体全体に貼る。
「こちらコックピット、緊急事態発生、無所属のISが接近中 IS部隊の出動をお願いします」
ジョンは機内に待機しているIS部隊に出動の指示を出す。
しかし、彼の耳にはノイズ音しか聞こえなかった。
「ん?通信ができない」
「なんだと?!」
「システムが何者かにハッキングされている!!」
副操縦士が機体のシステムを確認する。
「これは・・・ファントム・タスク!?」
そこにうつし出されたのは『Phantom task』という文字
「ファントムタスクってあの・・・ぐわ!?」
機体が大きく揺れる。
「シールドが破られた!?」
「ばかな!!」
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「・・・・こちら、ムーン・・・大統領機『エアフォースワン』を肉眼で確認。作戦を開始する」
エアフォースワンを襲ったのはファントムタスクの篠ノ之心月だった。
まだ慣れない、ラファール・ユルティムを自己流にカスタムした機体を身にまとい
飛行機に接近する。
「バリアか・・・でもね」
ハイパーセンサーでバリアを確認すると、右腕に武器を転送する。
「『雪片試作型』」
白式のデータを元に作られた試作品。刃が展開し、エネルギーの刃が出ると
そのままバリアを切りつけ破った。
たった一振りだったが武器のエネルギーが尽きる。
「さすがね・・・まぁ一回しか使えないけど」
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「この揺れはなんだ!?」
大きな揺れを感じたアメリカ大統領はボディガードに避難誘導をされていた。
「コクピットどうした?なにがあった?」
一人がコックピットの連絡を取る
しかし、システムがハッキングされた今連絡を取るのは不可能だった。
「だめだ連絡がつかない」
「とりあえず大統領こちらへ・・・ぐぁ!?」
エネルギー弾がボディーガードのに当たる。
「!?」
「こんにちは、大統領」
彼を撃ったのは機内に侵入した篠ノ之心月だった。
「黒いラファール・・・まさかファントム・タスク!?」
「大統領、死にたくなければついて来てください。」
「っく・・・・」
大統領は心月に連れられ、機内に設けられた会議室へ向かう。
途中、IS部隊であろう女性軍人たちの屍体が辺りに転がっていた。
「なんてことを・・・」
「私じゃないですけどね」
会議室の扉が開き大統領を無理やり椅子に座らせる。
本来大統領が座る椅子には、一人の男性が座っていた。
「やぁ、お久しぶりですな・・・大統領」
ファントムタスクのボス『ラオリム』だ。
「お前は・・・誰だ!?」
「おっと、この顔だとわからないか・・・まぁいい」
ラオリムは顔を剥がす、マスクを付けていたことは知っていた心月だったが。
本当の姿を見るのは初めてだった。
「・・・・一夏くん?」
彼は驚く、そうラオリムの顔は、かの男性操縦者の一人、『織斑一夏』に似ていたのだ。
唯一違うところは彼が白髪だったという点だ。
「お前は・・・センカ、センカか!?」
大統領は驚愕する。
「ふむ・・・覚えてくれて嬉しいよ、戦友よ」
「お前はあの時、戦死したはず・・・なぜ生きている!?しかもその顔は?」
「あの時のままだろ?ナノマシンというのは実に便利だ・・・」
「・・・お前は一体」
ラオリムは懐からハンドガン『ハイキャパ5.1』を取り出す。
「さて、お話の時間だ大統領・・・単刀直入に言う・・・」
「・・・・なんだ?」
「ムーン・ウォーカーはどこだ?」
「!?まさか・・・お前」
「くふ・・・思っているとうりだ・・・私はムーン・ウォーカーを手に入れ・・・世界を滅ぼす」
「何をふざけたことを、お前たちはいったい何が目的だ!!」
ラオリムは立ち上がり大統領の正面に立つ。
「いい方が悪かったすまんよ・・・私たちは、ムーン・ウォーカーによって世界を平和にする」
「・・・矛盾しているぞ?世界を滅ぼすといって・・・世界を平和にする?イカれたやつめ・・」
「残念ながらイカれていない・・・お前は実にもったいないことをした・・・ムーンウォーカーという核よりも最強で究極の兵器を作っておきながら月面に封印するなど・・・実にもったいない・・・」
「・・・あれは・・・人間が扱ってはならないものだ」
「そうだ、扱ってはいけない・・・神に等しい力だ・・・だからこそ勿体無い」
「・・・・・なにを戯言を」
ラオリムは語る、その内容はファントムタスクの目的そのものだった。
「私はね・・・この世界をずっと影から見ていた・・・人間はいつもいつも争っていて・・・見ているでけで反吐が出た。
みんなどうして仲良くできないのだろう・・・どうして争いあうのだろうってね」
「まぁ、答えは出たけどね・・・人間だからさ・・・この世は弱肉強食、力こそ正義、勝った物が全て、
争いは人間がいるから起きるのだと!! パワーイズジャスティスだと!!」
「私はね・・・『白騎士事件』でISに魅了され絶望した・・・たった一人で2341発以上という日本が消滅するミサイルを打ち落とし、さらには、白騎士を撃退しようとした全国の最新鋭軍隊を壊滅させた・・・こんなに素晴らしい兵器がこの世に生まれたことに驚きを通り越して失神したよ・・・私はISを欲した・・・これさえあれば世界を、変えることができる・・・でも男性はISを操縦出来なかった・・・世界の変貌も悪い方へ行った。」
「・・・・・・」
「女尊男卑やISを使ったテロ・・・世界は危うくなったよ」
「しかし、運命は私を見放さなかった、私は、祖父が密かに設立した秘密組織『ファントム・タスク』のボスを継ぐことになった。
IS部隊を立ち上げ、自分だけの部隊を作ったさ・・・でもいくら力の根源を潰しても潰しても・・・全然平和にならなかった・・・」
「気がつけば自分が危険な存在になってたよ・・・」
「私は考えた、誰も逆らえない究極の力を持てば世界を平和にできるって!!
