奇跡の両腕   作:ガラスタ

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嫁王でないどころか☆4鯖すらでない
一万円課金して、ログイン200日ボーナスとかも使いきったと言うのに...


第九話

"裏"のルーラーたる時貞は考える。

そもそも"裏"のサーヴァントや"裏"の聖杯とは何かという、根本的なことだ。

 

これは完全に推測から域を出ていないことだが、"裏"の聖杯はあまりにも類似点が有った。

すなわち、外典との繋がりがあるのではないかということだ。

 

今回"裏"のサーヴァント2騎と接触を果たしたが、どうにも、違和感があるのだ。

この2騎は出典も違うためその実力などは互いに理解しあう様な間柄ではない。

また、この聖杯戦争が始まってからは戦闘は恐らく一回だけだ。

 

だというのに、この2騎は互いの間合いやその実力を信頼しているように見えた。

一流の英霊である彼らならばそれくらい当然のことと切り捨てることもできるが、それでも違和感は残った。

 

この違和感が、"裏"と外典を繋ぐ切っ掛けとして、彼にその可能性を想起させた。

 

ーーならば、"裏"の聖杯とは変質した、人類救済機に他ならない。しかも、主人公補正がありそうな邪竜が隠し持つものだ。

 

最悪、この地に最強の幻想種が現れることも想定しなければならない。

 

"表"の聖杯は恐らく汚染されており、"裏"の聖杯はおそらく人類救済機。

 

もともと同じものだったはずなのにどうしてこうも真逆で極端なとこに行き着くのか。

 

だから、この疑念が消えないうちに聞いたのだ。

他の聖杯戦争の"記憶"があるのかと。

 

果たしてそれは正解だった。

今回の様に変則的な聖杯戦争を体験したという、予想に違わない言葉だった。

 

だからこそ、彼が考えた計画に狂いはない。

 

どの外典の英霊たちが出てきても対応して見せよう。

 

どんな展開があろうと、どちらの聖杯でも世の理を崩させてやるものか。

 

この世は、過去の遺物に動かせるような柔なモノではないと、証明して見せる。

 

決意を固め、計画の詳細を深く練り上げる。

 

 

 

 

%%%%%%%%%

 

"表"のサーヴァントの空きにはセイバークラスは存在しない。

否、"表"の聖杯にはセイバークラスに関する記述が、術式が欠落していた。

だから、喚べない。最優のクラスを含めて7騎の英霊を喚べる筈の聖杯は、4騎しか喚べていないのが現状だった。

 

だが、聖杯戦争に"例外はつきものだ"。

ここに、新たに"表"として、参戦する一組が有った。

 

最優のサーヴァント・セイバーと、そのステータスを押し上げる優秀な魔術師。彼らはこの場でこの戦争への参加権と戦力の向上を図った。

そう、反則行為を敢えて行うのだ。

ルールに定められてもいないことだから反則と言うわけでもないかもしれないが抜け道は抜け道だった。

 

―――告げる!

  汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――

 

大理石の床に描かれている一般人が見れば幾何学模様にも見える魔方陣が光を放つ。

その中心には黒髪の美女と金髪の美少女がたっていた。

黒髪の美女はこの言葉に続いて紡ぐ。

 

「―――我に従え! ならばこの命運、汝が剣に預けよう……!」

 

金髪の美少女は、その凛々しい顔を一層引き締め、契約を交わす。

 

「セイバーの名に懸け誓いを受ける……!

  改めて貴方を我が主として認めよう、凛―――!」

 

聖杯を替えたために必要な再契約。

否、これは"セイバー"クラスの二重契約。

もともとセイバーとしての必要な部分は前回の聖杯戦争から与えられている。

だが、完璧にセイバーとしてのフルスペックでの召喚というわけにはいかなかったのだ。

 

これは、足りていなかった部分を補完する二重召喚。

 

こうして、最優の、最強のサーヴァントは誕生した。

 

 

 

「それにしても凜、よくこんな方法を思い付きましたね。現界しているサーヴァントをさらに同一クラスで二重召喚とは」

 

「まーね、確かに他のクラスを合わせての二重召喚でも悪くはなかったんだけど、準備が間に合わなくなっててね。

セイバーにあうクラスってのがこの欠番の"セイバー"クラスだけだったってのもあるんだけど、広く浅くよりも一点特化でもいいなって。

それに"セイバー"クラスはそれだけで強力なクラスだしね、むしろこの選択に間違いはなかったって断言できるわ」

 

