インフィニット・ストラトス 〜月夜が照らす亡国者〜 作:セイイ
内容的にここから第3章がスタートです!!
今章のメインは一夏とマドカですよ!!
若干グロテスクの表現もありますから注意です!!
一夏side
「ここは・・・」
ふと目がさめる、周りは見知らぬ光景。広く美しい草原が一面に広がっていた。
俺、織斑一夏はどこにいるかわから無いまま、なんとなく歩いていると目の前に
金髪の女性が座り込んでいた。
髪を後ろにまとめている・・・たぶんシャルだ。
「シャル?」
彼女に近ずき肩をたたくと。どうしたのかどっさとバランスを崩し倒れる。
あれ・・・?。
「シャル!?」
思わずシャルを抱きかかえる・・・しかし、ヌルっとお湯だろうか・・・生温かい感触を感じ
手のひらを確認すると、そこには赤く新鮮な血液のようなものがべったりとついていた
ってこれ血じゃねぇか!!どうして・・・
腹部を確認すると白い制服が真っ赤に染まるほどの大量の血を流していた。
シャルの顔を真っ青で、いくら呼びかけても何も答え無い・・・まるで屍のよう姿になった。
綺麗だった草原も突如 紫の炎に焼かれ燃え上がる。
「な・・・・なんだ!!っくそ!!シャル!!」
なぜかシャルが炎に攫われ、消える。
炎の後を追おうとするも突然何かにつまずいた。
「うわ!?」
足元を確認する・・・その物体の正体に俺は目を見開き、一気に吐き気と絶望感に襲われた。
そこにいたのは 鈴 ラウラ セシリア・・・
シャルと同じように大量の血を撒き散らし
屍のように倒れ込でいる。
なんだこれ・・・なんなんだよ!!
それはまさしく、俺がこの世で最も見たくも無い光景・・・
守ると誓った者の・・・無残な姿。
まさしく『地獄絵図』そのものだった。
「鈴、ラウラ、セシリアまで・・・!!」
救い出そうにも、紫の火災旋風が俺を襲い 身動きが取れなくなる。
「っく・・・なんだよこれ・・・なんなんだよ!!」
炎の中 二機のISの姿が見えて来る。
二機は戦っており、一人は盾を もう一人は二刀流の刀を使い戦っている。
しかし決着はすぐにつき、二つの剣が払いのけれ俺のそばに突き刺さる。
その剣に俺は見覚えがあった『空裂(からわれ)』と『雨月(あまつき)』
これは紅椿・・・箒のISの武器だ・・・つまり戦っているのは・・・
もう一機のISが箒の首を掴み、紅椿が強制解除される。
『っぐ・・・一夏・・・逃げろ・・・。』
無防備になった箒の苦痛の入った声で俺に言う
「箒!!」
炎が少しはれもう一機のISの姿が確認できた。
白いボディに紫のラインの入り巨大な盾を持つIS。そのISが俺の幼なじみの箒の首を絞めていた。
俺はこのISを知っている。『Vブロッサム』心月さんの機体だ。
篠ノ之箒の兄であり、妹に溺愛しているはずのあの篠ノ之心月が箒の首を絞め上げていた。
『っかは・・・』
「心月・・・さん」
首を絞めている反対の手には刀が握り締められてる。
刃の部分は赤い血に染まっており、IS自体にも新鮮な返り血が付いていた。俺は一目で確信した。
「心月さんが・・・皆んなを」
『そう、あなたの弱さが仲間をを殺すのよ』
ギギギと箒の首が音を立てる
「!!やめろぉっぉぉおおお!!!」
俺は走り出す・・・しかし間に合わない。
ゴッきっと箒の首は折られ、炎の中に投げ捨てらる。
そして心月は血にまみれた刀を俺に向ける。
『あなたの弱さが招いた結果よ・・・織斑一夏』
その言葉が俺の心奥深くを貫く。
「っ・・・俺が、弱いから!?」
『そう・・・あなたが弱いから、誰も守れない』
誰も守れなかった・・・辺りを見渡す
炎がはれ、露わになった仲間たちの無残な焼け屍体が俺の心を猛烈にえぐる。
「俺は・・・俺は!!うわぁぁぁああああ!!!」
仲間を守れなかった・・・あれほど、あれほど守ると言いながら
何も守れなかった。
俺は俺は俺は俺は俺は俺はぁぁ!!!
