豪槍の邪紋使い   作:久保田みのる

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間が空いてしまいましたが、最終章です。短い間ですがお付き合いくださった方に感謝しつつ…。


豪槍の邪紋使いその四

戦いは案の定、一方的な展開となった。

とは言え、それは呆気なく蹴散らされたというわけではない。

単に、民兵達が必死で耐えて耐えて反撃に移るのも最低限に守っているため、攻守の入れ替わりがない、というだけだ。

事実、まだ一兵たりとも死者は出ていない。これは驚嘆に値する事実と言えるだろう。

緩く湾曲させた薄い鉄板に木の板を打ちつけた見栄えのあまり良くない盾ではあるが、しっかりとその役割を果たし幾つもの矢を受けながら敵の剣を、槍を受け止めていた。

しかしそれでも互角以下の戦いには違いない。

少しずつ傷が増え、痛みに顔を顰めながら民兵達はじりじりと戦場を後退させていく。

中には脇腹を刺し貫かれ、流血に青褪めながらも必死で盾をかざす者も居た。

「おい、貴様らそろそろ逃げたらどうだ!?演説に感じ入ったからといって死にたいわけではなかろう!?」

剣を盾に食い込ませ、ぎりぎりと押し込みながら侵略者が嘯く。

「そ、そりゃあ死にたくねえよ…今だって逃げ出したいくらいさ。でも、でもなぁ…」

恐怖のせいか、疲労のせいか…盾で受けた剣を押し返そうと踏ん張る足は膝下がガクガクしている。

それでも、彼ら民兵の…否、戦士達の目は死んでいなかった。

「オレらがこうやって命を張りゃあよぉ!あの人が来るかも知れねえ貴重な数分の時間を稼げちまうんだよ!」

気合一喝、体ごと盾を押し出し、敵兵を押し返す。肩で息をしながら「やった!」と思った瞬間、その肩に矢がとっすと刺さった。

「あ…」

痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。

熱い、熱い、熱い、熱い、熱い。

嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。

死にたく…ない!

「うぉぉおおおおおっ!」

出血を避けるため、刺さった矢を引き抜きもせず雄叫びを上げ、立ち上がろうとした敵兵の剣を持つ手を蹴りつける。

弾かれた剣が遠くの大地に刺さり、舌打ちしながら兵士はナイフを引き抜き、それで身を守りながら剣を拾いに離れていく。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

大事な人たちが暮らす村。

それを守るために、守れる可能性を少しでも高めるために、命を賭ける。

なんだよ、オレちょっとカッコイイじゃん。

そんな風に思い込み、自身に言い聞かせようとする。

ダメだ。

怖い。

涙が出てくる。逃げ出したい。出来ない。

早く、早く、早く、早く。

ああ、剣を引き抜きに行った敵兵が戻ってくる。

しかも今度は他の兵士と二人がかりだ。

くそ、くそくそくそくそくそ!これで終わりか…。

せめて一秒でもこいつらを足止めして、それで死ぬのか…。

嫌だなぁ、やっぱ死にたくねえなぁ…。

悔しくて、情けなくて、悲しくて、無性に笑えた。口の端が引き攣った笑みになるのが分かる。

ごめんよ、母ちゃん。ごめんよ、トマス…兄ちゃん、ここまでみたいだ。

もうすぐお前の誕生日だったってのにな…。

「一人も斃れず、よう堪えたわ。さすがはワシがシゴいてやっただけあるわ」

そんな声が聞こえてきたのはその時だった。

それはまるで横合いから殴りつける竜巻のようだった。

捻りを加えられた巨大な槍が、疾風の如く闇から現れ一突きで兵士二名の頭を兜ごと貫いた。

何が起こったのか分からないまま、兵士達は目をぐるんと動かし、白目を向いて動かなくなった。

そのまま、その槍は横に大きく振られた。すっぽ抜けた兵士達の体が吹っ飛び、他の兵士を巻き込んで地に転がる。

「…ブレンダ!!」

歓喜の色を含んだエリーゼの声。

それを聞いた瞬間、青年はようやく理解した。

この人は間に合った…いや、間に合わせたのだ、と。

 

