Eyes of Heaven 艦娘達と透提督 作:東方 上助
~医務室~
透提督「愛宕」
雪風「愛宕さん!」
愛宕「あ、提督と雪風ちゃん」
透は、愛宕が階段近くで倒れていて医務室に運ばれたと言うのを聞いて、医務室に駆けつけて来た。ついでに雪風も。
透提督「大丈夫か?」
雪風「大丈夫なの?」
愛宕「大丈夫よ。階段でこけちゃった。えへ♡」
透提督「こけちゃった、じゃないだろう。でも、大事に至らないでよかった」
愛宕「はい。心配かけてすみません」
愛宕「(ホントは違うけど、アレは黙っておこう。ビスマルクの眼がハイライトオフみたいな眼をしてたし)」
透提督「ふぅ本当によかった」
愛宕「ふふふ。ホントに優しいですね提督は」
透提督「そうか?」
愛宕「はい」
雪風「しれぇは、優しいよぉ!」
透提督「そっか」
雪風「うん!」
透提督「……」
雪風「愛宕さん絵本読んでぇ!」
愛宕「どんな絵本?」
雪風「悪の教典!」
愛宕「それ絵本じゃなくて小説ね。てか、雪風ちゃんのような子がみる小説じゃないような気がするんだけど……」
透提督「なぁ、雪風」
雪風「はい!」
透提督「すまないが執務室からチョコレート取ってきてくれないか?」
雪風「はい!しれぇのお願いなら何でもやる!」
透提督「すまないな」
雪風「それじゃあ、雪風! 出撃します!」
雪風「ブーーン!」ガチャリ バタン
透提督「元気な子だよな」
愛宕「はい」
透提督「……」
愛宕「……」
透提督「ふぅ何で雪風を執務室に行かせたか分かるか?」
愛宕「……何となくかな」
透提督「そっか……」
透提督「……」
透は、ため息をした。
透提督「右腕見せてみろ」
愛宕「……」
愛宕は、透の顔を見ないように顔を逸らしている
俺が医務室に来たのは理由が二つある。一つは愛宕の様子を見にきた事。もう一つは……これだ。
透提督「見せない」
透は、愛宕の右腕を掴み袖をめくる。そこには、いくつもの切り刻んだ痕がいくつもあった。しかも、新しい切り傷もあった。
愛宕「……」
透提督「はぁ」
透提督「この新しい切り傷、いつした?昨日か?」
愛宕「……」
愛宕は頷いた。
透提督「何で? 今まで我慢できてきたのに。何でまたやった?」
愛宕「……」
透提督「なぁ愛宕」
愛宕「言ってもどうせ分かってくれない」
透提督「そんな事はない」
愛宕「言ったら私を見捨てる」
透提督「見捨てない。どんな理由だろうと受け止めるし、守ってやる」
透提督「ただ、理由が分からないと対処できないだろう? 頼む。何故こんな事するのかを教えてくれ」
愛宕「……」
ダメか……。理由は言ってくれないか。愛宕がリストカットに気づいたのは、二年前。俺が着任したばかりの頃だ。その時も理由は分からなかったけど、リストカットを止める事はできた。
しかし、たしか一年前にまたヤった。その時は、自分で切りつけている所を偶然発見して、止めるのに四週間はかかった。その時も理由は分からなかった。
俺を信用してくれていないのかな……。これ以上問い詰めでも話してくれないだろうし、無理やり聞いても悪化するだけだろうし
透提督「分かったよ。理由は言わなくてもいいよ」
愛宕「ごめんなさい。提督」
透提督「いいよ」
愛宕「どうして気づいたの?」
透提督「ん~?」
愛宕「だって傷が見えないように隠していたし、この傷そんなに深く切っていないから、血があまり出てないよ?」
透提督「それでも少しは血は出ていたんだろう?」
愛宕「うん」
透提督「だったら、血の臭いで分かるんだよ俺は」
透提督「それと、袖少し滲んでるしな」
愛宕「あっ……」
透提督「……なぁ愛宕」グイッ
愛宕「キャ!」
透は愛宕を抱きついた。
愛宕「えっ?えっ?」
透提督「俺は何かあってもお前を見捨てないしみんなを見捨てない。だから、少しでもいいから俺を頼ってくれ」
愛宕「て、提督…」
透提督「あ、すまんな。いきなり抱きついて。嫌だったろう」
愛宕「そんな……嫌じゃないですよ」
透提督「そっか。お世辞でも嬉しいよ」
愛宕「お世辞じゃないですよ」
透提督「……」
愛宕「……」
透提督「もうやらないか?」
愛宕「……」
透提督「いや、もう止めてくれないか? お前の腕が切り傷だらけになるのは絶対に見たくないんだ。何故か傷を消そうとしないし。なぁ頼む」
愛宕「……」
透提督「お願いだ」
愛宕「……お願い」
透提督「え?」
愛宕「お願い事……聞いてくれたら……」
透提督「お願い事か……いいよ。何?」
愛宕「えっと……ゴニョゴニョ」
透提督「え?何?」
愛宕「キ……ス」
透提督「き……何?」
愛宕「き、き、き、キス!」
透提督「へ?」
愛宕「キスをしてくるたら……我慢する」
透提督「え、あ、えっと。キス?」
愛宕「うん」
透提督「俺とじゃあ嫌だろ」