「なるほど、いつものうっかりだけではなかったのですね。安心しました、凜」

 

「失礼ね、セイバー。私だってポカ起こさない日だってあるわよ」

 

この聖杯戦争でおそらくは最も強力なペアは意気揚々と進んでいく。

 

彼らの目的はこの"表"の聖杯の調査と、共通の友人を連れ戻すことだった。

しかし、"裏"の聖杯なんてこれ以上無い異常によりその方針を変えざるを得なくなった。

此処に至って大きな目標に変更した。

冬木式の聖杯の構造を解明し、聖杯に対しての抑止力、カウンターを用意するべきだと。

聖杯への予備知識はアインツベルン城の資料により、ある程度は揃ってはいるがそれだけでは足りない。

いずれ冬木の聖杯を解体しなければならない。

デモンストレーションとしては最良の条件だ。

 

「にしても、二重召喚は燃費が悪いわね。最大火力は高いけど、うーん、失敗したかも」

 

「……凜、弱音はもう聞きませんよ?」

 

 

 

%%%%%%%

 

同時期、この二重召喚を肌で感じ取った英霊がいた。

 

「……まさか、納得したあとに会えるとはな」

 

そのフルプレートアーマーに包まれし騎士は、その兜に隠れた顔でニヤリと笑った。

 

自身が得た答えに納得し、消えた筈の騎士は、今一度答え合わせの瞬間を得た。

ならば、することはただひとつ。

 

白銀の王者の剣を携えて走る。

 

目指す標的はただひとつ。

 

ーー騎士王アーサーよ、我が父よ、待っていろ。

貴方を破滅に導いた叛逆の騎士が今往くぞ!!

 

 

加速する、1歩進むごとに加速する。

一直線に、ともあれ愚直とよべるほどまでに進み続ける。

 

ーーだが、その様子は暗殺者や弓兵には格好の的だった。

 

走る、否、跳び続ける騎士に空間が歪むほどの一撃が迫った。

 

しかし、最優のクラスであるセイバーであるその騎士にはそんな搦め手が効く筈もない。

騎士はその瞬間、直感に従ってその射線から飛び退きながら、方向転換しながらもその速度を落とさずに魔力を溜めた。

 

「アサシンだかアーチャーだか知らねぇが、このオレを狙って無事で済むとおもうなよ!!」

 

遠く、2キロメートルは離れているが、そのずば抜けた身体能力と直感により弓による一撃と判った。

苛立ちは赤雷の魔力放出となり、更なる加速をし、狙ってきた刺客をも両断する勢いとなる。

その勢いは輝かしい王剣にのり、刺客に届いた。

 

「……!?」

 

弓を番えていた刺客を切り裂いた筈が、固い感触で一瞬止められた。

 

王剣を一瞬受け止めたのは二振りの中華刀。

本来は受け流すつもりだったのだろうが騎士とその刺客の実力差から完全には受け流せなかったのだ。結果としてその中華刀は完全に砕け散っている。

 

しかし、剣のクラスたるセイバーの一撃を捌いたのは事実だった。

それに、騎士は認識する。

 

ーーこいつ、サーヴァントですらない!?

 

ここでようやく騎士は相手の姿を認識する。

白い、何かが抜け落ちた様な髪をした褐色の青年。

青年は自嘲したように嘲笑った。

 

「キャスター、作戦は失敗だ。撤退する」

 

青年はそう言い、早々と駆ける。

 

「ふざけたことを抜かしてるんじゃねぇ、オレを相手ににげられるとでも……!?」

 

追いかけようとした騎士はやはりその直感により後ろに跳び抜いた。

 

瞬間、騎士がいた場所に爆発が起こる。

騎士はその目で見た。あの青年がこちらを凌いだ際に砕けたあの中華刀が爆発したのだと。

 

急いで追撃しようとしたが遅かった。

青年は魔術による瞬間転移を果たしていたのだ。

 

「チッ、萎えたぜ畜生」

 

騎士は因縁の騎士王との対峙はあの刺客を倒してからにしようと決めた。

 

ともあれ、ここにようやく"裏"と"表"が接触した。

それが何をもたらすのか。

ふたつの聖杯戦争は、一つの戦いとなり大きく拡がる。




なんとか出ました、というかまた出ました。
別のfateの短編も構想中だからなんか出ちゃいました。
そっちはプロットとか多分しっかり考えたので
出来上がってからの投稿する予定です。

実際世に出るかは不明ですがネー
ガチャ回したいんじゃ~^
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