奇跡の両腕   作:ガラスタ

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明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。

前話修正しました
隣の聖杯→裏の聖杯
理由はあとがきにて


第六話

裏"の聖杯戦争。

二つの聖杯戦争が同時に、同じ場所で行われるため、一方を"此方"、もう一方を"隣"と仮称した。

 

"裏"とは、"表"が有ってはじめて意味をなす言葉だ。。

ならば、どちらかと言えばイレギュラーなのは必然的に"裏"となる。

 

では、何故に"裏"であるのか。

 

色で区別するもよし、番号で区別する方法だって有るはずだ。

 

それは、やはり本質的な意味で"裏"だからそうとしか表現されなかったのだろう。

 

 

 

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"裏"のルーラーとしてこの身に英霊を憑依させた。

 

"裏"の聖杯からの情報は、此度の聖杯戦争は前例のない、特異なものである。

聖杯が2つあり、それぞれ独立した聖杯戦争を行うという異常な事態。

 

それぞれ非干渉であれば良かったのだが、今回は場所も時間もほぼ同じで、干渉は避けられないものだった。

 

なんて頭のおかしいモノしか無いのだ。

 

俺の此度の使命は、この聖杯戦争を穏便な形で終結させること。

 

外典の世界ですらこんな混沌とした聖杯戦争は無かっただろうに。

 

七騎によるバトルロワイワルでも、七騎対七騎の変則的チーム戦ですらなく、七騎によるバトルロワイワル掛けるの2だ。

 

一四騎とそのマスターたる一四の魔術師。

それに加え、"表"の聖杯もまたルーラーを出す可能性が高かった。

 

だとすれば魔術師含めた30の意志がぶつかり合う混戦だ。

聖杯混戦って名付けたいくらいだな。

 

 

さて、愚痴はこれくらいにしておいて、此度の聖杯戦争はまず前提からしておかしい。

 

冬木式である二つの聖杯は、龍脈からの魔力を貯めてから漸く動き出すものだ。

 

それが同じ土地で同じ時期に動き出す?

不可能だ。そんなことできっこない。

だが、事実としてそこには魔力を貯めに貯めた聖杯が2つあるのだ。

 

なら、どこで魔力を貯めた?

 

......。

ーーまさか。

 

 

果たしてその答えに正解が有ったのか。

次の瞬間に膨大な魔力をその肌に感じた。

 

それは、ついさっきに感じたものと同質だった。

つまり、英霊召喚!!

 

 

感じる魔力の方向はレティシアのいるはずの方向で、薄々やっぱりそうなるのかと思っていた。

 

どちらが表に出るのかわからないが、きっとかの聖女が降霊したに違いなかった。

 

魔力の迸るその方向に急ぎながら思考する。

 

ーージャンヌ・ダルク。恐らくは現在においてもっとも知名度の高い聖女の一人。

 

その人生は壮絶の一言であり、その生きざまは世界中の人々の心を動かすほどのものだった。

 

様々な相違点は有れど、この身に宿す英霊となかなかに似ているのではないかと思うくらいだ。

 

できれば敵対は避けたい。

ジャンヌと敵対することはもちろん嫌では有るが、それ以上にその依り代となったレティシアを傷つけるようなことは絶対に嫌だ。

 

Apocryphaのシステムではその身に危険は無いと分かってはいる。

しかし、ここでもそうと言い切れない。

 

様々な思いが刹那で駆け巡るが、瞬く間に彼女の居る部屋にたどり着いた。

 

 

「レティシア!返事してくれ!!」

 

ノックもせずに時貞は扉を蹴り、こじ開けた。

そして、はっと息を呑んだ。

 

俺にとってそれは、レティシアとの邂逅以来の衝撃だった。

 

 

扉をこじ開けたと言うのに、それすら遠い彼方の出来事であるかのごとく清涼な空気。

 

そこには、聖女が目を瞑って立っていた。それは、まるで祈りのようでーー。

 

彼女の瞳が時貞を捉えたとき、俺は意味も理由もなく苛立った。

 

ーーあれが、聖女。ジャンヌ・ダルク。

あぁ、確かにその在り方は美しいの一言だ。俺は別段観察眼に優れている訳でもないが、それでもはっきり判る。

だが、しかし、何故かはわからないが、とにかく不愉快だ。虫酸が走る! 

 

「貴方は……なるほど。"裏"のルーラーですか。此度の聖杯戦争はなにか歪のようですね」

 

「あぁ、そうだ。此度は歪だ。だがその前に"表"のルーラー。レティシアは無事か?」

 

この苛つきを抑えて表のルーラーに冷静に、冷静を努めて問う。

 

「レティシア……私の依り代となってくれた娘ですね。彼女は私を憑依召喚して疲れているだけです。問題ありません」

 

その言葉に安堵するが、仕組みについても問いたださなければならない。

 

この身は同じ憑依召喚によるものだが、時貞という"人間"が表に出ているからか、それとも天草四郎時貞自身の英霊としての力が消えかけだからか、主体は人間としての天野時貞だ。

したがってこの身が傷つけば傷は残るし、最悪死ねばそのままお陀仏だ。

 

つまりはApocryphaの便利なルーラーでは無いわけだ。

レティシアが俺と同じ条件なら即座にこのルーラーを説得し、別の形での介入をしなければならなくなる。

 

これは"裏"のルーラーとしての使命や義務感などでは無い。至って自分の私利私欲だ。当たり前だが、目的が同じなら組んで行動した方が有利に決まっている。

だが、それでも愛しい人をこの戦いに巻き込みたくないのだ。

 

 

「はい、その形式で間違いありません。彼女はこの戦いで傷つくことはありません」

 

「……そうか。それを聞いて安心したよ。では"表"のルーラー、改めて情報共有と今後の方針を決めようじゃないか」

 

その心配は杞憂に終わった。

だが、まだやることはたくさん残っている。今回の参加者の確認。恐らくは聖堂教会から出向しているであろう監督役との接触。ルーラーが喚ばれた訳の究明。他には……。

 

 

「"表"のルーラー、そちらの聖杯は……無色か?」

 

そう、Fateシリーズにおける最大級の厄ネタ"アンリ・マユ"だけは、絶対に気を付けなければならない。

 

「無色?どういう意味でしょうか?」

 

「いや、わからないならいい。余計なことを言った」

 

忘れてくれとは言えなかった。

それどころか言葉を撤回している自分に驚いた。

ここは言うべきだと言う意思に対し、言ってはいけないという直感染みたものが言葉を止めた。

恐らくは保有スキルの啓示Aによるものだろう。これは素直に従っていくのが吉だ。

 

その後も話し合いは続いた。

結局、"表"のルーラーとは共同戦線を張ることとなった。その理由としてはやはり、両者補わなければ成らない部分があるからだ。

確かに天草四郎時貞はジャンヌ・ダルクに対して英霊としての格は間違いなく劣っているし、それは総合的なステータス、宝具、技量のどの面から見ても勝るところは無いだろう。

だが、聖杯への知識だけは負けてはいない。

天草四郎時貞の持つ知識と、天野時貞の持つ知識、この二つが必要になるときが来なければいいが……。

 

 

こうして、俺の聖杯戦争一日目は未だ参加者の影も見ず終了した。




言い訳
隣だとやっぱり対比が此方って言い方になると思うのでそれだとなにか混乱しそうになるのでシンプルに表裏に分けることにしました。
まぁ、そのためいろいろ展開は変わりそうですが、イメージはちょっと決まってきましたので

投稿には時間がかかりそうですが...思い付くままにかけるだけ書いていきたいと思います。
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