インフィニット・ストラトス 〜月夜が照らす亡国者〜 作:セイイ
セシリア・オルコットは誤解していた。
男と言うものは、みんな弱く、醜く、頼りないものだと思っていた。
しかし『篠ノ之心月』と言う男は、今まであった男の中でも強く、美しかった。
「篠ノ之心月・・・・さん・・・・」
今まで感じたことの無い痛みが胸を貫く、その痛みは、激痛ほどではなく、痛気持ちよかった。
彼の姿を思い浮かばせるたびに胸が痛くなる。
確信した、それが 恋 と言うものだと。
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「では、これよりISの基本的な飛行操縦を実戦してもらう」
今日はISの実施訓練の日だ。生徒全員はISスーツに着替えており、ISを知ら無い人には
何かの水泳授業だと勘違いしてしまう光景が広がっていた。
「織斑、オルコット、篠ノ之兄、ISを展開し、試しに飛んでみろ」
「わかりましたわ」
「了解よ」
「あ、はい!」
私とセシリア、一夏はそれぞれ返事をし、ISを展開した。
しかし、一夏は少々ISを展開するのに手こずっていた。
「何をしている熟練した操縦者なら1秒とはかからんぞ。」
「あ・・・すみません!・・・・集中」
一夏はようやく白式を展開することができた。
「やった!」
「よし・・・・飛べ!」
千冬の指示をした直後私たちは空を飛んでだ。セシリアと私は並行して飛んでいたが
一夏だけは、まだ飛行には不慣れで、遅れていた。
『遅い! スペック上スピードは、ブルーティアーズとVブロッサムより、上だぞ!』
千冬が通信で一夏を指導した。確かにスペックでは私のISより上
というより、白式は現ISの中でもトップクラスの性能を誇っている。
しかし、まだ初心者の彼にとって、使いこなせっていうのは無理な話だ。
「そう言われても・・・・自分の前に角錐を展開させるイメージって・・・うん、よくわかんね」
飛行の原理は正直、説明するのは面倒だ。
「イメージは所詮イメージ 自分がやりやすい方法を模索するのが建設的ですってよ?」
セシリアが一夏にアドバイスをした。
「だいたい、飛ぶ感覚じたいあやふやなんだよ。なんで飛んでるんだこれ」
「難しいことは、考え無いの、気軽に考えなさい?」
「ふふ・・・よろしければ放課後に指導してあげますわよ?」
「おぉ! それはありがたいぜ!!」
「よろしければ、心月さんもご一緒に///?」
「ごめんなさい、放課後は用事があるの。誘ってくれてありがとう、気持ちだけ受け取っておくわ」
そう言って私は申し訳なさそうに謝った。
「そうですか、残念ですわ・・・」
『無駄話をするな。オルコット、織斑、篠ノ之兄、急降下と完全停止をやってみろ』
怒られてしまった。
「了解、お先に失礼しますわ」
そう言うとセシリアは急降下した。さすが代表候補生、完全停止は見事に成功した。
「でわ、私も」
私も、急降下を行った。この訓練は一応、練習していたので難なく成功した。
「オ・・・オレも!!」
一夏が急降下を始めた。徐々にスピードが上がり・・・
「うわぁぁぁぁぁぁああああ!!」
完全停止もせず、そのまま地面に激突してしまった。
あたりに砂ぼこりが舞い、地面には大穴ができたいた。
「一夏くん!?」
「一夏!」
私はISを解除して、箒ちゃんと一緒に一夏の所へ向かった。
「馬鹿ね・・・何やっているのよ?」
「そうだ一夏!情けないぞ!!」
「だって、思ったより難しくて・・・」
言い訳をする一夏。初心者だから仕方が無いけど、訓練不足だ。
「馬鹿者、この後この大穴をしっかり埋めとけ」
千冬が一夏にそう伝えると、なぜか私の方を見た。
おそらく『手伝ってくれ』と目で訴えているのだろう。
私は静かに首を横に振ると、一夏は悲しそうな目をし、若干絶望していた。
「哀れね・・・」
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授業が終わり、一夏は穴を埋めているため、更衣室は私一人だけとなっていた。