力ある物を殺す!! 争いあう者は殺す!!犯罪者、悪者、外道、みんな殺すことができる絶対的な力を手に入れれば・・てね 」
「そして・・・恐怖が抑止力になって・・・みんなみんな、笑顔で平和で暮らせる・・・」
「究極の力の頂点こそムーン・ウォーカーなのだよ!!」
「狂ってる・・・」
大統領は戦慄した。
「狂ってるのは争いが絶えない世界だよ、その世界を破壊して・・新たな世界を創る・・・平和地球を創る・・・だろ?心月」
「・・・・・・はい」
心月は頷く。そして大統領にエネルギーアサルトライフル『ピース』を向ける。
「私の家庭は、ずっとファントムタスクと共にあった・・・第二次世界大戦に参加した曽祖父が世界の平和を望んで結成したこの組織の目的も、もうすぐ達成する・・・さぁ言え!!」
ハンドガンの銃口を大統領の額に当てる
「・・・・誰が言うか!!!」
「心月・・・やれ!!」
「はい」
エネルギーアサルトを大統領の右腕に撃つ。
「がっぁぁあああああああああああ!!!!」
「痛いだろ?それもそうだ・・・腕が焼け飛んでいるからな!!」
「がはぁあ・・・・がぁ・・・」
「知っているぞ、お前たちアメリカが『ムーン・ウォーカー』の在り処のデータを持っているのを。
無人機IS、『福音』に積んでいたのを。・・・いつか取りに行かせるために積んだんだろ?・・・言うんだ」
以前、心月が交戦した『福音』はあの戦いの後ファントムタスクが回収し、コアを分析した。
一部破損していたが、そこには月に行きムーンウォーカーを回収するシステムが組み込まれていた。
「が・・・・が・・・」
大統領は喋らない。
「やれ・・・」
「・・・はい!」
次は右足に向けて撃つ。
「がぁあああああ!!!」
「さぁ・・・答えろ・・・。」
「が・・・・死の湖・・・」
死の湖、月の海の一つ。
「詳しい座標データは・・・・?」
「NASAに・・・ある」
「よく言えました・・・ムーン彼を連れて行ってくれ」
「はい・・・ボスは?」
心月は激痛で失神した大統領をワイヤーで縛り持ち上げる。
「迎えがくる・・・」
ラファールからIS反応が出る、心月はあわてて機体の窓か外を確認する。
「・・・!あれは」
黒いISが飛行機と並走飛行していた。
「無人機IS『黒式』だ・・・」
「『黒式』・・・・」
「彼が見つけてくれるさ・・・私たちの希望を・・・」
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おまけ『オリジナルIS紹介』
名称:ラファール・ユルティム
和名:究極の疾風
世代:第三世代
国家:フランス
武装(心月カスタムver)
エネルギーアサルトライフル『ピース』
対IS用シールド×2
ニードルビット×3
エネルギーガトリング『桜吹雪』
説明: デュノア社がムーンから提供されたIS学園の代表候補生の専用機データをもとに
開発した第三世代IS ラファール・リヴァイブと同様様々な武器が搭載でき、
第二世代にできなかった、第三世代兵器を搭載可能にしている。
名称:『黒式』
世代:第三世代
国家:不明
武装;雪片弐型
雪羅
説明:ファントムタスクによって開発された無人IS
オリジナルISが多くて申し訳ない!