やはり俺と彼女は青春をまちがい続ける。   作:冬奈水沙

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一ヶ月以上も間をあけてしまい申し訳ありません。
時間が少し取れたので続きを書きました。前回の続きなので今回は短いです。これからもよろしくお願いします。


第八話

 

「ね、姉さん!」

 

ふと、後ろから雪ノ下を呼ぶ声が聞こえ、振り返るとそこには彼女が姉さんと呼ぶ、雪ノ下によく似た、大学生ぐらいの人が立っていた。

 

「雪乃ちゃんにこんな所で会うとは珍しいね〜。 あ、そちらはお友達さん?」

 

「……姉さんには関係ない」

 

雪ノ下は睨みつけながら言うが、お姉さんの方は軽く流すと、こちら側に向かってきた。

 

「へぇ……君たちが雪乃ちゃんの友達か〜。私は雪ノ下陽乃って言います。よろしくね♪」

 

陽乃さん、陽乃さん。印象が強すぎておぼえてしまったじゃねぇか。

雪ノ下に似た顔つきで、誰もが恋に落ちるような満面の笑み。

きっと昔の俺ならここで理由もなく好きなっていただろう。だが、今は違う。 俺は騙されたりしない。

この人の笑顔は偽物だ。外面だけの笑顔だ。俺は本当の笑顔というのをつい先見たばっかりだ。

 

「は、はい。よろしくお願いします」

 

「しかも、ボーイフレンドもいるのか〜。君の名前は?」

 

「比企谷八幡です」

 

にしてもこの人こっち側に寄ってきてから距離が妙に近い。ちょっと離れてくれませんかね。

 

「ちょっと! 八幡から離れて下さい! 」

 

水無瀬が俺と陽乃さんの間に割り込んできて、陽乃さんを睨み付けている。

おかしい……いつもの水無瀬なら敵対心なんて出さず、とりあえず話しかけようとするはずなんだが……。

 

「あはは、ごめんね。そんな焦らなくても大丈夫だよ〜。取ったりしないから〜」

 

「まぁまぁ、水無瀬さん落ち着いて。 あ、どーも、 比企谷八幡の妹の小町です」

 

そんな様子の水無瀬を止めるように小町が前に出た。

 

「比企谷くんに、水無瀬ちゃんに小町ちゃんね! うん! 覚えた!」

 

またもや陽乃さんはこちらに外面の笑顔を向けてくる。

 

「もう、用は済んだでしょう。 さ、帰りましょう」

 

「もう〜。 雪乃ちゃんは可愛げがないな〜! たまにしか会えないんだしもう少し話して行こうよ!」

 

「生憎今日は他にも連れがいるわ」

 

雪ノ下はよほど陽乃さんのことが嫌いなのか避けようとしている。

 

「ふぅん……そっか……。それじゃあせっかく友達といる所を邪魔したら悪いし私は帰るとしますか〜。あ、比企谷くん!」

 

「は、はい」

 

不意に自分の名前が呼ばれ少しドキッとした。

 

「近いうちにまた会おうね」

 

と、意味ありげな言葉とゾクッと来るような笑みを残して雪ノ下の姉ーー、陽乃さんは去っていった。

 

「ごめんなさい。 姉さんが邪魔しちゃって……」

 

「そんなこと気にするな。にしても凄いなお前の姉ちゃん」

 

「そうね。容姿端麗、成績優秀、文武両道……誰もがあの人に惹かれていくわ」

 

マジかよ……あの容姿で文武両道で成績優秀かよ。

 

「いや、俺が言いたいことはそのことじゃ無くてな……」

 

「あー八幡先輩が言いたいのそれじゃなくて外面のことと思いますよ」

 

そう、俺が言いたかったことはあの外面のことだ。確かに素敵な笑顔なんだろう。だが俺から見たらそれは外面にしか見えない。

そこが怖いのだ。外面のいい笑顔を完璧に見えるのが。

 

「……気づいていたのね」

 

「まぁな」

 

「にしても優花さんがあんな態度とるとは珍しですね〜どうしたんですか?」

 

小町が水無瀬にさっきの出来事のことを聞いた。確かにあのときの行動は少し水無瀬らしかぬ行動だった。

 

「うーん。 なんかあの人のこと好きになれない…… なんか鏡を見てる感じなんだよね」

 

「好きになれなくても別に大丈夫だろ、別にこれから毎日会うわけでもないし」

 

「そうね。姉さんもいろいろと忙しいみたいだし、そんなに頻繁に会いに来たりなんてしないわよ」

 

 

 

 

 

 

×××

その後、雪ノ下と駅前の交差点で別れ、一旦家に戻ると、水無瀬の荷物をまとめて家まで送り、今ようやく家に帰りついた。

 

いろいろと今日はあった。だが1つどうしても気になる事があった。あの水無瀬の態度がどうしても頭から離れない。

そんなことを考えていたが、疲れからきた睡魔には勝てず、俺は目を閉じた。




いろいろな企画が重なっており、忙しく、少し投稿は遅れますが完結はさせますのでよろしくお願いします。

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