インフィニット・ストラトス 〜月夜が照らす亡国者〜   作:セイイ

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第7話 荒れるシスコン

『デュノア社からスパイ?』

 

放課後、私は寮の屋上で、組織の本部と脳内通信を行っていた。相手はスコールである。

 

『ええ、デュノア社に送り込んだ、工作員からの情報よ。』

 

ファントム・タスクの工作員は、IS関連の会社のほとんどに存在する。

提供する情報は、会社の動きや、開発中のISについての情報などなど。

 

『狙いは白式のデータかしら?』

 

『おそらくね。』

 

デュノア社は、量産機ISのシェアが世界第3位の大企業。

しかし、技術・情報力不足に悩まされ、未だ生産できるISが現段階第2世代だけで、経営危機に陥っている。

第3世代で、新型の白式データを欲しがるのは、当然だ。

 

『私は、何をすればいいのかしら?』

 

『あなたには、そのスパイの手助けをしてほしいわ。』

 

『手助け?』

 

『えぇ、デュノア社の社長からの、直々の依頼よ。』

 

『その、スパイの情報が、ほしい』

 

『今送るわ。』

 

そう言って、私は送られてきた情報をケータイ端末で見た。

『シャルロット・デュノア』デュノア社の社長の娘だが、愛人との間に生まれた子供 ね

 

『まずは、彼女と接触して。合言葉を教えるわ。相手が、「今日の月は満月?」と聞く、あなたは「満月」と答えて。』

 

『・・・・・・・・・・了解したわ。』

 

そう言って、私は通信を切った。

少々心配な部分がある。彼女は、履歴から察するに、父親のことを恨んでる部分があるだろう。

会社が潰れようとどうでもいい。スパイ活動も、とあることがきっかけでやめる、可能性がある。

 

これは様子見だな。

 

そう思い、屋上を後にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私は、部屋に戻るとすると。我が妹の箒ちゃんが一夏の部屋の前に立っていた。

ノックをすると、部屋から一夏が出てきた。

 

「何のようだ箒、忘れ物?」

 

そうだった。今日からようやく箒ちゃんと一夏の部屋の割り切りが変わるのだった。

 

「今度の、学年別トーナメント・・・・・私が勝ったらつ・・・付き合ってもらう。」

 

ついに告白したのね。ほうき・・・ちゃ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにぃぃぃぃいぃぃいぃぃいいいいいいいいいいい!!!!!!!!

 

おいおいおいおい、マジ!?マジ!?つつつつつつついに箒ちゃんが

こここここ、告白をした!??!?

 

私は思わず、曲がり角で姿を隠した。

 

「ん? べつにいいけど」

 

承諾した!?認めないぞ!! お兄さんはあんなやつを弟にするなんて!!

嫉妬で目が充血し始める。

 

 

「そ・・・そうか!!!」

 

箒ちゃんも嬉しそう。可愛い しかし!!!

 

させない!!箒ちゃんには悪いけど、あなたを優勝させてたまるもんですか。

付き合わせてたまるか!!!

 

 

 

 

いかんいかんいかん!

 

 

 

 

私は、壁に頭を打つ。

 

恋する乙女の邪魔をするのはいけないこと・・・落ち着け篠ノ之心月。

 

 

 

 

いやいやいやいや!

 

 

 

 

再び壁に頭を打つ。

 

あんな弱いやつを、認めてたまるか。まだ箒ちゃんを守れる実力がないくせに!!

 

 

 

 

 

しかししかししかし!!

 

 

 

 

また、頭を打つ。

 

「何をやっているんだ?篠ノ之兄」

 

たまたま廊下を歩いていた、千冬が私の行為に気がつき、声をかけた。

 

 

 

「自分でもわからないわ!!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日

結論、箒ちゃんを優勝させないことにした。

それに、対策もした。

 

「ねぇねぇ、例の噂聞いた?」

 

「うんうん、学年別トーナメントに優勝すれば」

 

「織斑くんと付き合えるって。」

 

そう、この噂である。発信元は私だ。

たとえ、私が優勝できなくても、保険として一夏に優勝した別の人と付き合わせるようにした。

箒ちゃんには悪いけど、妹が優勝するなんてまずあり得ない。

 

カンペキ

 

思わずカッツポーズをする。

 

「おはよう、みんな何の話ししてるんだ?」

 

一夏が教室に入ってた。

 

「な・・・・何でもない!!」

 

そいい女子たち自分の席に、急ぎ足で戻った。

 

「なんなんだ?」

 

「織斑邪魔だ。席につけ。SHRを始める」

 

教員、山田、千冬が現れ、一夏を席に着かせる。そして号令した後、山田先生がにこう続けた。

 

「今日は、転校生を紹介します。」

 

来たか、情報によると、フランスの代表候補生してくるはずだ。

 

 

しかし、教室に入ってきたのは、一人の「男性?」だった。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さんよろしくお願いします」

 

大胆に・・・男として、入学するのか。確かに同じ男同士、白式と一夏に接近しやすいし。

世界で三人目のIS適正社がデュノア社の息子というと、会社のネームバリューも上がる。

 

容姿は、幸い中性的だが、いくらなんでもリスクが高い。

 

「男・・・・?」

 

女子生徒の一人が問う。

 