着替えている時、私の携帯端末が鳴り始めた。
この着信音は・・・
組織からの連絡だ。私は周りを見て人がい無いことを確認し、着信を拒否しをおす。
しかし、私は『頭』に手を当てて通信に出る。
これは脳内通信、組織からの通信を声を発さず、脳内に無目込まれているナノマシンで、通話をする手段だ。
携帯の着信音は、連絡の合図だ。
『こちら、ムーン、なんのようかしら?』
『スコールよお久しぶりねムーン、時間が無いの単刀直入にいうわ、ウサギが何かを仕出かすみたいなの。』
ウサギ・・・篠ノ之束のことだ。
彼女は時々、何かしらの行動を起こす。
その行動は時に私たち組織の行動を妨げる時があるのだ。
要件は恐らくそれだろう。
『IS学園を襲撃するみたいよ・・・』
『襲撃? なるほど・・・そいうこと』
私にはわかる。あいつの考えが。一夏を成長させるためにクラス対抗戦を襲撃するのだろう。
野蛮なやり方だ、気に入ら無い。
『あなたの考えている通りよ。今回ミッションを出すわ』
『ミッション?なにかしら?』
『その、送り込まれてくるISのコアを手に入れて欲しいわ』
コアを・・・もしかすると。あいつは新しいコアを作ったのかもしれ無い。
『分かったわ・・・・・』
そう言って私は通信を切った。
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私は白式のデータ収集を優先し、クラス代表を一夏に譲った。
対抗戦で何かしらのデータが取れるといいのだけど。
現在は食堂で、一夏のクラス代表の祝福パーティーが行われていた。
しかし私は欠席をし、校庭を散歩していた。
今日も月が綺麗だ。
月をみながら歩いていると、一人のツインテールの女性がウロウロしていた。同じ道を行ったり来たり。
「あぁもう! 受付はどこよ!!」
道に迷っているようだ。
「あの〜もしもし。よろしければ私が案内してあげましょうか?」
「あ?なんであいつ以外に男がいるのよ?」
「非公式で入学したからよ?」
「へー、まぁいいわ!案内して」
私はここから、 真逆 にある受付へと向かった。
「あなたは転校生かしら?」
「そうよ!私は中国代表候補生『凰 鈴音』鈴でいいわ。あんたは?」
「私は『篠ノ之心月』よ。一応、二人目の男性IS適正者だわ」
「篠ノ之? どっかで聞いたことがあるわ。どこだっけ」
「そういえば、『あいつ以外』って言ってたわね?一夏くんと知り合いなのかしら?」
「そうよ、幼馴染よ!」
確か、箒ちゃんのことも、幼馴染って言ってたわね。まさか二股!?
いやいや、一夏に限ってそのことは無いと思う。
「そうなの、・・・・・あ、ついたわ。」
気がついたら受付に到着していた。
「ありがとう。助かったわ!」
そう言うと鈴は手を振って受付へと向かった。
さて私はそろそろ寮へ戻ら無いと。
寮まで歩いていると、突然、気配を感じた。
後だ。
振り向くと、『更識 楯無』が立っていた。
「あなたは・・・」
「私は『更識 楯無』 この学園の生徒会長よ。あなたに興味があるの」
「生徒会長さん!? 私に何か用かしら。」
全く知らない ふりをする。
「えぇ・・・ちょっと、気になることがあってね」
まさか、ばれたか・・・いいや、私がそんなヘマをすることは無い。
怪しまれているのか。
「・・・・・気になること?」
場合によっては抹殺しなければなら無い。私はいつでも銃が転送できるように。手をフリーにする。
「あら・・・いい殺気ね。ゾクゾクしちゃう。」
楯無はセンスにを広げた。そこには『警戒心』という言葉か書かれていた。
「殺気?私がそんな物騒なもの出すわけ無いでしょ?」
ここの場には監視カメラが無い。殺しても、私だとはすぐに特定され無い。
「とぼけ無いで頂戴。あなたを調べたわ・・・」
「あらストーカー? 異常性癖を告白されても困るわ?」
「あなた・・・定期的にどこかに連絡しているみたいだけど?」
「保護者によ?悪いかしら?」
