緋弾のアリア-X-クロス   作:350Z

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何かをやろうとした時

「やらなければできない」が大事なんだ 

でも人は知恵がつくと

「できるからやる」となるらしい 

それは結局「できないコトはやらない」だ 

それではその先は引き出せない






第三話 ウィル・ビー・カミング・バック

 

 

 

 

 

―1時間後

 

とあるお洒落な喫茶店

 

 

 

外が薄暗くなってくる中、この店に入ったあかり。黒い服装の怪しげな少女……夾竹桃も同行していた。奥の席に向かい合うように座る。煙管をくわえながらも足を組むようにしている彼女に対し、あかりは睨むような鋭い目を彼女に向けている。

 

 

 

「あなたがアリア先輩と博也先輩を……?」

 

 

 

「アリアの方は私の友人……男の方は知らないわ」

 

 

 

そう答えると共にふぅ……と煙を吐き捨てる夾竹桃。

嘘だ、何か隠しているはず……!

あかりの眉間にシワが寄り、先程よりも声を荒げさせながらも「嘘だ!」と力強く指摘した。

 

 

 

「何もなしにあの二人が同じ日にやられるなんてそんなの有り得るわけ……!」

 

 

 

「有り得るのよ……それが」

 

 

 

そう答えながらも煙管を右手に持つようにしながら背中に左手をまわし、何か写真のようなものを二枚、左右に並ぶようにテーブルの上に置く。今朝のバスジャック事件の写真だ……

 

 

 

「右が事件開始時の監視カメラの写真。写真に写っているルノーは私の友人が用意したもの。それに対し、左は事件終盤の監視カメラの写真……この三台のポルシェに関しては身に覚えがないわ。男の車はこの三台のポルシェが来た数分後に来ている。……全く関係がない話よ」

 

 

 

「惚けないで!そんなの何処に証拠が……!!」

 

 

 

「証拠はあるにはあるけど、教える気はないわ……私の友人の作戦にも影響するし」

 

 

 

そう答えながらも写真をしまって再び静かに煙管をくわえる夾竹桃。これ以上は聞いても何も出ないと仕方なしに引き下がるあかりだったが、今度は此方からと言わないばかりに夾竹桃が直ぐに話を持ち掛けてきた。

 

 

 

「間宮口伝の秘毒……鷹捲(タカマクリ)、知ってるわよね?」

 

 

 

問い掛けに対して驚くように目を見開くあかり。だが、直ぐに「知らない」と言って外方を向いて誤魔化した。が、そんな誤魔化しが通用するわけがない……夾竹桃がクスッと怪しげに笑ってから「あら」と言って彼女を追いつめるように目を向けると流石に耐えれなくなった。

 

 

 

「鷹捲は危険な技……貴方には絶対に教えない」

 

 

 

「じゃあ、教えたくなるようにしてあげるわ」

 

 

 

断固として言おうとしないあかりに対してそう言うと共に足をわざと動かして太股の辺りまで見せる夾竹桃。……武器は持っていない。勝てる……!そう考えたあかりは立ち上がると共に素早くマイクロUZIを手に取り、「動くな!」を銃口を向けた。

 

 

 

「夾竹桃、あなたを逮捕……!」

 

 

 

逮捕すると言おうとした時だ……急に首筋にチクリという感覚を感じた。何が起きているのかと疑問を抱いている間に夾竹桃が煙管を素早く動かし、先付いていた細いワイヤーのようなものを首を囲うようにする。

 

 

 

「TNK(ツイステッドナノケプラー)ワイヤー……

 

その防弾制服にも織り込まれている極細繊維よ」

 

 

 

そう説明をしながらも首を囲むように張ったTNKワイヤーでゆっくりと締め付けるようにする。

 

 

 

「戦っちゃダメ……あなた"弱いんだから"」

 

 

 

徐々に締めていくとあかりはそれから逃れようと左手でワイヤーをグイッと掴んだ。だが、締めるのが強くなっていくごとに左手の薄皮が切れ、少しずつ苦しくなっていく。

 

 

 

「いっちゃおうか?このままポトリって……交渉決裂気味みたいだし」

 

 

 