目の前の現状を受け止められず、後ずさりをすると何かにぶつかる。
振り向くとそこにいたには白いISに乗った千冬姉がそこにいた。
「・・・千冬・・・姉?」
どうしてここに千冬姉が・・・でもいまは・・・!!
「千冬姉!!皆んなが!皆んなが心月さ・・・」
突如千冬姉が俺の首を絞める。
「がはぁ!??!」
『次はお前だ・・・お前を殺す』
白いISがいっきに黒くなる。
こいつは千冬姉じゃない・・・誰だ!?
「・・な・・に・・を」
声がうまく出無い・・・もがいてももがいても何もでき無い・・・
『織斑一夏』
「が・・・はぁ・・・」
意識がだんだんと遠くなり・・・俺は死を悟った。
自分の弱さを痛感しながら意識が遠くなる。
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「・・・は!!!!」
気がつけば俺はベットに横になっていた。
どうやら・・・夢だった・・・夢みたいだった。
よかった本当に・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・」
周りを見渡すとシャル、ラウラ、鈴、セシリアが
ベットを取り囲んでいた。
「「「一夏(さん、くん、嫁)!!!」」」
「み・・みんな?・・・ここは?」
「ここは保健室だ」
「千冬姉・・・!?」
カーテンが開き、千冬姉と山田先生が現れる。
ふと一瞬、夢の中で千冬姉に似た誰かに首を絞められたことを思い出し。
体が無意識で飛び上がる
「う・・・うわぁ!!」
「「「!?」」」
俺はバランスを崩し、ベットから落ちる。
「いってぇ・・・」
「何をしている馬鹿者」
「はぁはぁ・・・ごめん」
息が上がる・・・。
さっき見た夢が何度も何度もフラッシュバックする。
トラウマに近い何かが俺の中を滾っていく。
「一夏・・・大丈夫?」
シャルが俺の肩を持つ。
「あ、あぁ・・すまんシャル」
「・・・その程度で済んでよかったな。ISの操縦者だけを殺す兵器『キラー』を食らったんだ・・・死んでもおかしくはなかったぞ?」
「俺は・・・そうだ、心月さんに・・・っく」
思いだす。確か俺は心月さんに騙された。裏切られた。
言葉にでき無い怒りがこみ上げ壁を強く殴る。
「一夏!?」
鈴が驚く
「「・・・・・・・」」
保健室に思い空気が流れる
「心月さ・・・心月はどうなった?・」
さん付けにする必要は無い。あんなのもう・・・俺の仲間じゃない・・・
「逃げられたよ・・・」
シャルが答える。
「心月さん・・・どうして」
セシリアが呟く。ここにいるほとんどの人が
心月の裏切りにショックを受けているようだった。
「「・・・・・・」」
「篠ノ之心月・・・今まで私たちを騙していたってことか?」
ラウラが口を開く。
「更識、お前は篠ノ之心月について何を知っている?」
千冬姉が隣のベットに向けて言葉を投げかける。
すると二つのベットを塞ぐカーテンが開き、ベットに座って腕の治療をしていたIS学園生徒会長の楯無さんが現れる。
「はい・・・彼、篠ノ之心月は・・・いえファントム・タスクのムーンは各国の軍、IS研究所へ潜入し、研究中のISのデータ収集及び、強奪を得意とする工作員で有名です・・・しかしその正体は今までわからずにいました。」
「ファントム・タスク・・・『ムーン』」
確かに、名乗っていた・・・ファントムタスクのムーンだと・・・。
ファントムタスク・・・別名亡国機業
クラス対抗戦の事件で軽く千冬姉に聞いたことがある。
たしか謎のテロリスト集団・・・だったかな・・・。
楯無さんから次々告げられる真実に、専用機持ち達は息を飲んだ。
今まで普通に接してきた、信用してきた仲間の正体に。心月を密かに想いを寄せていたのかセシリアはショックを隠せなかったようだ。
「そんな・・・いままで」
「昨日戦ったラファール・ユルティム・・・篠ノ之心月が私たち専用機持ちのデータをデュノア社に横流したということか」
ラウラが冷静に分析する。
「だから、第三世代兵器を・・・」
「ごめんなさい、私がもっとしっかりしていればこんなことに・・・」
楯無さんはみんなに向けて頭を下げる。
「更識、謝るのは私の方だ・・・以前篠ノ之心月に盗聴器などを仕掛けた経緯を知らずに・・・」
「いえいえ、私もしっかり説明しなかっ・・・いえ、説明しても誰も信じてもらえなかったでしょうね」
楯無さんの言葉に体がビクッとなる・・・確かに俺は楯無さんの忠告を聞かなかったし信じなかった。
心月を信用していた・・・誰も彼を悪だとは思えなかった・・・。
ヤツの正体に気がつくことができなかった。
「・・・・・・すまん」
千冬姉が楯無に頭を下げた。
「俺も謝ります・・・楯無さんの忠告を・・・その・・」
「もう過ぎたことだし、いいのよ二人とも顔を上げて・・・それより早く簪ちゃんを助けないと」
「え?」
簪?たしか四組の専用機持ちだった気がする・・・その子がどうしたのか。
「人質をとられたの・・・・私の妹が・・・」
人質!?そんな!!