******

 

その後は今までの展開の逆パターン、否、もっと悲惨な逆転劇になった。

何しろ、今までは一方的に攻められていながら奇跡的に双方一名たりとも死者を出していなかったのだ。

だが、躍り出たブレンダが密集した弓兵達へと走る。大盾を構えた重装兵達が弓兵達の前に立ち塞がる。

「く、か、かかか!良いのう、良いのう…命知らずは大好きじゃて!!」

目を疑うばかりだった。

天に捧げんとばかりに掲げたブレンダの豪槍に全身の邪紋から放たれる光が収束していく。

そして、結果として密集する事となった弓兵達と重装兵達に向けて振り下ろされると、まるでその光が超重力を持ったかのように纏めて台地を陥没させながら倒れ伏した。

約二十名が一撃で斃される。わずか数秒の間の出来事であった。

思わず唖然となる侵略者達。指揮官のレイモンドだけが何とか呑まれず檄を飛ばす。

「ええい、纏まるな!散開し、タイミングをずらして掛かれ!」

そう言いながら、自身も愛馬を駆り馬上槍による突撃を敢行する。

横っ飛びに飛びすさり、槍の切っ先をかわしながら敢えて大きく距離を取り回頭する敵将を見てブレンダはつまらなそうに舌打ちした。

「ちっ!……なんじゃ、言うても前線基地となるべき場所を少数で取りに来る戦馬鹿を期待しておったのに…ただの臆病者か」

「ほざけい!勝利なくしては騎士の誉れもないのだ!ましてや一撃離脱は立派な戦術よ!」

馬の足を溜め、再び吶喊が仕掛けられる。

そして、今度は横合いからレイモンドの部下達もブレンダへと槍を突き出してきた。兵士達にかまけていれば、レイモンドへの対処が遅れる。だからと言って、さしたる鎧を纏わぬブレンダには兵の槍とて致命傷になりかねない。

