十字架を投影しようとしたら出てきた日本刀、これを解析の魔術で調べると、真名は三池典太という業物だった。
ーー三池典太。天下五剣の1つに数えられる大典太とも呼ばれる、柳生三厳(柳生十兵衛)の愛刀とも知られる大業物だ。
また、魔を退けるとも言われている退魔刀でApocryphaではこれを"赤"のキャスターがエンチャントすることでCランク宝具としてシロウ・コトミネが他のサーヴァントに対抗していた。
しかし、これを持つ柳生三厳とは時代事態は重なるものの天草四郎時貞と接触したと言う話はない。他にも天草四郎時貞がこの刀を持つと言う事実も逸話も聞いたことがなかった。
では何故この刀が手によく馴染むと感じられるのか。
......思い付いた。突拍子もない話だが、思い付いてしまった。
つまりアレか。この腕っていうのは正真正銘Apocryphaから来たってことか?
次元とかそう言うの飛び越えすぎじゃない?
いやいや待てまて、この両腕は生まれたときから生えていた。前世とか信じてたモノが突然意味わからないものになっていくんだけど......。
前世=平凡な人生で型月関連の知識はそこで蓄えられたものだと思っていた。でもいまの想像によると、俺のなかに天草四郎時貞の、シロウ・コトミネの残滓が残っている可能性がある。
前世を思い出した結果、この両腕にチカラが発現した。だから前世の記憶が影響しているものだと思ったんだ。
でも、明らかにこの両腕は前世と関係ないところから来ている。
なんだこれ、気持ち悪。
幸いにしてこの両腕からの精神汚染というか、シロウ・コトミネの意志が伝わって来たことは多分ない。
このチカラが純粋に能力オンリーだったら良いのに。気づいたら精神汚染されるかもとか怖いってレベルじゃねーぞ!
しっかし、この刀重いなぁ。やべ、腕痙攣してきた。
とりあえず下ろすか、慎重にィ......ってやっぱ重いィ!そぉい!
......って振り回しちゃったァ!!
ぱりーん!
ぱりーんって音が響いたような気がする。なんの音じゃろかな、アハハ。
そう言えばたった今思い出したことがある。空の境界で青崎燈子は古い日本刀を慎重に扱っていた。そんでもって両儀式に降るなと言っていた。
その理由は確か、力ある刀は結界なんて手応えなくあっさり切ってしまうからだ。
つまりはと言うと、人払いの結界、壊れちまった。
やばいやばいやばい、こ、この刀どうにかしないと!
「と、投影破却ぅ!」
急いでこの刀を消滅させると同時に扉が開いた。
「時貞、何をしていた」
振り向く前に聞こえた。
厳格な父の声だ。
俺、今大ピンチです。
アレから2時間。
俺は今、両親の前で正座している。
理由は簡単、仮にもキリシタンの子が魔術という異端を使っていることが発覚したからだ。
俺の認識では、ちょいと裏の世界を知ってるような雰囲気こそ醸し出していたけどやっぱほぼ無関係じゃろと思っていた両親。
そんな両親は、なんと第八秘蹟会という、相当アウトローなとこにしょぞくしていたのだった。な、なんだってー!?
ーー第八秘蹟会。秘蹟とは神からの恵み。聖堂教会では秘蹟は七種類定義されている。
しかし、ソレ以外の秘蹟は、教会から定義されていないもの。つまり異端である。
その異端を管理、回収するという特務機関。
真っ当では無いのは確かだ。
幸いにして両親はいわば戦闘員という立ち位置には居ないという話だが、それをどこまで信じて良いかもわからなくなってきた。
両親から言われたことはいくつか。
1に魔術などという異端を扱うのは止めなさい。2に本格的に教会の教えを受けなさい。
ほかにも幾つか有ったが重要なのはこの二点。
どちらにしても第五次聖杯戦争のは関われなくなったのであった。
いや、BADENDとかになら無いなら良いけどさ。
そんなこんなで俺の意思とは関係なしに話はトントン進んでいき、俺の処遇というか進路は決まったようだった。
だけど俺はその事について恨んじゃ居ない。むしろ感謝すらしている。
聖堂教会の教えは厳しい。それに普通のこと以外の所謂裏の鍛練だってとても苦しい。
いつもの俺じゃこんな辛くて苦しい環境すぐにでも逃げ出したいと思っていたかもしれない。
でも、ひとつだけ、たったひとつだけのことがソレを覆した。
それは英語、ドイツ語、フランス語などを必死に日常会話を覚えさせられてからのことだ。
教会で信徒として外国で本格的に学びに行けという無茶苦茶な命令の下に俺はフランスまでやって来た。
重たい荷物を抱えて少し素朴な感じをした教会に辿り着いた。
不満しかなかった俺は少しやさぐれていて文句をたらたら流していた。
いっつもこんな筈ではとか思っていたし、自分の幸運はきっとEだなとか下らないことばっかりだ。
『ごめんください、今日からここでお世話になるトキサダ・アマノと申すものですが』
まぁ、内心不満たらたらだけど、礼儀は大事。なるだけ爽やかに挨拶をしてみたつもりだった。
すると、奥からばたばたと急いで駈けてくる人影が見えた。
その人影は近づいてきてこちらに会釈してこう言った。
『ごめんなさい、お待たせしました。今留守を預かっているレティシアと申すものです』
おそらく同い年くらいの金髪の美少女。
ステンドグラスから降り注ぐ光を背景に太陽みたいな微笑みを見た。
その光景はきっと地獄に落ちたって思い出せる。
俺はそのとき、
迷走中です、ヒロイン予定は一応出ました。
続かせたいけど、厳しいなぁ…
ほんとは半分半分で投稿するつもりでしたがあまりに短いので
まとめて投稿にしました。
にしても一人称形式だとどうしても短くなるなぁ……
追記
レティシアの年齢は都合により多少ズレがあるかもしれません。