「そんな!?早く助けに行かないと!!」
俺はいてもたってもいられなくなり、ベットから飛び起き、制服を着る。そしてそのまま廊下へ出ようとしドアに手をかけるが、部屋から出る寸前に千冬に肩を掴まれた。
「落ち着け、織斑」
「でも、千冬ねぇ!!」
「織斑先生だ、まったく・・・策もなしにいきなり乗り込む気か?」
「・・・・・」
まったくそのとうりだ・・・何も考えなしに行動する・・・俺の悪い癖だ。
「今のお前に・・・何ができる?」
「・・・・っく」
何もでき無い・・・そう。俺は無力だ・・・。
こんな俺が行ったところで何もでき無い・・・ただでさえ専用機持ちの中で一番弱い・・・俺が行っても・・。
俺ははゆっくりドアから手を離す
「まったく」
「確か、相手の要求は白式ですよね・・・どうしてなんでしょう?」
そうだった、前々から千冬姉に白式が狙われるかもしれないと忠告を受けたことがあった。
この事件も白式を狙ってのことだったようだ。
「白式にはよく分からない機能が多い・・・」
千冬姉がなぜか俺をじっと見る。
「?」
「いや・・・何でもない。・・・だからこそ、その詳細なデータが欲しいのだろ。」
ただでさえ燃費が悪く、使いづらいISをなぜ狙うのか、今の俺にはわからなかった。
「・・・教官、どうしますか?」
「何か策を考える、それまでのお前ら専用機持ちは、いつでも京都に出発できるように支度をしていろ 解散だ。」
「「「「はい」」」」
俺以外の専用機持ちが保健室を後にする。しかしその中 箒がいないことに気がつく。
「そういえば箒は?」
「篠ノ之だったら屋上だ・・・」
「・・・・・・・・」
無理もないな、兄である心月がIS学園を、みんなを裏切ったんだ。
一人で考えたいことがあるはずだ・・・。
「行ってやれ・・・」
「・・・ああ」
少しでも、俺の力で慰めてやれればいいのだけど。
・・・・許せない。
箒を悲しませて・・・仲間を悲しませたあいつを・・・俺は許すことができない!!。
「千冬姉、話がある。」
俺は千冬姉を呼び止める。
「織斑先生だ・・・なんだ?」
俺はさっき見た夢を思い出す。
俺の弱さが・・・みんなを殺す・・・。
心月さんが行った言葉だがあれは夢だ・・・自分の言葉だ。
自分で自分を気づかせてくれた・・・。
「俺は弱い・・・楯無さんに稽古をつけてもらって強くなったと思ったけど・・・ただの勘違いだった。
今日・・・それを思い知らされたよ・・・。」
「・・・・・・一夏」
「このまま楯無さんの妹を助けに行っても・・・返り討ちになるだけだ。」
俺は、目の前にいる姉・・・世界最強に頭をさげる
「千冬姉・・・今からすぐ、俺に稽古をつけてくれ・・・千冬姉の強さを俺に教えて欲しい。」
「今からか!?」
驚くのも無理もない・・・でも。
「あぁ・・・時間が無い、千冬姉が作戦を考えるのに忙しいことはわかっている・・・でも俺は強くならなければなら無い!!」
心月を倒すために、自分のために、今度こそみんなを守るだけの力を・・・。
「今度は、俺が皆んなを守るんだ!!」
「・・・・・・・」
俺は千冬の目をじっとみて訴える。
「たっく・・・いい目になったな一夏・・・もっと早くなっていればな」
千冬姉はやれやれとドアに手をかける。
「わかった、準備を済ませてらアリーナに来い・・・朝まで訓練してやる 覚悟してけ小僧。」
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マドカside
