「で? 2人ともなんだこの作文は? 」
うーん、どうしてこうなったんでしょうね。今日から学校に通えることになり、普通に学校に登校して、授業で作文書いただけなんだが、今俺と水無瀬は教師の平塚静先生に呼ばれ、職員室にいる。
「なぁ、比企谷と水無瀬。私が授業で出した課題は何だったかな?」
「確か高校生活を振り返ってというテーマでしたね」
「私の方は高校に入ってなにか変わったことでしたね」
「まぁ、だいたい合ってる。それで何故君たちは犯行声明を書き上げてるんだ? テロリストか? それともただのバカなのか?」
「はぁ、だって高校生活なんて振り返えることもありませんよ、 俺は常にぼっちでしたし、青春、青春言ってはしゃいでいる奴等と友達になろうとも思いませんし」
「私も同意見ですね、高校も中学もそう簡単に変わりませんよ」
それもそうだ、そう簡単に変わるもなら誰も高校生活で失敗などしない。中学でカースト最下位な奴は、高校になっても一気に上位カーストに上がれるというのは夢物語なのだ。にしてもこの説教長いな。あぁ早く家に帰って小町に会いたい……。
「うぉ、比企谷、元から腐ってた目が急激にさらに腐っていってるぞ」
平塚先生がどん引きしながらゾンビを見るような目で見てきた。いや、現実にはゾンビいないけど。
「DHA豊富そうで良さそうじゃないですか~」
そんな平塚先生に向けて水無瀬が俺のことをフォローしてくれた。いや、それ全然フォローになってねぇーよ。
そんなくだらないことを言っていると、平塚先生が俺と水無瀬を睨んできた。俺たちはすかさず言い訳を並べた。ふぇぇ……怖いよぉ……。
「い、いえ、別に、なな、舐めた作文など書いてなくちゃんと高校生活を振り返ってますよ! そ、そそ、そうですよ! 最近の高校生はこんな感じです!」
「そ、そそ、そうです! こ、ここ、こんな感じなんです!」
俺と水無瀬も噛みまくりのめちゃくちゃ早口の言葉となっていた。
平塚先生はそんな俺と水無瀬を見てまたため息をついた。
「……はぁ、ほんと君たちは捻くれているなぁ。」
平塚先生は何か考えるような仕草をした。
「ふむ、そうだなそのちょうどいい。その捻くれてを直すために君たちは部活に入りたまえ。」
……は?部活?
「いやいや! なんでそうなるですか! 勝手に決めないでくださいよ! だから平塚先生は結婚できないんですよ!」
「え……八幡先輩それは禁句じゃ……」
あ、やっべ平塚先生の前で言っては行けない言葉ベスト1位を言ってしまった。
「ほぅ比企谷この私相手に喧嘩を売るというのか、私の拳は響くぞ?」
牽制するぐらい平塚先生は怒っていたが、拳を下げ、許してくれた。
「まぁいい今回は初めてということで許してやる。その代わり君たちには私を傷つけたバツとして強制的に部活に入ってもらう」
あぁ良かった……。死なずにすんだ……。
「わかりましたよ。部活入ります」
「八幡先輩が入るのなら私に拒否権はないです、ね」
こうして、俺と水無瀬は平塚先生によって部活に入ることになったのだった。
×××
「ついたぞ」
先生はなんも変哲のない教室の前で止まった。普通教室の名前などが書いてあるプレートには何も書かれてない。俺と水無瀬がそのプレートを眺めていると先生はがらりと戸を開けた。
その教室の端っこには机と椅子が積み上げられており、それ以外はいたって他の教室とはなにも変わらなかった。その教室の中で一人の少女が斜陽の中で本を読んでいた。
彼女はこちらに気づくと本に栞を挟み顔をあげた。
「平塚先生。入るときはノックを、とお願いしていたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間もなく先生が入ってくるんですよ」
彼女は他にも来客がいる事に気づき不満気な視線を送ってきた。
「それで?そのぬぼーっとした人と女子生徒は?」
そうだ、俺はこの女を知っている。
二年J組の、雪ノ下雪乃
恐らくこの学校に彼女のことを知らない人はいないだろうと言うぐらいの有名人だ。なんせいつも定期テストで学年一位の成績優秀者で学校一の美少女といっていいぐらいの優れた容姿の持ち主なのだ。
「彼は比企谷と一年の水無瀬。入部希望者だ」
まぁ軽い自己紹介をしておこうと前にでる。
「2年Fクラスの比企谷八幡です」
「1年C組の水無瀬優花です」
「実はこいつらなかなか捻くれている奴等でな、この部活で人との付き合い方などについて学んで貰おうと思っている、彼らの捻くれた性格改善と更生が私からの依頼だ」
いやあの、俺なんも悪いことしてないんですけど?
「それなら先生がしつければ終わりじゃないですか」
雪ノ下は俺を睨みながら言った。
女子から睨まれるのは別に初めてではないが彼女の睨み方はまるで見下すような感じだ。
「最近は上がうるさくてなぁ、暴力は振るえないんだ」
平塚先生は雪ノ下の問に冷静に答え……って! 上がうるさくなくても生徒を殴ちゃいけないでしょ……てっか平塚先生を説得できる人がこの学校に居るのにも驚きだ。
「お断りさせてもらいます、そちらの女子生徒の方はともかく、そこの男の下卑た目を見るところ身の危険を感じます」
雪ノ下は自分の身を守る為か、少し椅子を引いた。
「あーその心配は大丈夫ですよ~、八幡先輩はぼっちで自分の保身に関してはかなりのものなので罪に問われることはしませんよ」
あの二人とも陰口って言うのは本人のいないところで行うものですよー。完全に聞こえてますよー。あと水無瀬さんの発言はフォローになってないと思います!
「ぼっちなるほど……」
おい、そこ納得するなよ。
「そうですね。まぁ先生からの依頼なので無視するわけには行けませんので、承りました」
「ならあとのことは任せる」
と言うと先生はガラッと戸を引き、教室を出て言った。
「あの、ところで、気になったんですがここは何部なのでしょうか?」
それは俺も気になっていた所だった。先生からは部活に入れと言われたなんの部か話を聞く前に先生が去っていったのだ。
「そういえば、自己紹介がまだだったわね。私は二年J組の雪ノ下雪乃そして、この奉仕部の部長よ」
「奉仕部……」
「ええ……そうよ、持つ者が持たざるものに慈悲の心をもってこれを与える。人はこれをボランティアというの。困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部よ」
「ようこそ奉仕部へ。水無瀬さんと比企谷君歓迎するわ」
これが俺と水無瀬の初めての部活動の初日だった。