だが、ブレンダはにやりと藁って避けるそぶりを見せなかった。

「おぉぉおおおおっ!!死ね、鬼女めがっ!!」

「鬼女、か。その呼び名は悪くない。悪くないが、な」

にやにやしながら一瞬だけ兵士達の方を向いて呟くブレンダ。だが、あくまで相手にしているのはレイモンドのみのようだった。

後数歩で槍が届く。いずれにしろ、かすかにでも動きを止められればそれで良し。

騎兵の突撃の威力は掠めただけで致命傷ともなりえる暴力なのだ。

「おぁぁあああああああっ!!」

だが、槍が突き出される直前気合の声が響いたのは侵略兵達の横合いからだった。

数名の民兵達が盾に身を隠すようにしながらただただ我武者羅な体当たりを食らわせたのだ。

「な」

「に」

「ぃ!?」

横合いからの重い一撃にまともに吹っ飛びもつれ合い転ぶ兵士達。

華麗ではない。

勇壮でもない。

だが、彼らは自分の為すべき事を知っていた。

「ようやった!」

まずい、とレイモンドが馬の脚を止めようとした時には既に時遅し。

通常、馬上の有利は移動の速さと突撃の威力。そして切りあう際相手よりも高みから攻撃できるという点にある。

だが、ブレンダは身を沈ませると信じられない事に馬上のレイモンドの頭よりも高くへと飛び上がった。

「さあ、ひと死合いするとしよう」

底冷えするような声は、戦場にあって小さく、だがはっきりとレイモンドの耳へと届いた。

馬上槍はその重量ゆえ一部を馬に固定して扱う。

故に、相手が己よりも高くから来た場合、穂先を向ける事さえかなわない。

何が死合うだ、一方的に殴りかかってきやがる。

そう言って唾棄したい気持ちを押さえ、ともかくレイモンドはブレンダへと盾をかざす。

総鋼製の大盾である。民平達のそれとはワケが違う。

どれほど鋭い切っ先が知らないがこの盾を貫けるわけがない。せいぜい弾き飛ばして馬で踏み倒してくれるわ。

だが、盾に隠れていたのが災いした。

それ故に、見えなかったのだ。ブレンダの体から迸る邪紋からの光が彼女の槍をまるで神話の聖槍のごとく輝かせているのを。

それが見えていれば、恥も外聞もなく馬を見捨ててでも転げながらその一撃を避けようとしただろう。

ガツン、と硬い物がぶつかり合う音がした。

槍の穂先を受け止めた。それでレイモンドは勝利を確信した。

が、その一瞬後彼の目は盾を貫き姿を現す槍の穂先に見開かれる事になった。

「バ、バカなっ!」

厚さ2cmの鋼の盾を貫く槍、そんなモノがあってたまるか!

そうだ、まだオレにはこれがある!

「甞めるなぁぁあああっ!!」

レイモンドの首筋に浮かび上がる聖印が光を帯びる。

それはブレンダの槍に纏われた光と同様に守りの力となってレイモンドの全身と盾とを覆った。

「そうじゃ、それでいい!後はどちらの力が押し勝つか、いざ勝負!!」

時間にしてみればほんの二、三秒だろう。

だが、それでも不思議な事にブレンダの体はまるで宙に浮かぶようにして空中で槍を突き出し続けた。

やがて…。

「お、おぉっ!?」

ゾン、と盾に刻まれた聖印と同じ形の光を切り裂くようにして穂先が完全に盾の裏側に姿を現した。

「これで、終いじゃぁぁああああっ!!」

裂帛!

気合の声と共に柄が姿を現し、あとは早かった。

ずるずると槍が盾の内側に入り込み、穂先が鎧を突き破ってレイモンドの胸板に浅く刺さりこむ。

だが、それで十分だった。

潜り込んだ穂先に、槍全体を覆っていた邪紋の力が集まり、そして爆ぜる。

レイモンドのアバラの内側で極小規模が爆発が起こったように思えた。

びくん、と目を見開きレイモンドは何が起こったのか反芻する。

ああ、そうか。

自分は敗北したのだ。

そう悟った瞬間、ごぶりと口から血が溢れ、爆風によって心臓を失った指揮官の体が馬上からずるりと大地に落ちた。

 

******

 

その後は分かりやすい展開となった。

ブレンダの悪鬼の如き戦いぶりと指揮官が斃れた事で、侵略者達は三々五々に逃げ出したのである。

敢えて追いはしなかった。

追っても、こちらの民兵達が返り討ちに遭う可能性が高い。かと言って、ブレンダ一人で追っても追撃できる数は高が知れている。

何より、さすがにブレンダも疲れきっていた。

大事な槍を敵将の体から引き抜く事もせず、大地に四肢を投げ出した姿で懐から煙管を取り出し火もつけずに咥えた。

と言うか、火をつける気力もなかった。火打ち石というのはどうしてあれほど面倒なのだろう。指先一つで火を点ける道具があれば良いのに。

そう考えつつ、火照った体が夜気と汗でひんやりとしてくるのを感じていると視界に逆さまにエリーゼが入り込んできた。

「ふふ、出会った時とそっくりま状況ですね」

「抜かせ…今回は空腹のせいでは…」

そう言った瞬間、ぐるるるる、とブレンダの腹が盛大に音を鳴らした。

「……」

「そう言えば、ブレンダさん出立してから食事って摂りました?」

苦笑しながらセッコーが確認してくる。

摂っていない。ほぼ丸一日だ。

道理で気だるい訳だ。空腹のせいなら納得がいく。

「訂正じゃ、全くもってあの時そっくりとは忌々しい」

舌打ちするブレンダの声に、ようやく戦いを終えた村人達が大きな笑い声を上げるのだった。

 

******

 

「さて、人心地もついたところで報酬の話かのう」

そう言って、ブレンダはかちゃんと何枚も重ねられた皿の上に無造作にフォークを放り出し、にやりと笑った。

木製の杯に取って置きの酒を注いで生還を喜び合っていた村人達の笑い声がぴたりと止まる。

そうだ、皆思い出したのだ。

ブレンダに命を賭けさせる代償として、エリーゼが自らの命を差し出す約束をした事を。

村人の間に無言と冷たい汗が伝播する。

どうしよう、どうすべきか?