愛宕「そんな事ありません!提督がいいんです!」
透提督「そ、そう?」
愛宕「はい」
透提督「あ~えっと、分かったよ」
愛宕「やった!」
透提督「但し、我慢じゃなくて止めるんだぞ!分かったな?」
愛宕「はい。頑張ります」
透提督「よし。じゃあ……」
愛宕「はい。私は目をつぶっているんでいつでもどうぞ」
透提督「お、おう」
いいのかなキスなんかしちゃっても。何回も港湾とキスしているから慣れたかなーと思ったのだが、他の子とキスしようとしたら、やっぱ緊張するな。
透提督「じゃあやるぞ?」
愛宕「はい♡」
チュッ
愛宕「ん…」
透提督「これでいいか?」
愛宕「ん~まだ!」
透提督「おい。約束だぞ」
愛宕「もう一回。お願い!」
透提督「はぁ~分かったよ」
愛宕「ありがとうございます」
もう一度キスしようとしたその時
ガチャリ
雪風「只今、帰ってまいりました!」
透提督「っ!!」バッ
愛宕「っ!!」バッ
雪風「? どうしたんですか?」
透提督「いや、その~あれだ」
雪風「あれ?」
透提督「そうあれだ。えーとぉ」
愛宕「こけてできたこぶを見てもらってたの」
透提督「そ、そうそう。でもそんなにでかくはなかったなぁ」
雪風「そうなんですか? あ、しれぇチョコレート!遅くなってごめんなさい!」
透提督「ありがとう。半分食べる?」
雪風「いいんですか?食べる!」
愛宕「ふぅ」
透提督「愛宕も食うか?」
愛宕「あ、はい」
透はチョコレートを少し割って愛宕に渡す時、耳元により、小さな声で。
透提督「もうやるなよ」
愛宕「……!」
透提督「ほらチョコレート」
愛宕「……」
愛宕「………はい」
透はそれを聞き、微笑んだ。
☆☆★☆★☆★☆
~執務室~
透提督「ふぅ。荷物はこれでOKだな」
ビスマルク「失礼しまーす。」
透提督「ん?何だビスマルク」
ビスマルク「演習の報告書。はい」
透提督「どうも」
ビスマルク「そう言えば、愛宕死んdじゃなくて、どうだったの?」
透提督「今なんて聞こうとしてた?」
ビスマルク「いいからどうだったのよ!?」
透提督「あ、ああ。大丈夫だったよ。元気だよ」
ビスマルク「チッ」
透提督「え?」
ビスマルク「元気でよかったよかった」
透提督「いや、いま舌打ち……」
ビスマルク「ところで提督何荷物まとめてるの?」
透提督「ん?あ、ああ。言ってなかったけ?」
ビスマルク「何も聞いてないわよ」
透提督「そっか。俺、明日の朝何日かここをあけるかな。大本営で何やら会議があるとかなんとか。あと、身体検査があるってさ」
ビスマルク「え!? な、何日あけちゃうの!?」
透提督「さぁな。分からん。ついでに2日休暇とるつもりだしな」
ビスマルク「え!?」
透提督「あ、大丈夫だよ。君達も休めるから。俺がいない間は……そうだな。長門にやらせてみるか」
ビスマルク「そんなのどうでもいい!何でアッチで休暇とっちゃうの!?ここに帰ってきてからでいいじゃない!」
透提督「それもいいけど、兄貴や弟に顔出しとこうと思ってね」
透提督「(あとお見合い相手の女性にも会っておきたくてね。ま、これは黙っておこう。そう言えば、あの手紙はどこいったんだ?)」
ビスマルク「そっか……あーあ。一緒に休暇過ごしたかっなぁ」
透提督「そう言ったって、休暇じゃなくても一緒だろ?」
ビスマルク「まぁそうだけど……」
透提督「だろ?」
ビスマルク「じゃあ電話してよ!」
透提督「え?」
ビスマルク「スマホ持ってるでしょ!提督が私達全員に持たせたスマホ持ってるから、電話できるでしょ」
透提督「電話ねぇ。まぁいいけど」
ビスマルク「ラインもするからね!」
透提督「ラインも? まぁ気づいたらな」
ビスマルク「約束だからね!」
透提督「はーいはい」
★☆★☆★☆☆
~医務室~
愛宕「雪風ちゃん?」
雪風「スースー」
愛宕「寝ちゃったか。ウフフ。可愛い」
愛宕「……」
愛宕「やっぱり……提督は気づいてくれた」
やっぱり提督は、私がリストカットしてる事に気づいた。やっぱり気づいたてくれた。
私がリストカットしてる理由は……。これをしていれば、提督は私の事を心配してくれるから。一年前もそれが理由。二年前は別な理由だったけど、そんなのはどうでもいい。
でもまさか今回は、ハグとキスをしてくれるんなんて。私……提督とキスしちゃったんだ。うれしい。
それにしても、あのクソアマ(ビスマルク)はどうしてやろうか。首にタイヤをかけて、タイヤを燃やしてやろうか? それだと燃えて溶けたタイヤが首にへばりつくから、かなり苦しみを与える事ができる。
まぁ後から考えよう。今は雪風ちゃんと一緒に寝よう。
愛宕「……」
愛宕「もっと……ヒドく腕を切り刻んだら……提督はもっと心配してくれるのかな?フフフフ」目ハイライトオフ
次はできるだけ早く投稿します。