そう言いながら更に締め付けていく夾竹桃。その時だ。シュルルル!とブーメランのように回転する何かがあかりを苦しめていたワイヤーを切った。開放されてバタリッと勢いよく倒れるあかりだったが、コツコツッ……と歩み寄って来るような足音が聞こえて来ると体を起こしてそちらに目を向ける。……高千穂麗だ。

 

 

 

「弱いですって……聞き捨てならないわね。それ以上その子を傷付けるならば、傷害罪で逮捕するわよ!!」

 

 

 

ビッと指を差した後にスカートのファスナーを下ろしてホルスターに納めていたレッドホークを右手で手にとって銃口を向ける麗。彼女に続くようにあかりも再びマイクロUZIの銃口を向けると、夾竹桃は「………。」と数秒程動かずに固まった後、徐々に顔を赤らめさせていく。ハンカチを手にとって鼻の辺りを軽く押さえるようにしながらも席から立ち上がって背中を見せた。

 

 

 

「そう。そういう関係なのね……女同士の友情には口を出さないわ」

 

 

 

一枚の折り畳んだ紙をポトッと落としながらもそう言って店から出ていく夾竹桃。あかりと麗が首を傾げながらもその様子を見ていると、ピロピロピロという携帯の着信音が鳴り響いた。あかりではなく、麗の携帯だ……相手は大樹。直ぐに手にとってピッと操作しつつも「はい」と応じてみる。

 

 

 

「もしもし?」

 

 

 

「―大樹だ、大丈夫か!?」

 

 

 

「え、えぇ……特に何事もありませんわ」

 

 

 

「―そうか、良かった……いや、相手が鼻血垂らしながら出ていったの見て戦闘があったんじゃないかって心配したんだ」

 

 

 

発言を聞いてどうしてハンカチで鼻の辺りを押さえたから理解した麗は「そ、そう」と返事をする。その間にあかりは夾竹桃が落とした紙を手にとって広げた……メールアドレスのようなものが書かれている。

 

気が向いたら連絡して……ということだろうか。

 

 

 

「どうしたの?」

 

 

 

「いや……さっきはありがとう。高千穂さん」

 

 

 

紙を折り畳み直して紙をしまうあかりに対し、「フ、フン!」と顔を真っ赤にしながら背中を見せてプイッと外方を向く麗。だが、数歩だけ距離を取った後に背中を見せながらも彼女の方に再び目を向けた。

 

 

 

「病院に行くわよ」

 

 

 

「えっと、アリア先輩の……?」

 

 

 

「それもあるけど……貴女、妹いるわよね?病院付近で倒れて運ばれたわよ」

 

 

 

麗の言葉に「えっ……?」と驚きの言葉を漏らしながらも頭の中を真っ白にさせながらも固まるあかり。そんな彼女の腕を麗は「早く」と言わないばかりに掴んで店の出入口へと歩き出した。支払いをカードで済ませた後に雨が激しくなった外に出ていくと、ブォゥン!という音を鳴り響かせながらも大樹の86が迎えに来てくれた。ウィンドウを開けて二人に早速「乗って!」と呼び掛けてくる。雨の中、駆け込むように86のドアを開けるあかり。助手席側のシートを畳んでスポーツカー特有の狭い後部座席に乗り込んだ後、続くように麗も助手席を戻して乗り込んだ。

 

二人が乗ったのを確認し、大樹は86を走らせる。ブォゥゥン!という水平対抗エンジン特有の音が車内に鳴り響く中、俯いて黙り込むあかり。そんな彼女の姿をバックミラーで確認した大樹は早速、単刀直入に質問を投げ掛けた。

 

 

 

「今日1日で、君の周りにいる人が次々と何らかの被害に遭ってる……流石に何か心当たりの一つか二つ、知ってるんじゃないか?」

 

 

 

単刀直入で鋭い質問に目を大きく開かせるあかり。心当たりはあるが、言うのが怖い……だが、言わなければ被害が拡大するかもしれない。

 

そんな思いが頭の中で複雑に絡んでいると、それを割って入るようにしてある言葉が浮かんだ。前日に聞いた博也の言葉だ。

 

 

 

 

 

「―いつか話してくれよ。ずっと先でもいい……待ってるからさ」

 

 

 

 

 

「(先輩……

 

いつかって、今話さずにいつ話すんですか)」

 

 

 

