俺の両腕に宿ったチカラ、それはあらゆる魔術基盤に接続できるというもの。
では、魔術基盤とはいったい何なのか。
前世の記憶をたどってもなかなか答えはでない。
言い訳はたくさんあるが、要はにわか知識ばかりだったのだろう。
だから世界を魔術側で構築しているシステムについてすら知識が足らない。
だけれども、俺はこの両腕を通じて自分なりの解釈ができた。
要するに、魔術基盤とは物語そのものだ。魔術はその物語に沿って起こる神秘だ。
例えば漫画雑誌のジャ○プで明らかにマガ○ンよりの話が連載されたらどうなるだろうか。
答えは二つ、物語がジャ○プよりになっていくか、連載終了かのどちらかだろう。まぁ、例外が有るかもしれないがここは置いておく。
これが少年誌同士ならまだ良い。もしも少女漫画の雑誌が来たりしてみたらあっという間に答えは出るはずだ。
魔術師の中では土地が合わずに衰退しとという話も少なくない。おそらくは致命的なまでに物語が合わなかったのだ。
そして、この両腕はそんな物語がまるで統一感が無いものだろうと関係なしに成立させる。
宝具ランクは共にDランクの対人宝具だが、それでも普通の人には過ぎたチカラだ。
また、このチカラは天草四郎時貞曰く、魔術使いであった彼が英霊となったことで昇華されたもの。英霊となる前は持っていなかった、つまりこのチカラはあくまでも英霊のチカラなのだ。これが後々何かしら自分に悪影響与えないかとか不安で仕方ない。
さて、具体的にはこの両腕、何ができるのだろうか。
また引用となるが、襲いかかる不可能性を跳躍し、結果のみを引きずり出すともある。
これすなわち、イリヤスフィールと同じような系統にあるチカラではないか?
イリヤスフィールは小聖杯の願望器としての能力から未熟な技量しか持っていなくても魔術を理論をすっ飛ばして結果を得ることができる。
それなんてキンクリとか言えそうな能力だ。いや、色々と違うけど言葉のニュアンスは似てるというか。
話を戻すがこの腕でもある程度の過程をすっ飛ばして結果を得る"奇跡"を起こすことは可能だ。
それ故に応用性は抜群だ。魔術についての基本的な知識などを身に付けていない自分ですら暗示の魔術を自在に使うことができたのも単にこのチカラ有ってのことだ。
例えばガンド撃ちは北欧神話のガンドという脱魂魔術が起源だそうだが、この腕があればその起源から成り立つ一連の仕組みの魔術理論すら知らずとも何となくで使うこともできる。
更にはアポクリファ本編では大聖杯にこの腕を接続することで聖杯による人類救済を果たそうとしたことがある。大聖杯とはユスティーツアというアインツベルンのホムンクルスを使った一種の魔術回路ともいえる超特大の魔術礼装。
これは魔術礼装としての性質から両腕で繋げることができたのか、それとも魔術回路事態も魔術基盤の一部としてみることが出来たのかまだまだ考える余地は有りそうだ。
考察は終了、では次は実践だ。
魔術の実践をしたい、幸いにして魔術回路は前世の記憶を自覚しとチカラがあると理解したときに自然と形成されたらしい。
原作では命懸けの作業で専用の薬を使うことでリスクを減らしながら行う回路の形成をしなくても良いというのは助かった。
衛宮士郎?アレは例外中の例外だ。
毎日自分だけでなんの補助もなく回路の形成をするとか正気じゃない、だからこそ神経に癒着した特異なものになったのだろうが......。
もちろん回路の形成がされたと思われるときにスイッチのイメージは浮かんだ。
刀を鞘から抜くようなイメージ。
自己暗示の呪文も同時に決めた。
「ーー回路起動」
暗示の呪文であるから分かりやすさを重視した。いざというときに使えないと意味がないからだ。
自分の身体の中に魔力が充填していく感覚がしてくる。しかし、それとは別に自分の脳裏には血が流れ出るようなイメージもあった。
これはきっと魔力を精製するときに使われる何か重要なものだ。
つまり、あまり使いすぎはよくないのだ。この流れ出る血が限界までいくと良くて気絶、最悪死に至るだろう。
だか、この段階では指を切った程度だ。日常生活で支障が出るほどではない。
「左腕、右腕、起動確認、結界形成-人払い-」
続いて人払いの結界を構築。これが大事だ。人前でおいそれと使うことができない魔術、当然一般人同様の両親には知られないようにしなければならない。ちなみにこれは奇跡からの能力、未だに普通の魔術という形ではない。万が一他の魔術師に魔術の行使がばれたとしても大丈夫なように普通の魔術も使えなければあとが怖い。ホルマリン漬けとか冗談じゃない。
さて、やっとの魔術だ。初めは形が残らずに効力がはっきり分かる魔術が良いだろう。
強化も良いが、アレは強化されたという結果が残る。ならあえてーー
「ーー投影開始」
衛宮士郎の投影が異端だっただけで普通の投影は世界の修正力うんぬんで時間経過で消える。イメージするのは十字架。
深く自分の内側に埋没するような感覚、底は真っ暗で見えない。だけど、なんだアレは、あの墓とそこから延びる無数の腕はーー
「ーー投影終了」
手のなかには十字架があるはずだった。
だけれどもこの手は別のものを握っていた。
刀だ。名前はわからないけど不思議とこの手に馴染む刀だ。
そいつは鋭い刃と、鈍色の輝きを持って、圧倒的な存在感を出していた。
考察は一応した。
なんか設定がおかしな事になってきたような......
次回も続く......といいなぁ。