嘘は言ってい無い。保護プログラムでバラバラになった時に引き取られた、保護者には
今でも連絡はしている。
「あなたの学歴・・・篠ノ之束の弟にしては普通すぎるわ。」
「普通に生活すれば普通になるでしょ?考えすぎだわ。」
「初心者にしては、よく代表候補生を倒せたわね。」
確かに、学園に送った私の偽装資料では、ISには ほとんど縁んが無いことになっている。
まぁこれに対する答えは用意してある。
「私は篠ノ之束の弟よ?それくらい余裕よ?。勉強も訓練も十分したし。
戦略もしっかり立てたから、勝てたのよ?」
「・・・・・・・・・」
彼女は黙る。しかし疑いの目はやめなかった。
私は、その目に対し。『なんで疑っているのこの子!?』と言うような表情をした。
もちろん演技である。
「まぁいいわ・・・・また会いましょ 篠ノ之心月くん」
そう言うと楯無は私を横切った。
しかし私は気が付いていた。こっそりか彼女が私の制服に、盗聴器をつけていたことに。
私の行動が制限された。
うかつに破壊したら。余計に怪しまれる。
洗濯でもして破壊しよう。もしこれが防水だったら。盗聴器ごと制服を燃やして破壊しよう。
火遊びしていたら、燃え移りました っていえばごまかせるだろう。
しかし、彼女が私を疑い始めてしまったことは痛い。下手に行動でき無い。
寮に戻ると、部屋に違和感を感じた。
置物や、小道具の位置が微妙にずれていた。
誰かが部屋に侵入して、監視カメラや盗聴器をつけたのであろう。
ここまでされたのは初めてだ。さすがは『更識』だな。
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「ほぉぉぉぉぉおおおおおきちゃぁぁぁぁぁあああああんンん!!!」
パーティーから戻ってきた我が妹と廊下でたまたま出会った。
行き良いよく抱きついた。
そういえば今日の分の箒ちゃんエネルギーを充電していなかった。
「はすはす、箒ちゃんの匂いだ!。あはぁぁあああん!! 充電しゃれる〜〜」
「・・・・・・・・」
まさかの無反応、悲しくなった。
「・・・・何かあったの?」
「・・・・別に」
そっぽを向かれた。悲しい。
本当に何があったのか、もしかして。
「・・・・・・一夏くんと何かあったかしら?」
「!・・・・・」
少し体がビクッとなった。図星のようだ。
「まったく。いいわ、ここではあれだし屋上に行きましょう」
そう言って箒ちゃんと寮の屋上に向かった。
「さて、なにかあったか話しなさい?」
「・・・・一夏が、他の女にちやほやされててムカついた。ただそれだけだ。」
「まぁ一夏君はイケメンだし、いろんな娘が狙っているからね、仕方がないわよ。」
見た目だけ見ればイケメンの分類に入る。イケメン好きの女子にはたまら無いだろう。
「・・・兄さん・・・一夏はどうしたら、私に振り向いてくれるでしょうか?」
「・・・一夏君の性格から考える限り、かなりストレートに行か無いと、気持ちが伝わら無いわ」
昔から朴念仁で有名だった。
「ストレート・・・ですか。」
恥ずかしがり屋の箒ちゃんにはハードルが高いだろう。
「箒ちゃんは美人よ?自信を持ちなさい!」
そう言って、ガッツポーズをした。
一夏に対する嫉妬で、目が充血しているが。
「・・・兄さん///」
「お? 箒!ここにいたのか探したぜ?」
一夏が、箒を探しに屋上にきた。私は、一夏の姿を確認すると。
無意識に彼に向かっていった。
「一夏このやろうぉぉおぉぉぉおおおおおお!!!」
全力疾走で彼の元まで行き胸ぐらをつかんだ。
「シ・・・・シン月さん!?」
私は一夏を揺らし始めた。上下左右、だんだんと一夏は目を回し始めた。
「箒ちゃんがこんなに想っているのに!!!!あなたって人はぁぁぁあああ!!!」
一夏にはその声が聞こえなかった、目を回しすぎて気絶をしたのだから。
「に・・・にいさん! や・・・めてください!死んでしまいます!」
「は!! 私は一体。」
正気に戻った私は、一夏を担ぎ、部屋に戻した。