ブレンダを止めるべきか?エリーゼの命を奪ったとして何の得もないと意見するのか?

そういう問題ではない。エリーゼは覚悟を示し、ブレンダはそれをもって依頼を承諾したのだ。

自然にセッコーを含め、全員の視線がエリーゼへと向かう。

エリーゼはいつものようにニコニコと笑みを浮かべるのみであった。

「はい、分かっています。ただでさえ、貴方の情に訴えかけるような条件を提示したのです。その上見苦しい命乞いはいたしません」

そう言ってエリーゼは髪をアップに纏め始めた。

首が、よく、見えるように。

「ほう、いい覚悟だ。さすがは仮にとはいえ領主を任されている身よの?」

鮫のような笑み、という表現がある。が、村人達は初めてそれがどういう笑みなのかを知った。

「盥を用意してくださいな。部屋の中央辺りに…なるべく後片付けも楽なように」

そんな場違いめいた気遣いを口にしながらエリーゼはまるで舞踏会に向かう乙女のような足取りでその部屋の中央へと進み出た。

ややあって、物怖じした様子の村人達に業を煮やし、ブレンダは自ら大きな盥を部屋の中央へと運んできた。

「何か言うべき事はあるか?」

「いいえ、特に何も」

少女のような笑みだ。

この人がこれから死ぬなどとは到底想像出来ない笑みであった。

「そうか、本当に言いたい事はないのだな?」

念を押すブレンダ。それを怖気と取ったのか、一人の青年が進み出て叫ぶ。

「ブ、ブレンダさん!その、確かにエリーゼさんは命を捧げるって言った。だけどよ、その…上手く言えないけど、命を張ったのはブレンダさんだけじゃなくてオレたちも、エリーゼさんもなんだ。だから、その…」

上手く言葉が出ない。だが、言いたい事はその場にいた村人全員が痛いほどに分かった。

だが、その言葉はブレンダの一喝で終る事になる。

「しゃしゃり出るな若造が!ワシは、ワシの報酬についてそれを約束した依頼人と話しておるのだ!」

ブレンダの一喝で流石にその後の言葉は続けられなかった。

端的に言って、あれだけの戦いをしたブレンダは味方であっても恐ろしかったのだ。

耳に痛い沈黙が流れる。

ブレンダの槍が、振り上げられる。

「ブレンダ」

静かに、エリーゼが名を呼んだ。

「なんじゃ、今になって命乞いか?」

「いいえ」

エリーゼは微かに目端に涙を浮かべていた。

だが、それが自分が死ぬ事への悲しみの涙でないのは明らかであった。いつもの微笑みが悲しみを感じさせはしなかった。

「ありがとう」

ありがとう。

この戦乱の世では毎日毎日多くの命が散っていく。

だが、その中で何人居るのだろうか?