「はい!こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を・・・

 

「「「きゃぁぁああああああああ!!!」」」

 

最近の女子は元気がいいな。思わず耳をふさぐ。

 

「三人目の男!!!」

 

「しかも、織斑くんと篠ノ之くんとは違ったタイプのイケメン!!」

 

「金髪! 金髪!」

 

 

「静かにしろ!!」

 

千冬が注意をした。お疲れ様です。

 

「一時限目と二時限目は二組と合同で実施訓練を行う。準備をする様に。それと織斑、篠ノ之兄」

 

「あ、はい」

 

「はい」

 

一夏の後に私も返事をする。

 

「二人はしばらく男同士、デュノアの面倒を見てやれ。」

 

「わかりました。」

 

「では、解散!」

 

さて、急いで出ないと女子が着替えを始める。

 

「君たちが織斑くんと篠ノ之くん?ぼくは・・・」

 

「自己紹介は後よ、急いでここをでましょ?」

 

「あぁ、行くぞ!」

 

一夏はシャルルの手を握り、急ぎ足で教室を出た。

私もその後に続く。

 

二人を遠くから見るとカップルに見える。正直このままカップルになってほしい。

 

「きゃぁ! 噂の転校生よ!!」

 

「男子三人とも揃ってるわ!!」

 

「であえ!であえ!!」

 

女子の大群が現れる。本当に元気がいいな最近の女子。

 

「なんで、集まってくるんだろう。」

 

「なんでって、俺たちが男だからだろ?」

 

「あ・・・・・・」

 

この子・・・危ないな。

なんとかその場を切り抜けることができ、更衣室に着いた。

 

「はぁ、はぁ、・・・大変だったね。」

 

「だな、俺は織斑一夏、気軽に一夏でいいぜ?」

 

「私は、篠ノ之心月よ、妹が同じクラスにいるから、心月でいいわ。」

 

「一夏に心月・・・うん、よろしくね!」

 

「さて、ちゃっちゃと着替えないと。」

 

そういい、一夏は服を脱ぎ出した。

 

「うわぁ!?」

 

シャルルが目を隠す。本当にこの子は、スパイするつもりがあるのか?

普通の男だったらこの様な反応はしない。

 

「?なにやってるんだシャルル、早く着替えおうぜ?」

 

「う・・・うん、着替えるから、あまりこっちを見ないでくれるかな?」

 

「?? わかった。」

 

彼女、本当に危ない。このままじゃ、バレるのも時間の問題。

接触するのは、少々考えものだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

第二グラウンド

 

「本日から実習を開始する。」

 

「「「はい!!」」」

 

「専用機持ちがリーダーになり、グループを作れ。」

 

千冬がそう言った瞬間。生徒全員、私たち男性操縦者の元へ駆け寄ってきた。

 

「きゃぁぁあ!! 織斑くん教えて〜〜〜」

 

「デュノアくんの操縦みたいな!!」

 

「篠ノ之くん、優しく教えてね」

 

最近の女子は全員発情期か、もっとお淑やかにできないものか。

 

その後私達はグループに分かれそれぞれ、実施訓練を始めた。

ほとんどの人がISに乗るのは初めてのようで、たまにコックピットを高い位置で止めてしまうことがある。 

 

一夏の班も、そういう状態になり、次の番の箒ちゃんが乗れなくなっていた。

 

「これじゃ、乗れないのだが・・・」

 

「あぁ、よくあるミスですね、織斑くんISを起動してください。」

 

「あ、はい!」

 

山田先生の指示で、一夏が白式を起動させる。

 

「抱っこして、運んでください。」

 

「なに!? 抱っこだと!?」

 

箒ちゃんが驚く。まぁ当然だろう。好きな人に抱っこしてもら・・・・

 

 

「抱っこだとぉぉぉぉおお!!!!」

 

思わず叫ぶ。ファッ◯ングワンサマー、箒ちゃんを抱っこするなんて許さない!!

 

「一夏・・・その・・・頼む///」

 

「あ・・・ああ」

 

箒ちゃんもなんだか嬉しそうな表情をしている、可愛いが!可愛いが!!!

 

「わ!?シンシンの目が充血している!?」

 

のほほんさんが、心配をした。

 

「大丈夫・・・本当に・・・大丈夫・・・」

 

そう言い聞かせ、自分を落ち着かせる。深呼吸・・・深呼吸

 

その刹那、一夏が箒ちゃんを抱っこした。しかもお姫様抱っこが。

 

「ぐがぁぁぁぁぁああああ!!!!」

 

思わず地面に頭突きをする。落ち着け・・・抑えるんだ篠ノ之心月。

妹の幸せは、兄にとっても嬉しいことだろ?

 

ダン!ダン!ダン!ダン!

 

「ちょ!?篠ノ之くん!?」

 

女子生徒達が私を抑える。

私の腕に胸が当たろうと、私はそれを気にするほどの精神的余裕がなかった。

 

「がぁぁ、大丈夫よ!! 大丈夫だから!!!!」

 

「目から血が出てるのに大丈夫なわねないよ!?」

 

気がつけば目から血の涙を流していた。

クソ!! 一夏のやろう!!

学年別トーナメントで私は絶対箒ちゃんを優勝させないと心に決めた。

 

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