……あかりの頭の中で答えは決まった。グイッと膝の上に乗せていた手に力を入れながらもゆっくりと顔を上げると、真っ直ぐとした目付きを前に座っている二人に見せた。

 

 

 

「……話します、全て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―数分後、86車内

 

 

 

後部座席に座っているあかりは二人に向けて心当たりがあることを全て話した。前に座っている二人はそれを聞いて深刻そうにしていると、運転している大樹は「つまり」と簡潔にまとめ始めた。

 

 

 

「君の一族は大昔、命に関わるような重大な仕事をしていてその上で人を殺めるような技術を身につけていた。その技術は平和になった現代でも先祖代々受け継がれていたが、技術を狙った組織が出てきた。その組織の襲撃によって一族は離散、君は妹と二人きりでの生活を余儀無くされた。しばらくの間は平穏な日々を過ごしていた君だが、君が身に付けている技術を奪おうと再び組織が動き出した……簡潔に纏めるとこんな感じか?」

 

 

 

大樹の確認に「はい」と小さく頷いて答えるあかり。それと共に制服に腕に付いていた武偵高の校章ワッペンを剥がそうと手を伸ばした。

 

 

 

「私、武偵高を辞めて夾竹桃の下に行きます。そうすれば、もうみんなに迷惑かけずに……」

 

 

 

あかりの弱気な発言に「ふざけないで!!」と声を荒げる麗。急な言葉にビクッとなりながらもワッペンから手を離すと、続けるように彼女が語り始めた。

 

 

 

「カルテットでわたくしを負かした相手がこのような弱気な発言をするなど、断じて許しませんわ!!」

 

 

 

珍しく怒りの感情を見せる麗に便乗するように運転していた大樹も「そうだ」と答えて続けるように語り始めた。

 

 

 

「君の憧れでもある"あの二人"がそれを聞いたら、黙っちゃいないだろうな……二人共、君と同じような重たい過去を背負い、立ち向かう為に武偵活動をしてるというのに」

 

 

 

「重たい……過去?」

 

 

 

「そ、博也の方は前言ったように殺された妹の敵討ち。

神崎の方は罪の濡れ衣を着せられた母親の無実を証明する為に武偵活動をしてるらしい。詳しくは知らないが」

 

 

 

そう語りながらも武偵病院が近づいていると視認した大樹。赤信号で車を停車させながらも「ふぅ……」と小さく溜め息をついた後にこう語る。

 

 

 

「君の手段は言うなら"逃げ"だ。

逃げの手段は後に後悔と虚しさしか残らない……俺も前までよく逃げていたから分かるんだ。俺の場合は一時的な後悔しか残らなかったが、君の場合は一生残るだろう。相手がどれだけ強くても、君は立ち向かうべきだ。

 

……自分自身と君を支える仲間を信じて」

 

 

 

その発言が心に突き刺さったのか、「………。」と黙り込んで俯くあかり。そして、少しだけ間を開けてから「はい」と小さく頷いて答えた。

 

 

 

「……頑張ります。私、夾竹桃と戦います」

 

 

 

その答えを聞いて「そうか」と答えて口元を緩ませる大樹。青信号になったのを確認してから再び車を走らせていく……少ししてから病院の駐車場に到着したが、後部座席に座っていたあかりはあることに気付く。

 

……前に来た時に停まっていた博也のZがないのだ。

 

 

 

「あれ、博也先輩は……?」

 

 

 

「さっきまで来た時にはいたけど、何処か行ったみたいだ……でも、アイツのことだ。心配することはないと思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―同時刻、とある喫茶店

 

照明や天井に取り付けられているシーリングファン……

白と黒で統一されていて趣こそあるが、テーブル席がなく、食器棚や洗い場、コンロが置いてある調理場とカウンター席にレジしかないような狭い店。

 

そんな店の店内で50代後半ぐらいの白髪で切れ長の目付きをした黒い服装のマスターらしき男が閉店しようと調理場で片付けを行っていた。その最中、入り口に取り付けられていたベルがチャリンチャリンッと店内に鳴り響く……誰か入って来たのだ。

 

 

 

「誰だー、表の閉店の札読めなかったのか?」

 

 

 

そう言いながらも片付けの手を止め、ふと出入口の方に目を向ける……

 