「がぁぁ っく・・・」
突然強烈な頭痛と発作に目を覚ます。
「っくっそ!!」
最近頭痛に加え発作もひどくなっていく・・・
私はおもむろに鎮痛剤と発作を抑える薬を一気に口に流し込む。
「ぐぅ・・・はぁ・・・・くっそ」
だが、今日は夢見が悪かったから、発作に感謝するとしよう・・・。
しかし過度なナノマシン治療で肉体が悲鳴を上げている。
私はまだ・・・まだ強くならなければならないのに!!
まだ死ぬわけにはいかない!!
私が私であるために。
頭痛と発作が収まり・・・私は首に下げていたペンダントを見る・・・
いずれ・・・あなたを倒すために・・・。
織斑千冬・・・。
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一夏side
俺はアリーナに行く前に屋上に行く。
そこには箒がぼっと立っており月を見てなにか考えごとをしているようだった。
「兄さん・・・っぐす・・」
やっぱり・・・箒は兄の裏切りに相当ショックを受けていた。
目元が泣いたのだろうか、少し赤く腫れていた。
「箒・・・風邪ひくぞ?」
「っひ・・っぐす・・一夏・・・なのか?・体はその・・・」
泣いていたことについてはあえて触れなかった。恥ずかしいだろうから。
「あぁ、軽い怪我で済んだ・・・」
「・・・・・・・」
・・・・「ってどうした箒? 俺の顔に何か付いているのか?」
「いや・・・・そうでは無い・・・目は・・・いつも通りか・・・」
箒は何ぜか俺の目を見つめる・・・今日はなんか見られることが多いような。
「??」
「いや・・・何でも無い、いろいろ考え込んで少し・・・頭を冷やしていたんだ。」
箒は近くのベンチに座る。
膝の上に置いた手が、ぎゅっと強く握りしめた。
「私は・・・兄さんがわからなくなった」
「・・・・」
「今でも、あの兄さんが・・・一夏を、皆んなを、仲間を裏切ったなんて・・・受けいられられ無い。」
みんなもそうだ・・・俺はあの夢がなかったら、今でも受けいられなかっただろう。
「・・・・・・」
「兄さんが・・・何で、何でだ・・・何でなんだ!!!」
箒に問いに誰も答えない・・・誰も答えを知らない。俺も答えを与えることができない。
「っく・・・」
「・・・箒、俺は・・篠ノ之心月を許さない・」
「・・・・・一夏」
俺はそっと箒の肩に手を置く。
「どんな理由があろうと、箒を泣かせて・・・皆んなを傷つけた、あいつを許さ無い、許せない!」
そうだ、俺はあいつを倒す・・・。答えを求めるのはその後でいい。
「俺は・・・あいつを・・・切る」
「・・・一夏」
箒は俺を見つめる・・・でもその表情は不安と困惑が混じっていた。
「すまん箒・・・慰めていたんだが・・・俺アリーナに向かう」
「え?」
「千冬姉に稽古をつけてもらうんだ」
「・・・」
「今の俺は心月に勝てない・・・だからさ」
「一夏はすごいな・・・」
すごいか?・・・今の俺には何にもないし何にもできない・・・。
「すごくない・・・全然・・・すごくないよ」
だから俺は・・・。
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いろいろあって投稿がだいぶ遅れました!!。
しかし自分自身卒業制作に追われているので次回も投稿が遅くなると思います・・・申し訳ない!!
次回、一夏・・・強化します!!