己を殺そうとする相手にありがとうと言いながら死んでいく者というのは。

ちっ!とブレンダは舌打ち一つ。そしてそのまま。

槍を、勢いよく振り下ろした。

思わず目を閉じる者、顔を背けるもの、硬直して動けない者、それぞれであった。

ただ一人、セッコーのみが瞬きも忘れたように起こったそれを見ていた。

ブレンダの槍の穂先はすんでで首を掠める事もなく纏められたエリーゼの髪のみを切り落としたのだ。

はらり…少し長さのちぐはぐになったボブカットのようになりながらエリーゼが珍しく笑みを崩してきょとんとしていた。

「なるほど、髪は女の命…それを貰った、というわけですか?」

得意満面層に解説するセッコーにブレンダは振り返るととてつもなく冷たい視線を浴びせかけた。

「お主…臭いにも程があるのう。なんじゃそれ、カッコイイつもりか?センスが十年どころでなく古いのではないか?」

あ、あれ?照れ隠しにしてもなんでこんなにDISられてるのだろう?そこまで気に障ったかな解説されたのが。

そんな風に慌てふためくセッコーを尻目に、ブレンダは正解を口にする。

「ではなくての…。ワシが貰う予定だったのは、エリーゼの命だ」

親指でエリーゼの顔を指すブレンダ。

「従って、腹の子の分は報酬に入っておらん」

親指を幾らか下げ、エリーゼの腹部を指す。

一瞬しんと静まった後、村人達とセッコーは同時に声を上げた。

「「「「「えぇぇえぇええええええええええええええええっ!?」」」」」

「あら、あらあらあらあら」

と、ようやく盥の上から身を起こして口元に手を当てて声を出すエリーゼ。

どうでも良いが仕草が少しおばさん臭い。

「いつ気付きましたの、ブレンダ?」

「割と最初からじゃ。何かある度に無意識に腹をかばうように手を当てておったからの。それに、たまにつわりで戻しておったろう」

村人達は口をパクパクさせるばかりである。

何しろ、こんな辺境の村に…エリーゼの相手の素性を考えるなら、公国の王子か王女が生まれるというのである。

対してセッコーは真っ赤になりながら床に手を突いて落ち込んでいた。

「全く、お主の口から言わせるつもりが何故こうなった」

「ふふふ、だって言ったら…知ったらブレンダが私の命を取るのを諦めるのは分かっていましたもの。それはアンフェアというものです」

もしかしたら、エリーゼにはこの辺境の領に王族が誕生する事で起こるかも知れないごたごたに対しての不安があったのかも知れない。

それ故に、ブレンダが気付くかどうか、運を天に任せたのかも知れない。腹の子が生まれるか否か、天に欲されるのかどうか。

「ワシをとことん悪人にするつもりか毒婦め。…もういい。ワシに命を差し出すと言うならその命がある限りワシの生活の面倒を見ろ。それが、ワシがお主に求める条件じゃ」

それだけ言うとブレンダはソファに寝そべりながら杯を傾け始めた。それをもってようやく金縛りの溶けた村人達がエリーゼの下へと詰め寄せる。

「ああ、恥ずかしかった…。しかし、良かったんですかブレンダさん?」

ようやく復活したセッコーが語りかける。

「生活の世話をしろ、という事はこれからもこの領に留まるって事ですよね?王城領に行っても、貴方ほどの邪紋使いなら歓迎されるでしょうに?」

「おヌシ本当にいらん水を差すのう」

不愉快そうに眉根を寄せるブレンダ。

「……まぁ、ほれ。片手間にやれるような仕事というのは安い報酬で受けたりする事が往々にしてあるものじゃろう?」

「ええ、まぁ」

「ワシにとっては王城領での仕官もここに留まるのも対して変わらん。片手間仕事よ。ならわざわざ王城領まで行くのも面倒くさい」

セッコーが苦笑する。到底納得できる理屈ではない。照れ隠しなのだろうがここまでいくと滑稽だ。

だが、その滑稽さに気付かないように…あるいは気付いて誤魔化すようにブレンダは呟く。

「何しろ、ワシは”最強”ゆえには」

 

この数ヶ月の後、ナナリー領に王位継承権第14位の王女が生まれる。

その王女が、そしてこのナナリー領が中心となり公国に革命が起こる事を。

そして、やがて最強の名はブレンダからある男へと託され、数百年に渡って続いた怨念を討ち少しだけ世界を平和にする事を。

今は誰も知らなかった。




というわけで、完結です。何人が呼んでくださったかはともかく、書き上げた事に意味がある…とか逃げを打って作者は次回とかTRPGのシナリオとかを練るのです。では、お付き合いくださった皆様も拙い文の読了、お疲れ様でした。またの機会があれば是非お付き合いくだされば…良いな?(笑)
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