茶髪でどこか緩いベリーショート、やる気が無さそうな感じの目付きで背丈は170cmぐらいの男……博也だ。雨で少しだけ服や紙を濡らしながらも右手に小さめの黒いエナメルバックを持っている。

 

相手を確認したマスターは「おぉ」と声を出しながらも歓迎するように笑みを浮かべた。

 

 

 

「誰かと思えばお前だったか。久々だな……何かあったのか」

 

 

 

そう問い掛けてくるマスターに対し、何も言わずにカウンター席に座ってエナメルバックを開けて何かを勢いよく取り出す博也。

 

……札束だ。

 

一束100万はあるような札束を三つ取り出すと共に勢いよく頭を下げる。

 

 

 

「片岡さん……頼みがあります」

 

 

 

頭を下げる博也……片岡というのはマスターの名前だ。

その片岡は真面目な表情に変えつつも札束を手に取った。

 

これほどの大金を費やしてまでして欲しいこととは何なのか?

 

気になった片岡は札束を置いて煙草を口にくわえながらも問い掛けた。

 

 

 

「頼みって……なんだ?」

 

 

 

「片岡さんのガレージに置いてる試作のZ33の超軽量硬化フレーム……あれで俺のZのフレームを組んで貰えませんか?」

 

 

 

博也の頼みに対して「フッ」と再び笑みを浮かべる片岡。

「いいだろう」と答えると共に下げていた頭をゆっくりと上げた博也の方に目を向けると共にくわえていた煙草に火をつけてからこう語り始める。

 

 

 

「俺も昔からずっとZに乗ってきた。

S30、S130、Z31、Z32、Z33……今はS30と現行のZ34の二台持ちだ。だから、Z乗りの気持ちはよく分かるんだ。同じZ乗りとしてその気持ちには答えてやりたい」

 

 

 

そう言いながらも背中を見せてレジの方へと向かう片岡。壁の片隅に隠していたスイッチを押すと、食器棚がゴゴゴ……という音を上げながら左右に開くように動き始めた。バタンッと止まると共に店の広さの倍以上はあるような広いガレージが姿を見せる。

 

 

 

 

 

 

「―車を入れろ。しばらくの間、喫茶店は休業だ」

 

 

 

 

 

 









はい、どうも350Zです。


第三話、いかがでしたか?



特に大したアクションはありませんでしたが……


貧乏博也くんがZに更に金を費やしました←


コイツ、すげえ……

てか、その300万は何処から出てきたんだ?



と思う方いると思いますが、貯めてた金額なんでしょうね……Zの為に。



さて、

超軽量硬化フレームという謎のものが出てきましたが、どのようなものなのか?


そして、夾竹桃と戦うこと決意したあかりは?


今回、出番が無かったポルシェ軍団は再び動くのか?


疑問が残りますが、それはまた次回!


御期待下さい(渡○也)





では、久々にプライベートの話しをしまーす。



先日、久々に仲間とツーリングに行きました。


車種はハコスカ(70年代)、マークII(80年代)、スープラ(80年代)……そして、私のZ(00年代)です。




あれ、Z……若僧じゃね?




というのはさて置いて。


とりあえず、その4台で近場のダムまで流すことに……


ちなみに隊列はスープラ、Z、ハコスカ、マークII。


先頭のスープラは山に入ると共に早速飛ばし始めました。



「お、行ったなー!」



旧式とは言え、流石はスポーツカー。

私もついていくようにアクセルを踏み込みました。


正直、抜こうと思えば抜けましたが対向車来たら危ないのでついていくだけ←

いやー、でもいいっすね←←



なんて思いながらもバックミラーを見ましたが……


あれ、後ろ二台がいないぞ?



何処に行った?という疑問を抱きながらもスープラと共に途中にあった道の駅に入り、駐車。


車から降り、スープラの仲間としゃべりながらも待つこと数分後……



ようやくハコスカとマークIIが姿を見せました。


そして、窓を開けたハコスカの仲間が「やべえ!」と言ってからあることを口にします……



「ボディ、歪んだかも!!」



……え?


歪んだって、どれだけボディ脆いですか!!?


等と突っ込みを入れたくなるような衝動に駆られながらも、苦笑いして二台を迎え入れて350Zでした……
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